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第二話 彼女の正体
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「もしもーし!だいじょーぶですかぁー??」
顔の前に手をかざし、ゆっくりと何度も上下に揺らした。
「はい、大丈夫ですよ、あははは‥」
恐怖のあまり引きつった笑顔を振るまいた俺に彼女は驚いた顔でテンションを上げた。
「え?!お兄さん、私の姿、見えてる?」
「あ、ごめんなさい、ちょっと考え事していたので気づいていなくて」
彼女は怒るわけでもなく何がそんなに嬉しいのかご機嫌なご様子だ。
俺は何気なく彼女の制服に目を向けるが、制服に違和感を感じた。
(あれ?この服‥安学?でもでデザインが‥)
「あの、その制服、安学だよね?」
「そうだよ、よく分かったね」
「まぁ、俺そこの卒業生だから、一応君は後輩」
「そうなんですか‥」
さっきのテンションはどこへ行ったのか寂しい表情に変わった。
(なんで制服でこんな所に、まぁ、下校時間過ぎてはいるが‥それとも今日退学届でも出したのか?)
(いや、でもこの制服、俺が在学していた時の女子の制服だよな)
安学の制服は俺が卒業した後の新1年生は新しいデザインで入学することになっていた。
とは言ってもリボンがネクタイに変わりスカートがグレーに変わっただけなのだが。
あともう1つおかしな点は‥彼女の目だ。
何処を見ているか分からなと言うか、瞳の輝きが無い。
うまく表現できないけど、暗い物を見ているというか、闇の世界を眺めているような、彼女事態が闇の世界にいるような、とにかくそんな感じで瞳に生気が無いように見えた。
「君、何年生?」
数秒間「う~ん」と唸りながら考え混んだ末、なにか閃いた様に彼女は答えた。
「そうだねぇ、じゃあ永遠の高3って事で!」
その返答に戸惑った俺は何処かのクラブでコスプレするアダルトな店の従業員かと思ったが、見た感じも幼くやっぱり高校生にしか見えない。
最初にした会話もなんか変な感じで全てが謎に包まれている。
(何だこいつ、それに最初に言っていた私の姿が見えてる?って‥)
そんな言葉を思い出した時、なんとなく彼女の足元を見た。
そして足元を確認すると俺の体がフリーズする。
そんな事ある分けがない。
何かの見間違いだ。
そんな事を考え、ビビりながら彼女に訊いた。
「ねぇ、帰らないの?もう春だし変質者の目撃情報もあるみたいだし、そろそろ帰ったほうが‥」
彼女は背を向けたまま黙る。俺は怖くてこれ以上何も訊けなかった。
沈黙が重い空気へと変わり、この場からどう逃げ出すか悩んでいる間、彼女は重い口を開く。
「私、家に帰っても誰も話しかけてくれないし、私の話も聞いてくれない」
「だって私、お兄さん以外の人に、私の姿‥見えないから‥」
俺の動揺がピークに達した。
彼女の足元を何気なく見ると、彼女の影が無かった。十中八九ゴーストだ。
その場にいると危険と判断した俺は気づかれないように一歩一歩後ずさりをして逃げようとする。それに気づいたのか、彼女は声を出し呼び止めた。
「待って!」
俺はピタッと立ち止まり小さな悲鳴をあげると彼女はゆっくり俺に体を向け俺に問いかけた。
「お兄さん、明日もここに来てくれませんか?」
頭の中は真っ白だ。何をされるのか分からないし、生きて帰れるか分からない。俺は最終確認のため行動を起こす。
科学ㆍ文明が発達した世の中なのに、まだ解明出来ていないと言う事なのだろうか。
原始人が現代にタイムスリップしてジャンボジェット機を見たら、彼らにとっては空を飛ぶ巨大な怪物なのだろう。
きっと今を生きる俺たち現代人にとっても、幽霊なんてまだ科学が追いついていないだけの存在で、存在を認めるほどの科学的根拠がどこかにきっとあるのだろう、そんな現実逃避を始める。
そして震える手でズボンのポケットからスマホを取り出した。
カメラを起動させ、ゆっくりと彼女にカメラを向けた。
盗撮とかそんなのどうでも良かった。とにかく彼女の正体を明確に知りたい。
視線を彼女に向けゆっくりとスマホをさらに顔の高さまで上げ、恐る恐る映像を確認した。
「マジかぁ‥」
俺はその場で気絶した。
彼女は画面に映っていない‥‥
顔の前に手をかざし、ゆっくりと何度も上下に揺らした。
「はい、大丈夫ですよ、あははは‥」
恐怖のあまり引きつった笑顔を振るまいた俺に彼女は驚いた顔でテンションを上げた。
「え?!お兄さん、私の姿、見えてる?」
「あ、ごめんなさい、ちょっと考え事していたので気づいていなくて」
彼女は怒るわけでもなく何がそんなに嬉しいのかご機嫌なご様子だ。
俺は何気なく彼女の制服に目を向けるが、制服に違和感を感じた。
(あれ?この服‥安学?でもでデザインが‥)
「あの、その制服、安学だよね?」
「そうだよ、よく分かったね」
「まぁ、俺そこの卒業生だから、一応君は後輩」
「そうなんですか‥」
さっきのテンションはどこへ行ったのか寂しい表情に変わった。
(なんで制服でこんな所に、まぁ、下校時間過ぎてはいるが‥それとも今日退学届でも出したのか?)
