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38・少年と魔王
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マリアンヌはもう大概の事柄には驚かないつもりだった。
しかしそれが間違いであることを思い知らされた。
自分たちの常識など遥かに超越した戦いに。
「魔王は、今どこにいるのかわかってるんですか?」
オットーの質問に、マリアンヌは再び動揺したが、それを顔に表さないだけの自制心を発揮した。
何度も同じ失敗はしない。
そして教授の答えを予想できた。
最初に出会った時に自分たちを検査しておきながら、オットーのことに気が付かなかった。
予想通り教授は首を振った。
「どういうわけか、魔王の位置が探知できない。亡者たちが特殊領域内で探知を避けることはあったが、しかしゲオルギウスまで探知を避けられるとは思わなかった。
奴らの能力や技術が、ほんの数年程度で私たちのものを越すほど発展したということなのか、それとも別の要因なのか」
次にマリアンヌが質問した。
「魔王ゲオルギウスが、どんな姿をしているか、ご存知なのですか? 顔や容姿は?」
教授は、どこか奇妙な質問内容に怪訝に眉根を顰めたが、しかしなにが奇異なのか、疑問を形にできなかったのか、そのまま答えた。
「いや、私は魔王ゲオルギウス本人を直接視認したことはない。
だが力の波動は仲間が検出済みなので、それで識別や位置の補足が可能だ。
否、だった、だな。しかし、さっきも言ったが、なぜか魔王が探知できないのだ。
……そうだな、今思いついたが、なんらかの方法で強引に能力を変質させたのかもしれない。それなら以前に検出した記録と違うため、捕捉できなくなる」
強引な方法で力を変質。
マリアンヌは最初の出来事を思い出した。
螺旋階段を転がり落ちた魔王ゲオルギウスは、目が覚めた時、オットーになっていた。
魂や精神というものは、自分たちが思っている以上に肉体に依存していると教授は説明していた。
だから死んだ者は肉体を失ったために精神が根底から変質してしまうのだと。
ならば精神において非常に重要である記憶の消失は、ゲオルギウスの魂や精神にどのような影響を与えたのだろうか。
それとも、それ以前にゲオルギウスはなんらかの処置を行っていたのだろうか。
教授は説明を続ける。
「しかし能力を変質させるなど、多大な危険を伴う。本当に行ったのだとしたら、私たちだけではなく、別の要因も絡んでいるのかもしれない」
「教授、もし良かったら、僕にも手伝わせてくれませんか」
とんでもないことを言い出すオットーに、マリアンヌは思わず声を上げた。
「オットー! なにを言い出すのです! あなたは自分がなにを言っているのかわかっていますの!? どれだけ危険なことか!?」
「わかってるよ、マリアンヌ。でも、君だってあの保管所の中を見ただろう。あんな酷いことが、魔王がいる限り繰り返されるんだ。誰かがなんとかしなくちゃいけない。そして、魔王殿で自由に動けるのは僕たちだけだ」
わかっていない。
オットーはなにもわかっていない。
歯噛みしたくなる気持ちでマリアンヌは、慎重に言葉を選んだ。
「気持ちは理解できます。私だってなんとかしたい。でも、私たちになにが行えるというのです?
私たちはただの子供ですのよ。魔物から逃げ回るのが精一杯の、しかもそれさえ満足にできていなかった。教授が助けてくれなければ、魔物どころか、犠牲者の魂に命を吸収されて死んでしまっていたかもしれないのです」
「君に強制はしないよ。いや、君はすぐにでも逃げるべきだ。でも、僕はここに残って戦いたい」
「……オットー」
今までの臆病な少年からは想像し得ないほど、強い決意を秘めた瞳に、マリアンヌは困却する。
どうすれば説得できるのだろうか。
しかし、なぜ自分がオットーを引き止めているのか、その必要性と理由が自分でもわからなかった。
オットーは、ゲオルギウスだ。
魔王は目の前にいる少年だ。
もう秘密を沈黙し続ける必要などない。
躊躇わずに今ここで真実を教授に教えてしまえば、魔物の脅威も、亡者がこの世界に到来することも、全て終わる。
そして自分は魔王殿を脱出し、自由と安全を得る。
だが冷静な判断とは逆の言葉が口から出てくる。
「オットー、お願い。そんな危険なことをしないで、逃げることだけ考えましょう。私は約束したわ。あなたと一緒に魔王殿を脱出すると。あなたを置いて私一人で逃げるなんてできません」
苦渋の思いが顔に表れているのを自覚しながら、それを自制しようとはしなかった。
