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43・ボデコンセクシーゾンビ
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俺は今、晩飯の準備をしている。
メニューは夏なのに鍋。
下ごしらえはほとんど終わり、鍋に投入する直前まで来た。
セルニアのことを思うと、心がかき乱されて 落ち着かないが、今の自分にできることはこれくらいしかない。
とにかく無心になって料理に専念しよう。
リビングから姉の玲の歌声が聞こえてくる。
「おなっべー、おなっべー。なっつの暑さも なっべの熱さで ふっき飛ばっせー、いぇー」
続いて、なぜか担任の上永先生の声が聞こえて来た。
「ねえ ねえぇーん。あの子に任せて大丈夫ぅーん。鍋に変なもの入れたりしない? 発情するお薬とか 興奮するお薬とか入れて、美貌のナイスバディな先生を、たぎる若さのはけ口にされちゃったりしないかしらぁーん。ああぁーん、たいへーん。どうしましょうぅーん」
やらねーですから安心してください。
そして猪鹿蝶 晶さんが、皿とかをリビングに運んでいた。
「雑用はアッシが引き受けますんで、料理に専念してくださいやせ」
「わかりました」
そして、猪鹿蝶さんと一緒に働いているのは、
「なんだか お泊まり会みたいで 楽しいですわ」
ウキウキして楽しそうなセルニアだった。
本日、セルニアは我が家にお泊まりする。
セルニアが俺の家にお泊まり!
ダメだ!
落ち着けるわけねー!!
なぜ、セルニアが俺の家に泊まることになったのか?
その説明をするために、時間を少し遡る。
事の発端は、湖瑠璃ちゃんからの電話だった。
「お兄さま! 大変です! お姉さまが家出してしまいました!」
イエデ?
「湖瑠璃ちゃん、イエデってなに? ムカデの一種? 家の中に出没するムカデだから イエムカデ。略してイエデとか」
「なにを言ってるんですか! 家を出たという意味の家出です!」
「出家! セルニア 出家したの! 尼さんになるの! あの見事な金髪縦ロールを全部切っちゃうの!? 頭をツルツルにしちゃうのー?!?」
「……私、よく思うのですが、お兄さまって 時々 全力で頭が弱くなりますよね」
「あれ? なんか 今 バカにされた?」
「ムカデの一種とか、出家とかではなくて、思春期の若者が独り立ちしようと先走って家を出るとかという意味の、家出です」
つまり……
「つまり セルニアが家出したってこと!?」
「最初っからそう言っているではありませんか」
「なんで いきなり そんなことになったの!?」
「詳しく説明すると長くなるのですが、とにかく お姉さまを探すのを手伝ってください。今、メイド隊 執事隊 が総力を挙げて探しているのですが、人手は多い方が良いですから」
「わかった。とにかく、心当たりを片っ端から探してみる」
俺は電話を手にしたまま、家を出ようと玄関に向かおうとすると、
ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴った。
「……湖瑠璃ちゃん。今、玄関のチャイムが鳴ったんだけど」
「……私も聞こえました」
「……いくらなんでも できすぎだと思うんだけど、セルニアが家出した直後に、俺の家の玄関のチャイムを鳴らすのって、誰だと思う?」
「宅配便などは?」
「通販の注文はしてない」
「……となると……」
ピンポーン。
再び玄関のチャイムが鳴った。
「とにかく出てみる」
「お願いします」
俺は電話を手にしたまま、玄関のドアを開けた。
そこには、泣きはらした目のセルニアがいた。
「……お願いがあります。しばらく貴方の所に泊めていただけないでしょうか」
俺は電話の向こうの湖瑠璃ちゃんに伝えた。
「セルニアを探す必要はなくなった。今 俺の目の前にいる」
「……わかりました。細かいことは こちらでなんとかしますので、しばらくお姉さまをお願いします」
俺はセルニアをリビングに上げると、事情を説明して貰った。
なぜセルニアは突然 家出をしたのか?
