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父親との再会
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凛を見つけた時、鷲尾がどう出るのか?
凛たちを襲うのではないのか?
そんな心配をしていた俺だったが、鷲尾の行動は単にその場所を報告しただけと言う意外なものだった。それを見届けた俺たちは、幻術の世界にいる鷲尾を置いて、本物の凛が潜んでいる可能性が高い第2コロニーに来ていた。
いつだったか、髪形を変えた凛を見た片側二車線の道路。その先には立ち入り禁止とされている高層ビルが見えている。
「この辺だったはずだ」
泣いている小さな女の子をしゃがんであやす凛。
その姿を思い出しながら、言った。
「でも、逃げられたんだよね、お兄ちゃん」
「逃げられたんだぁ。
諦めなさいよ。葉山の事は」
なぜだか服部が嬉しそうだ。俺をあざ笑いたいのかも知れない。
「だいたい、あんな学校一の天才少女と水野じゃあ、釣り合わないんだから!」
「いや、そんな事はない。凛は俺の事が好きなはず。だからこそ、今の学校に通っているんだ!」と、服部に言い返したい気がするが、その言葉を吐きだすのはぐっとこらえた。
今の学校だって、世間的には進学校と言われてはいるが、服部が言うように、凛は学区の中の一番難関の高校にさくっと通れたはずの頭脳の持ち主だ。だと言うのに、俺と同じ学校を選んだ。凛は表向きは制服がかわいいとか、通学時間が短いとか言っていたが、本当の理由は俺と同じ学校に通いたかったんだと、俺は思っている。だが、本人の口からきいたことはない。
「服部さんとなら、釣り合うのかな?」
「な、な、何を言っているのよ!
だれもそんな事、言ってないでしょっ」
あかねの意味不明の突っ込みに、服部が怒り気味に返している。
「はいはいはい、痴話げんかはいいから、本題に戻りましょ。
その子はどうして、逃げたの?」
矢野が割って入って来た。
「まず言っておきますけど、痴話げんかじゃないですから」
そう前置きしてから、俺は言葉を続けた。
「どうして凛が逃げたのかは分からない。
だから、今度も逃げられる可能性はある」
「何かしたの?」
ひなたの顔は俺が何かしただろうと言わんばかりに、疑いの表情だ。
「無理やり一突きしようとしたの?」
「あのう。矢野さん、マジな話の時に茶かすのやめてもらえません?」
その話題にはもう触れられたくないので、それだけ言って、ひなたに目を向けた。
うん? 的な表情はその言葉の意味を理解していないらしい。ちょっと一安心。まだ、村雨の餌食にはなりたくはない。
「とにかく、探しに行きましょう」
「だとして、お兄ちゃん、どこから行く?」
「あの時、凛を路地の中で見失ったんだ。
ここから路地に入ってみよう」
俺たちはあの時、凛が駆け込んだ路地の中に入って行った。
目を閉じれば、路地を駆けて行く凛の後ろ姿が浮かびそうだ。あの時は凛の姿ばかりを探していて、周りに目を向ける余裕は無かったが、こうして左右に目を向けると、左右に広がっている建物の壁の所々に通用門らしきドアがあったりする。凛はこんなドアの向こうに姿を消したと考えるのが、妥当かも知れない。見つけたドアのノブを持って回してみる。ノブは回りはするが、鍵がかかっているらしく、開いたりはしない。
次々にノブを持って、開けようとしてみたが、どのドアも開けられず、凛の手掛かりも見つけられないまま彷徨う路地。ここのどこかにいるはず。そう思ってはいても、その場所が分からないもどかしさ。
知らない内に、あの時と同じでこのコロニーの中に建つ高層ビルの近くに来ていた。路地を抜けた片側一車線の道の向こうに見える高層ビルが見えている。
「あれ!」
あかねがそう言って、高層ビルの方向を指さした。あかねに言われるまで、気にしていなかったが、ビルの近くに立っている人影の中の一人は大久保だ。
「なんで、こんなところにいるんだ?」
「教会関係の何かを調べているんじゃないの?」
矢野が言った。軍で諜報関係の仕事をしている大久保だ。きっとそれに違いない。
ひなたのお父さんは、教会の中枢部を監視していると言った。
もしや、これがそうなのか?
としたら、ひなたの父親はこの近くにいる?
ひなたの父親が行動を共にしているであろうマスクの男の名前は水野ではないとの事だったが、俺の父親も関わっている可能性は十分ある。
そう思うと、大久保のところに駆け出さずにはいられなかった。
「大久保さん」
俺の呼びかけに、「なんでここにいる?」的な驚いた視線を俺に向けてきた。
「なんでここにいるんですか?」
大久保も思っているだろうが、先に口にしたのは俺だった。
「新たな情報を得たからな」
そう切り出した大久保の視線の先は矢野だ。
「あの日の実験に、スーパーコンピュータ極が使われたらしい事が分かった。
そのスーパーコンピュータはこのビルの地下にある」
「スーパーコンピュータって、何に使ったんですか?」
「もう君たちに隠し事はしない。
が、残念なことに私たちもそこまでの事は分かっていない」
俺の問いかけに、大久保が答えた。
立ち入り禁止。中に入って戻って来た者はいないビル。
何者かが何かを隠しているとしか言いようがない。
このビルが怪しすぎるのは確かだ。
しかも、あの日の実験に使われたスーパーコンピュータ。この建物があの日の実験と関わっているとしたら、ここが教会の中枢部と言う可能性だってあるはずだ。
その答えは、この中にある。
俺はその答えを手に入れたくて、ポケットからあかねソードを取り出すと、立ち入りを封じるために張られたロープの前に立ち、それを切ろうとあかねソードを構えた。
「颯太、何をしている。
そこに入ってはならない!」
聞き覚えのある懐かしい声。高音がそぎ落とされ、ちょっとこもった感があったが、確かにその声は俺の父親の声だった。
声の元を探したくて、ちょっと辺りをきょろきょろと見渡してみたが、あかねたちや大久保たちの姿しか無く、俺の父親の姿はない。
どこだ?
「そこからは離れなさい」
続いて聞こえてきた父親の声。今度は声の方角を逃さなかった。
背後ではなく、右前面の少し下。
声を発しているのはあかねソードだった。
使うことなど無かったが、あかねソードは近距離の通話ができるのだった。通話してきているところから言って、俺の父親はこの近くにいる。
「どこにいるんだ?」
「そこから少し離れたところに、広い道路がある」
そう言って、俺の父親は自分たちのいる場所を教えてくれた。
それは凛と出会った場所から、そう遠くは無い場所に立つ小さなビルだった。
そこに大久保を連れて行きたくはなかったが、ここにいる矢野も、軍を率いている加藤も俺的には信じられる事を考えると、俺は大久保を連れたまま父親と会う事を取った。
父親に指定されたビルの玄関を入ると、小さなエレベータが細い廊下の横に設けられていた。教会あるところ灯りありと言うが、このコロニーは教会傘下じゃない。エレベータのボタンは消灯していて、ただのお飾りだ。
その奥に細い階段を見つけて、父親に指定された三階を目指す。
三階のフロアにあったのは二つのドア。人の活動の気配が伝わってくる一つのドアを開けた。開いたドアの先にあったのは、元々はどこかの会社の事務所だったと思しき部屋。
窓には黒いカーテンが引かれていて、外の世界と完全に隔絶している。
その理由はこの部屋の中にあった。
事務机が並べられていて、パソコンを前に何人もの人たちが、何か作業をしている。先入観もなしに見ていたら、ただの普通の事務所である。
そう、あの事件が起きる前の。
教会あるところに灯りありと言われるように、この世界では電気は貴重なものだ。
教会傘下でもないこのコロニーは一般的には電気が通っていないはず。もちろん、ここにある教会の支部には電気がきているだろうし、教会の中枢部と言われるところにも、電気は来ているのだろうが、こんな教会と関係のない場所に電気が来ていると言うのを隠しているのだ。ひなたのコロニーと同じで、教会の配電網から盗電している事を隠すために。
「颯太、それにあかね」
「ひなた」
声は背後からした。俺とあかね、そしてひなたを呼んだのは俺たちの父親の声だ。
振り返ると、そこには懐かしい父親の顔があった。
「ほかの人たちとは、どう言う関係なんだ?」
「一人は同級生、もう一人は軍関係と思ってもらえれば」
矢野の事を知らなかったひなたとあかねがちょっと驚いたような顔をした。
「そうか。こっちに来てくれるか」
そう言って、もう一つの部屋に俺たちを案内した。
そこは来客用の応接室だった感じの部屋で、革張りのゆったりとした椅子が8脚ずつ立派なテーブルを挟んで置かれていた。俺たちの側に、俺、あかね、ひなた、服部、矢野、大久保、そして大久保が連れていた二人が座った。対面側は俺の父親とひなたの父親だ。
「颯太。どうしてここに来た?」
すべては俺の父親のその言葉から始まった。
俺は大久保に見せられた写真で、こちらの世界にやって来た事から語り始め、教会の神の使いの話、神を取次ぐ者 凛、そして、この世界を作り出した原因として、父親が疑われている事を話した。
「確かに、この首都を崩壊させてしまったのは私に責任がある」
マジかよ?
ある程度関わっているとは感じていたが、はっきりとそう言い切った父親の言葉に、俺の体は固まってしまった。
そして、俺の父親は俺と軍の矢野、大久保だけを連れて、5階の部屋に移り、あの日の事を語り始めた。
凛たちを襲うのではないのか?
そんな心配をしていた俺だったが、鷲尾の行動は単にその場所を報告しただけと言う意外なものだった。それを見届けた俺たちは、幻術の世界にいる鷲尾を置いて、本物の凛が潜んでいる可能性が高い第2コロニーに来ていた。
いつだったか、髪形を変えた凛を見た片側二車線の道路。その先には立ち入り禁止とされている高層ビルが見えている。
「この辺だったはずだ」
泣いている小さな女の子をしゃがんであやす凛。
その姿を思い出しながら、言った。
「でも、逃げられたんだよね、お兄ちゃん」
「逃げられたんだぁ。
諦めなさいよ。葉山の事は」
なぜだか服部が嬉しそうだ。俺をあざ笑いたいのかも知れない。
「だいたい、あんな学校一の天才少女と水野じゃあ、釣り合わないんだから!」
「いや、そんな事はない。凛は俺の事が好きなはず。だからこそ、今の学校に通っているんだ!」と、服部に言い返したい気がするが、その言葉を吐きだすのはぐっとこらえた。
今の学校だって、世間的には進学校と言われてはいるが、服部が言うように、凛は学区の中の一番難関の高校にさくっと通れたはずの頭脳の持ち主だ。だと言うのに、俺と同じ学校を選んだ。凛は表向きは制服がかわいいとか、通学時間が短いとか言っていたが、本当の理由は俺と同じ学校に通いたかったんだと、俺は思っている。だが、本人の口からきいたことはない。
「服部さんとなら、釣り合うのかな?」
「な、な、何を言っているのよ!
だれもそんな事、言ってないでしょっ」
あかねの意味不明の突っ込みに、服部が怒り気味に返している。
「はいはいはい、痴話げんかはいいから、本題に戻りましょ。
その子はどうして、逃げたの?」
矢野が割って入って来た。
「まず言っておきますけど、痴話げんかじゃないですから」
そう前置きしてから、俺は言葉を続けた。
「どうして凛が逃げたのかは分からない。
だから、今度も逃げられる可能性はある」
「何かしたの?」
ひなたの顔は俺が何かしただろうと言わんばかりに、疑いの表情だ。
「無理やり一突きしようとしたの?」
「あのう。矢野さん、マジな話の時に茶かすのやめてもらえません?」
その話題にはもう触れられたくないので、それだけ言って、ひなたに目を向けた。
うん? 的な表情はその言葉の意味を理解していないらしい。ちょっと一安心。まだ、村雨の餌食にはなりたくはない。
「とにかく、探しに行きましょう」
「だとして、お兄ちゃん、どこから行く?」
「あの時、凛を路地の中で見失ったんだ。
ここから路地に入ってみよう」
俺たちはあの時、凛が駆け込んだ路地の中に入って行った。
目を閉じれば、路地を駆けて行く凛の後ろ姿が浮かびそうだ。あの時は凛の姿ばかりを探していて、周りに目を向ける余裕は無かったが、こうして左右に目を向けると、左右に広がっている建物の壁の所々に通用門らしきドアがあったりする。凛はこんなドアの向こうに姿を消したと考えるのが、妥当かも知れない。見つけたドアのノブを持って回してみる。ノブは回りはするが、鍵がかかっているらしく、開いたりはしない。
次々にノブを持って、開けようとしてみたが、どのドアも開けられず、凛の手掛かりも見つけられないまま彷徨う路地。ここのどこかにいるはず。そう思ってはいても、その場所が分からないもどかしさ。
知らない内に、あの時と同じでこのコロニーの中に建つ高層ビルの近くに来ていた。路地を抜けた片側一車線の道の向こうに見える高層ビルが見えている。
「あれ!」
あかねがそう言って、高層ビルの方向を指さした。あかねに言われるまで、気にしていなかったが、ビルの近くに立っている人影の中の一人は大久保だ。
「なんで、こんなところにいるんだ?」
「教会関係の何かを調べているんじゃないの?」
矢野が言った。軍で諜報関係の仕事をしている大久保だ。きっとそれに違いない。
ひなたのお父さんは、教会の中枢部を監視していると言った。
もしや、これがそうなのか?
としたら、ひなたの父親はこの近くにいる?
ひなたの父親が行動を共にしているであろうマスクの男の名前は水野ではないとの事だったが、俺の父親も関わっている可能性は十分ある。
そう思うと、大久保のところに駆け出さずにはいられなかった。
「大久保さん」
俺の呼びかけに、「なんでここにいる?」的な驚いた視線を俺に向けてきた。
「なんでここにいるんですか?」
大久保も思っているだろうが、先に口にしたのは俺だった。
「新たな情報を得たからな」
そう切り出した大久保の視線の先は矢野だ。
「あの日の実験に、スーパーコンピュータ極が使われたらしい事が分かった。
そのスーパーコンピュータはこのビルの地下にある」
「スーパーコンピュータって、何に使ったんですか?」
「もう君たちに隠し事はしない。
が、残念なことに私たちもそこまでの事は分かっていない」
俺の問いかけに、大久保が答えた。
立ち入り禁止。中に入って戻って来た者はいないビル。
何者かが何かを隠しているとしか言いようがない。
このビルが怪しすぎるのは確かだ。
しかも、あの日の実験に使われたスーパーコンピュータ。この建物があの日の実験と関わっているとしたら、ここが教会の中枢部と言う可能性だってあるはずだ。
その答えは、この中にある。
俺はその答えを手に入れたくて、ポケットからあかねソードを取り出すと、立ち入りを封じるために張られたロープの前に立ち、それを切ろうとあかねソードを構えた。
「颯太、何をしている。
そこに入ってはならない!」
聞き覚えのある懐かしい声。高音がそぎ落とされ、ちょっとこもった感があったが、確かにその声は俺の父親の声だった。
声の元を探したくて、ちょっと辺りをきょろきょろと見渡してみたが、あかねたちや大久保たちの姿しか無く、俺の父親の姿はない。
どこだ?
「そこからは離れなさい」
続いて聞こえてきた父親の声。今度は声の方角を逃さなかった。
背後ではなく、右前面の少し下。
声を発しているのはあかねソードだった。
使うことなど無かったが、あかねソードは近距離の通話ができるのだった。通話してきているところから言って、俺の父親はこの近くにいる。
「どこにいるんだ?」
「そこから少し離れたところに、広い道路がある」
そう言って、俺の父親は自分たちのいる場所を教えてくれた。
それは凛と出会った場所から、そう遠くは無い場所に立つ小さなビルだった。
そこに大久保を連れて行きたくはなかったが、ここにいる矢野も、軍を率いている加藤も俺的には信じられる事を考えると、俺は大久保を連れたまま父親と会う事を取った。
父親に指定されたビルの玄関を入ると、小さなエレベータが細い廊下の横に設けられていた。教会あるところ灯りありと言うが、このコロニーは教会傘下じゃない。エレベータのボタンは消灯していて、ただのお飾りだ。
その奥に細い階段を見つけて、父親に指定された三階を目指す。
三階のフロアにあったのは二つのドア。人の活動の気配が伝わってくる一つのドアを開けた。開いたドアの先にあったのは、元々はどこかの会社の事務所だったと思しき部屋。
窓には黒いカーテンが引かれていて、外の世界と完全に隔絶している。
その理由はこの部屋の中にあった。
事務机が並べられていて、パソコンを前に何人もの人たちが、何か作業をしている。先入観もなしに見ていたら、ただの普通の事務所である。
そう、あの事件が起きる前の。
教会あるところに灯りありと言われるように、この世界では電気は貴重なものだ。
教会傘下でもないこのコロニーは一般的には電気が通っていないはず。もちろん、ここにある教会の支部には電気がきているだろうし、教会の中枢部と言われるところにも、電気は来ているのだろうが、こんな教会と関係のない場所に電気が来ていると言うのを隠しているのだ。ひなたのコロニーと同じで、教会の配電網から盗電している事を隠すために。
「颯太、それにあかね」
「ひなた」
声は背後からした。俺とあかね、そしてひなたを呼んだのは俺たちの父親の声だ。
振り返ると、そこには懐かしい父親の顔があった。
「ほかの人たちとは、どう言う関係なんだ?」
「一人は同級生、もう一人は軍関係と思ってもらえれば」
矢野の事を知らなかったひなたとあかねがちょっと驚いたような顔をした。
「そうか。こっちに来てくれるか」
そう言って、もう一つの部屋に俺たちを案内した。
そこは来客用の応接室だった感じの部屋で、革張りのゆったりとした椅子が8脚ずつ立派なテーブルを挟んで置かれていた。俺たちの側に、俺、あかね、ひなた、服部、矢野、大久保、そして大久保が連れていた二人が座った。対面側は俺の父親とひなたの父親だ。
「颯太。どうしてここに来た?」
すべては俺の父親のその言葉から始まった。
俺は大久保に見せられた写真で、こちらの世界にやって来た事から語り始め、教会の神の使いの話、神を取次ぐ者 凛、そして、この世界を作り出した原因として、父親が疑われている事を話した。
「確かに、この首都を崩壊させてしまったのは私に責任がある」
マジかよ?
ある程度関わっているとは感じていたが、はっきりとそう言い切った父親の言葉に、俺の体は固まってしまった。
そして、俺の父親は俺と軍の矢野、大久保だけを連れて、5階の部屋に移り、あの日の事を語り始めた。
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