マリアンヌの表情は心配のあまり泣き出しそうな表情に似ていて、そう受け止めたオットーは自分の発言を後悔した。
そして教授がマリアンヌに賛同する。
「彼女の言うとおりだ。君の勇気は賞賛に値するが、しかし力量不足であることは否めない。
はっきり告げるが、君たちは足手纏いにしかならない。それどころか、私は君たちの保護と脱出に全力を尽くすことを約束するが、しかし必ず成功させるとは約束できない。それだけここは危険度の高い地域なんだ」
「はい……わかりました」
そしてオットーは俯いて、沈黙した。
自分がどれだけ無力なのか率直に指摘され、反論できなかったこと。
マリアンヌに心配をかけてしまったこと。
色々な思いが頭の中で混ざり合い、無力感に打ちのめされた気分だった。
自分にできることは本当になにもないのだろうか。
魔物と魔王の残虐な行為を目のあたりにして、自分には何一つできないままなのだろうか。
(……記憶)
不意にオットーは気がついた。
自分が忘れてしまった記憶を取り戻せば、役に立つかもしれない。
今まで思い出そうとする余裕がなかったが、幽閉の塔でマリアンヌと脱出作戦を練り決行したということは、なにか脱出する鍵を知っていたからではないだろうか。
考える余裕がなかったとはいえ、大切な記憶なのに、なぜもっと重要視しなかったのだろうか。
その記憶の中には、もしかすると魔王の事柄も含まれているかもしれないのに。
教授に伝えれば、治してくれるかもしれない。
伝説の光の戦士だ、身体の治癒も可能だろう。
「教授、言い忘れてたことがあるんです」
勢い込んで詰め寄ったオットーの急な変化に、教授は少し戸惑ったようだ。
「なんだね?」
「あの、僕、なにも覚えていないんです。その、記憶喪失になってるんです」
マリアンヌは胃に鉛が流し込まれたような感覚に襲われた。
突然なんて事を言い出すのだろうか。
もしオットーの記憶が戻ればどんな事態になるのか、予想もできない。
予想もしたくない。
「記憶喪失。君がかね?」
教授は怪訝な表情をする。
「はい。魔王殿に連れて来られてから、どれくらい経ったのかわからないんですが。えっと、今から半日ほど前に階段から落ちて、それで」
「ああ、頭部打撲による記憶障害というわけだ」
「はい、たぶん。教授は光の戦士なんでしょう。だったら……」
マリアンヌはなにか言わなければならない衝動に駆られた。
それ以上オットーに話を続けさせたら、最悪の事態に陥ってしまう。
だがなにを喋れば良いのか、咄嗟には出てこない。
いや、オットーの正体が判明して、それでなにか困ることがあるのだろうか。
世界の脅威が消滅する結果になるのだ。
だがマリアンヌの心に恐怖が支配した。
オットーがいなくなることが恐ろしくて堪らなかった。
「無理だ」
少女の葛藤をよそに、教授は端的に告げた。
あまりにも短すぎて、オットーもマリアンヌも呆気に取られた。
「……無理、ですか」
「ああ、記憶の回復や治療を期待しているのだろうが、修復できる可能性は低い。
基本的に光の戦士の力というのは、死の力を応用したものに過ぎない。つまり、死に纏わる現象を引き起こすことに重点が置かれる。
怪我や病の治療は、本人の回復能力を促進させてできるが、それも本来は過剰促進による身体の崩壊を目的としたものを抑制して使った結果だ。
いや、細かい説明はともかく、記憶障害の原因である君の脳がどのような状態であるのか、それが明確にわからないと、迂闊な治療は取り返しのつかない状態になってしまう可能性が高い。
とにかく、君の記憶回復は私には無理だ」
オットーは残念そうに顔を伏せたが、しかしマリアンヌは胸を撫で下ろしたい気分だった。
「それより、先ほどからその子がなにか言いたそうにしているが、なにかね?」
話を振られたマリアンヌは困却した。
しかし少女の心情の機微など、事情を知らない二人に察することなどできるわけがなく、彼女の言葉を待っている。
なにか話さなければ不審に思われる。
だがなにを主題にした話をする。
ふと、マリアンヌは先の説明を思い出した。
教授は対応策の失敗に関して、妙な言い回しをしなかったか。
「……先ほど、教授は力を継承した者が使い方を間違えているとか言われましたよね?」
「ああ。それが?」
「サリシュタール先生にお会いになられたのですか?」
「なんだって?」
教授は眉根を顰めた。
「だって、今の光の戦士が力の使い方を間違えていると。それは直接会ったことがなければ判らない筈ではありませんか」
「君は、魔王殿に来ている三人を知っているのかね?」
三人が魔王殿にいる。
三人といえば、例の三人以外考えられない。
世界最強の魔術師、サリシュタール。
