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3年O組のしばり先生
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窓もカーテンも閉められた部屋の中。
この場の全員が固唾を飲んで見守る先で、臭い責めは、再びあいうえお順で再開した。
そして、次の順番はもちろん、
「よーし、いい感じに暖まってるよー。嗅ぐ側には気の毒な話だけど、大人しく吸い込んでもらうとするよ」
そう言いながら、優衣が縛られている男の前へと出てくる。
「いけいけー、ゆいにゃんやっちゃえー。今こそ、便秘100ヶ月の底力を見せるときだよ!」
「……ふっふっふ。この下腹部にやどりし龍の封印を解くときが――って、いやいやいや! しばっち! 100ヶ月って!? そこまでいってないから!?」
「えー、そんな当たり前なことを言わないでよ……」
「えー、なにそのテンション……」
急激な糸針のクールダウンに、優衣が肩を落とす。
だが、本気でげんなりとしている、なんていうことはなく、彼女はけろっと調子を戻すと、片手を尻へとまわしていく。
「さーて、渾身のいっぱつを……あ、いや、こっちのほうがいいかな」
優衣は手の動きを一度止めると、スカートの中へ手を滑らせていった。
「おおー、ゆいにゃん、直とか……なんか、エローい」
「でしょ。まあ、結局は握りっ屁だし、あんまかわんないかもだけどね。けど……」
優衣は糸針に応えなら、尻に手を当てると――、
~ ぷっ――ぶう――ぶぶぉっ――す――ぅ
手の中に、暖かく濁った空気を込める。
「おおー、連発だねー、ってかゆいにゃん。最後すかした?」
「うん、隠し味に」
「うわーそれ絶対隠れてないやつじゃん。むんむんなやつじゃーん」
「えへへ、この濃厚なフェロモンで、男の子なんて、イチコロだよ~」
「確かに~。一殺一殺~」
と、楽しげにいう糸針の眼前で、優衣は握った手を目の前にいる男の鼻へ――かぶせ、もう一方の手で彼の後頭部をはさみ、その手を固定する。
すると、
「わっ……なんか、手が濡れてきた……」
優衣の手へと男の涙が伝ってくる。
彼女はそれを嫌がるでもなく、何を思ってか、ほんの少しだけ息を荒くした。
「あー、ゆいにゃんが、男の子に毒ガス嗅がせて興奮してるー。変態だぁー」
「べ、別に、興奮なんてしてねーし」
「ああ、毒ガスなのは認めるのね」
「当然」
優衣はようやく男の鼻を開放すると、腹を、ぽんと叩き、自慢げな表情でふんわりとした胸を張る。
「とりま、そろそろ次の人と交代して、わたしは見て楽しむことにするよ、そんじゃ」
ばいびぃ――と、そう言って男の前から去る優衣に、「りょうかーい」と糸針は返し、手に持っている名簿に視線を落とすと、
「それじゃあ次は……ああ、順番がずれてるから、な行まで飛んで――野々村 芽衣さーん、いますかー」
「はーい、いるよー」
と、男の前に出てきたのは、ジャージのパーカーにスウェットといった、さばさばした感じの女だった。
肌がほんのりと小麦色に焼けており、スポーティな印象だ。
彼女は男の前に立つと、
「――ほい」
と――既に何かを握っていた手を、男の鼻に被せる。
それを見ていた糸針が、「なにっ」と、驚きの声をもらした。
「おぬし……まさか……」
「ああ――もう済んだ」
そう言って、芽衣は男の鼻から手をどける。
「恐ろしいまでの……瞬発力……」
「ふん……これくらい余裕だよ。わたし――そろばん4級もってるし」
「――えー! まさかのそろばんだったー! しかも中途半端ー!」
「まあ、冗談だけどね」
「――えー! 冗談だったのー!?」
驚愕に目を見開く糸針。
そんな彼女に、芽衣は「あはは」と笑いけると、
「あんた面白いね。そんじゃ、わたしもさっさと、次の人に変わるとするよ」
「うんうん、りょうかーい。そんじゃあ……次は、っと」
男の前から離れていく芽衣に糸針は返事をすると、再び名簿に視線をおとす。
それから、彼女はおもむろに、バーコードのカツラとちょびヒゲ外すと、
「ふっふっふ。どうやら次は――わたしの出番みたいだね」
その声に、周囲から、わあっ、と彼女に期待するような気配が漂う。
椅子にしばられている男に対して、彼女が一体どのように責めるのか、その期待値はいつのまにか、上がっていたようだ。
「一見パーティグッズにしか見えない、このカツラとヒゲなんだけどさ。……実は――ひとつ20キロあるんだ」
ふぁさ、と彼女の手からカツラとヒゲが、地面に落ちる。
「さて、と。じゃあわたし、本気――出しちゃってもいいかな?」
そう言って糸針は不敵な笑みを浮べた。
すると――様々な声が上がり。
