159 / 180
夢に咲く花
85
しおりを挟む
――壁に敵が潜んでいる可能性がある。破片が崩れ落ちる壁に留意せよ――
耳のカフスを通じて伝えられてから、応援要請を受けるまでそれほど時間は経っていなかった。
救援を求められすぐさま駆けだしたマリーをナキイは無理矢理に抱え、彼女が悲鳴を上げるのも構わず、手慣れた様子で壁をよじ登った。
崩れ落ちる壁に目もくれず屋根を駆けるのだが、防具を身につけたマリーを片手で軽々と担いでいるのにも関わらず、ナキイの動きは俊敏で軽やかだ。
道路をまたいで隣の建物に飛び移れば、ナキイの目は着地する瞬間まで忙しなく動き、足下に巨大蜘蛛が生えてきた時には、手に持った銃から放った固まる網でかっちり拘束した後、背中を踏みつけ乗り越えた。
たてがみが面倒という理由だけで、いつもは薬により血の制限を課しているのもすべて開放し、己の100%で壁を登り屋根を行く。
ヘルメットからはみ出した立派なたてがみを風になびかせて道路を飛び越える。
目指しているのは住宅街から商業区に抜ける、比較的細い道。彼女のいる場所だ。
ナキイの脳裏には、昨日出会ったばかりの女性が思い浮かんでいた。
本当なら同じの班であったはずが直前の命令変更のために叶わず、何のために本来の任務を放棄してまでここにいるのかもわからない。
故に彼女のいる班からの応援要請に真っ先に駆けだした護衛対象にこれ幸いと便乗する形で、今彼女の元へ向かっている。
全速力で一瞬たりとも足を止めずに行く。それでも現場に到着した時にはすでに混乱状態に陥っていた。
兵士に対して巨大蜘蛛の数が多すぎるのだ。今通り過ぎてきたどの現場よりも数が多く、むしろここに集中させているのでないかと思わざる得ない程だ。
応援要請すらもないもう一つの班は果たして無事だろうか。ナキイは唾を飲みこんだ。
「カダンはどうしたの?」
マリーが狼狽え言った。
それというのも、カダンは獣姿で巨大蜘蛛に四肢を噛まれ身動きが取れないでいるばかりか、持っていたはずの大刀も見当たらない。
もちろんカダン一人が刃を振るったところで打開できる状況でないのは明白だが、それでも有効な手立てというのはあるのとないのとでは大きな違いを生む。
「何かあるのか?何かを、追っている?いや……」
群がる蜘蛛に邪魔されなかなか近づけないでいるが、よくよく見れば、カダンは常にとある一点に向かっている。
「あそこ!」
マリーはカダンが必死に向おうとしている視線の先に、壁の一部が崩れてしまった建物を発見した。
大きく開いた穴に何匹もの巨大蜘蛛が群がり、一見すると、中の住人の生存は絶望的に思われた。
マリーが指さした建物は今いる場所と道路を挟んで反対側。降りて向かったのでは、カダンと同じ鉄を踏むことになるだろう。
距離は十分。ナキイはマリーを脇に抱えたまま屋根の上を走り出した。
どうせ彼はこのまま穴まで飛ぶのだろうと、マリーは奥歯を食いしばり、ぶれないようナキイにしがみついた。雑な扱いも繰り返せば慣れるというものだ。
マリーが考えた通りやはりナキイは飛んだ。
奮闘する兵士も黒く蠢く巨大蜘蛛も飛び越え、しかし壁の穴に向かい落下するのではなく、面前に壁が迫ってくる。
マリーは来たる衝撃に備えて目をきつくつむった。
「ひっ」
壁にぶつかる直前、マリーは身を縮こまらせきたる衝撃に備えた。だが、結局頭や体が壁にぶつかる事はなかった。その代わり固いが弾力のある何かを介して衝撃が伝わってくる。
「急ぎ故に乱暴になってしまい申し訳ありません」
壁とマリーの間に挟まりながらナキイが言った。
建物から建物から、道路を飛び越え、窓の格子に片手で捕まりぶら下がる。あまりにも強靭過ぎる。それに比べ自分はどうだろうか。マリーは顧みる。
