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3年O組のしばり先生
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窓を開け、一度休憩をしたことで、部屋の臭気が、ある程度外へと逃げ、名前順で繰り返されいていた臭い責めは、再び窓を閉めてから、一度その順番を変更して――再開する。
そして、我慢の限界が近いものから、という順番で、それは続けられ、先ほど糸針の元へ集まった――八人が、部屋の中央で縛られている男の前で列を作っていた。
――ところで。
放屁の際、粗相を避けるために、肛門に意識を向けながら放屁すると、どのようになるだろう。
大抵、同じ音になるのではないだろうか。
ひとまずそれは――人それぞれということで。
ちなみに、今回のケースでは――このようになったようだ。
「はぁ……なんだか、緊張してきちゃったなぁ……」
ため息混じりにそう言ったのは、夏川 真琴という、足が長く、綺麗な女だった。
髪は長く、一纏めにしており、シャツにダメージの入ったデニムといった、シンプルな服をきている。
雰囲気は、少し大人っぽい大学生、といった感じだ。
彼女は緊張で高ぶる鼓動を、どうにか落ちつかせると、方手を尻に回し、握りっ屁の準備をする。
そして――、
~ ぶずっ――しゅううぅぅ
静かに音をすかし、礼奈は露骨に、あっ、という表情を浮べる。
そして、迷ったのは――一瞬。
形の良い眉を少ししかめつつ、彼女は男の鼻を、臭いを握った手の中に――閉じ込めた。
「ほら、ちゃんと……吸い込んで。ちょっとキツいかもしれないけど……がんばるんだよ」
やはり、男からの反応はなく。
彼はただ無表情に、力なく開いている目から――新しい涙をこぼしていた。
そんな彼の表情に、礼奈はなにやら強い衝撃を受けたような表情をうかべるが、それを押さえ込むと、男の頭を優しく撫で、
「よくできました……お疲れ」
そう言って、彼女は「どうも」と次の人へ順番をゆずると、部屋を出て、廊下のほうへと向かっていった。
「――ほんじゃあ、次!」
男のいる場所から、二、三、メートル離れた位置からの、場を仕切る糸針の声。
すると、「はいはーい」と、気の抜けた返事をして、美月 夢乃という、カジュアルな雰囲気の女が、男の前に出てくる。
「さて、じゃあ次は……うっ――」
夢乃は辺りに漂う便臭に近い臭気をもろに嗅ぎ、顔を俯かせる。
「さっきの子……綺麗な顔して、なかなかやりおる……」
軽口を言いながら夢乃は気を取り直すと、唐突に「あっ」となにやら慌てた様子で自分の尻を押さえた。
「……っていうか、やばっ。……あー、これ、実が出ちゃわないかな? 慎重に……いかないと……」
夢乃は額にうっすらと汗を浮べながら、尻に持っていった手をおわんを持つように丸めると、その中へ――、
~ ぷっ――しゅっ――すううぅぅ
彼女は一度音をはねさせるも、見事にすかしきる。
もちろん、尻に回したその手の中には――、
「うっわぁ……これ、大丈夫かなぁ……」
「……ん? 嗅がせないの?」
顔をしかめる夢乃に、糸針は身体を傾かせ、おどけるように訊く。
すると、夢乃は握っていない方の手で、ちっち、と指をふると、何の躊躇もなく、男を鼻先へもっていき、
「そんなわけ……」
ないでしょ――と男の後頭部を片手で押さえ、頭を挟み込むようにして、臭いを握った方の手で、その鼻をおさえ込むる。
そして、円を描くように彼の頭を揺らしながら、
「よ~く、かきまぜてぇ~」
「なにそれ。にひひ」
おもしろ――と、糸針が笑う。
「これは、必殺技――その一だよ。名づけて、脳漿揺らし~……なんちゃって~」
「あはは、いいねいいね。今度私も習得させてもらうよ」
愉快そうに目を細める糸針。
そこでようやく、夢乃は男の頭を解放すると、指を一本立てる。
「一回五百円ね」
「えー、金とるの?」
「いや、あげる」
「くれるんかい」
あはは――と二人は笑う。
そうして。
臭い責めはさらに続き――、
~~。
「じゃあねじゃあね。わたしの技名は……すかしっ屁ボンバー、にしようかな?」
「だっさぁ。まあ、嫌いじゃないけどね~」
~~。
「えーっと。そんじゃ、うちのは、無音の……なんちゃらで」
「あはは、テキトーすぎぃ~」
~~。
「うーん。すかしに関連するもの、何かあったかな?」
「あれ? なんか、大義利みたいなの始まってる~?」
~~。
「うわー、私もすかしだー。えーと、技名……なんかあるかな……」
「がんばれ、がんばれ~」
~~。
「――毒霧」
「自分で毒ガス認定しちゃったねぇ~」
~~。
「じゃあ、八人分を総括して――エンドレスサイレント。ってことで、どうかな?」
「ありゃりゃ。全部すかしとか……こいつ、今、八回死んだわぁ~」
――。
――。
――。
と、そんなこんなで、次から次へと順番回っていき。
やってくる彼女達を盛り上げるかのように、糸針が茶々をいれながら、場の流れを進行していった。
そして――答えあわせだが。
今回のケースでは、後半の茶番も含めて、八人全員が――すかしになったようで。
彼女達は当然のように、全ての窓を開放し、全員窓際へと避難を済ませると、この催しは再び――休憩時間となったのだった。
そして、我慢の限界が近いものから、という順番で、それは続けられ、先ほど糸針の元へ集まった――八人が、部屋の中央で縛られている男の前で列を作っていた。
――ところで。
放屁の際、粗相を避けるために、肛門に意識を向けながら放屁すると、どのようになるだろう。
大抵、同じ音になるのではないだろうか。
ひとまずそれは――人それぞれということで。
ちなみに、今回のケースでは――このようになったようだ。
「はぁ……なんだか、緊張してきちゃったなぁ……」
ため息混じりにそう言ったのは、夏川 真琴という、足が長く、綺麗な女だった。
髪は長く、一纏めにしており、シャツにダメージの入ったデニムといった、シンプルな服をきている。
雰囲気は、少し大人っぽい大学生、といった感じだ。
彼女は緊張で高ぶる鼓動を、どうにか落ちつかせると、方手を尻に回し、握りっ屁の準備をする。
そして――、
~ ぶずっ――しゅううぅぅ
静かに音をすかし、礼奈は露骨に、あっ、という表情を浮べる。
そして、迷ったのは――一瞬。
形の良い眉を少ししかめつつ、彼女は男の鼻を、臭いを握った手の中に――閉じ込めた。
「ほら、ちゃんと……吸い込んで。ちょっとキツいかもしれないけど……がんばるんだよ」
やはり、男からの反応はなく。
彼はただ無表情に、力なく開いている目から――新しい涙をこぼしていた。
そんな彼の表情に、礼奈はなにやら強い衝撃を受けたような表情をうかべるが、それを押さえ込むと、男の頭を優しく撫で、
「よくできました……お疲れ」
そう言って、彼女は「どうも」と次の人へ順番をゆずると、部屋を出て、廊下のほうへと向かっていった。
「――ほんじゃあ、次!」
男のいる場所から、二、三、メートル離れた位置からの、場を仕切る糸針の声。
すると、「はいはーい」と、気の抜けた返事をして、美月 夢乃という、カジュアルな雰囲気の女が、男の前に出てくる。
「さて、じゃあ次は……うっ――」
夢乃は辺りに漂う便臭に近い臭気をもろに嗅ぎ、顔を俯かせる。
「さっきの子……綺麗な顔して、なかなかやりおる……」
軽口を言いながら夢乃は気を取り直すと、唐突に「あっ」となにやら慌てた様子で自分の尻を押さえた。
「……っていうか、やばっ。……あー、これ、実が出ちゃわないかな? 慎重に……いかないと……」
夢乃は額にうっすらと汗を浮べながら、尻に持っていった手をおわんを持つように丸めると、その中へ――、
~ ぷっ――しゅっ――すううぅぅ
彼女は一度音をはねさせるも、見事にすかしきる。
もちろん、尻に回したその手の中には――、
「うっわぁ……これ、大丈夫かなぁ……」
「……ん? 嗅がせないの?」
顔をしかめる夢乃に、糸針は身体を傾かせ、おどけるように訊く。
すると、夢乃は握っていない方の手で、ちっち、と指をふると、何の躊躇もなく、男を鼻先へもっていき、
「そんなわけ……」
ないでしょ――と男の後頭部を片手で押さえ、頭を挟み込むようにして、臭いを握った方の手で、その鼻をおさえ込むる。
そして、円を描くように彼の頭を揺らしながら、
「よ~く、かきまぜてぇ~」
「なにそれ。にひひ」
おもしろ――と、糸針が笑う。
「これは、必殺技――その一だよ。名づけて、脳漿揺らし~……なんちゃって~」
「あはは、いいねいいね。今度私も習得させてもらうよ」
愉快そうに目を細める糸針。
そこでようやく、夢乃は男の頭を解放すると、指を一本立てる。
「一回五百円ね」
「えー、金とるの?」
「いや、あげる」
「くれるんかい」
あはは――と二人は笑う。
そうして。
臭い責めはさらに続き――、
~~。
「じゃあねじゃあね。わたしの技名は……すかしっ屁ボンバー、にしようかな?」
「だっさぁ。まあ、嫌いじゃないけどね~」
~~。
「えーっと。そんじゃ、うちのは、無音の……なんちゃらで」
「あはは、テキトーすぎぃ~」
~~。
「うーん。すかしに関連するもの、何かあったかな?」
「あれ? なんか、大義利みたいなの始まってる~?」
~~。
「うわー、私もすかしだー。えーと、技名……なんかあるかな……」
「がんばれ、がんばれ~」
~~。
「――毒霧」
「自分で毒ガス認定しちゃったねぇ~」
~~。
「じゃあ、八人分を総括して――エンドレスサイレント。ってことで、どうかな?」
「ありゃりゃ。全部すかしとか……こいつ、今、八回死んだわぁ~」
――。
――。
――。
と、そんなこんなで、次から次へと順番回っていき。
やってくる彼女達を盛り上げるかのように、糸針が茶々をいれながら、場の流れを進行していった。
そして――答えあわせだが。
今回のケースでは、後半の茶番も含めて、八人全員が――すかしになったようで。
彼女達は当然のように、全ての窓を開放し、全員窓際へと避難を済ませると、この催しは再び――休憩時間となったのだった。
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