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 理不尽な転生 18

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「お、少年。今日も小遣い稼ぎするかい?」  

「ああ、可愛いね。昨日は手持ちがなかったから諦めたけど、今日は持ってるよ? どう?」

 あちこちから源之助に声をかける人々。

 門の付近で可愛がられた源之助を、けっこう多くの人が目撃していたらしい。しかも、その理由が親も庇護者もいないから、小銭稼ぎでヤっていたのだともバレている。

「俺が庇護者になってやるよ。子供は大人に守られないとな」

「おい、抜けがけすんなよっ! 選ぶのは少年だ。俺も、俺も。大切にするぜ?」

 あからさまなアプローチの嵐。親も庇護者もない子供など滅多におらず、リシャールの男達にしたら垂涎の獲物だ。
 無理強いしないあたり、世界の民度は良さそうだが、押しが強い。半端なく強い。

 ……やっぱ、そういう世界なんだなあ? リドルも優しい顔して、ぐいぐい来てたし?

 たははと苦い笑みを浮かべる源之助を見て、リドルの悋気が静かに漂った。

「へえ…… ずいぶんと可愛がられてたみたいだね。ほら、行くよ。早く首輪を造ってつけないと」

 ぐっと手首を掴み、彼は裏通りを抜けて繁華街の西に向かう。その途中で源之助を可愛がっておくのも忘れない。

「……俺のモンだろ? なあ? 他の男に余所見すんじゃないよ。俺を試してるのかい?」

「えっ? ええっ? うひゃあっ!!」

 背後から抱きしめ、リドルは少年の顎を掴んで壁に押し付ける。そして手早くズボンを寛げると、源之助の股間に縮こまる一物を手荒に引き出した。

「……勃ってはないね。良い子だ。万一、他の男におっ勃てて見せたら…… どうしようか? ここにも首輪が必要かな? 出せなくなるように…… それも特注しておくか」

 ……いいぃぃっ?! なに、それぇぇーっ!!

 ぶつぶつ呟くリドルの不穏な言葉を、コフィンが解説してくれる。

『根本やカリ首んとこで拘束する道具でっせ。伴侶の躾けの一つ。射精を制限して、佳がり狂わせる玩具です~』
 
 ……んなっ?! そんなんされたら、マジで死ぬわあぁぁーーーっ!!

「……全く。油断も隙もない。早く首輪をつけて、家に閉じ込めておかないと。許婚や嫁だって、拐う奴は拐うんだ。連れ出せないよう、部屋に繋いでおかないと安心出来ないな」

 ふう……っと溜め息をつき、往来の暗がりで源之助のモノを扱くリドル。
 あっ、あっ、と甘く喘ぎ、源之助は淫猥なリドルの指に屈伏した。
 ぷしゃあっと噴き出し、たぱたぱ零れる温かい精。それを満足げに眺め、リドルは濡れた己の手を少年の口元に運ぶ。

「舐めて? 汚れちゃったから。ふふ、素直でいやらしい身体だね。……これを他に触れさせていたと思うと、腸が煮えくり返るけど」

 最後の一言にこもる、凄まじい嫉妬。

 それに背筋を震わせ、己の出したモノを舐めるしかない源之助だった。
 
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