経緯はこうだ。
セルニアは夏コミから館に帰った。
すると、いつもなら仕事でいないはずのお父さん、吉祥院 権造さんが家にいて、呼び出した。
セルニアを睨み付けると、
「今日、誰と どこに行っていた?」
セルニアは咄嗟に答えられず沈黙してしまうと、権造さんはセルニアのバッグを奪うように取り上げた。
そして中に入っていた一冊の同人誌。
それを見た途端、権造さんの表情は怒りと嫌悪に満ちた。
「なんだ こんな汚らわしい物は!」
権造さんは同人誌を汚物の付いたゴミのように、ゴミ箱へダンクシュート。
続けて権造さんは、
「あの小僧! このような下劣な物をセルニアに見せるとは! 腐れ外道が!」
腐れ外道とは俺のことです。
セルニアはたまらずに言い返した。
「あの人を悪く言うのは止めてください! あの方は真の紳士ですわ!」
だが権造さんが止まるわけがなかった。
「セルニア! おまえはあの男に騙されているだけだ! こんな異常な物を見せるのだぞ! 同性愛とは! 気持ち悪さに怖気が立つ! だというのに なぜそれがわからん!」
セルニアは無我夢中で言い返し、父親と口げんかになった。
何を言ったのかはほとんど覚えていない。
ただ感情のままに父親に言い返し、権造さんも娘を叱りつけ、俺を罵倒し続けた。
騒ぎを聞きつけて、湖瑠璃ちゃんや猪鹿蝶さんたちも仲裁に入ったが、むしろ火に油を注ぐ結果となり、そしてセルニアは、気付けば家を飛び出していた。
しかし、どこへ行けば良いのか分からず、俺の所へ来た。
「わたくしを悪く言うのは我慢できます。でも、貴方まで悪くいうなんて。貴方は真の紳士です。わたくしがピンチの時、いつも助けてくれる。でも、お父さまは分かってくださらない」
ということだった。
「そうか……」
さて、どうする?
セルニアに行宛がないのは明らかだった。
さりとて、俺の家に泊めるのはいかがなものか。
思春期 真っ盛りの男女が、同じ屋根の下にお泊まりをすれば、いったいどんな間違いが 間違いなく起きるのか。
しかし、セルニアは財布も持たずに飛び出したから、ホテル等に泊まることはできない。
だからといって、セルニアを野宿させるなど言語道断。
というわけで、しかたがない。
俺んちに泊めるのはしかたがない。
しかたがないから、しかたがないのだ。
しかたがないのであるからして、それで間違いなく間違いが起こったとしても、責任を取って 一生間違い探しをしながら セルニアとあんなことや こんなことや そんなことを グフフフフフ……
「ただいまー。愛しのお姉ちゃんが帰りましたよー」
そうだったー!
玲がいるんだったー!
チクショー!
これじゃ間違いが起きようがねーじゃねーかー!
俺は内心 嘆いていると、セルニアが、
「玲さんにもきちんとお話ししないと行けませんね。泊めていただけるかどうかは、それから決めないと」
「オッケーですよー」
玲に簡単な事情説明をすると、あっさり承諾した。
「というわけで、弟くんは夕飯を作ってくださいー」
「テイクアウトで良いだろ」
「ダメですよー。お客さんがお泊まりするんですからー、ちゃんとした手料理を食べていただかないとー。お姉ちゃんー、鍋が良いー。前は食べられなかったからー、その分 たくさん作ってー」
セルニアが手料理と聞くと、泣きはらした目を、少し楽しそうに輝かせた。
「わたくし、貴方の手料理が食べてみたいですわ」
俺は承諾するしかなかった。
「分かった」
そして俺は玄関でシューズを履いていると、
ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴った。
「どちらさまですか?」
俺が聞くと、
「アッシでやす」
猪鹿蝶 晶さんの声だった。
「入ってください」
そして俺はリビングに向かって、
「セルニア、猪鹿蝶さんが来たぞ」
セルニアが顔を出すと、
「晶さん、わたくしは館に帰りません」
「わかっていやす。麗華お嬢さまを連れ帰りに来たのではありやせん。メイドの仕事をしに参りやした。
アッシは麗華お嬢さま専属メイド。よって、身の回りのお世話をさせていただきやす。とうわけで、本日の晩ご飯にアッシの分も追加してくださいやせ」
なんだか、美しい主従愛のようで、微妙に食欲が入っていたような気が思いっきりしたんだけど、セルニアは感動で目を潤ませていた。
「ありがとうございます、晶さん」
まあ、とにかく食材の買い出しだ。
そして玄関を出ると、
「うぁあぁー……」
ボデコンセクシーゾンビがいた。
繰り返そう。
ちょっと痴女が入ってるんじゃないかって言うくらい、際どいピチピチセクシースーツを着た、ミイラのように痩せ血走った目をしたボデコンセクシーゾンビがいた。
「なにか……食べさせて……」
「……上永先生、なにしてんスか? ハロウィンは まだまだ先ですよ」
「違うわよ。ここ一週間、砂糖水しか口にしてないの。でも、その砂糖も とうとうなくなっちゃって……」
「あの、事態が全く把握できないんスけど」
なぜ上永先生がゾンビ化しているのかというと、夏休みに入ってからしばらくして、アイドルグループ・エンジェル・プリンスのコンサートへ行ったそうだ。
そして、そのコンサートでグッズを これでもかと買い漁った。
結果、金がなくなった。
「で、餓えていると」
「お願ぁーい。何か食べさせてくれたら、先生の体を若いエナジーのはけ口にしていいからぁーん」
「やらねーです。そんな事しなくても食べさせてあげますよ」
でないと ホントに餓死しかねない状態だし。
上永先生は喜びで目を輝かせた。
「ホント? 貴方って天使みたい。そんな天使な貴方を先生が堕天使にしてあげるわぁーん」
「だから やらねーです」
こうして俺はみんなの晩ご飯を作っているのだった。
続く……
メニューは夏なのに鍋。
下ごしらえはほとんど終わり、鍋に投入する直前まで来た。
セルニアのことを思うと、心がかき乱されて 落ち着かないが、今の自分にできることはこれくらいしかない。
とにかく無心になって料理に専念しよう。
リビングから姉の玲の歌声が聞こえてくる。
「おなっべー、おなっべー。なっつの暑さも なっべの熱さで ふっき飛ばっせー、いぇー」
続いて、なぜか担任の上永先生の声が聞こえて来た。
「ねえ ねえぇーん。あの子に任せて大丈夫ぅーん。鍋に変なもの入れたりしない? 発情するお薬とか 興奮するお薬とか入れて、美貌のナイスバディな先生を、たぎる若さのはけ口にされちゃったりしないかしらぁーん。ああぁーん、たいへーん。どうしましょうぅーん」
やらねーですから安心してください。
そして猪鹿蝶 晶さんが、皿とかをリビングに運んでいた。
「雑用はアッシが引き受けますんで、料理に専念してくださいやせ」
「わかりました」
そして、猪鹿蝶さんと一緒に働いているのは、
「なんだか お泊まり会みたいで 楽しいですわ」
ウキウキして楽しそうなセルニアだった。
本日、セルニアは我が家にお泊まりする。
セルニアが俺の家にお泊まり!
ダメだ!
落ち着けるわけねー!!
なぜ、セルニアが俺の家に泊まることになったのか?
その説明をするために、時間を少し遡る。
事の発端は、湖瑠璃ちゃんからの電話だった。
「お兄さま! 大変です! お姉さまが家出してしまいました!」
イエデ?
「湖瑠璃ちゃん、イエデってなに? ムカデの一種? 家の中に出没するムカデだから イエムカデ。略してイエデとか」
「なにを言ってるんですか! 家を出たという意味の家出です!」
「出家! セルニア 出家したの! 尼さんになるの! あの見事な金髪縦ロールを全部切っちゃうの!? 頭をツルツルにしちゃうのー?!?」
「……私、よく思うのですが、お兄さまって 時々 全力で頭が弱くなりますよね」
「あれ? なんか 今 バカにされた?」
「ムカデの一種とか、出家とかではなくて、思春期の若者が独り立ちしようと先走って家を出るとかという意味の、家出です」
つまり……
「つまり セルニアが家出したってこと!?」
「最初っからそう言っているではありませんか」
「なんで いきなり そんなことになったの!?」
「詳しく説明すると長くなるのですが、とにかく お姉さまを探すのを手伝ってください。今、メイド隊 執事隊 が総力を挙げて探しているのですが、人手は多い方が良いですから」
「わかった。とにかく、心当たりを片っ端から探してみる」
俺は電話を手にしたまま、家を出ようと玄関に向かおうとすると、
ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴った。
「……湖瑠璃ちゃん。今、玄関のチャイムが鳴ったんだけど」
「……私も聞こえました」
「……いくらなんでも できすぎだと思うんだけど、セルニアが家出した直後に、俺の家の玄関のチャイムを鳴らすのって、誰だと思う?」
「宅配便などは?」
「通販の注文はしてない」
「……となると……」
ピンポーン。
再び玄関のチャイムが鳴った。
「とにかく出てみる」
「お願いします」
俺は電話を手にしたまま、玄関のドアを開けた。
そこには、泣きはらした目のセルニアがいた。
「……お願いがあります。しばらく貴方の所に泊めていただけないでしょうか」
俺は電話の向こうの湖瑠璃ちゃんに伝えた。
「セルニアを探す必要はなくなった。今 俺の目の前にいる」
「……わかりました。細かいことは こちらでなんとかしますので、しばらくお姉さまをお願いします」
俺はセルニアをリビングに上げると、事情を説明して貰った。
なぜセルニアは突然 家出をしたのか?
経緯はこうだ。
セルニアは夏コミから館に帰った。
すると、いつもなら仕事でいないはずのお父さん、吉祥院 権造さんが家にいて、呼び出した。
セルニアを睨み付けると、
「今日、誰と どこに行っていた?」
セルニアは咄嗟に答えられず沈黙してしまうと、権造さんはセルニアのバッグを奪うように取り上げた。
そして中に入っていた一冊の同人誌。
それを見た途端、権造さんの表情は怒りと嫌悪に満ちた。
「なんだ こんな汚らわしい物は!」
権造さんは同人誌を汚物の付いたゴミのように、ゴミ箱へダンクシュート。
続けて権造さんは、
「あの小僧! このような下劣な物をセルニアに見せるとは! 腐れ外道が!」
腐れ外道とは俺のことです。
セルニアはたまらずに言い返した。
「あの人を悪く言うのは止めてください! あの方は真の紳士ですわ!」
だが権造さんが止まるわけがなかった。
「セルニア! おまえはあの男に騙されているだけだ! こんな異常な物を見せるのだぞ! 同性愛とは! 気持ち悪さに怖気が立つ! だというのに なぜそれがわからん!」
セルニアは無我夢中で言い返し、父親と口げんかになった。
何を言ったのかはほとんど覚えていない。
ただ感情のままに父親に言い返し、権造さんも娘を叱りつけ、俺を罵倒し続けた。
騒ぎを聞きつけて、湖瑠璃ちゃんや猪鹿蝶さんたちも仲裁に入ったが、むしろ火に油を注ぐ結果となり、そしてセルニアは、気付けば家を飛び出していた。
しかし、どこへ行けば良いのか分からず、俺の所へ来た。
「わたくしを悪く言うのは我慢できます。でも、貴方まで悪くいうなんて。貴方は真の紳士です。わたくしがピンチの時、いつも助けてくれる。でも、お父さまは分かってくださらない」
ということだった。
「そうか……」
さて、どうする?
