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42.氷柱の世界樹
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「あれ位ならすぐ終わるね」
――え?
思わず間抜けな声が漏れる。
あれがすぐ終わる?正直何を言ってるのか理解出来なかった。
遠目からでも解る程、クソでかいんですけどぉ。
ど、とうやって――
「詠唱込の魔法撃ち込めば1発かな」
詠唱か。よくある、炎の精霊ようんたらかんたらみたいなやつか。
この世界って詠唱有るんだ。何時も呪文しか唱えてないし、そう云うものと思ってた。
その詠唱を使わないと、撃てないまほうってこと?
「うーん、詠唱はなくても撃てるよ。
ただ、詠唱を唱えて撃つと、威力が上がったり特殊な追加効果が付与されるの。」
はえ~、そんな感じなのか
詠唱はあくまでも、呪文の強化用のオマケって事ね。
で、その詠唱ってのは何を言えばいいのか?
「えーっとね。
レベルが上がる時に魔法覚えるでしょ?
その時、一緒に頭の中に浮かんでくるの。
理由や法則は分からないけど、同じ魔法でも詠唱付きで覚える人と、そうじゃない人が居るみたい」
覚える魔法ってそんな、当たりとハズレごあんの?
「みたいね。
でも、上位の魔法は大体詠唱はセットで覚えるから、あんまり気にしなくてもいいと思うよ
」
――上位の魔法ねぇ。やっぱり広範囲を殲滅~とか、一撃必殺とかそんな感じかな?俺もいつかは覚えたいものだ。
今回は、アナスタシアが見せてくれるだろうから、どんな魔法なのか楽しみだ。
「それじゃあ。
もうちょっと、近づこうか」
了解、どれ位まで近づく?
今いる場所から、ロックタートルまで半分位の地点を指刺し言う。
「あそこら辺がいいかな。
凄いの見せてあげるよ」
そう言って彼女は、今から悪戯を仕掛けるようとしている、子供の様に無邪気な笑顔を見せ。目的の地点を目指し、岩場を降りていった。
その表情にドキリとしながらも、遅れないように岩場を下り後に続いた。
足場が悪い為、移動に少し手間取ったが目的の地点まで無事辿り着いた。
本当にデカイな
近くに寄ったことにより、更に大きく見えた。
どうやってこの巨体を支えてるんだか、これだけ大きいと自重で動けないと思うんだが。
まぁそこは異世界、魔法の力で何やかんやって奴だろう。俺は専門家じゃないし、詳しく調べる気なんてない。
改めて聞くけど、これ倒せんの?
「もちろん、私に任せて。
ソラは傍で見てるだけでいいから」
それじゃあお言葉に甘えて
アナスタシアは3歩ほど前に進み、杖をロックタートルに向け構える。
聴く者を凍り付かせるような、透き通る声で静かに紡ぎ始めた。
「断ち切れぬ永劫《えいごう》の氷柱《つらら》」
地面に青く輝く魔法陣の輪郭が現れる。
「折れ曲がる氷の蔓《つる》」
一言紡ぐ事に輝きを増し、魔法陣が描かれていく。
「永遠の冷気を纏いし枝葉」
魔法陣の外側が凍りつき始める。
「熱を奪いし氷霧《ひょうむ》」
吐く息は白く、身体の熱が奪われていく。
「霧氷《むひょう》舞い散る氷の庭にて伸びゆく大樹《たいじゅ》」
「凍る世界で眠りなさい。」
「<氷柱の世界樹>」
ロックタートルの居る地面が青く輝き、巨大な魔法陣を描き出す。
青く輝く魔法陣より、氷の柱が天に向かい伸びゆく。
幾つもの柱が重なり、絡まり、犇めきあい1つの塊となる。
天に昇る氷の濁流は、ロックタートルを押し上げ空中へと誘う。
氷の枝葉が伸び、暴れるロックタートルの身体に絡みつき、その動きを無理矢理押し止める。
次第にそのは増えていき、身体の全てが氷の枝葉に包まれた。
止まることなく、なおも枝は伸び続け、終いには巨大な大木となった。
あまりの出来事に言葉を失う。
あっという間に氷の樹が出来上がった。
あれだけ巨大だった、ロックタートルをいとも簡単に持ち上げ、氷漬けにしてしまったのだから。
あまりの規模の魔法に驚愕する。
それと同時に。薄桃色の氷は、元の世界でよく見かけた桜の木の様に美しく思えた。だからだろうか、自然とその言葉が口から零れ落ちた。
「――綺麗だな」
絶え間なく削られ。落ちていく氷の欠片は、まるで舞い散る花弁の様に儚く輝いていた。
――え?
