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二、俺の話を聞けイエーイ
二、俺の話を聞けイエーイ ⑥
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「一慶さん、お風呂にする? ご飯にする? それとも私と……あれ?」
不安になった私は、インターフォンが鳴ったら不安を蹴飛ばす勢いでお見合いの続きをしようと思っていた。
「あ、いた。なんで廊下に寝そべってるの? ブリッジ?」
「好きな人が自分のエプロンを着ているのを見て、鼻血を垂れ流しながら廊下を転げまわらない人はいない」
「そんな人の方がいないと思いますけど」
それに最後まで言わせてほしかったな。
「で、御飯にする? お風呂にする? それとも私と昨日の漫画の続編を見ます?」
「えー……どれも寿命が100年は縮むぐらい幸せじゃん」
一慶さんは少なくても寿命300年はあるのか。逆にすごいな。
床に転がっていた一慶さんは、生まれたばかりのハムスターのようによたよた起き上がり、仁王立ちになった。
「全部やりたいので、流伽の楽な順番でやっていこう!」
「本当? じゃあ、ごはん、お風呂、漫画にするー」
「あ。まて、宿題が先だ。宿題はやれよ」
意外と真面目な彼は、私が今日もカバンの中身は漫画だけだと知ると真っ青なハムスターになるに違いない。
「そういえばお仕事だったのに、カバンとか持ってないの?」
「着替えが入ってたから、一階のカウンターでカバンごと取られた。俺さあ、ベランダに干してある洗濯物の匂いとか好きなんだけど、ここでは見られないな」
はあ、と寂しげに居ながら頬袋から本を出してきたので飛び上がってしまう。
「頬袋!」
「え? なに? え?」
「今、頬袋から本を出しませんでした?」
「頬袋じゃないけど、カバンがなかったから背中とお腹にいれてた本は出したよ」
なんでお腹に本を隠し持ってるの?
「流伽が昨日、怖い夢を見ただろ。だから怖い夢を見ない、リラックスした睡眠方法って本と、寝る前の簡単ストレッチって本を買ってきた。まずは枕の方向と、アロマを部屋にまき散らし、リラックス効果のある森のせせらぎのBGMと」
「まって。情報量が多い。情報量多い」
朝、お赤飯を用意したくせに一応は怖い夢を見ない方法を彼なりに考えようとしてくれたらしい。
「うーん。俺は家族との交流がなく育ったから、そこらへんの経験値は欠落してるから本に頼るしかなくてさ。流伽は怖い夢を見たらどうしてたの?」
昨日のように手を繋いで(私には手のひらに乗せているつもりで)歩きながら、聞いてきたのでうーんと考えた。
「今なら携帯とかで面白い画像探して笑うとか? 子どもの頃なら親の布団に潜り込んでいたかもしれないけど今はどうかな」
「好きな人が泣いて起きた場合、恋人として抱きしめたいが今はお見合い中だし、俺は何をすればセクハラにもならずセーフなのかな」
意外にも一慶さんは結構真面目にお見合いについても私の今朝のことも真剣に考えているようだ。いつもふざけているのか、天然なのか、からかっているのか分からない言動もあるけど、やはり一慶さんは優しい性格だと思う。
「流伽のトリセツが売ってたら買うのに」
「私も一慶さんのトリセツ欲しい。でも今日は大丈夫だと思います」
手を洗ってきてくださいねと洗面所に一慶さんを押し込みながら、確信を持った言う。
「なんで?」
「一慶さんがこうやって心配してくれてるのが嬉しいから、今日は悪夢は見ません」
心に余裕がもらえたというか、嬉しくて今朝の怖い夢はハムスターの頬袋の中でつぶれて消えてしまったのだ。
「ありがとうございます。一慶さん」
不安になった私は、インターフォンが鳴ったら不安を蹴飛ばす勢いでお見合いの続きをしようと思っていた。
「あ、いた。なんで廊下に寝そべってるの? ブリッジ?」
「好きな人が自分のエプロンを着ているのを見て、鼻血を垂れ流しながら廊下を転げまわらない人はいない」
「そんな人の方がいないと思いますけど」
それに最後まで言わせてほしかったな。
「で、御飯にする? お風呂にする? それとも私と昨日の漫画の続編を見ます?」
「えー……どれも寿命が100年は縮むぐらい幸せじゃん」
一慶さんは少なくても寿命300年はあるのか。逆にすごいな。
床に転がっていた一慶さんは、生まれたばかりのハムスターのようによたよた起き上がり、仁王立ちになった。
「全部やりたいので、流伽の楽な順番でやっていこう!」
「本当? じゃあ、ごはん、お風呂、漫画にするー」
「あ。まて、宿題が先だ。宿題はやれよ」
意外と真面目な彼は、私が今日もカバンの中身は漫画だけだと知ると真っ青なハムスターになるに違いない。
「そういえばお仕事だったのに、カバンとか持ってないの?」
「着替えが入ってたから、一階のカウンターでカバンごと取られた。俺さあ、ベランダに干してある洗濯物の匂いとか好きなんだけど、ここでは見られないな」
はあ、と寂しげに居ながら頬袋から本を出してきたので飛び上がってしまう。
「頬袋!」
「え? なに? え?」
「今、頬袋から本を出しませんでした?」
「頬袋じゃないけど、カバンがなかったから背中とお腹にいれてた本は出したよ」
なんでお腹に本を隠し持ってるの?
「流伽が昨日、怖い夢を見ただろ。だから怖い夢を見ない、リラックスした睡眠方法って本と、寝る前の簡単ストレッチって本を買ってきた。まずは枕の方向と、アロマを部屋にまき散らし、リラックス効果のある森のせせらぎのBGMと」
「まって。情報量が多い。情報量多い」
朝、お赤飯を用意したくせに一応は怖い夢を見ない方法を彼なりに考えようとしてくれたらしい。
「うーん。俺は家族との交流がなく育ったから、そこらへんの経験値は欠落してるから本に頼るしかなくてさ。流伽は怖い夢を見たらどうしてたの?」
昨日のように手を繋いで(私には手のひらに乗せているつもりで)歩きながら、聞いてきたのでうーんと考えた。
「今なら携帯とかで面白い画像探して笑うとか? 子どもの頃なら親の布団に潜り込んでいたかもしれないけど今はどうかな」
「好きな人が泣いて起きた場合、恋人として抱きしめたいが今はお見合い中だし、俺は何をすればセクハラにもならずセーフなのかな」
意外にも一慶さんは結構真面目にお見合いについても私の今朝のことも真剣に考えているようだ。いつもふざけているのか、天然なのか、からかっているのか分からない言動もあるけど、やはり一慶さんは優しい性格だと思う。
「流伽のトリセツが売ってたら買うのに」
「私も一慶さんのトリセツ欲しい。でも今日は大丈夫だと思います」
手を洗ってきてくださいねと洗面所に一慶さんを押し込みながら、確信を持った言う。
「なんで?」
「一慶さんがこうやって心配してくれてるのが嬉しいから、今日は悪夢は見ません」
心に余裕がもらえたというか、嬉しくて今朝の怖い夢はハムスターの頬袋の中でつぶれて消えてしまったのだ。
「ありがとうございます。一慶さん」
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