歓声、口笛、彼女への賛辞の言葉がその空間を満たし。
そして、場の盛り上がりは、最高潮に達したのだった。
この場の全員が固唾を飲んで見守る先で、臭い責めは、再びあいうえお順で再開した。
そして、次の順番はもちろん、
「よーし、いい感じに暖まってるよー。嗅ぐ側には気の毒な話だけど、大人しく吸い込んでもらうとするよ」
そう言いながら、優衣が縛られている男の前へと出てくる。
「いけいけー、ゆいにゃんやっちゃえー。今こそ、便秘100ヶ月の底力を見せるときだよ!」
「……ふっふっふ。この下腹部にやどりし龍の封印を解くときが――って、いやいやいや! しばっち! 100ヶ月って!? そこまでいってないから!?」
「えー、そんな当たり前なことを言わないでよ……」
「えー、なにそのテンション……」
急激な糸針のクールダウンに、優衣が肩を落とす。
だが、本気でげんなりとしている、なんていうことはなく、彼女はけろっと調子を戻すと、片手を尻へとまわしていく。
「さーて、渾身のいっぱつを……あ、いや、こっちのほうがいいかな」
優衣は手の動きを一度止めると、スカートの中へ手を滑らせていった。
「おおー、ゆいにゃん、直とか……なんか、エローい」
「でしょ。まあ、結局は握りっ屁だし、あんまかわんないかもだけどね。けど……」
優衣は糸針に応えなら、尻に手を当てると――、
~ ぷっ――ぶう――ぶぶぉっ――す――ぅ
手の中に、暖かく濁った空気を込める。
「おおー、連発だねー、ってかゆいにゃん。最後すかした?」
「うん、隠し味に」
「うわーそれ絶対隠れてないやつじゃん。むんむんなやつじゃーん」
「えへへ、この濃厚なフェロモンで、男の子なんて、イチコロだよ~」
「確かに~。一殺一殺~」
と、楽しげにいう糸針の眼前で、優衣は握った手を目の前にいる男の鼻へ――かぶせ、もう一方の手で彼の後頭部をはさみ、その手を固定する。
すると、
「わっ……なんか、手が濡れてきた……」
優衣の手へと男の涙が伝ってくる。
彼女はそれを嫌がるでもなく、何を思ってか、ほんの少しだけ息を荒くした。
「あー、ゆいにゃんが、男の子に毒ガス嗅がせて興奮してるー。変態だぁー」
「べ、別に、興奮なんてしてねーし」
「ああ、毒ガスなのは認めるのね」
「当然」
優衣はようやく男の鼻を開放すると、腹を、ぽんと叩き、自慢げな表情でふんわりとした胸を張る。
「とりま、そろそろ次の人と交代して、わたしは見て楽しむことにするよ、そんじゃ」
ばいびぃ――と、そう言って男の前から去る優衣に、「りょうかーい」と糸針は返し、手に持っている名簿に視線を落とすと、
「それじゃあ次は……ああ、順番がずれてるから、な行まで飛んで――野々村 芽衣さーん、いますかー」
「はーい、いるよー」
と、男の前に出てきたのは、ジャージのパーカーにスウェットといった、さばさばした感じの女だった。
肌がほんのりと小麦色に焼けており、スポーティな印象だ。
彼女は男の前に立つと、
「――ほい」
と――既に何かを握っていた手を、男の鼻に被せる。
それを見ていた糸針が、「なにっ」と、驚きの声をもらした。
「おぬし……まさか……」
「ああ――もう済んだ」
そう言って、芽衣は男の鼻から手をどける。
「恐ろしいまでの……瞬発力……」
「ふん……これくらい余裕だよ。わたし――そろばん4級もってるし」
「――えー! まさかのそろばんだったー! しかも中途半端ー!」
「まあ、冗談だけどね」
「――えー! 冗談だったのー!?」
驚愕に目を見開く糸針。
そんな彼女に、芽衣は「あはは」と笑いけると、
「あんた面白いね。そんじゃ、わたしもさっさと、次の人に変わるとするよ」
「うんうん、りょうかーい。そんじゃあ……次は、っと」
男の前から離れていく芽衣に糸針は返事をすると、再び名簿に視線をおとす。
それから、彼女はおもむろに、バーコードのカツラとちょびヒゲ外すと、
「ふっふっふ。どうやら次は――わたしの出番みたいだね」
その声に、周囲から、わあっ、と彼女に期待するような気配が漂う。
椅子にしばられている男に対して、彼女が一体どのように責めるのか、その期待値はいつのまにか、上がっていたようだ。
「一見パーティグッズにしか見えない、このカツラとヒゲなんだけどさ。……実は――ひとつ20キロあるんだ」
ふぁさ、と彼女の手からカツラとヒゲが、地面に落ちる。
「さて、と。じゃあわたし、本気――出しちゃってもいいかな?」
そう言って糸針は不敵な笑みを浮べた。
すると――様々な声が上がり。
歓声、口笛、彼女への賛辞の言葉がその空間を満たし。
そして、場の盛り上がりは、最高潮に達したのだった。
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