イグラード王国最高の聖騎士、アルディアス・アルブレッド・グレイダー。
風の山脈から現れた勇者、ゴード。
「彼らがここに来ているというのですか?!」
マリアンヌの歓喜の声に、教授は逆に対応にまごついた。
「君たちは、いったい何者なのかね?」
しかしそれが間違いであることを思い知らされた。
自分たちの常識など遥かに超越した戦いに。
「魔王は、今どこにいるのかわかってるんですか?」
オットーの質問に、マリアンヌは再び動揺したが、それを顔に表さないだけの自制心を発揮した。
何度も同じ失敗はしない。
そして教授の答えを予想できた。
最初に出会った時に自分たちを検査しておきながら、オットーのことに気が付かなかった。
予想通り教授は首を振った。
「どういうわけか、魔王の位置が探知できない。亡者たちが特殊領域内で探知を避けることはあったが、しかしゲオルギウスまで探知を避けられるとは思わなかった。
奴らの能力や技術が、ほんの数年程度で私たちのものを越すほど発展したということなのか、それとも別の要因なのか」
次にマリアンヌが質問した。
「魔王ゲオルギウスが、どんな姿をしているか、ご存知なのですか? 顔や容姿は?」
教授は、どこか奇妙な質問内容に怪訝に眉根を顰めたが、しかしなにが奇異なのか、疑問を形にできなかったのか、そのまま答えた。
「いや、私は魔王ゲオルギウス本人を直接視認したことはない。
だが力の波動は仲間が検出済みなので、それで識別や位置の補足が可能だ。
否、だった、だな。しかし、さっきも言ったが、なぜか魔王が探知できないのだ。
……そうだな、今思いついたが、なんらかの方法で強引に能力を変質させたのかもしれない。それなら以前に検出した記録と違うため、捕捉できなくなる」
強引な方法で力を変質。
マリアンヌは最初の出来事を思い出した。
螺旋階段を転がり落ちた魔王ゲオルギウスは、目が覚めた時、オットーになっていた。
魂や精神というものは、自分たちが思っている以上に肉体に依存していると教授は説明していた。
だから死んだ者は肉体を失ったために精神が根底から変質してしまうのだと。
ならば精神において非常に重要である記憶の消失は、ゲオルギウスの魂や精神にどのような影響を与えたのだろうか。
それとも、それ以前にゲオルギウスはなんらかの処置を行っていたのだろうか。
教授は説明を続ける。
「しかし能力を変質させるなど、多大な危険を伴う。本当に行ったのだとしたら、私たちだけではなく、別の要因も絡んでいるのかもしれない」
「教授、もし良かったら、僕にも手伝わせてくれませんか」
とんでもないことを言い出すオットーに、マリアンヌは思わず声を上げた。
「オットー! なにを言い出すのです! あなたは自分がなにを言っているのかわかっていますの!? どれだけ危険なことか!?」
「わかってるよ、マリアンヌ。でも、君だってあの保管所の中を見ただろう。あんな酷いことが、魔王がいる限り繰り返されるんだ。誰かがなんとかしなくちゃいけない。そして、魔王殿で自由に動けるのは僕たちだけだ」
わかっていない。
オットーはなにもわかっていない。
歯噛みしたくなる気持ちでマリアンヌは、慎重に言葉を選んだ。
「気持ちは理解できます。私だってなんとかしたい。でも、私たちになにが行えるというのです?
私たちはただの子供ですのよ。魔物から逃げ回るのが精一杯の、しかもそれさえ満足にできていなかった。教授が助けてくれなければ、魔物どころか、犠牲者の魂に命を吸収されて死んでしまっていたかもしれないのです」
「君に強制はしないよ。いや、君はすぐにでも逃げるべきだ。でも、僕はここに残って戦いたい」
「……オットー」
今までの臆病な少年からは想像し得ないほど、強い決意を秘めた瞳に、マリアンヌは困却する。
どうすれば説得できるのだろうか。
しかし、なぜ自分がオットーを引き止めているのか、その必要性と理由が自分でもわからなかった。
オットーは、ゲオルギウスだ。
魔王は目の前にいる少年だ。
もう秘密を沈黙し続ける必要などない。
躊躇わずに今ここで真実を教授に教えてしまえば、魔物の脅威も、亡者がこの世界に到来することも、全て終わる。
そして自分は魔王殿を脱出し、自由と安全を得る。
だが冷静な判断とは逆の言葉が口から出てくる。
「オットー、お願い。そんな危険なことをしないで、逃げることだけ考えましょう。私は約束したわ。あなたと一緒に魔王殿を脱出すると。あなたを置いて私一人で逃げるなんてできません」
苦渋の思いが顔に表れているのを自覚しながら、それを自制しようとはしなかった。
マリアンヌの表情は心配のあまり泣き出しそうな表情に似ていて、そう受け止めたオットーは自分の発言を後悔した。
そして教授がマリアンヌに賛同する。
「彼女の言うとおりだ。君の勇気は賞賛に値するが、しかし力量不足であることは否めない。
はっきり告げるが、君たちは足手纏いにしかならない。それどころか、私は君たちの保護と脱出に全力を尽くすことを約束するが、しかし必ず成功させるとは約束できない。それだけここは危険度の高い地域なんだ」
「はい……わかりました」
そしてオットーは俯いて、沈黙した。
自分がどれだけ無力なのか率直に指摘され、反論できなかったこと。
マリアンヌに心配をかけてしまったこと。
色々な思いが頭の中で混ざり合い、無力感に打ちのめされた気分だった。
自分にできることは本当になにもないのだろうか。
魔物と魔王の残虐な行為を目のあたりにして、自分には何一つできないままなのだろうか。
(……記憶)
不意にオットーは気がついた。
自分が忘れてしまった記憶を取り戻せば、役に立つかもしれない。
今まで思い出そうとする余裕がなかったが、幽閉の塔でマリアンヌと脱出作戦を練り決行したということは、なにか脱出する鍵を知っていたからではないだろうか。
考える余裕がなかったとはいえ、大切な記憶なのに、なぜもっと重要視しなかったのだろうか。
その記憶の中には、もしかすると魔王の事柄も含まれているかもしれないのに。
教授に伝えれば、治してくれるかもしれない。
伝説の光の戦士だ、身体の治癒も可能だろう。
「教授、言い忘れてたことがあるんです」
勢い込んで詰め寄ったオットーの急な変化に、教授は少し戸惑ったようだ。
「なんだね?」
「あの、僕、なにも覚えていないんです。その、記憶喪失になってるんです」
マリアンヌは胃に鉛が流し込まれたような感覚に襲われた。
突然なんて事を言い出すのだろうか。
もしオットーの記憶が戻ればどんな事態になるのか、予想もできない。
予想もしたくない。
「記憶喪失。君がかね?」
教授は怪訝な表情をする。
「はい。魔王殿に連れて来られてから、どれくらい経ったのかわからないんですが。えっと、今から半日ほど前に階段から落ちて、それで」
「ああ、頭部打撲による記憶障害というわけだ」
「はい、たぶん。教授は光の戦士なんでしょう。だったら……」
マリアンヌはなにか言わなければならない衝動に駆られた。
それ以上オットーに話を続けさせたら、最悪の事態に陥ってしまう。
だがなにを喋れば良いのか、咄嗟には出てこない。
いや、オットーの正体が判明して、それでなにか困ることがあるのだろうか。
世界の脅威が消滅する結果になるのだ。
だがマリアンヌの心に恐怖が支配した。
オットーがいなくなることが恐ろしくて堪らなかった。
「無理だ」
少女の葛藤をよそに、教授は端的に告げた。
あまりにも短すぎて、オットーもマリアンヌも呆気に取られた。
「……無理、ですか」
「ああ、記憶の回復や治療を期待しているのだろうが、修復できる可能性は低い。
基本的に光の戦士の力というのは、死の力を応用したものに過ぎない。つまり、死に纏わる現象を引き起こすことに重点が置かれる。
怪我や病の治療は、本人の回復能力を促進させてできるが、それも本来は過剰促進による身体の崩壊を目的としたものを抑制して使った結果だ。
いや、細かい説明はともかく、記憶障害の原因である君の脳がどのような状態であるのか、それが明確にわからないと、迂闊な治療は取り返しのつかない状態になってしまう可能性が高い。
とにかく、君の記憶回復は私には無理だ」
オットーは残念そうに顔を伏せたが、しかしマリアンヌは胸を撫で下ろしたい気分だった。
「それより、先ほどからその子がなにか言いたそうにしているが、なにかね?」
話を振られたマリアンヌは困却した。
しかし少女の心情の機微など、事情を知らない二人に察することなどできるわけがなく、彼女の言葉を待っている。
なにか話さなければ不審に思われる。
だがなにを主題にした話をする。
ふと、マリアンヌは先の説明を思い出した。
教授は対応策の失敗に関して、妙な言い回しをしなかったか。
「……先ほど、教授は力を継承した者が使い方を間違えているとか言われましたよね?」
「ああ。それが?」
「サリシュタール先生にお会いになられたのですか?」
「なんだって?」
教授は眉根を顰めた。
「だって、今の光の戦士が力の使い方を間違えていると。それは直接会ったことがなければ判らない筈ではありませんか」
「君は、魔王殿に来ている三人を知っているのかね?」
三人が魔王殿にいる。
三人といえば、例の三人以外考えられない。
世界最強の魔術師、サリシュタール。
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