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第30話 魔物の買い取り金額
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「おう、来たなアイク」
「お疲れ様です、バングさん」
武器屋で依頼を受けた後、俺たちはちょうど良い時間になったので、ギルド裏の倉庫へと向かった。
入り口から顔を覗かせると、バングは上機嫌そうな笑みを浮かべていた。
どうやら、今日の交渉にかなり自信があると見てもいいだろう。
「そうだ。一旦、昨日の魔物の分の金渡しちまった方がいいよな。ちょっと待ってくれ」
バングはそう言うと、倉庫にある簡単なカウンターの方に移動して、お金を数えながら取り出した。
「31体の魔物の合計で、40万ダウだな」
「40万ダウ!? そんなに貰えるんですか?」
昨日一日クエストに行って、出てきた魔物を狩っただけでそんなにもらえるのか?
今までそんなに素材を売っても儲けた記憶がない。それも、俺たちが狩ったのはレアな魔物でもない。
それなのに、そんな額になるのか。
ていうか、40万ダウもあればリリと二人でも一ヵ月は何もしないでも暮らせるのではないだろうか。
「……いや、31体も新鮮な魔物を持ってくれば、そのくらいになるだろ」
バンクは何を言ってるんだと言いたげな目をこちらに向けていた。どうやら、バンクからしたら額を聞いて驚いている方が不思議みたいだった。
「そんじゃあ、これで40万ダウな」
「あ、ありがとうございます」
俺は魔物を討伐した分のお金をしまって、重くなった財布をしばらく眺めていた。
まさか、一日でこれほど稼ぐことができるとは。
……クエストなんかやらずに、こっちの道で生きていけば結構な金持ちになれるのではないか。
そんなことを本気で考えてしまうのだった。
「あっ、分け前は宿に戻ったらちゃんと渡すからな」
「え、私も貰えるんですか?」
「当たり前だろ。同じパーティなんだから」
俺は驚いているようなリリの表情に、少しだけ呆れるような笑みが零れてしまった。
俺がギース達のパーティでひどい扱いを受けたから、余計にこういう所はきちんとしたい。
リリだって色々欲しいものとかあるだろうし、お金も必要になるだろう。
……あれ、ていうか40万ダウも貰えるなら、ガルドの依頼受けなくてよかったんじゃないか?
「バングさん、いる?」
「おっ、来たか。久しぶりだな、イーナ」
「思ったよりも早く仕事終わったからさ、こっち来ちゃった……あれ? まだ仕事中?」
倉庫にぴょこんと顔を覗かせたのは俺たちと同い年くらいの女の子だった。少し釣り目がちな目に凛としたような顔つき。話し方は少し親しみを持てるような感じがあって、見た目以上に柔らかい性格をしているようだった。
胸は控えめで手足がすらりと長い明るい髪色をした女の子。この子がバングの料理人時代の知り合いってことか。
知り合い?
「いや、もう上がる所さ。まぁ、ここに来てくれたならちょうどいいか」
「ば、バングさん。この子とどういうご関係で?」
「ん? ああ、世話になった店の娘でな。今は色んな所に食材を下ろす商人やってんだよ。……なんだ、アイク気になるのか?」
バングは何を勘違いしたのか、にやりとした笑みを浮かべてきた。からかうような目は、俺がイーナを女の子として意識していることを疑うようなものだった。
いや、確かにこれだけ可愛い子を意識しないということはないが……。
「アイクさん?」
「な、なんだよ」
俺がイーナに視線を向けているのに気づいたのか、俺の隣にいたリリがジトっとした目を向けてきていた。
「……やっぱり、今日来ておいて正解でした」
そんな独り言を呟きながら、リリは俺から視線を外そうとはしなかった。
いや、俺は何も言ってないんだけどな。まぁ、そう言う目で一切見ていないと言えば嘘にはなるけど……うん、急に振ってきたバングが悪いと思う。
俺がリリから向けられた視線をそのままバングに向けると、バングは首を傾げた後に言葉を続けた。
「イーナ。お前に面白いものを見せてやるよ。話しはそれからだ」
「面白い物?」
きょとんと可愛らしく首を傾げたイーナを見て、バングは得意げな笑みを浮かべていた。
……俺がリリにジトっとした目で見られてるのはスルーですか、バングさん。
「お疲れ様です、バングさん」
武器屋で依頼を受けた後、俺たちはちょうど良い時間になったので、ギルド裏の倉庫へと向かった。
入り口から顔を覗かせると、バングは上機嫌そうな笑みを浮かべていた。
どうやら、今日の交渉にかなり自信があると見てもいいだろう。
「そうだ。一旦、昨日の魔物の分の金渡しちまった方がいいよな。ちょっと待ってくれ」
バングはそう言うと、倉庫にある簡単なカウンターの方に移動して、お金を数えながら取り出した。
「31体の魔物の合計で、40万ダウだな」
「40万ダウ!? そんなに貰えるんですか?」
昨日一日クエストに行って、出てきた魔物を狩っただけでそんなにもらえるのか?
