しばりプレイ

MEIRO

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3年O組のしばり先生

06

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 窓を開け、一度休憩をしたことで、部屋の臭気が、ある程度外へと逃げ、名前順で繰り返されいていた臭い責めは、再び窓を閉めてから、一度その順番を変更して――再開する。
 そして、我慢の限界が近いものから、という順番で、それは続けられ、先ほど糸針の元へ集まった――八人が、部屋の中央で縛られている男の前で列を作っていた。
 ――ところで。
 放屁の際、粗相を避けるために、肛門に意識を向けながら放屁すると、どのようになるだろう。
 大抵、同じ音になるのではないだろうか。
 ひとまずそれは――人それぞれということで。
 ちなみに、今回のケースでは――このようになったようだ。

「はぁ……なんだか、緊張してきちゃったなぁ……」

 ため息混じりにそう言ったのは、夏川なつかわ 真琴まことという、足が長く、綺麗な女だった。
 髪は長く、一纏めにしており、シャツにダメージの入ったデニムといった、シンプルな服をきている。
 雰囲気は、少し大人っぽい大学生、といった感じだ。
 彼女は緊張で高ぶる鼓動を、どうにか落ちつかせると、方手を尻に回し、握りっ屁の準備をする。
 そして――、

 ~ ぶずっ――しゅううぅぅ

 静かに音をすかし、礼奈は露骨に、あっ、という表情を浮べる。
 そして、迷ったのは――一瞬。
 形の良い眉を少ししかめつつ、彼女は男の鼻を、臭いを握った手の中に――閉じ込めた。

「ほら、ちゃんと……吸い込んで。ちょっとキツいかもしれないけど……がんばるんだよ」

 やはり、男からの反応はなく。
 彼はただ無表情に、力なく開いている目から――新しい涙をこぼしていた。
 そんな彼の表情に、礼奈はなにやら強い衝撃を受けたような表情をうかべるが、それを押さえ込むと、男の頭を優しく撫で、

「よくできました……お疲れ」

 そう言って、彼女は「どうも」と次の人へ順番をゆずると、部屋を出て、廊下のほうへと向かっていった。

「――ほんじゃあ、次!」

 男のいる場所から、二、三、メートル離れた位置からの、場を仕切る糸針の声。
 すると、「はいはーい」と、気の抜けた返事をして、美月みつき 夢乃ゆめみという、カジュアルな雰囲気の女が、男の前に出てくる。

「さて、じゃあ次は……うっ――」

 夢乃は辺りに漂う便臭に近い臭気をもろに嗅ぎ、顔を俯かせる。

「さっきの子……綺麗な顔して、なかなかやりおる……」

 軽口を言いながら夢乃は気を取り直すと、唐突に「あっ」となにやら慌てた様子で自分の尻を押さえた。

「……っていうか、やばっ。……あー、これ、実が出ちゃわないかな? 慎重に……いかないと……」

 夢乃は額にうっすらと汗を浮べながら、尻に持っていった手をおわんを持つように丸めると、その中へ――、

 ~ ぷっ――しゅっ――すううぅぅ

 彼女は一度音をはねさせるも、見事にすかしきる。
 もちろん、尻に回したその手の中には――、

「うっわぁ……これ、大丈夫かなぁ……」

「……ん? 嗅がせないの?」

 顔をしかめる夢乃に、糸針は身体を傾かせ、おどけるように訊く。
 すると、夢乃は握っていない方の手で、ちっち、と指をふると、何の躊躇もなく、男を鼻先へもっていき、

「そんなわけ……」

 ないでしょ――と男の後頭部を片手で押さえ、頭を挟み込むようにして、臭いを握った方の手で、その鼻をおさえ込むる。
 そして、円を描くように彼の頭を揺らしながら、

「よ~く、かきまぜてぇ~」

「なにそれ。にひひ」

 おもしろ――と、糸針が笑う。

「これは、必殺技――その一だよ。名づけて、脳漿揺らし~……なんちゃって~」

「あはは、いいねいいね。今度私も習得させてもらうよ」

 愉快そうに目を細める糸針。
 そこでようやく、夢乃は男の頭を解放すると、指を一本立てる。

「一回五百円ね」

「えー、金とるの?」

「いや、あげる」

「くれるんかい」

 あはは――と二人は笑う。
 そうして。
 臭い責めはさらに続き――、

 ~~。

「じゃあねじゃあね。わたしの技名は……すかしっ屁ボンバー、にしようかな?」
「だっさぁ。まあ、嫌いじゃないけどね~」

 ~~。

「えーっと。そんじゃ、うちのは、無音の……なんちゃらで」
「あはは、テキトーすぎぃ~」

 ~~。

「うーん。すかしに関連するもの、何かあったかな?」
「あれ? なんか、大義利みたいなの始まってる~?」

 ~~。

「うわー、私もすかしだー。えーと、技名……なんかあるかな……」
「がんばれ、がんばれ~」

 ~~。

「――毒霧」
「自分で毒ガス認定しちゃったねぇ~」

 ~~。

「じゃあ、八人分を総括して――エンドレスサイレント。ってことで、どうかな?」
「ありゃりゃ。全部すかしとか……こいつ、今、八回死んだわぁ~」

 ――。
 ――。
 ――。

 と、そんなこんなで、次から次へと順番回っていき。
 やってくる彼女達を盛り上げるかのように、糸針が茶々をいれながら、場の流れを進行していった。
 そして――答えあわせだが。
 今回のケースでは、後半の茶番も含めて、八人全員が――すかしになったようで。
 彼女達は当然のように、全ての窓を開放し、全員窓際へと避難を済ませると、この催しは再び――休憩時間となったのだった。
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