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91・ハリウッド進出
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十二月二十四日。
クリスマスの夜。
クリスマスパーティーはいつやる物なのか、諸説はあるが、吉祥院家では二十四日の夜に行われていた。
そう、俺はセルニアと二人っきりのクリスマスではなく、吉祥院家に招かれてのクリスマスとなる。
うん、権造さんが俺とセルニアを二人っきりにするわけないよね。
で、俺は吉祥院家に到着。
広間で豪勢な食事が並ぶ中、俺は権造さんに挨拶する。
「お久しぶりです、権造さん。今日は招待いただき、ありがとうございます」
「ふん、よく来たな。歓迎する」
と右手を差し出してきた。
俺は礼儀を損ねるわけにはいかないので、握手すると、
グググググ……
万力のように握りしめてきた。
ノォオオオ!
予想はしてたけど、いたい 痛い イタい!
そしてお母さんのセルリア・雪華さんが止める。
「あなた、その辺で許してあげなさいな」
「ふん」
権造さんは手を離してくれた。
雪華さんはクスクスと笑って、
「ごめんなさいね。この人ったら、セルニアがアルバイトしたことで機嫌を損ねちゃって。どうしても自分の力でプレゼントを買いたいと言ってね」
「セルリア、余計なことは言わなくて良い」
「はいはい」
俺は権造さんから解放されると、晶さんに案内されて自分の席へ。
「こちらでやす」
そして俺は着席すると、隣には 藤守竜一さんがいた。
セルニアの誕生日で知り合った、人気俳優。
連絡先は交換して、時々チャットとかしてる。
藤守さんは気軽に、
「久し振りだね」
「お久しぶりです」
「麗華さんの隣じゃなくて残念だったね。間違いなく、権造さんが離れさせたんだと思うけど」
藤守さんは苦笑い。
そう セルニアは別のテーブル。
でも、今日のクリスマスパーティーは、身内だけで行うと言うことで、吉祥院の館で開き、集まったのも少人数。
だから話をする機会はたくさんあるだろう。
本日集まった人を紹介しよう。
吉祥院・セルニア・麗華。
吉祥院・セシリア・湖瑠璃ちゃん。
俺の姉の玲。
痴女教師の上永先生。
お父さんの吉祥院 権造さん。
お母さんの吉祥院・セルリア・雪華さん。
そしておばあさんにまるで見えないおばあさんの、吉祥院・セルヴィア・焔華さん。
メイドの猪鹿蝶 晶さん。
晶さんのお父さんの猪鹿蝶 巖さん。
執事の伊藤 春樹さん。
アンドロイドの沙由理さん。
藤守竜一さん。
そして球竜 宮。
宮は興奮気味に辺りを見渡す。
「うっわー。広い。マジでひっろー」
俺も最初に来たときはあんな感じだったな。
セルニアが宮に挨拶する。
「今日は来てくださり、ありがとうございます」
「呼んでくれてありがとう。この街じゃ親戚も居ないから、一人の寂しいクルシミマスになるかと思ってたとこだった。ホントありがとー」
「そこまで喜んでいただけると、わたくしもうれしいですわ」
さて、みんなが着席すると、上永先生が乾杯の音頭を取る。
「かんぱーい」
「「「「「かんぱーい!」」」」」
クリスマスパーティーが始まった。
さて隣に藤守さんが居るというのならば、したいのは映画の話。
実は正月に公開されるハリウッド映画に、藤守さんが出演しているのだ。
「ハリウッド進出、おめでとうございます。俺、必ず劇場で見に行きますから」
「ありがとう。でも、正直に白状するけど、僕の演技は期待しないで欲しい」
「どうしてですか?」
「英語の発音でやっぱり問題があってさ」
「あー、納得。日本人だとどうしてもそうなりますよね」
「だから海外進出が本格化するのは、まだまだ先になりそう」
そこにセルヴィア・焔華さんがきた。
「そうだねぇ。大御所の域に達するにはまだまだだね。私がファンの俳優とかを見習うと良いよ」
「そうします」
そしてセルニアが俺の所に来た。
「やあ、セルニア」
「楽しまれていますか」
「もちろん」
「それはよかったですわ」
ふと俺は自分の皿を見ると、全て食べ尽くしてしまっていた。
「あ、わたくしがよそいますわ」
とセルニアは皿によそう。
「ありがとう、セルニア」
「あら、口の端にソースが付いていますわ」
とセルニアはナプキンで拭いてくれた。
ジー。
ふと気付くと、みんな俺達のことを見ていた。
「あの、みんな なんで俺達を見てるの?」
上永先生がニヤニヤしながら、
「吉祥院さんが 甲斐甲斐しく世話するのってぇ、新婚カップルみたいだなーってぇ感じぃ」
新! 婚! カップル!
おおぉおおお……
俺とセルニアはついにそこまで見えてしまうほどの域に達していたのか。
いよぉっしゃぁあああ!
