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7歳

こわくなんてない

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「……あつ」

今、何時だろう?暑くて目が覚めてしまった。


サイドテーブルの電気を付けると、いつも少し開いてるはずの窓が開いてない事に気づいた。

だからか…


そうだ昨日夜まで部屋にいた月都兄様との話の途中で寝落ちしちゃったんだ。

着替えられている服を見ると兄様が全てしてくれたのだろう少しぐちゃっとしていた。
なんでも出来そうな兄様も少し不器用な所あるんだな……


多分窓が開いてるのに気づいて閉めてくれたんだろう。
ありがたいけど暑くて死ぬかと思ったよ兄様…

暑くて服をパタパタしていると服が少し湿っていた。
…あーめんどくさいけど着替えなくちゃ、また風邪をひいて軟禁生活へ逆戻りなんてもう嫌だ。

体を拭いて服を着替える。
汗の匂いも無く、スッキリしていて気持ちがいい。

ちょっと涼もうかな
閉まっていた窓を大きく開けると涼しい風が一気に入ってくる。

あーーーー。きもちい!
さっきまでジメジメしていた部屋の空気と違って凄く気持ちがいい。

窓枠に肘をついて手に顔をのせる。

「いいな、これ」
ただ風に当たっているだけなのだが、この時間が何故か楽しい。
最近考えなきゃいけないことばっかだったから無になる時間も必要なのかもしれない。

夜の匂いが好きだ。
どんな匂いって言われると表せないのだが朝も昼も夜も匂いが違う。

俺だけ…?

前世でも、よく夜に散歩していた。
夏でも夜になると涼しくなるから近くの公園でぼーっとしてたっけ……
今考えると不審者だな。

あと山の匂いも好き、都会とは違う澄んだ空気に、緑の匂い。
優ではこの屋敷の敷地内から一歩も出たことないし山なんていつ行けるのやら……だれか連れてってくれないかな……?


……やめよ……


よし!寝る!

窓を少しだけ閉めようと手をかけた時何かが目に付いた。



……人?


ここは二階の部屋だから庭の全体が良く見えるので何かが動いているとよく分かる。とくに夜は人が居ないから分かりやすい。

あ、止まった。
何か座った


……あそこ……

……あ!この前俺が隠れてた木に挟まれてるベンチ!


で、誰?


時計を見ると今は夜の3時。こんな時間に誰かが庭の掃除をするなんて聞いたことも無いし………まぁ俺には教えて貰ってないだけかもだけど……

とにかく、なんか怖いから寝よう。うん。
まぁあ使用人かもしれないし!この家多分セキュリティは万全だし……?
ゆ、ゆうれいなんていないし!!!!!!

ね、ねるぞ!

素早くベッドに入って、毛布を頭の上まで被って丸くなる。

……


……





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

トントン

「優様おはようございます。」

「……はいってー」

失礼致しますと言って入った美紅さんはおれの顔を見ると動きが止まった。

「……」

「……」

「優様」

「……」

「夜更かししましたね?」 

「ち、ちがうもん!」

幽霊が怖くて寝れなかっただけなんて死んでも言えないよ!!!

「本を読まれていたのですか?」

ギクッ

寝れなかったから本を3冊だけだよ?3冊だけ読んでその後はちゃんと寝る体勢になったよ?

寝れなかったけど

「……仰らないおつもりですね。」

「……」

「分かりました。」

……

「皆様に報告させていただきます。」

報告?みんなに??え?ちょっとまって、今日はみんな居る日だしこれめちゃめちゃ怒られるパターンじゃない???

「あの、美紅さん、あの…許して……?」

どうだ!上目遣い攻撃!

「だめです。」
くそっ…美紅さんにはもう効かないかっ……!!!

「それにお顔を見れば一目瞭然なので皆様もお分かりになると思います。」

顔?ベッドを降りて走って洗面所に向かう

……

こんなん美紅さんに報告されなくてもみんなにバレちゃうよ……

がすごいんだもん……

はい!夜更かししました!って顔してるし……

これは怒られる覚悟を決めなきゃだな…



はぁ…憂鬱……あれもこれも全部怖がりなが悪いんだ!
















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