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鮫、グルグル
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キャーキャーキャー
夏!海!太陽!
溢れかえっているビーチ。ビーチボールをする人々、横歩き競争をする蟹々、それを見守る神々。
さとこは大学の友達3人(ともこ、さとこ、まゆみ)でビーチに遊びにきていた。3人とも就活が1段落し、余裕ができていた。
「私、今就活が終わったので余裕ができているわ。」
「あらそうなの。実は私も今就活が終わったので余裕ができているわ。」
「まあ、実は私も就活が一段落したので余裕ができているわ。」
「へえ、さっきも言ったけど、実は就活が終わって今私余裕が、、、、。」
などと、永遠に余裕がある話をしていた。しかし、いつの間にかずっと余裕のある話をし続けていても面白くないよね、という話に移り変わった。
「ねえねえ、ずっと余裕があるって話をしててもあんまり面白くないよね。」
「そうそう、余裕がある話をし続けるということ、あんまり面白くないわあ。」
「私も私も。心からそう思うわ。」
そんな話をしていると、夕暮れになりました。
「こんな話をしているだけで夕暮れになるなんて、私たち本当に余裕があるのね。」
「ほんと、ほんと。」
余裕があるという話、また余裕があるという話をすることについての話をするだけで一日を潰せるなんて、なんて余裕があるのだろう。彼女たちはメタ的に余裕があることを実感した。
「でも、海に来たのに海に入らないなんてちょっと勿体無くない?」
「ほんとその通り!!」
さとこはそういうと、立ち上がりゴムボートを持って一人海に突っ走って行った。きっと海に入りたくて堪らなかったのでしょう。
ザブーーーンッ!!
茜色の海にさとうさんのゴムボートが浮かぶ。なんとも余裕のある光景だ。クロールをしながら悠々と沖へ向かって行く。
しかし、
デーデン!デーデン!
さとこのゴムボートの周りに何やら黒い影が。あらまあ、鮫、鮫。鮫がゴムボートの周りを泳ぎ始めたのだ。
クルクルクル、クルクルクル
さとこもそれに気づいたよう。
「ああ、 いつの間にか周りが鮫に囲まれているわ。どうしましょう。どうしましょうと考えても、どうしようもないわ。もう天に任せてしまいましょう。」
グースカピースカ
さとこは全て天に任せることにしたので寝た。
______________________________
パチリ
どれほどの時間が経ったかわからない。さとこは目を覚ました。さっきまでゴムボートは海に浮いていたはずなのに、今では砂の上にいるよう。左手で軽く触ってみると砂は湿っているようだ。
おや、これはどういうことだろう。そう思い辺りを見回してみると、自分のいる位置を中心として竜巻のように水がぐるぐる回っている。うーむ、どうやら鮫がくるくる回ることにより渦ができ、それが拡大、いつの間にか竜巻のようになってしまったようだ。水の竜巻の中にポツ、ポツとゴマのような黒い点が見える。多分あれが鮫だろう。
珍しいこともあるものだなあ。さとこは思った。
ジーッと見てると、次第に竜巻の中が赤に染まっていく。どういうことだろう。どうやら黒い影、鮫が赤くなっているようだ。血?血だろうか。これは恐らく、円心力に耐えられなくなった鮫の腹が裂けているのだ。自分が作った竜巻の円心力のせいで死ぬなんて可哀想に。あっという間に竜巻は真っ赤になった。原動力を失った竜巻の回転は徐々に弱まっていき、やがて消えた。気付くとさとこは元のように海に浮かんでいた。ビーチに戻るとともことまゆみはもういなかった。きっと、嫌われていたのだろうな。さとこは思った。
完
夏!海!太陽!
溢れかえっているビーチ。ビーチボールをする人々、横歩き競争をする蟹々、それを見守る神々。
さとこは大学の友達3人(ともこ、さとこ、まゆみ)でビーチに遊びにきていた。3人とも就活が1段落し、余裕ができていた。
「私、今就活が終わったので余裕ができているわ。」
「あらそうなの。実は私も今就活が終わったので余裕ができているわ。」
「まあ、実は私も就活が一段落したので余裕ができているわ。」
「へえ、さっきも言ったけど、実は就活が終わって今私余裕が、、、、。」
などと、永遠に余裕がある話をしていた。しかし、いつの間にかずっと余裕のある話をし続けていても面白くないよね、という話に移り変わった。
「ねえねえ、ずっと余裕があるって話をしててもあんまり面白くないよね。」
「そうそう、余裕がある話をし続けるということ、あんまり面白くないわあ。」
「私も私も。心からそう思うわ。」
そんな話をしていると、夕暮れになりました。
「こんな話をしているだけで夕暮れになるなんて、私たち本当に余裕があるのね。」
「ほんと、ほんと。」
余裕があるという話、また余裕があるという話をすることについての話をするだけで一日を潰せるなんて、なんて余裕があるのだろう。彼女たちはメタ的に余裕があることを実感した。
「でも、海に来たのに海に入らないなんてちょっと勿体無くない?」
「ほんとその通り!!」
さとこはそういうと、立ち上がりゴムボートを持って一人海に突っ走って行った。きっと海に入りたくて堪らなかったのでしょう。
ザブーーーンッ!!
茜色の海にさとうさんのゴムボートが浮かぶ。なんとも余裕のある光景だ。クロールをしながら悠々と沖へ向かって行く。
しかし、
デーデン!デーデン!
さとこのゴムボートの周りに何やら黒い影が。あらまあ、鮫、鮫。鮫がゴムボートの周りを泳ぎ始めたのだ。
クルクルクル、クルクルクル
さとこもそれに気づいたよう。
「ああ、 いつの間にか周りが鮫に囲まれているわ。どうしましょう。どうしましょうと考えても、どうしようもないわ。もう天に任せてしまいましょう。」
グースカピースカ
さとこは全て天に任せることにしたので寝た。
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パチリ
どれほどの時間が経ったかわからない。さとこは目を覚ました。さっきまでゴムボートは海に浮いていたはずなのに、今では砂の上にいるよう。左手で軽く触ってみると砂は湿っているようだ。
おや、これはどういうことだろう。そう思い辺りを見回してみると、自分のいる位置を中心として竜巻のように水がぐるぐる回っている。うーむ、どうやら鮫がくるくる回ることにより渦ができ、それが拡大、いつの間にか竜巻のようになってしまったようだ。水の竜巻の中にポツ、ポツとゴマのような黒い点が見える。多分あれが鮫だろう。
珍しいこともあるものだなあ。さとこは思った。
ジーッと見てると、次第に竜巻の中が赤に染まっていく。どういうことだろう。どうやら黒い影、鮫が赤くなっているようだ。血?血だろうか。これは恐らく、円心力に耐えられなくなった鮫の腹が裂けているのだ。自分が作った竜巻の円心力のせいで死ぬなんて可哀想に。あっという間に竜巻は真っ赤になった。原動力を失った竜巻の回転は徐々に弱まっていき、やがて消えた。気付くとさとこは元のように海に浮かんでいた。ビーチに戻るとともことまゆみはもういなかった。きっと、嫌われていたのだろうな。さとこは思った。
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