セルニアに行宛がないのは明らかだった。
さりとて、俺の家に泊めるのはいかがなものか。
思春期 真っ盛りの男女が、同じ屋根の下にお泊まりをすれば、いったいどんな間違いが 間違いなく起きるのか。
しかし、セルニアは財布も持たずに飛び出したから、ホテル等に泊まることはできない。
だからといって、セルニアを野宿させるなど言語道断。
というわけで、しかたがない。
俺んちに泊めるのはしかたがない。
しかたがないから、しかたがないのだ。
しかたがないのであるからして、それで間違いなく間違いが起こったとしても、責任を取って 一生間違い探しをしながら セルニアとあんなことや こんなことや そんなことを グフフフフフ……
「ただいまー。愛しのお姉ちゃんが帰りましたよー」
そうだったー!
玲がいるんだったー!
チクショー!
これじゃ間違いが起きようがねーじゃねーかー!
俺は内心 嘆いていると、セルニアが、
「玲さんにもきちんとお話ししないと行けませんね。泊めていただけるかどうかは、それから決めないと」
「オッケーですよー」
玲に簡単な事情説明をすると、あっさり承諾した。
「というわけで、弟くんは夕飯を作ってくださいー」
「テイクアウトで良いだろ」
「ダメですよー。お客さんがお泊まりするんですからー、ちゃんとした手料理を食べていただかないとー。お姉ちゃんー、鍋が良いー。前は食べられなかったからー、その分 たくさん作ってー」
セルニアが手料理と聞くと、泣きはらした目を、少し楽しそうに輝かせた。
「わたくし、貴方の手料理が食べてみたいですわ」
俺は承諾するしかなかった。
「分かった」
そして俺は玄関でシューズを履いていると、
ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴った。
「どちらさまですか?」
俺が聞くと、
「アッシでやす」
猪鹿蝶 晶さんの声だった。
「入ってください」
そして俺はリビングに向かって、
「セルニア、猪鹿蝶さんが来たぞ」
セルニアが顔を出すと、
「晶さん、わたくしは館に帰りません」
「わかっていやす。麗華お嬢さまを連れ帰りに来たのではありやせん。メイドの仕事をしに参りやした。
アッシは麗華お嬢さま専属メイド。よって、身の回りのお世話をさせていただきやす。とうわけで、本日の晩ご飯にアッシの分も追加してくださいやせ」
なんだか、美しい主従愛のようで、微妙に食欲が入っていたような気が思いっきりしたんだけど、セルニアは感動で目を潤ませていた。
「ありがとうございます、晶さん」
まあ、とにかく食材の買い出しだ。
そして玄関を出ると、
「うぁあぁー……」
ボデコンセクシーゾンビがいた。
繰り返そう。
ちょっと痴女が入ってるんじゃないかって言うくらい、際どいピチピチセクシースーツを着た、ミイラのように痩せ血走った目をしたボデコンセクシーゾンビがいた。
「なにか……食べさせて……」
「……上永先生、なにしてんスか? ハロウィンは まだまだ先ですよ」
「違うわよ。ここ一週間、砂糖水しか口にしてないの。でも、その砂糖も とうとうなくなっちゃって……」
「あの、事態が全く把握できないんスけど」
なぜ上永先生がゾンビ化しているのかというと、夏休みに入ってからしばらくして、アイドルグループ・エンジェル・プリンスのコンサートへ行ったそうだ。
そして、そのコンサートでグッズを これでもかと買い漁った。
結果、金がなくなった。
「で、餓えていると」
「お願ぁーい。何か食べさせてくれたら、先生の体を若いエナジーのはけ口にしていいからぁーん」
「やらねーです。そんな事しなくても食べさせてあげますよ」
でないと ホントに餓死しかねない状態だし。
上永先生は喜びで目を輝かせた。
「ホント? 貴方って天使みたい。そんな天使な貴方を先生が堕天使にしてあげるわぁーん」
「だから やらねーです」
こうして俺はみんなの晩ご飯を作っているのだった。
続く……
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