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155・ヘッドバンキング
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それはセルニアとのアミューズメントパークでのデートが終わり、さらに球竜 宮のケガ&お見舞いから、数日が経った、二月頭のとある月曜日のことだった。
学校での授業も終わった放課後。
俺は制服姿のセルニアと一緒に、松陽駅から三駅ほど離れた、とあるビルの中にいた。
ちょっとしたホテルの一室を思わせる、立派な応接室にて、俺達二人はどこか落ち着かない気分のままソファに座っていた。
「……」
目の前には、一人の女性。
どこか申し訳なさそうな表情をした、キャリアウーマン的な、水原 睦月さんだった。
「「「……」」」
室内を満たすのは、沈黙というか、微妙な緊張感だった。
バックグラウンドに流れるヒーリングミュージックに紛れて漂う、どこか張りつめた空気は、まるで黒ひげ危機一発のよう。
さて、なぜ俺達がこんな三者面談に臨む志望校ボーダーラインの受験生の親子状態になっているのかというと、実に単純な話だ。
ある日、セルニアの元へ辿り着いた、オーディション合格通知とかいう封筒。
一体何が何だかわからずに混乱するセルニアと俺のもとに、直後に電話がかかってきたのだった。
「あ、ええと、吉祥院さんですか?」
「は、はあ……」
「あの、わたくし、水原です。何度かお会いした……」
電話の主は、今ここに居る当の水原さん。
その内容は件のオーディション合格通知についての告知であり、そして詳しい説明をするために、一度 会いたいという物だった。
セルニアとしても、当然 詳細というか、何が起こっているんだか事情を聞きたいところである。
すぐにその提案に同意して、そして現在、その詳しい説明を聞くために、俺達はいまここ、株式会社スリーピースプロダクションの事務所に来ているというわけだ。
「ええと、それじゃあ、色々とお話ししても良いかしら」
どちらとも牽制するような雰囲気の中、水原さんがそう切り出した。
「ええ、どうぞ」
さっそく出た本代に、緊張したように息を飲むセルニア。
そのセルニアに、正面から両手をテーブルについて、
「ごめんなさいっ!」
いきなりガバッと頭を下げてきた。
「「え?」」
俺とセルニアは疑念の声。
「あのね、あれは間違いなの!」
「間違い? どういうことですの?」
水原さんの言葉の意味がわからず、聞き返すセルニア。
「ええ、なんて言うか、とっても面目ないことなんだけど。この前のイベントの時に写真を撮りましたよね。それが手違いでオーディションの書類の方に混ざっちゃって、そのまま審査されちゃったみたいなの。
どうもね、バイトの子が間違って そっちの箱に混ぜちゃってたみたいで。わたくしたちも全然気付かなくて、先日になって合格通知が出た段階でようやく気付いたって状況なの。だから、本当にごめんなさい。
ビックリさせちゃったわよね」
もう一度ペコペコと頭を下げる。
「つまり、人為ミスによる誤配送ということですの」
紛らわしいというか、人騒がせな話だ。
合格通知書なんてもんが届いたときにはホントに何が起きたのかと思った。
「あー、だとしたら、あの合格通知は無効って事で良いんですね」
俺がそう確認すると、水原さんは複雑な表情になった。
「あ、ええと、なんていうか、そのことなんだけど。実はそれについて吉祥院さんにお願いがあって」
「はい?」
セルニアが首を傾げると、水原さんは真っ直ぐにセルニアの目を見て、
「あの、できれば、ホントに出てくれないかしら!」
いきなり そんなことを言い出した。
「え? あの、それってどういう意味ですの?」
「言葉の通り、二月十四日にあるオーディション本選に、吉祥院さんに本当に出場してもらいたいのよ」
「えええっ!? 出るって……」
セルニアは、奇妙な声を上げてしまった。
まあ、当然の反応だ。
間違いでアイドルのオーディションに本当に出ろって言われて、
「はい、わかりました」
と気軽にうなずけるもんじゃない。
そんなセルニアの反応に、水原さんは慌てた様子になって、
「あ、ごめんなさい。なんか、勘違いさせちゃったみたいね。ええとね、出るといっても、ホントに出場してくれって事じゃなくて……。
吉祥院さんが、間違ってエントリーされちゃったことは、事務所内では周知の事実なの。だから対内的には問題ないんだけど。ただ、もうプログラムとかも決まっちゃったし、プレス用に案内状とかも印刷しちゃったし、対外的には後に引けないっていうか。
だから外に向けた人数合わせで、出場して貰いたいの。もちろん、選考対象からは外すように計らうし、プライバシーとかにも配慮します。
もちろん 吉祥院さんにも まったく手間をかけさせないってわけにはいかないし、色々と事前研修とかは受けてもらわないといけないから、本当に申し訳ないことではあるんだけど。
それも、本選 当日までのほんの五回程度だから!」
「え、ですが……」
「お願いします! できる限りのお礼はするし、最大限のフォローもします! これが上手くいかないと、事務所の信頼的にも大問題だし、私たちの首も飛ぶかもしれないのよ!