本当は怖かったと言えればどれだけ楽か。しかし、それはマリーのプライドがそれを許さなかった。
「いいえ、理解してるから大丈夫です」
今はまだ勇者としてなすべきことをするべき時だ。マリーは呼吸を整えながら、意識を巨大蜘蛛に向けた。
穴に群がっていると思われた巨大蜘蛛の大半は、すでに死んで押しやられ、中心で数匹の巨大蜘蛛が蠢くのみとなっていた。建物の中では男が一人カダンの大刀で巨大蜘蛛の頭を叩いている。
ナキイはマリーを下ろし、彼女を視界の片隅に置きつつも、巨大蜘蛛の一匹に手袋のまま手をかけた。群がる巨大蜘蛛の中に人を見つけたからだ。
マリーはというと、入り口の巨大蜘蛛をさっと飛び越え、大きなテーブルを交わし、おそらく家人と思われる男を止めにいった。
男は腰が引け、顔は巨大蜘蛛を見ずに何度も何度も大刀を振り下ろしている。
「もう死んでる!」
「はっ」
マリーが声をかけると、男は弾けたように後退った。目は限界まで見開かれ、肩で息をしている。全身を震わせているのは、恐怖だけでない。どれほど力んでいるのか、大刀を握る手は白い。
「大丈夫、あとは私に任せなさい!」
マリーは自信たっぷりに言った。威勢よく胸を拳で叩く。それで、フェイスガードもあげ、余裕の笑みを浮かべれば、男も多少は落ち着くと思ったのだ。
マリーが男の手に触れ笑んだまま解けば、男はあっけなく柄を手放しマリーに大刀を渡した。
マリーは大刀を受け取るとそれで巨大蜘蛛の首を両断した。それから出来るだけ巨大蜘蛛の体に細かく刃を入れていく。昨日死んだと思っていた個体が、急に動き出してからはずっとそうしている。
頭を潰し、首をはね飛ばし、足を胴から削ぎ落とし、胴は輪切りに細断する。死体を見慣れた兵士でも顔を背けた容赦のなさは、一見すると狂気でしかない。
「あぁ……ああぁ……」
男は腰を抜かし座り込んだまま床を蹴った。
化け物が死んだ安堵感もあったが、男にとってあれほど堅かったその化け物をいともたやすく、しかも過剰なまで細切れにするマリーに畏れを感じ、同時に化け物の血に塗れていく自宅の床を片付けなければならない憂鬱さが、男から気力を根こそぎ奪っていく。
自分よりも遙かに強そうに見える男のていたらくに、マリーが呆れてため息をついたかとういうとそうではない。
マリーは嫌な顔一つせず男に手を貸し、二階に隠れるよう階段まで誘導した。
「子供が上にいるんです」
震える男の訴えにも、だからどうしたと思いもしない。
「わかった。絶対に二階には上げないから安心して」
マリーは答えながら、そうかと思った。
男はこの化け物たちを二階に上げないために降りてきたのだ。
二階で襲われればたとえ自分が囮になったとしても外に逃げ場はなく、別の部屋に隠れたとしてもじきに餌食になってしまうかもしれない。
子供を守るためには、ここで何としてでも食い止めるしかなかったのだ。
「大丈夫……絶対二階には上げない」
耳のカフスを通じて伝えられてから、応援要請を受けるまでそれほど時間は経っていなかった。
救援を求められすぐさま駆けだしたマリーをナキイは無理矢理に抱え、彼女が悲鳴を上げるのも構わず、手慣れた様子で壁をよじ登った。
崩れ落ちる壁に目もくれず屋根を駆けるのだが、防具を身につけたマリーを片手で軽々と担いでいるのにも関わらず、ナキイの動きは俊敏で軽やかだ。
道路をまたいで隣の建物に飛び移れば、ナキイの目は着地する瞬間まで忙しなく動き、足下に巨大蜘蛛が生えてきた時には、手に持った銃から放った固まる網でかっちり拘束した後、背中を踏みつけ乗り越えた。
たてがみが面倒という理由だけで、いつもは薬により血の制限を課しているのもすべて開放し、己の100%で壁を登り屋根を行く。
ヘルメットからはみ出した立派なたてがみを風になびかせて道路を飛び越える。
