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理不尽な転生
しおりを挟む「は?」
《いや、だからね? 君は死んだの。そんでもって、最後の願いを叶えてあげるって》
呆然とする少年の名前は竹中源之助。今年十六歳の高校一年生。
凡庸な顔立ちで、モブ一直線の人生を送ってきた彼だが、ここにきて青天の霹靂。突然現れた神と名乗る男によって、身も知らぬ大地に連れて来られた。
「リアル、ラノベ展開とかいらないから。そういうのは、姉さんの薄い本だけで十分だよ」
そう、源之助の姉はいわゆる腐女子。それ系の薄い本を自費出版しており、なかなかに売れてもいた。
そんな姉の修羅場に付き合わされ、源之助は原稿の仕上げをいつも押し付けられる。下手にパソコンが使えたのが徒となった。
昨夜も、うっふん、あっはんヤらかす青少年の原稿に手を入れていた時…… 気がつけば煙が充満していて、驚いた拍子に転んだまでは覚えている。
……げ。まさか。
《そのまさかだよ。意識を失った君は、マンションで起きた火災の煙に巻かれたんだ》
うわあ…… っと、両手で顔を覆う源之助。
《でさ、君が私の頼みを聞いてくれるなら、私の世界に招こうと思って。君の欲望も叶えてくれる世界だよ?》
「僕の欲望?」
首を傾げる少年に、神と名乗る男は大仰に頷いた。
《男同士で愛し合いたいんでしょ? そういうの描いてたよね? 私の世界は、そういう世界だから。君に気に入ってもらえると思う》
ぴきっと源之助のこめかみに青筋が立つ。
「それは、姉さんの原稿だっ? 僕は仕上げを頼まれただけっ!」
《え…… そうなの? あちゃ~、どうしよ》
片手で両目を覆い、男性は途方に暮れた声で天を仰ぐ。
《……いまさら返品も出来ないしなぁ。……覚えて?》
そういうと神と名乗る男性は軽く指を鳴らし、周りの木々が、ざわざわ蠢きだした。
それらは変幻自在に伸び広がり、源之助の身体に絡まる。森全体が敵になったかのように、無数に伸ばされた触手は源之助の身体を戒めていった。
「うひゃっ?! なにっ? なに、なに、なにぃぃーっ?!」
大の字で宙に固定され、顔面蒼白で狼狽える少年。
……触手プレイとかぁぁーっ! そんな玄人好みな特殊性癖を神が持つなよぉぉーっ!!
《悦いこと教えてあげるから。突然、男に抱かれるのは怖いものね。うんと楽しめる淫らな身体にしてあげよう》
「ふざけんなぁーっ!!」
恐怖で涙目な源之助。
それをさも愉しそうに眺め、男性は説明を交えつつ、少年の身体を暴いていく。
こうして、理不尽極まりない源之助の異世界ライフが始まろうとしていた。
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