ううん、私たちどころか、バイトの子とかこのことに関わった人とかもまとめて。
だから都合が悪いって事でなければ、助けると思って、ね、ね?」
がんがんと頭をテーブルに叩きつけながら懇願してくる。
「あ、いえ、でも……」
「どうか、お願いします!」
「ええと、ですから……」
セルニアが困ったような表情。
そりゃあ目の前で、いい大人に土下座まがいのされたら困る。
解雇がかかっているかもしれないとすれば、水原さんたちが必死になるのも肯けるけど、セルニアにだって都合があるんだし、それに冷たい言い方をするけど、そもそもは水原さんたち側のミスで起こったことだ。
同情はしても、その尻拭いまで付き合う義理はないというか……
「まあ、その……」
しかし基本的に困っている人は放っておくことのできないセルニアだ。
そう簡単に割り切ることもできないようだった。
テーブルに向かってヘッドバンキングを続ける、客観的にはヘヴィメタの熱狂的ファンを思わせる水原さんたちの姿を見て、セルニアは、決意したかのようにうなずいて顔を上げた。
「わかりましたわ」
「……え?」
「わかりましたといいました。わたくしにできる範囲でしたら、協力いたしますわ」
「ホントっ!」
その言葉に突然なにかのスイッチが入ったかのように、水原さんがガバッと叩き付けていた頭を上げた。
「わたくしにもお稽古などがありますし、どこまで できるかはわかりませんが。
しかし、高貴なる者の義務という物があります。困っている下々の者を助けるのも、吉祥院家に生まれた者の勤めですわ」
「ありがとうございます! ありがとうございます! このご恩は一生忘れませんからっ!」
セルニアの手をぎゅっと握りしめながら、何度も何度もマメをついばむ鳩のように頭を下げてくる水原さん。
向こうにしてみれば、嬉しいのはわかるけど。
「セルニア、いいのか?」
水原さんの過剰な反応に、少し困ったようなセルニアに声をかける。
幾ら人数 合わせのオーディション参加だからって、面倒なことには変わりはないだろう。
それなりに時間的 拘束もされるみたいだし。
「大丈夫ですわ。今月は そこまで お稽古は忙しくありませんし。それに水原さんには写真でお世話になりましたわ。
わたくしが少し助けるだけで、路頭に迷うのを避けられるなら、仕方がないでしょう」
「そうか……」
まあ、セルニアがそう言うなら、俺がとやかく言うことじゃないだろう。
水原さんがさっそくスマホを取り出して、
「では、すぐに宣伝部に連絡いたしますので。吉祥院さんの了承がいただけたと。
ちょっと失礼しますね」
水原さんが、どこかに連絡し始めた。
こうしてセルニアが、人数合わせのオーディションに参加することが決まったのだった。
学校での授業も終わった放課後。
俺は制服姿のセルニアと一緒に、松陽駅から三駅ほど離れた、とあるビルの中にいた。
ちょっとしたホテルの一室を思わせる、立派な応接室にて、俺達二人はどこか落ち着かない気分のままソファに座っていた。
「……」
目の前には、一人の女性。
どこか申し訳なさそうな表情をした、キャリアウーマン的な、水原 睦月さんだった。
「「「……」」」
室内を満たすのは、沈黙というか、微妙な緊張感だった。
バックグラウンドに流れるヒーリングミュージックに紛れて漂う、どこか張りつめた空気は、まるで黒ひげ危機一発のよう。
さて、なぜ俺達がこんな三者面談に臨む志望校ボーダーラインの受験生の親子状態になっているのかというと、実に単純な話だ。
ある日、セルニアの元へ辿り着いた、オーディション合格通知とかいう封筒。
一体何が何だかわからずに混乱するセルニアと俺のもとに、直後に電話がかかってきたのだった。
「あ、ええと、吉祥院さんですか?」
「は、はあ……」
「あの、わたくし、水原です。何度かお会いした……」
電話の主は、今ここに居る当の水原さん。
その内容は件のオーディション合格通知についての告知であり、そして詳しい説明をするために、一度 会いたいという物だった。
セルニアとしても、当然 詳細というか、何が起こっているんだか事情を聞きたいところである。
すぐにその提案に同意して、そして現在、その詳しい説明を聞くために、俺達はいまここ、株式会社スリーピースプロダクションの事務所に来ているというわけだ。
「ええと、それじゃあ、色々とお話ししても良いかしら」
どちらとも牽制するような雰囲気の中、水原さんがそう切り出した。
「ええ、どうぞ」
さっそく出た本代に、緊張したように息を飲むセルニア。
そのセルニアに、正面から両手をテーブルについて、
「ごめんなさいっ!」
いきなりガバッと頭を下げてきた。
「「え?」」
俺とセルニアは疑念の声。
「あのね、あれは間違いなの!」
「間違い? どういうことですの?」
水原さんの言葉の意味がわからず、聞き返すセルニア。
「ええ、なんて言うか、とっても面目ないことなんだけど。この前のイベントの時に写真を撮りましたよね。それが手違いでオーディションの書類の方に混ざっちゃって、そのまま審査されちゃったみたいなの。
どうもね、バイトの子が間違って そっちの箱に混ぜちゃってたみたいで。わたくしたちも全然気付かなくて、先日になって合格通知が出た段階でようやく気付いたって状況なの。だから、本当にごめんなさい。
ビックリさせちゃったわよね」
もう一度ペコペコと頭を下げる。
「つまり、人為ミスによる誤配送ということですの」
紛らわしいというか、人騒がせな話だ。
合格通知書なんてもんが届いたときにはホントに何が起きたのかと思った。
「あー、だとしたら、あの合格通知は無効って事で良いんですね」
俺がそう確認すると、水原さんは複雑な表情になった。
「あ、ええと、なんていうか、そのことなんだけど。実はそれについて吉祥院さんにお願いがあって」
「はい?」
セルニアが首を傾げると、水原さんは真っ直ぐにセルニアの目を見て、
「あの、できれば、ホントに出てくれないかしら!」
いきなり そんなことを言い出した。
「え? あの、それってどういう意味ですの?」
「言葉の通り、二月十四日にあるオーディション本選に、吉祥院さんに本当に出場してもらいたいのよ」
「えええっ!? 出るって……」
セルニアは、奇妙な声を上げてしまった。
まあ、当然の反応だ。
間違いでアイドルのオーディションに本当に出ろって言われて、
「はい、わかりました」
と気軽にうなずけるもんじゃない。
そんなセルニアの反応に、水原さんは慌てた様子になって、
「あ、ごめんなさい。なんか、勘違いさせちゃったみたいね。ええとね、出るといっても、ホントに出場してくれって事じゃなくて……。
吉祥院さんが、間違ってエントリーされちゃったことは、事務所内では周知の事実なの。だから対内的には問題ないんだけど。ただ、もうプログラムとかも決まっちゃったし、プレス用に案内状とかも印刷しちゃったし、対外的には後に引けないっていうか。
だから外に向けた人数合わせで、出場して貰いたいの。もちろん、選考対象からは外すように計らうし、プライバシーとかにも配慮します。
もちろん 吉祥院さんにも まったく手間をかけさせないってわけにはいかないし、色々と事前研修とかは受けてもらわないといけないから、本当に申し訳ないことではあるんだけど。
それも、本選 当日までのほんの五回程度だから!」
「え、ですが……」
「お願いします! できる限りのお礼はするし、最大限のフォローもします! これが上手くいかないと、事務所の信頼的にも大問題だし、私たちの首も飛ぶかもしれないのよ!
ううん、私たちどころか、バイトの子とかこのことに関わった人とかもまとめて。
だから都合が悪いって事でなければ、助けると思って、ね、ね?」
がんがんと頭をテーブルに叩きつけながら懇願してくる。
「あ、いえ、でも……」
「どうか、お願いします!」
「ええと、ですから……」
セルニアが困ったような表情。
そりゃあ目の前で、いい大人に土下座まがいのされたら困る。
解雇がかかっているかもしれないとすれば、水原さんたちが必死になるのも肯けるけど、セルニアにだって都合があるんだし、それに冷たい言い方をするけど、そもそもは水原さんたち側のミスで起こったことだ。
同情はしても、その尻拭いまで付き合う義理はないというか……
「まあ、その……」
しかし基本的に困っている人は放っておくことのできないセルニアだ。
そう簡単に割り切ることもできないようだった。
テーブルに向かってヘッドバンキングを続ける、客観的にはヘヴィメタの熱狂的ファンを思わせる水原さんたちの姿を見て、セルニアは、決意したかのようにうなずいて顔を上げた。
「わかりましたわ」
「……え?」
「わかりましたといいました。わたくしにできる範囲でしたら、協力いたしますわ」
「ホントっ!」
その言葉に突然なにかのスイッチが入ったかのように、水原さんがガバッと叩き付けていた頭を上げた。
「わたくしにもお稽古などがありますし、どこまで できるかはわかりませんが。
しかし、高貴なる者の義務という物があります。困っている下々の者を助けるのも、吉祥院家に生まれた者の勤めですわ」
「ありがとうございます! ありがとうございます! このご恩は一生忘れませんからっ!」
セルニアの手をぎゅっと握りしめながら、何度も何度もマメをついばむ鳩のように頭を下げてくる水原さん。
向こうにしてみれば、嬉しいのはわかるけど。
「セルニア、いいのか?」
水原さんの過剰な反応に、少し困ったようなセルニアに声をかける。
幾ら人数 合わせのオーディション参加だからって、面倒なことには変わりはないだろう。
それなりに時間的 拘束もされるみたいだし。
「大丈夫ですわ。今月は そこまで お稽古は忙しくありませんし。それに水原さんには写真でお世話になりましたわ。
わたくしが少し助けるだけで、路頭に迷うのを避けられるなら、仕方がないでしょう」
「そうか……」
まあ、セルニアがそう言うなら、俺がとやかく言うことじゃないだろう。
水原さんがさっそくスマホを取り出して、
「では、すぐに宣伝部に連絡いたしますので。吉祥院さんの了承がいただけたと。
ちょっと失礼しますね」
水原さんが、どこかに連絡し始めた。
こうしてセルニアが、人数合わせのオーディションに参加することが決まったのだった。
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