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第四部 〜止まった時間と動き出す歯車〜
第二百十話
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「そして俺は民を守るために悪魔と契約した」
体格は凄く良くて腕だけでアルージェの体くらいあるかもしれない。
優しそうで穏やかな顔付きの大男はそこで話を締める。
「悪魔って本当にいたんだ!今は絶滅しちゃったって教授が言ってたな」
アルージェは大男の話に興味津々であった。
「そうなのか?あんなバケモノ共が絶滅とは何があったんだか知りたいな」
大男は鼻で笑う。
今がどう言う状況なのか説明すると、武器とアルージェ自身をパスで繋いだ結果。
武器に宿った記憶を読み取ることが出来た。
だがそれだけで終わらなかった。
パスを繋いで記憶を見終わった後、何もない空間にこの大男がただ一人で立っていたのだ。
アルージェは恐る恐る話しかけてみると反応が返ってきたので、雑談に花を咲かせていたところだ。
この人の話を纏めると、かなり昔にフォルニスターという町に生まれてどっかの軍で団長をしていて、もうどれくらいここに居たかも覚えてなくて、名前も覚えていない。
そしてこの大男は未曾有の魔獣の行進で、魔物にやられてしまったらしい。
動かない体消えそうな意識の中、それでも魔物達に抵抗しようとしていたら、どこからともなく悪魔が現れた。
悪魔はどうやら戦いが好きな悪魔だったらしく、「我が名はスペルナ。お前の戦い方が気に入った。契約をすればこの国を守る力をくれてやる」と提案してきた。
大男は二つ返事で契約を交わし、悪魔に自分の体を全て捧げてこの武器に魂だけを憑依させた。
そのおかげで疲れ知らずで傷つかない体を手にいれ、魔獣を一匹残らず倒したそうだ。
にわかには信じられない話だが、現にこうして出会ってしまったのだから信じるしかない。
こうやって意識があるということは広義に言えば、この大剣は意思を持つ武器ということになるだろう。
話しててずっと感じていたのだが、この人は凄くいい人だ。
悪魔に魂を売ってしまった。
いや厳密には体を売ってしまったのだが、国を守る為に自分の全てを投げ出して守り抜いた英雄。
それにどこかの団長をしていたからだろうか、話していて惹きつけられる何かがあった。
本当にこの人が闇の魔力を溢れさせていた張本人なのか疑ってしまう。
「それにしても、外の世界ではそんなことになっていたとはな。本当に申し訳ないことをした」
大男は頭を下げる。
「いえ、気にしないでください!ちなみに溢れている闇の魔力を止めることとかって・・・?」
アルージェは念の為に確認するが、大男ははシュンと体を縮める。
「俺からは外の世界に何も干渉できないんだ・・・」
大男なので萎んでいるようで萎んでいないが。
「そうですか。まぁ、僕もやり方は有るので!」
アルージェが立ちあがる。
「団長さんとお話出来て本当に良かったです!」
「俺もだ、まさか出会えるとこんなところで人と出会えるなんて思って無かったからな」
「団長さんはまだ生きたいですか?それとも・・・」
アルージェは言葉を濁す。
「ははは、面白いことを言うな!既に生きてるか死んでるかも分からん!好きにしてくれ!」
団長は体を大きく動かし大袈裟に笑う。
「分かりました!では!」
「あぁ、最後に会えたのが君で良かったよ」
団長が笑顔で手を振る。
アルージェも団長に向かって手を振り、現実世界に戻ってくる。
かなりの時間、大男と話していたように感じたが、実際に経った時間は一秒にも満たない。
あれが精神世界での出来事だったからだろう。
「団長。また会いましょう」
アルージェがアイテムボックスに手を入れて刻印用のペンをスッと取り出す。
そして刻印用のペンで大剣に刻印を施す。
「これで良しと」
大剣に緊急停止を施し、無尽蔵に溢れ出る闇魔法の供給を止めた。
「はぁ・・・、疲れた・・・」
アルージェはその場に寝転がり、天井を見上げる。
「それにしても、こんなことになるなんてなぁ」
両手に持っていた可変式片手半剣の新しい形状を見る。
可変式片手半剣・参式:闇過剰吸収形態= 隠陽影刃。
闇の魔力を吸収しすぎた結果起きた、変化だった。
機能として初めから入れていた物ではない。
剣は壊してしまってもいいから時間を稼ごうとした結果。
偶然生じた現象。
あの時、パリンと剣が折れた様な音がした。
だが実際は折れたわけでは無く、勝手に形状が変化したのだ。
可変式片手半剣・壱式=アメノハバキリは、勝手に可変式片手半剣・参式=アメノムラクモになったかと思ったが違った。
剣の形状が変わって斬撃が抜けたように思えたが、実際は斬撃を全て剣が吸収した。
後ろに押される力だけが残り、僕は壁まで吹き飛ばされてしまった。
その後は壁に叩きつけられて重力でズルズルと地面まで落ちた。
そこで気付いた、剣を握っていれば影の中に潜れることに。
影の中に入ると、影になっている場所が何処にあるかすぐに分かるようになった。
それからは近づいて来る団長の後ろ側に有った影に移動して、脚部分を切断した。
声をかけたら剣を振り回そうとしていたから、 隠陽影刃の能力で影を具現化させて両腕を切断した。
「体がもう限界みたいだ・・・」
アルージェは重くなる瞼を閉じないように必死に抵抗して、大剣と鎧に手を伸ばす。
だが、大剣と鎧はかなり重たく仕方ないので、アイテムボックスを鎧と大剣に近づけて片付ける。
「へへへ、これが有ったらまた面白い武器作れるぞぉ・・・」
