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「ユイ、っ、…!」
腰が打ち付けられる音がテント内に響く。濡れた肌を光らせ呼吸を荒らげる、ランジュに食い尽くされないよう腹筋に力を込めて奥を締め付け私のナカで剣をへし折ってやろうと戦いに応じる。
ランジュは顔を歪むて低く呻くとドクン、と大きく脈打たせて熱い雄の昂りを放った。
私の中は収縮してそれを奥へを飲み込んだ。いつもはランジュの魔法で身動きが取れない状況で意識が曖昧になっていた。
今ははっきりと意識がある。自ら私はランジュに抱かれていた。いや、抱かれると言うより負けるもんかと逆に食う勢いだった。
「…っはあ…ユイ、積極的だったね。嬉しいよ」
ランジュは荒く世話しなかった呼吸を整えて乱れた金髪を指で掻き上げた。
ちゅ、と鼻先に柔らかく唇を押し当て私の頬を優しく撫でる。蒼い瞳は穏やかな光を宿していた。
甘く掠れた低い声で名を呼ばれると妙に胸がざわついた。
興味本位の一度きりだと思っていた。王子は一度手を出した花にはもう2度と見向きをしない。
二人の王子にとっては血を絶やさず繋げる事が宿命だ。
燐国から差し出された美しい姫を妃を迎えるも、子供を生む役割が他の女性が担うことは珍しくはない。
愛やら何やらが稀薄で、その空気は冷たく城の中は息が詰まる。貧しい身分で王族はほど遠い存在で身近に感じたことがない私でさえ、そう思うくらいだ。
神に祝福された聖なる剣聖の強靭な赤い血は、普通の女とは混じりにくい。子種を宿る母胎が異質で力が強い精子を受け入れるだけの強さがないと、成り立たない。
もし、万が一、こいつの子供が宿ったら…クソガキは私から子供を取り上げるだろう
つらつらと、私はそんなことを考えていた。
殺気以外の何か面倒な感情が芽生えそうになっている。その芽を摘み取らないと厄介な事になる。
可能性がゼロに近いが、子供が宿ったらと考えると辿る未来は、子供を奪われてしまうという事だ。
玩具の運命とは悲しいもの。弄ばれて捨てられるのが最後だ。
そして、私は王子達に用意された花ではない。何処の馬の骨かも分からない女、と鼻で嗤われる者。
騎士団の中で、騎士と認められているのは私一人で、あとの女は騎士見習いという立場であり、女騎士の重要性や認識度は騎馬よりも低い。
将来的には、確立させたい。女は男と同等であると証明させたい。
「…ユイ、ランジュばかり狡い。俺も可愛がってくれ」
ジュランの声で我に返った。
私はいったい何を考えていたのだろう、と自己嫌悪に陥る。私がこのクソガキどもとどうこうなるはずがない。玩具扱いが悲しい、とはアホ女が嘆く事だ。私は傷付かない。
「やめろ、明日は早い…っ…体力を温存させたい」
「そんなの心配する必要はない。どうにでもなる」
ランジュが腰を引くととろり、と中で放たれた白濁が溢れて太股を濡らす。くわえ込んでいた楔がなくなりほっと息する間もなく今度はジュランが私にのし掛かり挿入する。
腰が打ち付けられる音がテント内に響く。濡れた肌を光らせ呼吸を荒らげる、ランジュに食い尽くされないよう腹筋に力を込めて奥を締め付け私のナカで剣をへし折ってやろうと戦いに応じる。
ランジュは顔を歪むて低く呻くとドクン、と大きく脈打たせて熱い雄の昂りを放った。
私の中は収縮してそれを奥へを飲み込んだ。いつもはランジュの魔法で身動きが取れない状況で意識が曖昧になっていた。
今ははっきりと意識がある。自ら私はランジュに抱かれていた。いや、抱かれると言うより負けるもんかと逆に食う勢いだった。
「…っはあ…ユイ、積極的だったね。嬉しいよ」
ランジュは荒く世話しなかった呼吸を整えて乱れた金髪を指で掻き上げた。
ちゅ、と鼻先に柔らかく唇を押し当て私の頬を優しく撫でる。蒼い瞳は穏やかな光を宿していた。
甘く掠れた低い声で名を呼ばれると妙に胸がざわついた。
興味本位の一度きりだと思っていた。王子は一度手を出した花にはもう2度と見向きをしない。
二人の王子にとっては血を絶やさず繋げる事が宿命だ。
燐国から差し出された美しい姫を妃を迎えるも、子供を生む役割が他の女性が担うことは珍しくはない。
愛やら何やらが稀薄で、その空気は冷たく城の中は息が詰まる。貧しい身分で王族はほど遠い存在で身近に感じたことがない私でさえ、そう思うくらいだ。
神に祝福された聖なる剣聖の強靭な赤い血は、普通の女とは混じりにくい。子種を宿る母胎が異質で力が強い精子を受け入れるだけの強さがないと、成り立たない。
もし、万が一、こいつの子供が宿ったら…クソガキは私から子供を取り上げるだろう
つらつらと、私はそんなことを考えていた。
殺気以外の何か面倒な感情が芽生えそうになっている。その芽を摘み取らないと厄介な事になる。
可能性がゼロに近いが、子供が宿ったらと考えると辿る未来は、子供を奪われてしまうという事だ。
玩具の運命とは悲しいもの。弄ばれて捨てられるのが最後だ。
そして、私は王子達に用意された花ではない。何処の馬の骨かも分からない女、と鼻で嗤われる者。
騎士団の中で、騎士と認められているのは私一人で、あとの女は騎士見習いという立場であり、女騎士の重要性や認識度は騎馬よりも低い。
将来的には、確立させたい。女は男と同等であると証明させたい。
「…ユイ、ランジュばかり狡い。俺も可愛がってくれ」
ジュランの声で我に返った。
私はいったい何を考えていたのだろう、と自己嫌悪に陥る。私がこのクソガキどもとどうこうなるはずがない。玩具扱いが悲しい、とはアホ女が嘆く事だ。私は傷付かない。
「やめろ、明日は早い…っ…体力を温存させたい」
「そんなの心配する必要はない。どうにでもなる」
ランジュが腰を引くととろり、と中で放たれた白濁が溢れて太股を濡らす。くわえ込んでいた楔がなくなりほっと息する間もなく今度はジュランが私にのし掛かり挿入する。
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