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王子と令嬢の初めての日6(ビアンカ視点)※

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 そっとわたくしを引き寄せると、フィリップ王子は蜜壺に指を滑らせた。
 柔らかな秘肉に彼の長い指で触れられるだけで体は震え疼きを覚える。けれど、今は気持ちよさに飲まれてしまうわけにはいかない。
 わ……わたくしも、フィリップ王子の物に触るんだから!
 そろりと手を伸ばし布の上から彼の物に触ると、それはびくりと動く。驚き思わず手を引っ込めるわたくしを、フィリップ王子が心配そうな表情で見つめた。

「……ビアンカ、無理なら……」
「さ、触ります!」

 気遣うように言われて、わたくしは慌てて彼の腰に巻かれた布を捲った……こちらだって彼を気持ちよくしたいのだ。
 捲った布地の下には張り詰めた怒張があった。
 大きく張り出した先端はてらてらとした質感で、その下の幹は長くて太い。赤く色づいた幹には太い血管が走っている。……グロテスクな外見なのだけれど。彼の物だからか、愛おしい物に思えた。
 ぎゅっと握ると手の中で押し返してくるような弾力を感じる。血管をなぞるようにして何度も指で撫でるとフィリップ王子の頬が赤く染まった。

「自分で言い出したものの、ビアンカに触れられているのは不思議な感じだな。気持ち悪くはないか?」
「いいえ、フィリップ様のものですもの。……気持ち悪いどころか、愛おしく感じますわ」
「――! 君は本当に……」

 ため息をつきながら抱きしめられ、裸の濡れた肌同士が密に触れ合う。
 その感触が心地よくて胸に頬をすり寄せると彼が笑う気配がした。

「えっと……本当に、の後は。なにを言おうとしたんですの?」
「君は本当に可愛いな、と。失った時を嘆いても仕方がないのだが。もっと昔から大事にするべきだった。君が俺の側からいなくならなくて……本当によかった」

 抱きしめられる力が強くなり、何度も何度も首筋に口づけられる。それは甘やかな彼からの謝意の表し方で。わたくしはそれをうっとりとしながら享受した。

「これからたくさん、大事にしてくださるのでしょう?」
「……ああ大事にする。君の純粋な部分も、苛烈な部分も。愛してる、ビアンカ」

 彼の指が花弁を緩やかに擦る。甘い痺れに吐息を漏らしながら、わたくしもフィリップ王子の物を片手でしっかりと握り優しく手を上下させた。
 美しい彼のかんばせが苦痛でも堪えるかのような表情を作る。痛かったのか、と少し心配になったけれど、欲情で潤むその金の瞳を見てそうではないのだと理解した。
 こんな拙い愛撫でも感じてくださっているのだ。
 それが嬉しくて片手で幹を擦りながら鈴口をもう片手の指で撫で……丁寧に愛撫を繰り返した。手の中でびくびくと震える存在が愛おしくてたまらない。フィリップ王子にもっと気持ちよくなって欲しい。

「あっ……!」

 彼の指が花芽を軽く摘まみ、その強い刺激にわたくしは思わず声を上げた。
 汗とお湯で塗れた額を合わせ、時折口づけをしながら。一心不乱に互いの性器を愛撫する。
 頬を染めフィリップ王子が気持ちよさげな吐息を漏らすたびに、わたくしの体も高められていくようで。それがとても幸せだった。

「やらしい顔を……してるな」
「もう! フィリップ様もです……っ」

 恥ずかしくて彼の肩に顔を埋めて表情を隠し、ついでにとその白い肌に舌を這わせると、きめ細やかな肌の感触が舌に伝わった。

「……ビアンカ。そんな悪戯をしていないで顔を見せてくれ」

 綺麗な肌を舐めたり食んだりしていると、フィリップ王子に甘えるような声でおねだりをされてしまう。

「はず……かしっ……からっ」
「恥ずかしがる君の顔は愛らしい。もっと見せて欲しい」
「――っ……!」

 そんなことを言われても……。けれど好きな人からのお願いには逆らえない。
 顔を上げると金色の瞳と視線が絡む。フィリップ王子の瞳に映るわたくしは頬を赤らめ、だらしなく口を開けて喘ぐ、情欲に溺れた一人の雌の顔をしていた。
 ――そしてわたくしの目に入る彼も。一人の雄の顔だった。
 こちらを射抜く欲に濡れた獅子の瞳に囚われ、体が熱くなる。

「あぁああっ!」

 指をぐりゅっと奥に挿れられ、小さな悲鳴のような嬌声を上げてしまう。その刺激に意識を持っていかれないように我慢しながら、わたくしも負けじと彼の物を擦り上げた。

「フィリップ、さま。わたくしの手……ちゃんと気持ちいい……?」

 昨日からわたくしばかり気持ちよくなっているから。少しでも返せたらと息も絶え絶えに訊ねると、彼は頬を赤く染めながら優しい笑みを浮かべた。

「……好きな女性にこんなに健気なことをされて……気持ちよくないはずがないだろう」
「フィリップ様……っ」

 どちらともなく唇を合わせ、舌を絡め合う。上でも下でも必死に互いを愛撫しながら、貪り合うのが心地よくて。このまま彼と溶け合ってしまえればいいのに、なんてバカバカしいことを考えてしまう。

「……好きだ、ビアンカ」

 キスの合間にフィリップ王子は『好き』だと、何度も優しく囁いてくれた。
 彼の『好きな女性』になれたんだ。そんな実感がじわりと胸に湧いて、泣きそうな気持ちになる。

 ――わたくしも、大好き。

 そう言おうとした唇は形のいい彼の唇にまた塞がれて。
 また夢中で貪り合い、どちらともなく……わたくしたちは絶頂に達したのだった。

「――っは……」

 フィリップ王子が小さく息を吐きながら、緊張させていた体の力を抜く。
 上気した白い頬を伝う水滴。快楽に満たされた後の、ぼうっと潤んだ瞳。
 ……事後の雰囲気を漂わせるフィリップ王子は……当てられて倒れてしまいそうなくらいの色香を放っている。

「……綺麗」

 思わずぽつりと呟くと、彼は照れたように微笑みながらわたくしの頬を撫でてくれた。
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