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第三部 〜新たな力〜
第八十話
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アルージェが目を覚ます。
「ここは?」
周りを確認しようとすると「バウッ!」とルーネが吠える。
「おぉ、ルーネ!また、見ててくれたんだねありがとう、それで僕はどれくらい気を失ってたんだろう?」
「鐘1つ分(三時間)程といったところか」
コルクスもアルージェが目覚めたことに気付き近づいてきた。
「それだけならよかったです、そういえば魔力操作は・・・」
アルージェは辺りを見て、部屋がかなり散らかっていることに気付く。
「お前の魔力は私の予想を遥かに超えていた。この部屋でやって正解だった、外だと新聞社にとやかく書かれて大変なことになっていた」
先生の言葉を聞き
魔力の感覚を探り、操作できるかを試してみる。
「おぉ、これが魔力操作なんですね」
体内の魔力を動かしたり、圧縮したり、外に出したり自由自在に動かすことができるようになっていた。
「あぁ、そうだ、だがお前が出来ていることは魔術師ならば誰でもできる基本の技術だここから始まるということを忘れるな」
「はい、コルクス教官!」
「理解しているならいい、さっそく授業を始めようと思ったが見ての通り、お前の魔力でひどい有様だ、部屋を片付けるから今日は寮に戻れ、場所はここだとよ」
コルクスはアルージェに紙を渡す。
「学園長がお前が寝ている間に来て、置いて帰った。
寮の場所を伝え忘れていたと言ってな、だがおそらく魔力を感知して飛んできたんだろうがな」
「ありがとうございます!それじゃあルーネ寮に行こうか、ちょっと話したい事もあるし」
「バウッ!」
「おい、狼、お前の主人がもし、体調が悪そうならここまで連れてこい、何とかしてやる」
「バウ」
コルクスの言葉に振り返り返事をするルーネ
「ふっ、いい相方を持ってるなアルージェ大事にしろよ」
「ルーネはいい子ですよ本当に、狼じゃなくてルーネって呼んであげてくださいね」
「ふん、考えとく、俺は研究に戻る」
そういって机のほうに戻り、何かを書き始めた。
アルージェもそれを見て、手紙に書いてあった寮へ向かう。
「よし行くぞルーネ!」
ルーネに跨り、意気込み指を指すが、ルーネは真逆の方向へ進んでいく。
「あれ?こっちだった?おかしいなこっちだと思ったんだけど」
アルージェが手紙に地図を見て確認するがルーネの行く道が正しそうだった。
五分ほど移動したところでルーネが止まる。
「ここか、えーと此処の二階みたい、なんか貴族の人が住んでそうな建物だね」
実際に貴族の家を見たことはないが、大きくて、きれいなのでそう言っているだけである。
「202、202、あったここか!」
ガチャリと扉を開くと、ミスティが優雅に紅茶を飲み、マイアがその後ろで待機していた。
音に気付きミスティがこちらを見る。
「おっ、少年ようやく来たか、待ってたぞ」
ミスティが笑顔で迎えてくれる。
「あれ?ミスティさん?部屋間違えたかな・・・?」
受け取った手紙を確認するが、確かに202と書かれていた。
「えっ、ミスティさん達もここですか?」
「あぁ、無事に入学試験に合格してな、教官に寮を訪ねるとここだと言われたよ」
「学生なのに相部屋って、いいんですかこれ?」
「今更だろう昨日までも同じ屋根の下で過ごしていたではないか」
ハハハとミスティは笑う。
「それもそうですね、これからも長い付き合いになりそうですね
よろしくお願いいたしますね、ミスティさん、マイアさん」
「ま、マイア!今の聞いたか!今度こそ求婚なのではないか!?」
アルージェの言葉に興奮気味に話すミスティだったが
「落ち着いてください、お嬢様、アルージェ様にそこまでの意図はないですよ」
と一蹴される。
「む、そうなのか、アルージェはいつになったら婚約してくれるんだ」
「お嬢様、本人に聞いてみてはいかがでしょう、ちょうど目の前にいますので」
「ストーップ!ミスティさんそれよりも今日は少しお話したいことがあるので、僕の話聞いてもらえないですか?」
「ほう、アルージェから話とは珍しいな、なら話を聞こうかな、どうだそんなところにずっと居ないで席に着いたら」
「あぁ、そうですね、ミスティさんが居たので驚いでずっと立ったままでした」
ミスティの前の席に座り、アルージェは今日あったことを話す。
「えと、まず今日はコルクスという教官に会って魔力操作の方法を伝授してもらったんです。
ですが、そこで気を失ってしまって、神様に呼ばれたんですが・・・」
アルージェの話を遮りミステイが話始める
「アルージェ少し待ってくれ、話が飛びすぎてついていけない、神様にあった?何を言っているんだ?」
「そういえば、僕が何者なのかみんなに言ってなかったですね、この際なのでそこから話しますね、ルーネも聞いてくれる?」
床で寝ていたルーネが起き上がり、アルージェの近くに寄ってきて
きりっとした顔で「バウッ!」と返事をする。
話が長くなりそうだと察知していたマイアが紅茶をアルージェの前に出してくれる。
「ありがとうございます、マイアさん」
紅茶を啜り、話を続ける。
「実は僕こことは違う世界で生きていた、前世の記憶があるんです。僕の世界ではこういうのを転生と言ってました」
「ま、待ってくれ!アルージェは転生者なのか!?」
ミスティが転生という言葉に驚く。
「ここは?」
周りを確認しようとすると「バウッ!」とルーネが吠える。
「おぉ、ルーネ!また、見ててくれたんだねありがとう、それで僕はどれくらい気を失ってたんだろう?」
「鐘1つ分(三時間)程といったところか」
コルクスもアルージェが目覚めたことに気付き近づいてきた。
「それだけならよかったです、そういえば魔力操作は・・・」
アルージェは辺りを見て、部屋がかなり散らかっていることに気付く。
「お前の魔力は私の予想を遥かに超えていた。この部屋でやって正解だった、外だと新聞社にとやかく書かれて大変なことになっていた」
先生の言葉を聞き
魔力の感覚を探り、操作できるかを試してみる。
「おぉ、これが魔力操作なんですね」
体内の魔力を動かしたり、圧縮したり、外に出したり自由自在に動かすことができるようになっていた。
「あぁ、そうだ、だがお前が出来ていることは魔術師ならば誰でもできる基本の技術だここから始まるということを忘れるな」
「はい、コルクス教官!」
「理解しているならいい、さっそく授業を始めようと思ったが見ての通り、お前の魔力でひどい有様だ、部屋を片付けるから今日は寮に戻れ、場所はここだとよ」
コルクスはアルージェに紙を渡す。
「学園長がお前が寝ている間に来て、置いて帰った。
寮の場所を伝え忘れていたと言ってな、だがおそらく魔力を感知して飛んできたんだろうがな」
「ありがとうございます!それじゃあルーネ寮に行こうか、ちょっと話したい事もあるし」
「バウッ!」
「おい、狼、お前の主人がもし、体調が悪そうならここまで連れてこい、何とかしてやる」
「バウ」
コルクスの言葉に振り返り返事をするルーネ
「ふっ、いい相方を持ってるなアルージェ大事にしろよ」
「ルーネはいい子ですよ本当に、狼じゃなくてルーネって呼んであげてくださいね」
「ふん、考えとく、俺は研究に戻る」
そういって机のほうに戻り、何かを書き始めた。
アルージェもそれを見て、手紙に書いてあった寮へ向かう。
「よし行くぞルーネ!」
ルーネに跨り、意気込み指を指すが、ルーネは真逆の方向へ進んでいく。
「あれ?こっちだった?おかしいなこっちだと思ったんだけど」
アルージェが手紙に地図を見て確認するがルーネの行く道が正しそうだった。
五分ほど移動したところでルーネが止まる。
「ここか、えーと此処の二階みたい、なんか貴族の人が住んでそうな建物だね」
実際に貴族の家を見たことはないが、大きくて、きれいなのでそう言っているだけである。
「202、202、あったここか!」
ガチャリと扉を開くと、ミスティが優雅に紅茶を飲み、マイアがその後ろで待機していた。
音に気付きミスティがこちらを見る。
「おっ、少年ようやく来たか、待ってたぞ」
ミスティが笑顔で迎えてくれる。
「あれ?ミスティさん?部屋間違えたかな・・・?」
受け取った手紙を確認するが、確かに202と書かれていた。
「えっ、ミスティさん達もここですか?」
「あぁ、無事に入学試験に合格してな、教官に寮を訪ねるとここだと言われたよ」
「学生なのに相部屋って、いいんですかこれ?」
「今更だろう昨日までも同じ屋根の下で過ごしていたではないか」
ハハハとミスティは笑う。
「それもそうですね、これからも長い付き合いになりそうですね
よろしくお願いいたしますね、ミスティさん、マイアさん」
「ま、マイア!今の聞いたか!今度こそ求婚なのではないか!?」
アルージェの言葉に興奮気味に話すミスティだったが
「落ち着いてください、お嬢様、アルージェ様にそこまでの意図はないですよ」
と一蹴される。
「む、そうなのか、アルージェはいつになったら婚約してくれるんだ」
「お嬢様、本人に聞いてみてはいかがでしょう、ちょうど目の前にいますので」
「ストーップ!ミスティさんそれよりも今日は少しお話したいことがあるので、僕の話聞いてもらえないですか?」
「ほう、アルージェから話とは珍しいな、なら話を聞こうかな、どうだそんなところにずっと居ないで席に着いたら」
「あぁ、そうですね、ミスティさんが居たので驚いでずっと立ったままでした」
ミスティの前の席に座り、アルージェは今日あったことを話す。
「えと、まず今日はコルクスという教官に会って魔力操作の方法を伝授してもらったんです。
ですが、そこで気を失ってしまって、神様に呼ばれたんですが・・・」
アルージェの話を遮りミステイが話始める
「アルージェ少し待ってくれ、話が飛びすぎてついていけない、神様にあった?何を言っているんだ?」
「そういえば、僕が何者なのかみんなに言ってなかったですね、この際なのでそこから話しますね、ルーネも聞いてくれる?」
床で寝ていたルーネが起き上がり、アルージェの近くに寄ってきて
きりっとした顔で「バウッ!」と返事をする。
話が長くなりそうだと察知していたマイアが紅茶をアルージェの前に出してくれる。
「ありがとうございます、マイアさん」
紅茶を啜り、話を続ける。
「実は僕こことは違う世界で生きていた、前世の記憶があるんです。僕の世界ではこういうのを転生と言ってました」
「ま、待ってくれ!アルージェは転生者なのか!?」
ミスティが転生という言葉に驚く。
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