上 下
46 / 102

 理不尽な接待 14

しおりを挟む
 
「いつもみたいに、マーリン殿下の後宮に行けば良いの?」

 食事も終わって湯浴みをしつつ、源之助はリヒャルトに尋ねた。

「おまえは…… 慣れた風で語るな。側室とはいえ妃なのだからな? マーリンの後宮には華が二人しかいない。なので、こちらに来るそうだ」

 ……慣れた風も何も、慣らされちゃったしなぁ? 神様といい、リドルやリヒャルトといい、絶倫にも程があるし。

『良えことですやん。せっかく愉しめる身体に仕込んでもろたんですから。もっと、はっちゃけてくんなまし』

 ……これ以上に? 

 うはあ……っとうんざり顔で天井を見上げる源之助の肩を掴み、リヒャルトが正面から見据える。

「前々から思っていたのだが、そなた、妃としての自覚がなさすぎないか? 先ほどもそうだ。あのような無礼な辱めを受けたら、即引き返して構わないのだぞ?」

 どうやら小姓に間違われたことを言っているらしい。王族の何某は全く分からないので、源之助にしたら気にするようなことでもない。
 むしろルドラは優しく、右往左往する少年に手を差し伸べてくれた。そんな人間の首を刎ねたくなどないに決まっている。

「妃ったって職業ですし? 本物の王族でもないし? 王宮に入ってから、僕がしたことって接待だけでしょ? 報酬ははずんでくださいよね」

 こんな遠出までしたのだ。後宮の仕事を辞したあとの暮らしを考えたら、それなりの纏まった金額は貯めておきたい。
 そう宣う少年に、リヒャルトの顔がみるみる青ざめていく。
 そして次の瞬間、烈火のごとく叫んだ。

「阿呆ぅがあぁぁーっ!! 私の子供の親だぞっ?! 正しく妃に決まっておろうっ!! 成人したら正室にする予定だっ!!」

「ええええぇぇぇーっ?!」

 ……理不尽極まりない宣言キタコレっ!!

 ざばざばと湯船のお湯を掻き分け、リヒャルトは顎まで浸かる源之助を抱き上げた。
 簡単に落ち上げられてしまう十歳児様。
 横抱きにした少年を膝にかかえ、リヒャルトは湯船の底に座る。如何にも憤懣やる方ないといった顔の彼に、源之助は居心地悪げに身動いた。

 ……ヤバい。まさかリヒャルトが本気で妃にするつもりだったなんて。たんなる軽口だと思って流してたよ。

『……まあねぇ? この手の男はんが本気は滅多にないですやろ。……その分、執着したら半端ないタイプとみましたわ。……御愁傷さま』

 ……おいいぃぃっ! 不穏なこと言うなよぉぉーっ!

 脳内で反論するが早いか、リヒャルトの手が源之助の中をまさぐる。ずくっといきなり捩じ込まれた指が、中の悦いところを探して蠢いていた。

「ひゃっ! まっ、待ってぇぇっ!」

「待たんっ! お前が私のモノだという自覚を持つまで、身体に叩き込んでやるわっ! 仕置きもするからなっ?!」
 
 ずちゅ、ぬちゅと挿し込まれる長い指。それは簡単に源之助の悦いところを探り当て、これでもかと抉る。

「あひっ? あっ、あっ! ま…っ! ひぁああぁんっ!!」

 曲げた指の関節でゴリゴリ突き上げられて、少年のモノ勃ちあがった。その猛る慎ましやかな御立派様を撫でながら、リヒャルトは意地悪く源之助の内側を虐める。

「やらしい身体をしおって…… 末恐ろしい子供だよ、グエンは」

 そういうとリヒャルトは少年を向かい合わせに抱き直し、すでにイキり勃つ己の一物の上に充てがった。
 自分の身体を割って、ず……っと押し込まれる灼熱の楔。狭い肉孔を限界まで広げて突き刺さる剛直に、源之助は背筋を震わせる。
 ずぶずぶと体内に響く音。それが股間を直撃し、あまりの気持ち悦さに少年は身悶えた。

「きゃーっ!! ひゃっ! だめっ! イ…イくっ! イっちゃうぅぅっ!」

「……良い子だ。まだ挿れただけなのにな? 素晴らしく良い感度だ。……ぅっ!」

 佳がる源之助の柔肉に絡みつかれ、リヒャルトも小さく呻く。二本差し出来るほど伸び広がるくせに、少年の中は常にジャストフィット。
 ややキツいくらいの絶妙な締付けでリヒャルトのモノを咥え込んでいた。

「……眼をあけろ」

「ひ……ぅ?」

 固く閉じていた少年の眼が、うっすらと開く。涙に烟る黒曜石の瞳。
 真っ赤な源之助の顔を見つめながら、リヒャルトは湯船の縁に腰掛け、少年の腰を片手で抱きしめると、空いた方の手を振り上げ、柔らかな尻たぶを引っ叩いた。

「きゃあんっ?!」

 ぱあんっと良い音が響き、源之助の悲鳴が浴室に響き渡る。

「……仕置きだ。イくまで叩いてやる。ほら、腰を振れ」

 ……腰をって。うひゃあっ?!