思わず間抜けな声が漏れる。
あれがすぐ終わる?正直何を言ってるのか理解出来なかった。
遠目からでも解る程、クソでかいんですけどぉ。
ど、とうやって――
「詠唱込の魔法撃ち込めば1発かな」
詠唱か。よくある、炎の精霊ようんたらかんたらみたいなやつか。
この世界って詠唱有るんだ。何時も呪文しか唱えてないし、そう云うものと思ってた。
その詠唱を使わないと、撃てないまほうってこと?
「うーん、詠唱はなくても撃てるよ。
ただ、詠唱を唱えて撃つと、威力が上がったり特殊な追加効果が付与されるの。」
はえ~、そんな感じなのか
詠唱はあくまでも、呪文の強化用のオマケって事ね。
で、その詠唱ってのは何を言えばいいのか?
「えーっとね。
レベルが上がる時に魔法覚えるでしょ?
その時、一緒に頭の中に浮かんでくるの。
理由や法則は分からないけど、同じ魔法でも詠唱付きで覚える人と、そうじゃない人が居るみたい」
覚える魔法ってそんな、当たりとハズレごあんの?
「みたいね。
でも、上位の魔法は大体詠唱はセットで覚えるから、あんまり気にしなくてもいいと思うよ
」
――上位の魔法ねぇ。やっぱり広範囲を殲滅~とか、一撃必殺とかそんな感じかな?俺もいつかは覚えたいものだ。
今回は、アナスタシアが見せてくれるだろうから、どんな魔法なのか楽しみだ。
「それじゃあ。
もうちょっと、近づこうか」
了解、どれ位まで近づく?
今いる場所から、ロックタートルまで半分位の地点を指刺し言う。
「あそこら辺がいいかな。
凄いの見せてあげるよ」
そう言って彼女は、今から悪戯を仕掛けるようとしている、子供の様に無邪気な笑顔を見せ。目的の地点を目指し、岩場を降りていった。
その表情にドキリとしながらも、遅れないように岩場を下り後に続いた。
足場が悪い為、移動に少し手間取ったが目的の地点まで無事辿り着いた。
本当にデカイな
近くに寄ったことにより、更に大きく見えた。
どうやってこの巨体を支えてるんだか、これだけ大きいと自重で動けないと思うんだが。
まぁそこは異世界、魔法の力で何やかんやって奴だろう。俺は専門家じゃないし、詳しく調べる気なんてない。
改めて聞くけど、これ倒せんの?
「もちろん、私に任せて。
ソラは傍で見てるだけでいいから」
それじゃあお言葉に甘えて
アナスタシアは3歩ほど前に進み、杖をロックタートルに向け構える。
聴く者を凍り付かせるような、透き通る声で静かに紡ぎ始めた。
「断ち切れぬ永劫《えいごう》の氷柱《つらら》」
地面に青く輝く魔法陣の輪郭が現れる。
「折れ曲がる氷の蔓《つる》」
一言紡ぐ事に輝きを増し、魔法陣が描かれていく。
「永遠の冷気を纏いし枝葉」
魔法陣の外側が凍りつき始める。
「熱を奪いし氷霧《ひょうむ》」
吐く息は白く、身体の熱が奪われていく。
「霧氷《むひょう》舞い散る氷の庭にて伸びゆく大樹《たいじゅ》」
「凍る世界で眠りなさい。」
「<氷柱の世界樹>」
ロックタートルの居る地面が青く輝き、巨大な魔法陣を描き出す。
青く輝く魔法陣より、氷の柱が天に向かい伸びゆく。
幾つもの柱が重なり、絡まり、犇めきあい1つの塊となる。
天に昇る氷の濁流は、ロックタートルを押し上げ空中へと誘う。
氷の枝葉が伸び、暴れるロックタートルの身体に絡みつき、その動きを無理矢理押し止める。
次第にそのは増えていき、身体の全てが氷の枝葉に包まれた。
止まることなく、なおも枝は伸び続け、終いには巨大な大木となった。
あまりの出来事に言葉を失う。
あっという間に氷の樹が出来上がった。
あれだけ巨大だった、ロックタートルをいとも簡単に持ち上げ、氷漬けにしてしまったのだから。
あまりの規模の魔法に驚愕する。
それと同時に。薄桃色の氷は、元の世界でよく見かけた桜の木の様に美しく思えた。だからだろうか、自然とその言葉が口から零れ落ちた。
「――綺麗だな」
絶え間なく削られ。落ちていく氷の欠片は、まるで舞い散る花弁の様に儚く輝いていた。
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