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第三章 悪役令嬢は学院生活を送る
190.悪役令嬢は色々と足りてないと吐露する
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アリエルが計算機を起動すると魔晶液晶に『エステリオン技術結社』と表示され、その後、『ようこそ』と、表示されてから計算機のメイン画面が表示される。
今回、独自の基礎ソフトを入れた計算機になっていて、ここからPCへ発展させる基礎という機種になる。ちなみに『エステリオン技術結社』はお母様と私が新たに作った商会で、今まであった『ハーブスト魔道具商会』から開発部署をこちらに移動させて、魔導技術をメインにした商品を扱う部門としての商会になる。
「なんだか、急に時代をすっ飛ばした感のある画面になったな。ってか、なんで画面が赤色? 目が痛くなりそうだけど」
「赤は簡単に作れるからよ。青もそこまで難しくないんだけど、緑を作るのが難しくてね。そこまであと少しではあるんだけど、今は赤色メインの魔晶液晶が一番安価で作れるから、そうしているだけなのよ」
「な、なるほど?」
と、アリエルは疑問形でそう言った。うん、まぁ、分からないか。
「今回はリンリィのおかげで、私の目指すところへの第一歩に近づいたわ」
「エステリア様の基礎的なアイデアがなければ、私も思いつくことはなかったので、エステリア様の成果だと私は思いますよ」
リンリィはそう言って小さくはにかんだ。と、いうか悪役令嬢として転生して来た皆に言えるけど、いい娘ばっかりよね。まぁ、私は正直、良い人かどうか? と、言われると微妙だけど。
「これって、何桁まで計算出来るの?」
「一応、12桁ね。本当はもっと複雑なことも出来なくは無いんだけど、いきなりそこに手を突っ込むには使う側も求めて無いだろうし、標準的な計算機って感じね。ちなみに既にマリーのところへは10台納品して、今は追加で20台生産してるわね。あ、一応、王宮向けの分も今日、お母様が女王陛下へ献上してるハズよ」
因みにだけど、私達がこうやってお茶会で駄弁っていると同時刻に私達のお母様達のお茶会も行われていて、そこで様々な話が飛び交っているハズ? なのよ。お母様曰く「裏の国策会議みたいなモノ」らしい。
「そうなの? 私的にはこれでもいいけど――って、言ってもそうそう使うことないよね」
「そうですよね。小学で使っても逆に問題になりそうですし」
「いや、小学での算術で必要になるモノじゃないでしょ」
まぁ、実際に業務で計算をする人向けではあるので、子供が使う意味はあまりないわね。それに私達は空間収納を持っているので持ち運びはあまり関係無いけれど、普通の人達は持ち運びにはイマイチなサイズなのよね。
「ってか、エステリア。ただの計算機なのにノートパソコンくらいのサイズがあるのは理由があんの?」
「小型化出来てないだけよ。小型化する方法論についてはある程度は固まっているんだけどね。まぁ、素材次第ってところもあるけど、特に魔物素材系や魔石や魔晶石みたいな特殊な鉱物――あ、魔白金とかもそうだけど、素材研究もこれからの小型化には必須って感じね」
特に魔物系素材はいくらあっても足らないくらいなんだけど、我が家は今アンダンテール大洞窟を閉鎖してるから、多くは手に入らない状況になるのよね。ここに関してはアンダンテール大洞窟の再会計画もあるから、それ次第って感じではあるのよね。
「アンダンテール大洞窟で見つけたアレは使えないの?」
「アレはあの魔導洞窟でしか使えないモノだから、一から作るにも、そもそも思想が違うから、同じものを作る気は全く無いわ。まぁ、技術的な意味でステップアップ出来た要因ではあるけどね」
「どう違うわけ?」
と、アリエルは興味深そうにそう言った。
「簡単に言えば、アレはあそこの魔導洞窟用の専用機で、私が作ろうと考えているのは広く色んな機能を追加出来る汎用機が作りたいのよ」
「――ん~、なるほど」
アリエルはよく分かっていないだろうけど、そう言って納得した風を装った。ま、普通はわかんないよね。私も専門的に出来るから違いが分かるだけで、この場で言えば私とリンリィ以外はそうなの? くらいにしか思ってないだろう。
「で、いつになったら出来る感じ?」
「残念だけど、明確には言えないわね。高学に入るまでにはある程度の形に出来ればいいなぁ。とは思っているけど、もっと時間が掛かるかもね」
「なんで?」
と、アリエルは不思議そうな声をあげる。まぁ、色々と勢いに乗って作り過ぎてるところはあるのだけど、魔導回系の技術は量産体制に向けての準備は進んでいるわけだけど、そもそも、公に出来ない技術があまりにも多い為に技術者の人数が圧倒的に足りていない状況もあって、これからの小型化や基礎部分の開発を私やリンリィだけでは絶対的に人手不足なのよね。
アリエル達が出来るか? と、問われるとある程度は出来ると思うけど、すぐに出来るかと言われると絶対に無理。と、ハッキリ言える。
「応用魔術理論や発展魔術理論はまだ世間に出してはいけないモノで、現状、新魔導回路を理解している者は私、リンリィとお母様やお母様が育てている技術者くらいなのよ。どう考えても人が足りないわけで、かといって急激にその知識を持って、その技術を使えるか? って、話をすればNOでしょ? と、なればよ。少人数で片手間と考えれば、どれだけの時間が掛かるかは分からないでしょ」
「なるほど。ま、私達がエステリアみたいに出来る気は全くしないしね。気長に待つしかないかぁ」