目指しているのは住宅街から商業区に抜ける、比較的細い道。彼女のいる場所だ。
ナキイの脳裏には、昨日出会ったばかりの女性が思い浮かんでいた。
本当なら同じの班であったはずが直前の命令変更のために叶わず、何のために本来の任務を放棄してまでここにいるのかもわからない。
故に彼女のいる班からの応援要請に真っ先に駆けだした護衛対象にこれ幸いと便乗する形で、今彼女の元へ向かっている。
全速力で一瞬たりとも足を止めずに行く。それでも現場に到着した時にはすでに混乱状態に陥っていた。
兵士に対して巨大蜘蛛の数が多すぎるのだ。今通り過ぎてきたどの現場よりも数が多く、むしろここに集中させているのでないかと思わざる得ない程だ。
応援要請すらもないもう一つの班は果たして無事だろうか。ナキイは唾を飲みこんだ。
「カダンはどうしたの?」
マリーが狼狽え言った。
それというのも、カダンは獣姿で巨大蜘蛛に四肢を噛まれ身動きが取れないでいるばかりか、持っていたはずの大刀も見当たらない。
もちろんカダン一人が刃を振るったところで打開できる状況でないのは明白だが、それでも有効な手立てというのはあるのとないのとでは大きな違いを生む。
「何かあるのか?何かを、追っている?いや……」
群がる蜘蛛に邪魔されなかなか近づけないでいるが、よくよく見れば、カダンは常にとある一点に向かっている。
「あそこ!」
マリーはカダンが必死に向おうとしている視線の先に、壁の一部が崩れてしまった建物を発見した。
大きく開いた穴に何匹もの巨大蜘蛛が群がり、一見すると、中の住人の生存は絶望的に思われた。
マリーが指さした建物は今いる場所と道路を挟んで反対側。降りて向かったのでは、カダンと同じ鉄を踏むことになるだろう。
距離は十分。ナキイはマリーを脇に抱えたまま屋根の上を走り出した。
どうせ彼はこのまま穴まで飛ぶのだろうと、マリーは奥歯を食いしばり、ぶれないようナキイにしがみついた。雑な扱いも繰り返せば慣れるというものだ。
マリーが考えた通りやはりナキイは飛んだ。
奮闘する兵士も黒く蠢く巨大蜘蛛も飛び越え、しかし壁の穴に向かい落下するのではなく、面前に壁が迫ってくる。
マリーは来たる衝撃に備えて目をきつくつむった。
「ひっ」
壁にぶつかる直前、マリーは身を縮こまらせきたる衝撃に備えた。だが、結局頭や体が壁にぶつかる事はなかった。その代わり固いが弾力のある何かを介して衝撃が伝わってくる。
「急ぎ故に乱暴になってしまい申し訳ありません」
壁とマリーの間に挟まりながらナキイが言った。
建物から建物から、道路を飛び越え、窓の格子に片手で捕まりぶら下がる。あまりにも強靭過ぎる。それに比べ自分はどうだろうか。マリーは顧みる。
本当は怖かったと言えればどれだけ楽か。しかし、それはマリーのプライドがそれを許さなかった。
「いいえ、理解してるから大丈夫です」
今はまだ勇者としてなすべきことをするべき時だ。マリーは呼吸を整えながら、意識を巨大蜘蛛に向けた。
穴に群がっていると思われた巨大蜘蛛の大半は、すでに死んで押しやられ、中心で数匹の巨大蜘蛛が蠢くのみとなっていた。建物の中では男が一人カダンの大刀で巨大蜘蛛の頭を叩いている。
ナキイはマリーを下ろし、彼女を視界の片隅に置きつつも、巨大蜘蛛の一匹に手袋のまま手をかけた。群がる巨大蜘蛛の中に人を見つけたからだ。
マリーはというと、入り口の巨大蜘蛛をさっと飛び越え、大きなテーブルを交わし、おそらく家人と思われる男を止めにいった。
男は腰が引け、顔は巨大蜘蛛を見ずに何度も何度も大刀を振り下ろしている。
「もう死んでる!」
「はっ」
マリーが声をかけると、男は弾けたように後退った。目は限界まで見開かれ、肩で息をしている。全身を震わせているのは、恐怖だけでない。どれほど力んでいるのか、大刀を握る手は白い。