(いや、でもこの制服、俺が在学していた時の女子の制服だよな)
安学の制服は俺が卒業した後の新1年生は新しいデザインで入学することになっていた。
とは言ってもリボンがネクタイに変わりスカートがグレーに変わっただけなのだが。
あともう1つおかしな点は‥彼女の目だ。
何処を見ているか分からなと言うか、瞳の輝きが無い。
うまく表現できないけど、暗い物を見ているというか、闇の世界を眺めているような、彼女事態が闇の世界にいるような、とにかくそんな感じで瞳に生気が無いように見えた。
「君、何年生?」
数秒間「う~ん」と唸りながら考え混んだ末、なにか閃いた様に彼女は答えた。
「そうだねぇ、じゃあ永遠の高3って事で!」
その返答に戸惑った俺は何処かのクラブでコスプレするアダルトな店の従業員かと思ったが、見た感じも幼くやっぱり高校生にしか見えない。
最初にした会話もなんか変な感じで全てが謎に包まれている。
(何だこいつ、それに最初に言っていた私の姿が見えてる?って‥)
そんな言葉を思い出した時、なんとなく彼女の足元を見た。
そして足元を確認すると俺の体がフリーズする。
そんな事ある分けがない。
何かの見間違いだ。
そんな事を考え、ビビりながら彼女に訊いた。
「ねぇ、帰らないの?もう春だし変質者の目撃情報もあるみたいだし、そろそろ帰ったほうが‥」
彼女は背を向けたまま黙る。俺は怖くてこれ以上何も訊けなかった。
沈黙が重い空気へと変わり、この場からどう逃げ出すか悩んでいる間、彼女は重い口を開く。
「私、家に帰っても誰も話しかけてくれないし、私の話も聞いてくれない」
「だって私、お兄さん以外の人に、私の姿‥見えないから‥」
俺の動揺がピークに達した。
彼女の足元を何気なく見ると、彼女の影が無かった。十中八九ゴーストだ。
その場にいると危険と判断した俺は気づかれないように一歩一歩後ずさりをして逃げようとする。それに気づいたのか、彼女は声を出し呼び止めた。
「待って!」
俺はピタッと立ち止まり小さな悲鳴をあげると彼女はゆっくり俺に体を向け俺に問いかけた。
「お兄さん、明日もここに来てくれませんか?」
頭の中は真っ白だ。何をされるのか分からないし、生きて帰れるか分からない。俺は最終確認のため行動を起こす。
科学ㆍ文明が発達した世の中なのに、まだ解明出来ていないと言う事なのだろうか。
原始人が現代にタイムスリップしてジャンボジェット機を見たら、彼らにとっては空を飛ぶ巨大な怪物なのだろう。
きっと今を生きる俺たち現代人にとっても、幽霊なんてまだ科学が追いついていないだけの存在で、存在を認めるほどの科学的根拠がどこかにきっとあるのだろう、そんな現実逃避を始める。
そして震える手でズボンのポケットからスマホを取り出した。
カメラを起動させ、ゆっくりと彼女にカメラを向けた。
盗撮とかそんなのどうでも良かった。とにかく彼女の正体を明確に知りたい。
視線を彼女に向けゆっくりとスマホをさらに顔の高さまで上げ、恐る恐る映像を確認した。
「マジかぁ‥」
俺はその場で気絶した。
彼女は画面に映っていない‥‥
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