 ぱあんっと音が鳴るたびに源之助の腹の奥がきゅんきゅん疼いた。それを逃がすため無意識に揺れる小さなお尻。だがそれは逆に、中を貫いているリヒャルトの熱さをこれでもかと少年に感じさせる。
 ひいひい喘いで腰をくねらせる妃の艶かしさよ。
 リヒャルトは、うっとり上気した顔で、何度も源之助の尻を叩いた。拙い少年の動きが堪らない。

 ……やだっ! 中で…っ、おっきいのが当たるぅぅっ!!

 ふぐふぐ啜り泣きつつ、悦いところに当てようと腰を揺らす源之助。最奥をごちゅごちゅ掻き回すように動かれ、リヒャルトも苦しげな顔で喉を反らした。

「これで…… 無自覚なのだから、手に負えんな」

 叩かれる刺激で、きゅんきゅん疼く源之助の身体。その振動で締まる肉壁が、深々と穿たれた中のモノを感じさせる。さらには無意識に揺れる腰のせいで、悦いところ当たりまくり、自ら追い詰められていく少年。
  
 ……も、イくっ! イっちゃううぅっ!!

「イきゅ……っ! イ…っ、イいぃぃっっ!」  

 頭を左右に打ち振るって涙の飛沫を飛ばしながら、源之助はリヒャルトにしがみつく。ぎゅう……っと抱きしめる細い腕を心地よく思いながら、リヒャルトはとどめとばかりに力一杯尻たぶを引っ叩いてやった。
 その瞬間、源之助の腹の奥を直撃する快感。

「ひゃ……ああぁぁっ!! ~~~~~~っっ!!」

 密着した二人の間で何かが弾け、温かい雫が垂れてゆく。たぱたぱ溢れる、源之助の歓喜の証。
 それを己の腹に感じながら、リヒャルトは小刻みに震える少年を愛おしそうに抱きしめた。
 はあはあ忙しない源之助の吐息がいじらしく、その顔をあげさせると、彼は深く口づける。

「愛いな。叩かれて気持ち悦かったのか?」

 リヒャルトはまだ精を吐き出していない。イかされてしまった少年の体内が、精を欲して酷く疼いていた。

 ……腹の中が……っ! うあっ!

「ひぐ……? ん…… ふぁ…」

「……そんなに締めるでないわ。良い感じに身体も出来上がったようだ。……いくか」

 ずるりと無常にも引き出されるリヒャルトの猛り。

 それを逃がすまいと呑み込むように締め付ける源之助の柔肉。少なくない忍耐を駆使して、リヒャルトは切なげな顔で己のモノを引き抜いた。

「……仮にもマーリンに貸す予定だからな。先に注げはせん。明日の夜になったら、存分に可愛がってやるから」

 ……そっ、そんなあぁぁっ! も……、ふあっ、腹が熱くて……っ!

 イけばイくほど男の精と蹂躙を望む、源之助の淫らな身体。熱く蕩けたそれを持て余して震える少年を抱き上げ、リヒャルトは寝室に向かう。
 
 マーリンに源之助を貸し与えるために。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

僕が玩具になった理由

Me-ya
BL
🈲R指定🈯 「俺のペットにしてやるよ」 眞司は僕を見下ろしながらそう言った。 🈲R指定🔞 ※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。 ※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨 ので、ここで新しく書き直します…。 (他の場所でも、1カ所書いていますが…)

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

おねしょ癖のせいで恋人のお泊まりを避け続けて不信感持たれて喧嘩しちゃう話

こじらせた処女
BL
 網谷凛(あみやりん)には付き合って半年の恋人がいるにもかかわらず、一度もお泊まりをしたことがない。それは彼自身の悩み、おねしょをしてしまうことだった。  ある日の会社帰り、急な大雨で網谷の乗る電車が止まり、帰れなくなってしまう。どうしようかと悩んでいたところに、彼氏である市川由希(いちかわゆき)に鉢合わせる。泊まって行くことを強く勧められてしまい…?

新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~

焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。 美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。 スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。 これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語… ※DLsite様でCG集販売の予定あり

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

処理中です...