今までそんなに素材を売っても儲けた記憶がない。それも、俺たちが狩ったのはレアな魔物でもない。
それなのに、そんな額になるのか。
ていうか、40万ダウもあればリリと二人でも一ヵ月は何もしないでも暮らせるのではないだろうか。
「……いや、31体も新鮮な魔物を持ってくれば、そのくらいになるだろ」
バンクは何を言ってるんだと言いたげな目をこちらに向けていた。どうやら、バンクからしたら額を聞いて驚いている方が不思議みたいだった。
「そんじゃあ、これで40万ダウな」
「あ、ありがとうございます」
俺は魔物を討伐した分のお金をしまって、重くなった財布をしばらく眺めていた。
まさか、一日でこれほど稼ぐことができるとは。
……クエストなんかやらずに、こっちの道で生きていけば結構な金持ちになれるのではないか。
そんなことを本気で考えてしまうのだった。
「あっ、分け前は宿に戻ったらちゃんと渡すからな」
「え、私も貰えるんですか?」
「当たり前だろ。同じパーティなんだから」
俺は驚いているようなリリの表情に、少しだけ呆れるような笑みが零れてしまった。
俺がギース達のパーティでひどい扱いを受けたから、余計にこういう所はきちんとしたい。
リリだって色々欲しいものとかあるだろうし、お金も必要になるだろう。
……あれ、ていうか40万ダウも貰えるなら、ガルドの依頼受けなくてよかったんじゃないか?
「バングさん、いる?」
「おっ、来たか。久しぶりだな、イーナ」
「思ったよりも早く仕事終わったからさ、こっち来ちゃった……あれ? まだ仕事中?」
倉庫にぴょこんと顔を覗かせたのは俺たちと同い年くらいの女の子だった。少し釣り目がちな目に凛としたような顔つき。話し方は少し親しみを持てるような感じがあって、見た目以上に柔らかい性格をしているようだった。
胸は控えめで手足がすらりと長い明るい髪色をした女の子。この子がバングの料理人時代の知り合いってことか。
知り合い?
「いや、もう上がる所さ。まぁ、ここに来てくれたならちょうどいいか」
「ば、バングさん。この子とどういうご関係で?」
「ん? ああ、世話になった店の娘でな。今は色んな所に食材を下ろす商人やってんだよ。……なんだ、アイク気になるのか?」
バングは何を勘違いしたのか、にやりとした笑みを浮かべてきた。からかうような目は、俺がイーナを女の子として意識していることを疑うようなものだった。
いや、確かにこれだけ可愛い子を意識しないということはないが……。
「アイクさん?」
「な、なんだよ」
俺がイーナに視線を向けているのに気づいたのか、俺の隣にいたリリがジトっとした目を向けてきていた。
「……やっぱり、今日来ておいて正解でした」
そんな独り言を呟きながら、リリは俺から視線を外そうとはしなかった。
いや、俺は何も言ってないんだけどな。まぁ、そう言う目で一切見ていないと言えば嘘にはなるけど……うん、急に振ってきたバングが悪いと思う。
俺がリリから向けられた視線をそのままバングに向けると、バングは首を傾げた後に言葉を続けた。
「イーナ。お前に面白いものを見せてやるよ。話しはそれからだ」
「面白い物?」
きょとんと可愛らしく首を傾げたイーナを見て、バングは得意げな笑みを浮かべていた。
……俺がリリにジトっとした目で見られてるのはスルーですか、バングさん。
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