「大丈夫、あとは私に任せなさい!」
マリーは自信たっぷりに言った。威勢よく胸を拳で叩く。それで、フェイスガードもあげ、余裕の笑みを浮かべれば、男も多少は落ち着くと思ったのだ。
マリーが男の手に触れ笑んだまま解けば、男はあっけなく柄を手放しマリーに大刀を渡した。
マリーは大刀を受け取るとそれで巨大蜘蛛の首を両断した。それから出来るだけ巨大蜘蛛の体に細かく刃を入れていく。昨日死んだと思っていた個体が、急に動き出してからはずっとそうしている。
頭を潰し、首をはね飛ばし、足を胴から削ぎ落とし、胴は輪切りに細断する。死体を見慣れた兵士でも顔を背けた容赦のなさは、一見すると狂気でしかない。
「あぁ……ああぁ……」
男は腰を抜かし座り込んだまま床を蹴った。
化け物が死んだ安堵感もあったが、男にとってあれほど堅かったその化け物をいともたやすく、しかも過剰なまで細切れにするマリーに畏れを感じ、同時に化け物の血に塗れていく自宅の床を片付けなければならない憂鬱さが、男から気力を根こそぎ奪っていく。
自分よりも遙かに強そうに見える男のていたらくに、マリーが呆れてため息をついたかとういうとそうではない。
マリーは嫌な顔一つせず男に手を貸し、二階に隠れるよう階段まで誘導した。
「子供が上にいるんです」
震える男の訴えにも、だからどうしたと思いもしない。
「わかった。絶対に二階には上げないから安心して」
マリーは答えながら、そうかと思った。
男はこの化け物たちを二階に上げないために降りてきたのだ。
二階で襲われればたとえ自分が囮になったとしても外に逃げ場はなく、別の部屋に隠れたとしてもじきに餌食になってしまうかもしれない。
子供を守るためには、ここで何としてでも食い止めるしかなかったのだ。
「大丈夫……絶対二階には上げない」
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
頭が花畑の女と言われたので、その通り花畑に住むことにしました。
音爽(ネソウ)
ファンタジー
見た目だけはユルフワ女子のハウラナ・ゼベール王女。
その容姿のせいで誤解され、男達には尻軽の都合の良い女と見られ、婦女子たちに嫌われていた。
16歳になったハウラナは大帝国ダネスゲート皇帝の末席側室として娶られた、体の良い人質だった。
後宮内で弱小国の王女は冷遇を受けるが……。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
異世界キャンパー~無敵テントで気ままなキャンプ飯スローライフ?
夢・風魔
ファンタジー
仕事の疲れを癒すためにソロキャンを始めた神楽拓海。
気づけばキャンプグッズ一式と一緒に、見知らぬ森の中へ。
落ち着くためにキャンプ飯を作っていると、そこへ四人の老人が現れた。
彼らはこの世界の神。
キャンプ飯と、見知らぬ老人にも親切にするタクミを気に入った神々は、彼に加護を授ける。
ここに──伝説のドラゴンをもぶん殴れるテントを手に、伝説のドラゴンの牙すら通さない最強の肉体を得たキャンパーが誕生する。
「せっかく異世界に来たんなら、仕事のことも忘れて世界中をキャンプしまくろう!」
旦那様が不倫をしていますので
杉本凪咲
恋愛
隣の部屋から音がした。
男女がベッドの上で乱れるような音。
耳を澄ますと、愉し気な声まで聞こえてくる。
私は咄嗟に両手を耳に当てた。
この世界の全ての音を拒否するように。
しかし音は一向に消えない。
私の体を蝕むように、脳裏に永遠と響いていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる