6 / 8
第1章
城の探索 1
しおりを挟む
それから、自室を離れ歩きながら城の各部屋を紹介されていく。この城自体、広ずきて道が覚えきれず資料室やカノの部屋の場所などの自室から近い場所などしかあんまり記憶には残らなかった。昔から記憶力に対しては自信はない。カイが俺の代わりに色々と覚えてくれていたよな。カイは今、どうしているんだろうな。俺がそう思いふけてると、一通り道案内したグレイが後ろに振り返る。
「重要な場所はこれぐらいかな。道とか記録したか?」
「正直、迷子になる可能性しかない。いつも思うが、どの城でも広く設計されているんだ」
「そりゃ、金を持っているのを表すためだろう。まぁ、うちの魔王様は城で迷い込んだやつを罠にはめて殺すことぐらい考えてそうだけどな」
「ゾッとするようなこと言うなよ」
説明はされていないだけで、廊下や部屋にも罠の仕掛けとかあるんじゃないのか。廊下で注意しながら見渡していると、グレイが笑い声をあげる。
「わはは、分かりやすい反応だな! わざわざ、罠を仕掛けしなくても空間魔法や追撃魔法で敵を仕留めるぐらい簡単だしな」
「……そっちの方が怖い」
冗談のように言うが、身の危険性が変わらない。城にいる限り、何処でも狙われても可笑しくはないということだろう。呪術がある指輪もあるし、逃走とかは考えない方がいいだろうな。
道や部屋を把握は出来ていないが、他にも聞いていない場所があった。
「カノの部屋以外の幹部の場所を教えてもらっていないだが」
「あー、俺は元々城には住んでないんだけど、他の幹部は住んでるだっけ? 悪い、あいつら隠蔽魔法で部屋消してる可能性があるな」
「……隠蔽魔法使ってるのか」
隠蔽魔法、人物や物を相手に認識できなくする魔法だったはず。暗殺者や盗賊などがよく使っていることを知っているが、部屋全体を認識できなくなるのは最上級魔法使いだけだろう。それを3人ともやっている時点、魔王の幹部だけはあるな。
俺が深刻そうな顔をしていると、グレイがポケットから飴のような包みを取りだし俺に差し出す。
「まぁまぁ、そんな悩まなくてもいずれはあちらから巻き込んでいくと思うけどな」
「……俺、初対面から印象悪く嫌われていたけど」
「俺の勘は当たるぜ。お前が行動してもしなくても関係なく巻き込まれるて。その時の行動を気にしていたらいいんだよ」
「は、はあ」
グレイの訳が分からないような勘に疑問思い浮かべながら、少しは安心する気持ちになる。知り合って間もないのに、多少は信じられるようなそんな気分にさせられる。まぁ、裏がありそうな本人の人格に対しては不信ではあるが。
「部屋の案内も終わったことだし、次は俺の用事に付き合ってくれないか」
「うん? あぁ、いいけど」
俺が返事すると同時に強く引っ張って連れていく。どこに向かっているか知らないけど、子供の手を強く引っ張るなよ。
「もう少し優しく連れて行けよ。てか、引っ張らなくてもついていけるし!」
「あ、わりぃな。テンション上がっていたわ。子供とあんまり触れたことなかったから、力加減について知らなかったな」
言った通りに前にいたグレイは横に並んで掴みながら移動する。離してはくれないんだな。足並みを合わせて移動してくれるから早足にならずに済んだ。でも、意外な事言っていたな。グレイの性格上、子供とか触れ合っているイメージがあったが。まだまだ、こいつの本性についてよく分からないな。
数分先歩いていくと、ある扉の前で立ち止まった。部屋の扉には武器倉庫と書かれていた。魔族の武器が置かれている場所なのか。グレイは扉に手をかざすと、少しの間術式の表示された後消えていった。
「解除の魔法を使ったのか?」
「一応、武器倉庫だから閉鎖の魔法使っているんだよ。この部屋を使うのは俺かラルク、たまに魔王様しか使わないけどな」
「魔王も武器倉庫に訪れるのか? 魔法とかで戦っているイメージだけど」
「魔法で全部やれるから特に武器を使ってないらしいけど、本人自体が武器コレクターの所があるからな。よく人間の使う武器とかを買ったり、持ってきたりしては倉庫とかに保管してるみたいだ」
「なんか、意外だな」
魔王がわざわざ人間から武器を集めている趣味があるのか。分からないけど魔族の武器職人とかに作らせたらいいのに。内心そう思いながら、武器倉庫に入るグレイについて行く。
「わぁ、こんなに武器あるのか」
入った瞬間、子供のような喜び声を上げてしまった。珍しい武器集めているとかだと思っていたが、性能や素材がいい武器が揃っている。本格的な武器コレクターかもしれないな。大剣や大刀や槍などの武器が年代ごとに揃っているなこれ。カイ達の旅の時は予算とか気にしていて買ってなかったけど、一撃性が高い大剣とか欲しかったんだよな。
「はは、まるで子供みたいに喜んでいるな」
「いや、ここまで揃っているとは思ってなかったから。武器コレクターも頷けるよ。てっきり、魔具とか集めていると思っていた」
魔具というのは武器に魔力を注いで染み込ませたりして、加護の能力を持たせたものだ。魔力を注がれた武器は魔力が少ない人間でも能力が使える。加護の能力は多種多様で毒や麻痺させたり、自動的に心臓に向かうものまである。強力な代わりに世界には魔具は少ない。魔力を注いで染み込む作業自体で、強力な魔法使いでありながら武器職人である必要ある。どっちの能力も半端なやつには作れない代物だ。
「もちろん、武器の中には魔具とかもあるぞ。……まぁ、魔王様は武器の性能や素材で選んでいる所あるけど」
「いい感性で選んでるな」
「重要な場所はこれぐらいかな。道とか記録したか?」
「正直、迷子になる可能性しかない。いつも思うが、どの城でも広く設計されているんだ」
「そりゃ、金を持っているのを表すためだろう。まぁ、うちの魔王様は城で迷い込んだやつを罠にはめて殺すことぐらい考えてそうだけどな」
「ゾッとするようなこと言うなよ」
説明はされていないだけで、廊下や部屋にも罠の仕掛けとかあるんじゃないのか。廊下で注意しながら見渡していると、グレイが笑い声をあげる。
「わはは、分かりやすい反応だな! わざわざ、罠を仕掛けしなくても空間魔法や追撃魔法で敵を仕留めるぐらい簡単だしな」
「……そっちの方が怖い」
冗談のように言うが、身の危険性が変わらない。城にいる限り、何処でも狙われても可笑しくはないということだろう。呪術がある指輪もあるし、逃走とかは考えない方がいいだろうな。
