上 下
32 / 140
第2章 学校編

第32話 熟練度

しおりを挟む



俺は水晶に手をかざす。
水晶はメリアの時よりも強い光を放ち俺の職と熟練度を表す。

『無職 無能級』 熟練度105

「な、な、な、な、なんだこの数値!!」

やってしまった…
これは明らかに異常すぎる…

「え、えーと、故障…ですかね?
替えを持ってくるのでちょっと待っててください!」

先生が慌てて教室を出ていく。

「おい、無職だってよ」

「次席が無能級かよ」

「それに熟練度の数値もおかしいし」

「うそ、不正?」

「ほんとありえない」

「さいてー」

え、俺不正疑われてる?
あちゃー、こりゃクラスの好感度最悪だな…

「ルイスすごいわね!」

俺を蔑む声の中から疑いなど感じさせない明るい声が響く。

「うんうん、さすがルイスだよ!」

「不正する訳ない…」

メリアに続きアートやシシーまで俺の味方をする。

「すみませんー!替えを持ってきたのでもう一度測り直しますー」

先生が替えの水晶を持って教室に戻ってくる。

「これで不正が暴かれるわね」

「へっ、ざまぁみろ」

「では、気を取り直して水晶に手をかざしてくださいー」

「はい」

俺は水晶に手をかざす。

水晶は強い光を放ち俺の職と熟練度を表す。

『無職 無能級』 熟練度105

「嘘だろ…」

「本当だって言うの…!?」

「ほら見た事か!
ルイスが不正なんてする訳ないじゃないの!」

「どうやら故障はしてないみたいですが、
この職でこの数値…信じられるんですかねー」

「恐らく本当ですよ」

「ちっ、所詮は無能級だ」

「熟練度が高くても無能級じゃあね…」

「かわいそう…くくくっ」

まぁ、そういう反応になるよな…

そういう奴らは無視するのが1番!
後に俺の実力に気づいて謝ってくるだろうしね。

しかし、思ったより熟練度が高かったな。

アシュー師匠と修行して鍛えまくったとはいえ、せいぜい10とかいっても30程だと思っていた。

それが実際には105だと!?

俺は自分が思っている以上に成長しているのかもしれないな。

「で、では、次に行きますー!
ヨカフ・トンシーくんー」

次はヨカフの番か。 

ヨカフは入学試験の時に妙な技を使っていた。
確か【ストップ】と叫んだら、相手や物が一瞬止まっていた。

どんな職なんだろうか…

ヨカフが水晶に手をかざす。

水晶が放った光は俺やメリアの時よりは弱い光だったが、それでも十分強い光だった。

暫くして光が止み、水晶にヨカフの職と熟練度が浮かび上がる。

止める者ストッパー 屈強級』 熟練度3

屈強級!?
まさかヨカフが屈強級の職だったなんて…!?

「2年で3つも熟練度を上げるなんて凄いですねー!」

「当然だ!」

ヨカフが胸を張ってドヤる。

「それでは次は___」

それからクラス全員分の職と熟練度を測った。

アートは『風魔術師 屈強級』 熟練度5

シシーは『炎魔術師 屈強級』 熟練度4

さすが2人だな。



それから学校で使う教科書や制服などが支給された。

さすがは難関校だけあって教科書は分厚かった。

制服は白多めで黒のラインが入っており、かなりかっこいい感じだった。

「授業終わったし帰ろうか!」

「ルイスってどこに住んでるの?」

「騎士団から近くの所」

「私の家も近いよ!
今日一緒に帰りましょ!」

メリアって元気ですごい積極的だよな。
前世陰キャだった俺からしたら考えられないだろうな。

しかし今の俺はルイストリアだ。
神様が与えてくれた運命!男として頑張るぞー!
って、神は俺なんだけどね!

「僕は冒険者ギルドの近くだよ」

「私も…」

アートとシシーも家が近いみたいだ。

アートはシシーのことが好きだろうから良かったねアート!

「じゃあ帰ろうか!」

「うん!じゃあシシーとアートはまた明日ね!」

「また明日!」

「ばいばい…」

俺はメリアと共にアートとシシーに別れを告げる。

「あれ?」

「どうしたの?」

俺たちは今下駄箱にいる。
このまま靴を履き替えてメリアと一緒に帰るはずだったのに…

「俺の靴がない…」

そう、何故か俺の靴が無いのだ。

場所は間違えてないし、今日確実にここに入れたはず。

つまり…
今日の職と熟練度の件で俺に不満を持った者が俺の靴を隠したと…

不満を持たれるだけなら放っておこうと思ったが、虐めに発展するのなら話は変わってくる。

「誰がこんなことしたの!?
見つけたら絶対に許さないんだから…!!」

あれー?
なんかメリアの方が怒ってない?

「とりあえず靴探してみるから、メリアは先に帰ってていいよ…」

くそー!
せっかく一緒に帰れるチャンスだったのに…!

誰だこんなことしたやつは!
絶対に許す訳にはいかない…!

「私も一緒に探すよ!
2人で探した方が早く見つかるしね!」

「メリア…」

この子はなんて優しいのだろうか…!

「私は教室探してみるね!」

メリアは元気に教室に戻って行った。

「俺はゴミ箱でも探しますかね…」



◆◆◆



ルイス達が帰る少し前…

「ヨカフさん、ルイストリアの靴をゴミ箱に捨ててきたでやんす」

「グリッツよご苦労だった」

下駄箱には偉そうに立つヨカフとクリスケ達の姿があった。

「くっくっくっ、僕のメリアちゃんを狙うからこーなるんだ!ざまぁみろ!」

「「ざまぁでやんす!」」

「これからの学校生活が楽しみだなぁ~!くっくっくっ…」


しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

落ちこぼれの烙印を押された少年、唯一無二のスキルを開花させ世界に裁きの鉄槌を!

酒井 曳野
ファンタジー
この世界ニードにはスキルと呼ばれる物がある。 スキルは、生まれた時に全員が神から授けられ 個人差はあるが5〜8歳で開花する。 そのスキルによって今後の人生が決まる。 しかし、極めて稀にスキルが開花しない者がいる。 世界はその者たちを、ドロップアウト(落ちこぼれ)と呼んで差別し、見下した。 カイアスもスキルは開花しなかった。 しかし、それは気付いていないだけだった。 遅咲きで開花したスキルは唯一無二の特異であり最強のもの!! それを使い、自分を蔑んだ世界に裁きを降す!

世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜

ワキヤク
ファンタジー
 その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。  そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。  創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。  普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。  魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。  まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。  制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。  これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。

加護とスキルでチートな異世界生活

どど
ファンタジー
高校1年生の新崎 玲緒(にいざき れお)が学校からの帰宅中にトラックに跳ねられる!? 目を覚ますと真っ白い世界にいた! そこにやってきた神様に転生か消滅するかの2択に迫られ転生する! そんな玲緒のチートな異世界生活が始まる 初めての作品なので誤字脱字、ストーリーぐだぐだが多々あると思いますが気に入って頂けると幸いです ノベルバ様にも公開しております。 ※キャラの名前や街の名前は基本的に私が思いついたやつなので特に意味はありません

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる

僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。 スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。 だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。 それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。 色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。 しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。 ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。 一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。 土曜日以外は毎日投稿してます。

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

処理中です...