アルージェはニヤニヤと顔を緩ませて、瞼を閉じて眠りにつく。
第四部 止まった時間と動き出す歯車編 完
体格は凄く良くて腕だけでアルージェの体くらいあるかもしれない。
優しそうで穏やかな顔付きの大男はそこで話を締める。
「悪魔って本当にいたんだ!今は絶滅しちゃったって教授が言ってたな」
アルージェは大男の話に興味津々であった。
「そうなのか?あんなバケモノ共が絶滅とは何があったんだか知りたいな」
大男は鼻で笑う。
今がどう言う状況なのか説明すると、武器とアルージェ自身をパスで繋いだ結果。
武器に宿った記憶を読み取ることが出来た。
だがそれだけで終わらなかった。
パスを繋いで記憶を見終わった後、何もない空間にこの大男がただ一人で立っていたのだ。
アルージェは恐る恐る話しかけてみると反応が返ってきたので、雑談に花を咲かせていたところだ。
この人の話を纏めると、かなり昔にフォルニスターという町に生まれてどっかの軍で団長をしていて、もうどれくらいここに居たかも覚えてなくて、名前も覚えていない。
そしてこの大男は未曾有の魔獣の行進で、魔物にやられてしまったらしい。
動かない体消えそうな意識の中、それでも魔物達に抵抗しようとしていたら、どこからともなく悪魔が現れた。
悪魔はどうやら戦いが好きな悪魔だったらしく、「我が名はスペルナ。お前の戦い方が気に入った。契約をすればこの国を守る力をくれてやる」と提案してきた。
大男は二つ返事で契約を交わし、悪魔に自分の体を全て捧げてこの武器に魂だけを憑依させた。
そのおかげで疲れ知らずで傷つかない体を手にいれ、魔獣を一匹残らず倒したそうだ。
にわかには信じられない話だが、現にこうして出会ってしまったのだから信じるしかない。
こうやって意識があるということは広義に言えば、この大剣は意思を持つ武器ということになるだろう。
話しててずっと感じていたのだが、この人は凄くいい人だ。
悪魔に魂を売ってしまった。
いや厳密には体を売ってしまったのだが、国を守る為に自分の全てを投げ出して守り抜いた英雄。
それにどこかの団長をしていたからだろうか、話していて惹きつけられる何かがあった。
本当にこの人が闇の魔力を溢れさせていた張本人なのか疑ってしまう。
「それにしても、外の世界ではそんなことになっていたとはな。本当に申し訳ないことをした」
大男は頭を下げる。
「いえ、気にしないでください!ちなみに溢れている闇の魔力を止めることとかって・・・?」
アルージェは念の為に確認するが、大男ははシュンと体を縮める。
「俺からは外の世界に何も干渉できないんだ・・・」
大男なので萎んでいるようで萎んでいないが。
「そうですか。まぁ、僕もやり方は有るので!」
アルージェが立ちあがる。
「団長さんとお話出来て本当に良かったです!」
「俺もだ、まさか出会えるとこんなところで人と出会えるなんて思って無かったからな」
「団長さんはまだ生きたいですか?それとも・・・」
アルージェは言葉を濁す。
「ははは、面白いことを言うな!既に生きてるか死んでるかも分からん!好きにしてくれ!」
団長は体を大きく動かし大袈裟に笑う。
「分かりました!では!」
「あぁ、最後に会えたのが君で良かったよ」
団長が笑顔で手を振る。
アルージェも団長に向かって手を振り、現実世界に戻ってくる。
かなりの時間、大男と話していたように感じたが、実際に経った時間は一秒にも満たない。
あれが精神世界での出来事だったからだろう。
「団長。また会いましょう」
アルージェがアイテムボックスに手を入れて刻印用のペンをスッと取り出す。
そして刻印用のペンで大剣に刻印を施す。
「これで良しと」
大剣に緊急停止を施し、無尽蔵に溢れ出る闇魔法の供給を止めた。
「はぁ・・・、疲れた・・・」
アルージェはその場に寝転がり、天井を見上げる。
「それにしても、こんなことになるなんてなぁ」
両手に持っていた可変式片手半剣の新しい形状を見る。
可変式片手半剣・参式:闇過剰吸収形態= 隠陽影刃。
闇の魔力を吸収しすぎた結果起きた、変化だった。
機能として初めから入れていた物ではない。
剣は壊してしまってもいいから時間を稼ごうとした結果。
偶然生じた現象。
あの時、パリンと剣が折れた様な音がした。
だが実際は折れたわけでは無く、勝手に形状が変化したのだ。
可変式片手半剣・壱式=アメノハバキリは、勝手に可変式片手半剣・参式=アメノムラクモになったかと思ったが違った。
剣の形状が変わって斬撃が抜けたように思えたが、実際は斬撃を全て剣が吸収した。
後ろに押される力だけが残り、僕は壁まで吹き飛ばされてしまった。
その後は壁に叩きつけられて重力でズルズルと地面まで落ちた。
そこで気付いた、剣を握っていれば影の中に潜れることに。
影の中に入ると、影になっている場所が何処にあるかすぐに分かるようになった。
それからは近づいて来る団長の後ろ側に有った影に移動して、脚部分を切断した。
声をかけたら剣を振り回そうとしていたから、 隠陽影刃の能力で影を具現化させて両腕を切断した。
「体がもう限界みたいだ・・・」
アルージェは重くなる瞼を閉じないように必死に抵抗して、大剣と鎧に手を伸ばす。
だが、大剣と鎧はかなり重たく仕方ないので、アイテムボックスを鎧と大剣に近づけて片付ける。
「へへへ、これが有ったらまた面白い武器作れるぞぉ・・・」
アルージェはニヤニヤと顔を緩ませて、瞼を閉じて眠りにつく。
第四部 止まった時間と動き出す歯車編 完
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