「そうよ。この計算機は全ての始まりで、ここからパソコン、ノートパソコン、スマホみたいにステップアップしていくしか無いのよ」
と、私は言いながらも、色々順番はすっ飛ばせる可能性はあるんだけど、あえて言わないでおくのであった。
今回、独自の基礎ソフトを入れた計算機になっていて、ここからPCへ発展させる基礎という機種になる。ちなみに『エステリオン技術結社』はお母様と私が新たに作った商会で、今まであった『ハーブスト魔道具商会』から開発部署をこちらに移動させて、魔導技術をメインにした商品を扱う部門としての商会になる。
「なんだか、急に時代をすっ飛ばした感のある画面になったな。ってか、なんで画面が赤色? 目が痛くなりそうだけど」
「赤は簡単に作れるからよ。青もそこまで難しくないんだけど、緑を作るのが難しくてね。そこまであと少しではあるんだけど、今は赤色メインの魔晶液晶が一番安価で作れるから、そうしているだけなのよ」
「な、なるほど?」
と、アリエルは疑問形でそう言った。うん、まぁ、分からないか。
「今回はリンリィのおかげで、私の目指すところへの第一歩に近づいたわ」
「エステリア様の基礎的なアイデアがなければ、私も思いつくことはなかったので、エステリア様の成果だと私は思いますよ」
リンリィはそう言って小さくはにかんだ。と、いうか悪役令嬢として転生して来た皆に言えるけど、いい娘ばっかりよね。まぁ、私は正直、良い人かどうか? と、言われると微妙だけど。
「これって、何桁まで計算出来るの?」
「一応、12桁ね。本当はもっと複雑なことも出来なくは無いんだけど、いきなりそこに手を突っ込むには使う側も求めて無いだろうし、標準的な計算機って感じね。ちなみに既にマリーのところへは10台納品して、今は追加で20台生産してるわね。あ、一応、王宮向けの分も今日、お母様が女王陛下へ献上してるハズよ」
因みにだけど、私達がこうやってお茶会で駄弁っていると同時刻に私達のお母様達のお茶会も行われていて、そこで様々な話が飛び交っているハズ? なのよ。お母様曰く「裏の国策会議みたいなモノ」らしい。
「そうなの? 私的にはこれでもいいけど――って、言ってもそうそう使うことないよね」
「そうですよね。小学で使っても逆に問題になりそうですし」
「いや、小学での算術で必要になるモノじゃないでしょ」
まぁ、実際に業務で計算をする人向けではあるので、子供が使う意味はあまりないわね。それに私達は空間収納を持っているので持ち運びはあまり関係無いけれど、普通の人達は持ち運びにはイマイチなサイズなのよね。
「ってか、エステリア。ただの計算機なのにノートパソコンくらいのサイズがあるのは理由があんの?」
「小型化出来てないだけよ。小型化する方法論についてはある程度は固まっているんだけどね。まぁ、素材次第ってところもあるけど、特に魔物素材系や魔石や魔晶石みたいな特殊な鉱物――あ、魔白金とかもそうだけど、素材研究もこれからの小型化には必須って感じね」
特に魔物系素材はいくらあっても足らないくらいなんだけど、我が家は今アンダンテール大洞窟を閉鎖してるから、多くは手に入らない状況になるのよね。ここに関してはアンダンテール大洞窟の再会計画もあるから、それ次第って感じではあるのよね。
「アンダンテール大洞窟で見つけたアレは使えないの?」
「アレはあの魔導洞窟でしか使えないモノだから、一から作るにも、そもそも思想が違うから、同じものを作る気は全く無いわ。まぁ、技術的な意味でステップアップ出来た要因ではあるけどね」
「どう違うわけ?」
と、アリエルは興味深そうにそう言った。
「簡単に言えば、アレはあそこの魔導洞窟用の専用機で、私が作ろうと考えているのは広く色んな機能を追加出来る汎用機が作りたいのよ」
「――ん~、なるほど」
アリエルはよく分かっていないだろうけど、そう言って納得した風を装った。ま、普通はわかんないよね。私も専門的に出来るから違いが分かるだけで、この場で言えば私とリンリィ以外はそうなの? くらいにしか思ってないだろう。
「で、いつになったら出来る感じ?」
「残念だけど、明確には言えないわね。高学に入るまでにはある程度の形に出来ればいいなぁ。とは思っているけど、もっと時間が掛かるかもね」
「なんで?」
と、アリエルは不思議そうな声をあげる。まぁ、色々と勢いに乗って作り過ぎてるところはあるのだけど、魔導回系の技術は量産体制に向けての準備は進んでいるわけだけど、そもそも、公に出来ない技術があまりにも多い為に技術者の人数が圧倒的に足りていない状況もあって、これからの小型化や基礎部分の開発を私やリンリィだけでは絶対的に人手不足なのよね。
アリエル達が出来るか? と、問われるとある程度は出来ると思うけど、すぐに出来るかと言われると絶対に無理。と、ハッキリ言える。
「応用魔術理論や発展魔術理論はまだ世間に出してはいけないモノで、現状、新魔導回路を理解している者は私、リンリィとお母様やお母様が育てている技術者くらいなのよ。どう考えても人が足りないわけで、かといって急激にその知識を持って、その技術を使えるか? って、話をすればNOでしょ? と、なればよ。少人数で片手間と考えれば、どれだけの時間が掛かるかは分からないでしょ」
「なるほど。ま、私達がエステリアみたいに出来る気は全くしないしね。気長に待つしかないかぁ」
「そうよ。この計算機は全ての始まりで、ここからパソコン、ノートパソコン、スマホみたいにステップアップしていくしか無いのよ」
と、私は言いながらも、色々順番はすっ飛ばせる可能性はあるんだけど、あえて言わないでおくのであった。
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