「なにを言い出しますの! 新婚だなんて! そんな新婚みたいなんて! いや そんな新婚みたいだなんて! つまり、その……新婚に見えますの……」
セルニアはひとしきり叫ぶと、モジモジ恥ずかしそうにし始めた。
セルニアもまんざらじゃないみたいだゼー!
しかし俺の有頂天も、権造さんの視線で一気に下落。
グヌヌヌヌヌ……
なぜか権造さんだけのコップが金属製だったんだけど、なんか握力でひしゃげ始めている。
俺はおとなしくすることにした。
しかし湖瑠璃ちゃんが俺の隣にチョコンと座ってきた。
「うふふ、お兄さまがわたしのお義兄さまになる日が待ち遠しいです」
玲もニコニコ笑顔で、
「妹が二人もいっぺんにできるのでしょうかー」
と嬉しそう。
上永先生が舌なめずりして、
「子供はできれば三人が良いわよぉん。子宝に恵まれるようにぃ、ハッスルしなさぁい」
とか言いだした。
そして、セルヴィア・焔華さんも、
「おや、ひ孫の顔も見れそうだね。こりゃ長生きしないと」
伊藤春樹さんが厳しい顔で、
「その前に結婚でやす。子供を作るには所帯を持たなければ」
そして沙由理さんが、眼から光をピカーとして、結婚カタログを壁に映し出した。
「式場の代表的なプランです。すぐに相談できるよう調査しておきました」
そして宮が赤面して、
「吉祥院さんたちって、もうそこまで進んでるの?」
なんか俺を放置して話が進んでいき、そして権造さんからは、
ゴゴゴゴゴ……
重量挙げのような凄まじい威圧感が俺に放たれていた。
藤守さんが、みんなが用意したプレゼントのテーブルに、セルニアが用意したプレゼントの一つを見て、
「吉祥院さんがアルバイトして買ったっていうプレゼントって、誰にあげるの?」
「それは わたくしの一番大切な男性へですわ」
と照れくさそうに言った。
みんなの視線は俺に向けられた。
い、一番大切な男性って、俺のことだよな。
フォオオオオオ!
と心の中で雄叫びを上げていると、宮が、ノンアルコールシャンパンで飲んだくれていた。
「ちくしょう ちくしょう。結局 クルシミマスになったじゃないのぉ」
とか泣きながら ひがんでいた。
今度 いい男 紹介しよう。
そして権造さんからの威圧感は、
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
オリンピック重量挙げ金メダルレベルに達していた。
クリスマスの夜。
クリスマスパーティーはいつやる物なのか、諸説はあるが、吉祥院家では二十四日の夜に行われていた。
そう、俺はセルニアと二人っきりのクリスマスではなく、吉祥院家に招かれてのクリスマスとなる。
うん、権造さんが俺とセルニアを二人っきりにするわけないよね。
で、俺は吉祥院家に到着。
広間で豪勢な食事が並ぶ中、俺は権造さんに挨拶する。
「お久しぶりです、権造さん。今日は招待いただき、ありがとうございます」
「ふん、よく来たな。歓迎する」
と右手を差し出してきた。
俺は礼儀を損ねるわけにはいかないので、握手すると、
グググググ……
万力のように握りしめてきた。
ノォオオオ!
予想はしてたけど、いたい 痛い イタい!
そしてお母さんのセルリア・雪華さんが止める。
「あなた、その辺で許してあげなさいな」
「ふん」
権造さんは手を離してくれた。
雪華さんはクスクスと笑って、
「ごめんなさいね。この人ったら、セルニアがアルバイトしたことで機嫌を損ねちゃって。どうしても自分の力でプレゼントを買いたいと言ってね」
「セルリア、余計なことは言わなくて良い」
「はいはい」
俺は権造さんから解放されると、晶さんに案内されて自分の席へ。
「こちらでやす」
そして俺は着席すると、隣には 藤守竜一さんがいた。
セルニアの誕生日で知り合った、人気俳優。
連絡先は交換して、時々チャットとかしてる。
藤守さんは気軽に、
「久し振りだね」
「お久しぶりです」
「麗華さんの隣じゃなくて残念だったね。間違いなく、権造さんが離れさせたんだと思うけど」
藤守さんは苦笑い。
そう セルニアは別のテーブル。
でも、今日のクリスマスパーティーは、身内だけで行うと言うことで、吉祥院の館で開き、集まったのも少人数。
だから話をする機会はたくさんあるだろう。
本日集まった人を紹介しよう。
吉祥院・セルニア・麗華。
吉祥院・セシリア・湖瑠璃ちゃん。
俺の姉の玲。
痴女教師の上永先生。
お父さんの吉祥院 権造さん。
お母さんの吉祥院・セルリア・雪華さん。
そしておばあさんにまるで見えないおばあさんの、吉祥院・セルヴィア・焔華さん。
メイドの猪鹿蝶 晶さん。
