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1,プロローグ

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「今日からお前の弟となるルークだ。仲良くするように。」

お父様と会うのは二年ぶりだろうか?
食事の場はおろか屋敷の中ですらすれ違うことがなく、長らく会っていないせいかここ最近はお父様の顔すら忘れかけていた今日。
いきなり書斎に呼ばれたと思えば、お父様からこう告げられ、頭がはてなマークになるジェンキンソン公爵家の長男、リオン・ジェンキンソン御年6歳。


いや、がはてなマークになるのではない。がはてなマークになっているのだ。

なんてことを冷静に考えてしまうくらいに、混乱しているのだが、無理やり自分を落ち着かせる。

しかし、このルークという子供はお父様とどういう繋がりなのか。お母様が亡くなられたときから女遊びが激しくなったと使用人達から聞いていたが、まさかそのときにでも出来た子供なのだろうか?

そんなことを考えながらこの話の主役であるルークに視線を移す。


「あなたの兄となるリオンです。よろしくお願いします」

人見知りなのか、お父様の後ろに隠れるように立っているので顔があまり見えない。怖がらせないように、なるべく優しく笑顔で自己紹介をした。

すると、隠れていたルークがおずおずと進み出てきた。

「ル、ルークです、よろしくお願いします‥‥」
消えてしまいそうな声でお辞儀をしてきたルークは、精巧なお人形のように顔が整っている美少年だった。
透けるような真っ白な肌に、サラサラな白銀の髪。


‥まるで雪の精のようだ。


そう思ったとき、突如あるスチルが脳裏によぎった。


それは、ルークのように真っ白な青年が真っ赤な血に染まっているスチルで‥‥……
ってスチル?なにそれ、、

突如浮かんだスチルというワードと、頭に思い浮かんだ絵に混乱する。

その瞬間、いろいろな光景、情報が頭をめぐる。しかもどれもわけのわからない記憶だ



「う、あ‥‥‥」



6歳児の頭では脳が追いつかなかったのか、リオンはキャパオーバーしその場で倒れた。












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