道や部屋を把握は出来ていないが、他にも聞いていない場所があった。
「カノの部屋以外の幹部の場所を教えてもらっていないだが」
「あー、俺は元々城には住んでないんだけど、他の幹部は住んでるだっけ? 悪い、あいつら隠蔽魔法で部屋消してる可能性があるな」
「……隠蔽魔法使ってるのか」
隠蔽魔法、人物や物を相手に認識できなくする魔法だったはず。暗殺者や盗賊などがよく使っていることを知っているが、部屋全体を認識できなくなるのは最上級魔法使いだけだろう。それを3人ともやっている時点、魔王の幹部だけはあるな。
俺が深刻そうな顔をしていると、グレイがポケットから飴のような包みを取りだし俺に差し出す。
「まぁまぁ、そんな悩まなくてもいずれはあちらから巻き込んでいくと思うけどな」
「……俺、初対面から印象悪く嫌われていたけど」
「俺の勘は当たるぜ。お前が行動してもしなくても関係なく巻き込まれるて。その時の行動を気にしていたらいいんだよ」
「は、はあ」
グレイの訳が分からないような勘に疑問思い浮かべながら、少しは安心する気持ちになる。知り合って間もないのに、多少は信じられるようなそんな気分にさせられる。まぁ、裏がありそうな本人の人格に対しては不信ではあるが。
「部屋の案内も終わったことだし、次は俺の用事に付き合ってくれないか」
「うん? あぁ、いいけど」
俺が返事すると同時に強く引っ張って連れていく。どこに向かっているか知らないけど、子供の手を強く引っ張るなよ。
「もう少し優しく連れて行けよ。てか、引っ張らなくてもついていけるし!」
「あ、わりぃな。テンション上がっていたわ。子供とあんまり触れたことなかったから、力加減について知らなかったな」
言った通りに前にいたグレイは横に並んで掴みながら移動する。離してはくれないんだな。足並みを合わせて移動してくれるから早足にならずに済んだ。でも、意外な事言っていたな。グレイの性格上、子供とか触れ合っているイメージがあったが。まだまだ、こいつの本性についてよく分からないな。
数分先歩いていくと、ある扉の前で立ち止まった。部屋の扉には武器倉庫と書かれていた。魔族の武器が置かれている場所なのか。グレイは扉に手をかざすと、少しの間術式の表示された後消えていった。
「解除の魔法を使ったのか?」
「一応、武器倉庫だから閉鎖の魔法使っているんだよ。この部屋を使うのは俺かラルク、たまに魔王様しか使わないけどな」
「魔王も武器倉庫に訪れるのか? 魔法とかで戦っているイメージだけど」
「魔法で全部やれるから特に武器を使ってないらしいけど、本人自体が武器コレクターの所があるからな。よく人間の使う武器とかを買ったり、持ってきたりしては倉庫とかに保管してるみたいだ」
「なんか、意外だな」
魔王がわざわざ人間から武器を集めている趣味があるのか。分からないけど魔族の武器職人とかに作らせたらいいのに。内心そう思いながら、武器倉庫に入るグレイについて行く。
「わぁ、こんなに武器あるのか」
入った瞬間、子供のような喜び声を上げてしまった。珍しい武器集めているとかだと思っていたが、性能や素材がいい武器が揃っている。本格的な武器コレクターかもしれないな。大剣や大刀や槍などの武器が年代ごとに揃っているなこれ。カイ達の旅の時は予算とか気にしていて買ってなかったけど、一撃性が高い大剣とか欲しかったんだよな。
「はは、まるで子供みたいに喜んでいるな」
「いや、ここまで揃っているとは思ってなかったから。武器コレクターも頷けるよ。てっきり、魔具とか集めていると思っていた」
魔具というのは武器に魔力を注いで染み込ませたりして、加護の能力を持たせたものだ。魔力を注がれた武器は魔力が少ない人間でも能力が使える。加護の能力は多種多様で毒や麻痺させたり、自動的に心臓に向かうものまである。強力な代わりに世界には魔具は少ない。魔力を注いで染み込む作業自体で、強力な魔法使いでありながら武器職人である必要ある。どっちの能力も半端なやつには作れない代物だ。
「もちろん、武器の中には魔具とかもあるぞ。……まぁ、魔王様は武器の性能や素材で選んでいる所あるけど」
「いい感性で選んでるな」
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
傷だらけの僕は空をみる
猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。
生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。
諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。
身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。
ハッピーエンドです。
若干の胸くそが出てきます。
ちょっと痛い表現出てくるかもです。
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。
真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~
シキ
BL
全寮制学園モノBL。
倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。
倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……?
真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。
一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。
こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。
今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。
当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。
嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!
棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる