178 / 180
夢に咲く花
104
しおりを挟む
ヘルメルとマリーの面会、決まった後は早かった。
ヘルメルは孝宏たちを臨時雇用し自分の同行者として登録した。マリーとゆっくり話す時間が必要とのことで、カノ国へは2日後の出発だ。
一般的に見れば随分急な命令であっても、慌てる者はなく、淡々と準備が進んでいった。
ソコトラ村からカノ国にある目的の町までは、徒歩であれば一日でたどり着ける距離にあるが、アノ国は大陸を三分する国の一つ。縦方向に長く広大な面積を有する国だ。
現在、滞在中の町からソコトラ村まで陸路で、無理のない日程を組めば四日から五日かかる。
しかし飛行船を使えば、カノ国の村人が保護されている町まで六時間もあれば着けるだろう。
明後日には町を離れ、カノ国に出立する。孝宏はその時になりようやく飛行船の外に出た。
数日ぶりに踏む地面の感触に、引きこもっていた期間の長さを実感させられる。
今日はまた灰色の雲が空を覆う、実に冬らしい日だ。孝宏は贈り物のマフラーを首に巻いた。
これまでなくとも耐えられていたのだからと思っていたが、あるだけでこれほど温かいのかと、ルイに言わせればごく当然の感想を抱いた。
「では行きましょうか」
孝宏とルイ、二人が出てきた所で、ナキイが言った。
護衛と案内役として、彼とあともう一人、今日は一日孝宏たちに同行する。二人ともが襟元がモコモコした暖かそうなコートを着込んでいる。
「よろしくお願いします」
孝宏は上着のポケットから手を出し、軽く頭を下げた。
今日はどうしても行きたい場所があり、孝宏がルイを誘った。途中お土産も買っていく。
道中、すでに営業を始めている店の方が多い事に孝宏は驚いたが、ルイたちには理解されなかった。寧ろ翌日にはいくつかの店は営業を再開していたと聞き、孝宏の方が驚いた。
ただそれは商人根性というだけではなく、襲撃が狭い範囲で起きた事と、通常、魔術を使用すれば短時間で壊れた建物道路など修復できるからだ。
すっかり感心する孝宏にルイが満足そうに頷くと、孝宏は自分がやったわけでもないだろうにと返す。
孝宏の事情を知らない者には、随分世間知らずに見えただろう。微笑ましく笑みがこぼれるナキイに対し、もう一人の兵士真顔で呆れた様に首をやや傾げた。
いつも通りに振舞っているがその実、孝宏はあの日以来の町に、内心は酷く落ち着かなかった。
蜘蛛が物陰に隠れているのではないか。また見えない蜘蛛の巣が残っていて襲ってくるのではないか、孝宏は無意識の内に、虫によく似た巨大な化け物たちを探した。
この調子で最後まで身が持つのか、自身でも心配になったが、しかし、経験は孝宏を知らずの内に強くしていた。
一度は乗り切ったという自信が、徐々にではあるが足取りを軽くさせていく。
飛行場を出発してから約一時間後、ようやく目的地に着くことができた。
古いレンガ造りの街並みの一角にある、こじんまりとした病院。中は白を基調とした清潔感あふれるレイアウト。
町を離れると決まった時真っ先にここを思い出した。礼も詫びもなく、町を去ることなどできなかった。
「ここだ……ありがとうございます」
目的地について孝宏はまずナキイたちに礼を述べた。この色々と準備に忙しい時に、自分のわがままに付き合わせた二人に対し、内心申し訳なく思っていた。
少しでも時間が惜しいだろう。孝宏はできるだけ早く済ますつもりで中に入った。
「今日は誰もいないや」
さほど広くないロビーがガランとしている。病院の扉は開いたというのに、順番待ちをする患者の姿も、受付の少年の姿もない。
静かな病院にあの日を思い出し孝宏は身震いした。ルイもまたベッドに横たわる孝宏を思い出し頭を乱暴に掻いた。何を考えてるんだと。
「スミマセーン、誰かいませんか?」
試しにと、孝宏は受け付けの中を覗き込んだが、やはり誰もいなかった。受付横のドアを開くと、廊下は暗くシンと静まり返っている。
「待って下さい。私が先に行きます」
ナキイでない方の兵士が。廊下を覗く孝宏を引き留めた。
「……はい」
頼まれたって入らない、そんな事をなから思いながら孝宏は後ろに下がった。
孝宏は双子やカダンに比べると、臆病に見えるかもしれない。
孝宏は彼らに比べ聴力が劣る分、例えばルイなら気付ける事も孝宏には存在しないも同然で、人によるが、孝宏にとって解らないとは恐怖なのだ。暗く物音一つしない廊下は、嫌な想像だけが膨らんでいく。
ナキイが孝宏とルイの二人をガードするように後ろに立った。兵士同士視線を交わし頷き合うと、一人が廊下の奥に入って行った。
ピリっとした空気に、さしもの孝宏も様子がおかしいことに気が付いた。
(留守じゃないの?何かあんの?)
例えば火事場泥棒なんで言葉がある。
火事や地震で家が留守になるとそれを狙った泥棒が表れるのは、異世界とて事情は同じだ。運悪く強盗と鉢合わせ殺されてしまう不幸な事件だってごまんとある。
(いや……でもあの先生大きい人だったし……熊だったし……)
アレに勝てる人間はいない。少なくと地球ならだが。
孝宏が固唾をのんで状況を見守っていると、突然廊下の左奥にドアが現れた。実際は初めからそこに在ったが、暗闇に目が慣れない孝宏には、現れた様に感じた。
中から出てきたのは赤い髪の助手の女だ。
「何ですか、あなた方は。今病院はしておりませんので、他をお願いします」
ドアから漏れる光で彼女の表情は見えないが、声に覇気はなく疲れている。孝宏は緊張した面持ちで口を開いた。手土産を差し出すように持ち上げる。
「と、突然すみません!俺たち治療のお礼を言いたくて来ました!……先生はいますか?」
孝宏に気が付くと助手の女は表情を歪めた。
何せあの日化物の襲来ともにやってきた患者だ。助手の女も孝宏の顔をよく覚えていた。助手の女はやや間をあけ、重々しく口を開いた。
「先生は居りません。死にましたから」
孝宏は体温がサッと下がるのを感じた。
死んだと言われ、孝宏がようやく絞り出した言葉は≪どうして≫だった。人間許容しがたい事柄に直面すると、思考を停止させるのだと実感する。
ヘルメルは孝宏たちを臨時雇用し自分の同行者として登録した。マリーとゆっくり話す時間が必要とのことで、カノ国へは2日後の出発だ。
一般的に見れば随分急な命令であっても、慌てる者はなく、淡々と準備が進んでいった。
ソコトラ村からカノ国にある目的の町までは、徒歩であれば一日でたどり着ける距離にあるが、アノ国は大陸を三分する国の一つ。縦方向に長く広大な面積を有する国だ。
現在、滞在中の町からソコトラ村まで陸路で、無理のない日程を組めば四日から五日かかる。
しかし飛行船を使えば、カノ国の村人が保護されている町まで六時間もあれば着けるだろう。
明後日には町を離れ、カノ国に出立する。孝宏はその時になりようやく飛行船の外に出た。
数日ぶりに踏む地面の感触に、引きこもっていた期間の長さを実感させられる。
今日はまた灰色の雲が空を覆う、実に冬らしい日だ。孝宏は贈り物のマフラーを首に巻いた。
これまでなくとも耐えられていたのだからと思っていたが、あるだけでこれほど温かいのかと、ルイに言わせればごく当然の感想を抱いた。