晶さんのお父さんの猪鹿蝶 巖さん。
執事の伊藤 春樹さん。
アンドロイドの沙由理さん。
藤守竜一さん。
そして球竜 宮。
宮は興奮気味に辺りを見渡す。
「うっわー。広い。マジでひっろー」
俺も最初に来たときはあんな感じだったな。
セルニアが宮に挨拶する。
「今日は来てくださり、ありがとうございます」
「呼んでくれてありがとう。この街じゃ親戚も居ないから、一人の寂しいクルシミマスになるかと思ってたとこだった。ホントありがとー」
「そこまで喜んでいただけると、わたくしもうれしいですわ」
さて、みんなが着席すると、上永先生が乾杯の音頭を取る。
「かんぱーい」
「「「「「かんぱーい!」」」」」
クリスマスパーティーが始まった。
さて隣に藤守さんが居るというのならば、したいのは映画の話。
実は正月に公開されるハリウッド映画に、藤守さんが出演しているのだ。
「ハリウッド進出、おめでとうございます。俺、必ず劇場で見に行きますから」
「ありがとう。でも、正直に白状するけど、僕の演技は期待しないで欲しい」
「どうしてですか?」
「英語の発音でやっぱり問題があってさ」
「あー、納得。日本人だとどうしてもそうなりますよね」
「だから海外進出が本格化するのは、まだまだ先になりそう」
そこにセルヴィア・焔華さんがきた。
「そうだねぇ。大御所の域に達するにはまだまだだね。私がファンの俳優とかを見習うと良いよ」
「そうします」
そしてセルニアが俺の所に来た。
「やあ、セルニア」
「楽しまれていますか」
「もちろん」
「それはよかったですわ」
ふと俺は自分の皿を見ると、全て食べ尽くしてしまっていた。
「あ、わたくしがよそいますわ」
とセルニアは皿によそう。
「ありがとう、セルニア」
「あら、口の端にソースが付いていますわ」
とセルニアはナプキンで拭いてくれた。
ジー。
ふと気付くと、みんな俺達のことを見ていた。
「あの、みんな なんで俺達を見てるの?」
上永先生がニヤニヤしながら、
「吉祥院さんが 甲斐甲斐しく世話するのってぇ、新婚カップルみたいだなーってぇ感じぃ」
新! 婚! カップル!
おおぉおおお……
俺とセルニアはついにそこまで見えてしまうほどの域に達していたのか。
いよぉっしゃぁあああ!
「なにを言い出しますの! 新婚だなんて! そんな新婚みたいなんて! いや そんな新婚みたいだなんて! つまり、その……新婚に見えますの……」
セルニアはひとしきり叫ぶと、モジモジ恥ずかしそうにし始めた。
セルニアもまんざらじゃないみたいだゼー!
しかし俺の有頂天も、権造さんの視線で一気に下落。
グヌヌヌヌヌ……
なぜか権造さんだけのコップが金属製だったんだけど、なんか握力でひしゃげ始めている。
俺はおとなしくすることにした。
しかし湖瑠璃ちゃんが俺の隣にチョコンと座ってきた。
「うふふ、お兄さまがわたしのお義兄さまになる日が待ち遠しいです」
玲もニコニコ笑顔で、
「妹が二人もいっぺんにできるのでしょうかー」
と嬉しそう。
上永先生が舌なめずりして、
「子供はできれば三人が良いわよぉん。子宝に恵まれるようにぃ、ハッスルしなさぁい」
とか言いだした。
そして、セルヴィア・焔華さんも、
「おや、ひ孫の顔も見れそうだね。こりゃ長生きしないと」
伊藤春樹さんが厳しい顔で、
「その前に結婚でやす。子供を作るには所帯を持たなければ」
そして沙由理さんが、眼から光をピカーとして、結婚カタログを壁に映し出した。
「式場の代表的なプランです。すぐに相談できるよう調査しておきました」
そして宮が赤面して、
「吉祥院さんたちって、もうそこまで進んでるの?」
なんか俺を放置して話が進んでいき、そして権造さんからは、
ゴゴゴゴゴ……
重量挙げのような凄まじい威圧感が俺に放たれていた。
藤守さんが、みんなが用意したプレゼントのテーブルに、セルニアが用意したプレゼントの一つを見て、
「吉祥院さんがアルバイトして買ったっていうプレゼントって、誰にあげるの?」
「それは わたくしの一番大切な男性へですわ」
と照れくさそうに言った。
みんなの視線は俺に向けられた。
い、一番大切な男性って、俺のことだよな。
フォオオオオオ!
と心の中で雄叫びを上げていると、宮が、ノンアルコールシャンパンで飲んだくれていた。
「ちくしょう ちくしょう。結局 クルシミマスになったじゃないのぉ」
とか泣きながら ひがんでいた。
今度 いい男 紹介しよう。
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