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しおりを挟む真っ直ぐな言葉と真剣な顔を直視出来ずに私は視線を外した。
嘘とは思えない。むしろ、それが冗談か何かだったらいいとさえ思う。
「そうだよ。僕もジュラン、いや、ジュラン以上にユイが好きだよ。君だけを愛している」
後ろから抱き締められる。そして、ランジュは私の耳に唇を押し当てて甘く低い声で囁いた。
どきり、と胸が跳ね上がる。
涙を見られてそして慰められてランジュを意識してしまっている。
心臓が変な感じに脈打つ。
どんな強い魔物に出会しても平常心を保てるのに可笑しい。顔も熱い。
「愛しているなんて、私をお前らの妃にするとうのか?どこの馬の骨とも分からないゴリラ女を。趣味を疑われるぞ。そもそも王は許してはくれないだろう」
「ユイなら大歓迎です、と言っているぞ」
ジュランは前から抱き締めてくる。双子にサンドイッチ状態で抱き締められる。むさ苦しい。
「……ユイ、愛している。もう他の女を見ない。お前だけを愛する」
「僕ももうユイだけを視界に入れていたい。君だけがいればいいんだ。女を抱いていてもユイの事を考えてしている、あの時からずっと」
「俺も、達する時はユイの名前を呼んでいる」
いやいやいや、クソ野郎だな。
「「俺、僕の妃になってくれ」」
声が重なる。真剣な二人の声に心が揺さぶられる。泣き顔見られて乙女モードになっている私は私らしくなく、こくんと頷いた。
この瞬間を未来永劫、墓に入るまで後に後悔する事になる。
一時の気の迷い。等々の私の言葉はジュランやランジュの二人に掛かれば容易く揉み消される。
「嬉しいよ、僕のユイ。魔物討伐プロポーズ大成功だね」
「お前の体の隅々まで愛するからな。毎晩、俺がお前を満足させてやる」
「孕むまで毎日エッチしよう。可愛い子供を孕んだらその時はエッチはお休みするけど、子供が乳離れしたら、ユイとユイのおっぱいは返してもらうからね」
最低クソ野郎発言を次々とする。
癖が強すぎるこいつらの妃になるのは、可愛い乙女では大変だろう。
富と名誉、優雅な暮らしを手に入れてることが出来ても心が死ぬ。
だが、私は死なない。
「その勝負受けてやる。お前らをまとめて私の旦那にしてやるが、他の家の嫁さんはなんとかなににぃ~と言った時点で殺す」
王子からのプロポーズの返事の最後を殺す、で締めくくった女は私だけだろう。
まあ、いい。
嬉しそうに二人の王子が笑ったから。
私はつられて口を歪めた。
クソガキを私の手で立派な男に躾てやる。
ついでに、立派な王様にしてやる。
根性叩きなおす、覚悟しろよ、クソガキども。
二人まとめて幸せにしてやると心に誓った。
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※30,000字程度で完結します。
(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
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2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
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○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
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ご指摘ありがとうございます。
双子は金髪碧眼です。時間がある時修正します。
勉強になりました。本当にありがとうございます。
rudee様、再びコメントありがとうございます!
騙されてます、ね(/。\)
rudee様コメントありがとうございます!
ふふ、そうじゃないです(。-∀-)
更新頑張ります!読んでくださりありがとうございます!