「では行きましょうか」
孝宏とルイ、二人が出てきた所で、ナキイが言った。
護衛と案内役として、彼とあともう一人、今日は一日孝宏たちに同行する。二人ともが襟元がモコモコした暖かそうなコートを着込んでいる。
「よろしくお願いします」
孝宏は上着のポケットから手を出し、軽く頭を下げた。
今日はどうしても行きたい場所があり、孝宏がルイを誘った。途中お土産も買っていく。
道中、すでに営業を始めている店の方が多い事に孝宏は驚いたが、ルイたちには理解されなかった。寧ろ翌日にはいくつかの店は営業を再開していたと聞き、孝宏の方が驚いた。
ただそれは商人根性というだけではなく、襲撃が狭い範囲で起きた事と、通常、魔術を使用すれば短時間で壊れた建物道路など修復できるからだ。
すっかり感心する孝宏にルイが満足そうに頷くと、孝宏は自分がやったわけでもないだろうにと返す。
孝宏の事情を知らない者には、随分世間知らずに見えただろう。微笑ましく笑みがこぼれるナキイに対し、もう一人の兵士真顔で呆れた様に首をやや傾げた。
いつも通りに振舞っているがその実、孝宏はあの日以来の町に、内心は酷く落ち着かなかった。
蜘蛛が物陰に隠れているのではないか。また見えない蜘蛛の巣が残っていて襲ってくるのではないか、孝宏は無意識の内に、虫によく似た巨大な化け物たちを探した。
この調子で最後まで身が持つのか、自身でも心配になったが、しかし、経験は孝宏を知らずの内に強くしていた。
一度は乗り切ったという自信が、徐々にではあるが足取りを軽くさせていく。
飛行場を出発してから約一時間後、ようやく目的地に着くことができた。
古いレンガ造りの街並みの一角にある、こじんまりとした病院。中は白を基調とした清潔感あふれるレイアウト。
町を離れると決まった時真っ先にここを思い出した。礼も詫びもなく、町を去ることなどできなかった。
「ここだ……ありがとうございます」
目的地について孝宏はまずナキイたちに礼を述べた。この色々と準備に忙しい時に、自分のわがままに付き合わせた二人に対し、内心申し訳なく思っていた。
少しでも時間が惜しいだろう。孝宏はできるだけ早く済ますつもりで中に入った。
「今日は誰もいないや」
さほど広くないロビーがガランとしている。病院の扉は開いたというのに、順番待ちをする患者の姿も、受付の少年の姿もない。
静かな病院にあの日を思い出し孝宏は身震いした。ルイもまたベッドに横たわる孝宏を思い出し頭を乱暴に掻いた。何を考えてるんだと。
「スミマセーン、誰かいませんか?」
試しにと、孝宏は受け付けの中を覗き込んだが、やはり誰もいなかった。受付横のドアを開くと、廊下は暗くシンと静まり返っている。
「待って下さい。私が先に行きます」
ナキイでない方の兵士が。廊下を覗く孝宏を引き留めた。
「……はい」
頼まれたって入らない、そんな事をなから思いながら孝宏は後ろに下がった。
孝宏は双子やカダンに比べると、臆病に見えるかもしれない。
孝宏は彼らに比べ聴力が劣る分、例えばルイなら気付ける事も孝宏には存在しないも同然で、人によるが、孝宏にとって解らないとは恐怖なのだ。暗く物音一つしない廊下は、嫌な想像だけが膨らんでいく。
ナキイが孝宏とルイの二人をガードするように後ろに立った。兵士同士視線を交わし頷き合うと、一人が廊下の奥に入って行った。
ピリっとした空気に、さしもの孝宏も様子がおかしいことに気が付いた。
(留守じゃないの?何かあんの?)
例えば火事場泥棒なんで言葉がある。
火事や地震で家が留守になるとそれを狙った泥棒が表れるのは、異世界とて事情は同じだ。運悪く強盗と鉢合わせ殺されてしまう不幸な事件だってごまんとある。
(いや……でもあの先生大きい人だったし……熊だったし……)
アレに勝てる人間はいない。少なくと地球ならだが。
孝宏が固唾をのんで状況を見守っていると、突然廊下の左奥にドアが現れた。実際は初めからそこに在ったが、暗闇に目が慣れない孝宏には、現れた様に感じた。
中から出てきたのは赤い髪の助手の女だ。
「何ですか、あなた方は。今病院はしておりませんので、他をお願いします」
ドアから漏れる光で彼女の表情は見えないが、声に覇気はなく疲れている。孝宏は緊張した面持ちで口を開いた。手土産を差し出すように持ち上げる。
「と、突然すみません!俺たち治療のお礼を言いたくて来ました!……先生はいますか?」
孝宏に気が付くと助手の女は表情を歪めた。
何せあの日化物の襲来ともにやってきた患者だ。助手の女も孝宏の顔をよく覚えていた。助手の女はやや間をあけ、重々しく口を開いた。
「先生は居りません。死にましたから」
孝宏は体温がサッと下がるのを感じた。
死んだと言われ、孝宏がようやく絞り出した言葉は≪どうして≫だった。人間許容しがたい事柄に直面すると、思考を停止させるのだと実感する。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
巻き戻りした悪役令息は最愛の人から離れて生きていく
藍沢真啓/庚あき
BL
婚約者ユリウスから断罪をされたアリステルは、ボロボロになった状態で廃教会で命を終えた……はずだった。
目覚めた時はユリウスと婚約したばかりの頃で、それならばとアリステルは自らユリウスと距離を置くことに決める。だが、なぜかユリウスはアリステルに構うようになり……
巻き戻りから人生をやり直す悪役令息の物語。
【感想のお返事について】
感想をくださりありがとうございます。
執筆を最優先させていただきますので、お返事についてはご容赦願います。
大切に読ませていただいてます。執筆の活力になっていますので、今後も感想いただければ幸いです。
他サイトでも公開中
【完結】婚活に疲れた救急医まだ見ぬ未来の嫁ちゃんを求めて異世界へ行く
川原源明
ファンタジー
伊東誠明(いとうまさあき)35歳
都内の大学病院で救命救急センターで医師として働いていた。仕事は順風満帆だが、プライベートを満たすために始めた婚活も運命の女性を見つけることが出来ないまま5年の月日が流れた。
そんな時、久しぶりに命の恩人であり、医師としての師匠でもある秋津先生を見かけ「良い人を紹介してください」と伝えたが、良い答えは貰えなかった。
自分が居る救命救急センターの看護主任をしている萩原さんに相談してみてはと言われ、職場に戻った誠明はすぐに萩原さんに相談すると、仕事後によく当たるという占いに行くことになった。
終業後、萩原さんと共に占いの館を目指していると、萩原さんから不思議な事を聞いた。「何か深い悩みを抱えてない限りたどり着けないとい」という、不安な気持ちになりつつも、占いの館にたどり着いた。
占い師の老婆から、運命の相手は日本に居ないと告げられ、国際結婚!?とワクワクするような答えが返ってきた。色々旅支度をしたうえで、3日後再度占いの館に来るように指示された。
誠明は、どんな辺境の地に行っても困らないように、キャンプ道具などの道具から、食材、手術道具、薬等買える物をすべてそろえてた。
3日後占いの館を訪れると。占い師の老婆から思わぬことを言われた。国際結婚ではなく、異世界結婚だと判明し、行かなければ生涯独身が約束されると聞いて、迷わず行くという選択肢を取った。
異世界転移から始まる運命の嫁ちゃん探し、誠明は無事理想の嫁ちゃんを迎えることが出来るのか!?
異世界で、医師として活動しながら婚活する物語!
全90話+幕間予定 90話まで作成済み。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる