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理不尽な溺愛 7
しおりを挟む「……ぅあ?」
暗闇で誰かに触れられた気がして、源之助の眼が覚める。するとそこにはリヒャルトが横たわっており、彼は檻の外から中に手を伸ばし、少年の頭を優しく撫でていた。
「……リヒャルト?」
「………………ん?」
……怖ええよ。真っ暗ん中で何やってんだ、お前。
じっと見つめてくる彼の目には温度がなく、ただひたすら源之助に視線を固定している。
硝子のように透き通った瞳に滲む、不気味な濁り。
内心、冷や汗タラタラだが、大人しく撫でられ続けるしかない源之助だった。
「食事だ」
「……………」
当たり前のように檻の外から手を差し入れて、少年に食べさせるリヒャルト。
本当に抱く時以外、檻から出さない気らしい。
……まあ、そう言ってたしな。ナイジェルみたいに調教されるわけでなし、これはこれで平和で良いか。
『あんさん、慣れましたなあ。神様のおかげで用足がないから、ええですが、普通なら用足も檻の中でっせ? バケツとか尿瓶とかで』
コフィンの指摘を聞いて、源之助の背筋がぞっとした。そんなことになってたら確実に泣く。号泣する。
やらかしばっかなエロ神だが、今だけは少し感謝してやっても良いと、少年は思った。
素直に食事を手ずから食べる妃。
……コレは、本当に可愛いな。生意気なとこや、変に理性的なところも愛おしい。何でもしてやりたいし、何でも受け入れさせたい。……ああ、早く二人だけで部屋にこもりたいな。
あれからリヒャルトは源之助に思いを募らせ、蜜月用の部屋を用意していた。
……まだ成人もしていない子供だが、かまうものか。これに私の思いの丈をぶつけてやる。骨の髄まで叩き込んで、私だけを淫らに求める可愛い可愛い妃にしてやろう。
ふう……っと熱い吐息をもらし、リヒャルトは食べさせ終えた源之助の顔を掌で撫で回す。脳裏に浮かんだ淫猥な想像に押され、その手はねっとりと少年の身体を這い回った。
「ちょ……っ、リヒャルト……っ? ひう……っ!」
「黙って…… ここか? ん?」
頬から首を丹念に撫でて、しだいに下がっていく彼の淫猥な手。それが胸の頂きを指の腹でくにくに押し潰し、源之助は微かに喘いだ。
思わず身を引こうとする少年が動けぬよう、乳輪ごと乳首を摘み、リヒャルトが容赦なく引っ張る。
両方をきゅうぅぅっと捻り上げられ、少年が真っ赤な顔を仰け反らせた。
「動くな…… 来い。もっと檻に身体を寄せろ」
「ひぐ……っ! ひ…っ、ぁぁ…んっ!」
ぐいぐい引っ張られて、痛いような気持ち悦いような複雑な愉悦に見舞われ、源之助は素直に檻に身体を寄せた。
その檻越しにリヒャルトは少年の身体を抱き寄せ、密着した胸の頂きを執拗に舐め回す。
「私のだ。私のモノ…… そうだな?」
「ちょっ! ふあっ? ……んんっ! あっ?!」
ふーっ、ふーっと荒らいでいくリヒャルトの呼吸。それが乳首の先端に当たり、痛いくらい敏感な肉粒を尖らせていった。
「……前より大きくなってないか? 奴らにさぞかし可愛がられたとみえるな。……卵を授けられるくらい? なあ? ……コレは私のモノなのにっ!」
「はうっ? 痛…っ! やめて、リヒャルト……っ!」
がりっと乳首に噛みつかれ、源之助は背をしならせつつ抗った。……が、檻ごしに回されたリヒャルトの腕にがっちり抱きしめられていて逃げようもなく、甘噛みというにはキツい歯の食い込みに泣き喚く。
「やめっ、あっ! 痛いって、リヒャルトぉぉっ!」
そんな痛みにすら感じてしまう淫らな身体。
ナイジェルの調教を受けて嗜虐の悦びを叩き込まれた少年の一物が、リヒャルトの責めに佳がり、勃ちあがった。
ふるふる震えるソレに気づき、うっとりと眼を細めて握るリヒャルト。
「……ふっ、痛がっているわりに。……ここは嬉しそうだぞ? ん?」
片手で握りしめてしまえるソレをやわやわと扱き、ぷくっと溢れてきた透明な密のぬめりを借りて、リヒャルトはその過敏な先端を親指の腹で撫で回す。
途端に軽く悲鳴をあげ身悶える妃が可愛くて堪らない。あっ、あっ、と息を蕩かせ、涙目な少年。
……可愛い。可愛い。可愛い。
もっと乱れさせたくなり、リヒャルトは源之助の熟れた一物が弾けるまで、小さなソレを嬲りまくった。
「あひ……っ、あっ、ぁ……ぁ……、りひ…ゃる……」
「……はあ。良い眺めだな。私が欲しいか?」
「欲し…っ、欲しいぃ……よぅ! リヒャルトぉ……っ」
全身を桜色に染めて、ひいひい喘ぐ源之助。
イかされたことでスイッチの入ってしまった少年は、身の内で暴れ回る色欲に悶絶する。
ソレを知るリヒャルトは、久方ぶりな眼福に心から酔いしれた。
自分を求めて泣きじゃくる妃の艶めかしいことよ。
蕩けて上気した顔を優しく撫でてやり、彼は己の支配欲が深く満たされていくのを感じる。
「そうか。……そうだな。お前は私が欲しくて堪らないはずだ。……ほら、コレだろう?」
ぬ…っと出されたリヒャルトの一物。それを檻越しに見せつけ、彼は意地悪く舌舐めずりした。
「ちょうだいっ、リヒャルト? コレを……っ! ねえぇぇっ!」
檻にすがりついて泣きながら懇願する少年。
うねるように最奥を突き抜ける劣情が、鎮まるためにリヒャルトの精を求めていた。貪欲なソレに煽られて、源之助は狂ったかのように身悶える。
「お願いぃぃ……っ! お願いしますっ! リヒャルト、僕に挿れてぇぇっ」
ほろほろ涙を流して求められ、彼の昏い欲望がずくりと腹の底でとぐろを巻いた。
……だが、まだだ。もっと…… もっと私を求めろ。
「どうするかなぁ? お前は、私から逃げるとか言っていたし? あんな奴らのために、私を脅すようなことをしたし? ……なあ? 今後は二度と許さんぞ?」
「ごめん……っ、ごめんなさい……っ、もう、しない……、しないから…ぁ…ぁ」
涙でぐしゃぐしゃな少年の顔を両手で包むように撫でてやり、その唇をリヒャルトは親指でなぞる。
「しないな? これからは私の言う事をよく聞くな?」
「……聞くっ! 聞きますぅ…ぅぅっ! うく……っ! だから……っ」
なぞられた唇がわなわな震え、源之助は強請るようにリヒャルトの親指に舌を這わせた。荒らぐ息に塗れた真っ赤な舌先。それに指を舐められ、リヒャルトの背骨に凄まじい愉悦が突き抜ける。
その小さな舌を弄ぶよう口に指を入れてやれば、少年は素直に吸い付き、濡れた音をたてる。ぴちゃぴちゃとしゃぶる悩ましい姿は、甚くリヒャルトの眼を喜ばせた。
「良い子だ…… なら、我慢しなさい? 私が許すまで、我慢だぞ?」
涙に烟る源之助の瞳が、絶望的な色を宿す。
……ああ、良いね。実に悦い顔だ。ぞくぞくするよ。
興奮したリヒャルトの手管に踊らされ、イかされるばかりな源之助は、彼が許すまで散々佳がり狂わされた。
コフィンが助けに入るものの、源之助しか見えていないリヒャルトは、見慣れないコインの存在を完璧に無視する。
『……やっぱヤバいお人でしたな、こん人はっ!』
何度も意識を飛ばしては、身の内を激しく撫で回す色欲に叩き起こされ、源之助は地獄のようなリヒャルトの愛撫に翻弄される。
……やめてぇぇっ! も、無理ぃぃっ!!
獰猛に口角をまくり上げて責めまくるだけのリヒャルト。己の嬌態が、少年を支配したい彼にとって堪らない愉悦なのだとは知らない源之助。
「もっとだ。もっと私を求めろ…… なあ?」
くすくす嗤う魔王様。少年が頭を打ち振るって佳がれば佳がるほど、彼は貪欲に源之助を悦楽の深みへと沈めていった。
哀願も懇願も意味はない。リヒャルトはわざと焦らしているのだから。源之助の身体に己を刻みつけるために。欲しがらせるために。
彼は少年の弱点をしっかり把握していた。一度火をつけられたら止まらない淫靡な性癖を。正確には、神によって造られた、男を惑わすためな身体の弱みを。
……助け…て…っ、コフィン……っ!
無意識にすがる源之助を檻越しに抱きしめ、リヒャルトは恍惚とした顔で甘美な折檻を続ける。
『……不味いでんな。源之助が壊れてまうかも』
抜け出せない快楽の海に溺れ、ただただ泣き喚く少年。
長々と源之助をいたぶって満足したリヒャルトが精を注いでも、深まり過ぎた愉悦がおさまることはなく、ここから源之助の終わりが見えない地獄が始まった。
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