11 / 67
10
しおりを挟む
「…外でヤるのも興奮材料になるだろ」
ジュランは口元を歪める。昨日無理矢理奪われるまで処女で、男に抱かれるなど想像すらしていなかったのだ。興奮がどうのとか正直どうでもいい。
一度ヤれば気がすむだろう、私はジュランを草むらに押し倒した。
「穴に棒を突っ込めばいいんだろ、クソガキの相手をしている程私は暇じゃないんだ。さっさと嫌なことを終わらせる」
「…この俺に抱かれるのを嫌がる、とはな…ここまで可愛いげのない女を初めて見た」
この国の女なら王子に喜んで抱かれるだろう。
女を魅了する全てをジュランは持っている。
しかし、私にはジュランが持っているものは必要がないのだ。私の兄弟を食わせられる金と身ひとつ横たわれる寝床があればよい。
「私は騎士だ。男に愛想を売らなくても女でも生きていけるし、騎士を辞めてもまたハンターとして生きれる。可愛いげのない女は最強になる必要がある……正直、私を負かしたジュランを殺したい」
苛烈な炎が私のなかで燃え盛っている。負けた直後で気分が荒れているのだ。
不意にジュランは手を伸ばすと私の頭をぽんぽんと撫でた。そして、知らずに流していた涙を指で拭った。ジュランは私よりも年下なのに包容力がある大人のような表情を浮かべていた。
「ここで無惨に散らしてやろうと思ったが、気が変わった。お前をどろどろに甘やかして溶かしてやりたくなった」
瞬時に体勢が逆転される。ジュランに見下ろされて啄むような口づけを顔中に受ける。
優しくされると落ち着かない。むしろ、無惨に散らされた方がいい。私は老いぼれて朽ち果てる、最後がこの先あるのみなのだから。
「…ランジュ」
ジュランは忌ま忌ましい男の名前を呼んだ。すると視界が揺れたと思うとその場から身体が別の場所へと移動した。ランジュの魔術で瞬間移動したらしい。
花の香りがした。土臭い鍛練場とは丸っきり雰囲気が違う。
気がつけば豪勢なつくりの広い浴室に佇んでいた。
「ランジュ、お前も手伝ってくれ。こいつは俺一人では甘やかせそうにない」
「そうだね、ユイは暴れ馬のようで気性が荒々しいから…誰かが抑えてないと難しいかも」
物腰が柔らかな口調と優しげな声。身体が動かなくなる、魔術をまた使われた。
すぐ私の後ろにランジュが立っていて、腰を引き寄せられ逞しい胸に背中を凭れさせられる。
ジュランが前に立つと私の上着を前のボタンを外して胸元を露にする。下にはサラシが見えて眉をしかめると器用な手つきで取り捨てた。
ジュランは口元を歪める。昨日無理矢理奪われるまで処女で、男に抱かれるなど想像すらしていなかったのだ。興奮がどうのとか正直どうでもいい。
一度ヤれば気がすむだろう、私はジュランを草むらに押し倒した。
「穴に棒を突っ込めばいいんだろ、クソガキの相手をしている程私は暇じゃないんだ。さっさと嫌なことを終わらせる」
「…この俺に抱かれるのを嫌がる、とはな…ここまで可愛いげのない女を初めて見た」
この国の女なら王子に喜んで抱かれるだろう。
女を魅了する全てをジュランは持っている。
しかし、私にはジュランが持っているものは必要がないのだ。私の兄弟を食わせられる金と身ひとつ横たわれる寝床があればよい。
「私は騎士だ。男に愛想を売らなくても女でも生きていけるし、騎士を辞めてもまたハンターとして生きれる。可愛いげのない女は最強になる必要がある……正直、私を負かしたジュランを殺したい」
苛烈な炎が私のなかで燃え盛っている。負けた直後で気分が荒れているのだ。
不意にジュランは手を伸ばすと私の頭をぽんぽんと撫でた。そして、知らずに流していた涙を指で拭った。ジュランは私よりも年下なのに包容力がある大人のような表情を浮かべていた。
「ここで無惨に散らしてやろうと思ったが、気が変わった。お前をどろどろに甘やかして溶かしてやりたくなった」
瞬時に体勢が逆転される。ジュランに見下ろされて啄むような口づけを顔中に受ける。
優しくされると落ち着かない。むしろ、無惨に散らされた方がいい。私は老いぼれて朽ち果てる、最後がこの先あるのみなのだから。
「…ランジュ」
ジュランは忌ま忌ましい男の名前を呼んだ。すると視界が揺れたと思うとその場から身体が別の場所へと移動した。ランジュの魔術で瞬間移動したらしい。
花の香りがした。土臭い鍛練場とは丸っきり雰囲気が違う。
気がつけば豪勢なつくりの広い浴室に佇んでいた。
「ランジュ、お前も手伝ってくれ。こいつは俺一人では甘やかせそうにない」
「そうだね、ユイは暴れ馬のようで気性が荒々しいから…誰かが抑えてないと難しいかも」
物腰が柔らかな口調と優しげな声。身体が動かなくなる、魔術をまた使われた。
すぐ私の後ろにランジュが立っていて、腰を引き寄せられ逞しい胸に背中を凭れさせられる。
ジュランが前に立つと私の上着を前のボタンを外して胸元を露にする。下にはサラシが見えて眉をしかめると器用な手つきで取り捨てた。
0
お気に入りに追加
481
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
【完結】やさしい嘘のその先に
鷹槻れん
恋愛
妊娠初期でつわり真っ只中の永田美千花(ながたみちか・24歳)は、街で偶然夫の律顕(りつあき・28歳)が、会社の元先輩で律顕の同期の女性・西園稀更(にしぞのきさら・28歳)と仲睦まじくデートしている姿を見かけてしまい。
妊娠してから律顕に冷たくあたっていた自覚があった美千花は、自分に優しく接してくれる律顕に真相を問う事ができなくて、一人悶々と悩みを抱えてしまう。
※30,000字程度で完結します。
(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
---------------------
○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
(pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274
---------------------
【完結】堕ちた令嬢
マー子
恋愛
・R18・無理矢理?・監禁×孕ませ
・ハピエン
※レイプや陵辱などの表現があります!苦手な方は御遠慮下さい。
〜ストーリー〜
裕福ではないが、父と母と私の三人平凡で幸せな日々を過ごしていた。
素敵な婚約者もいて、学園を卒業したらすぐに結婚するはずだった。
それなのに、どうしてこんな事になってしまったんだろう⋯?
◇人物の表現が『彼』『彼女』『ヤツ』などで、殆ど名前が出てきません。なるべく表現する人は統一してますが、途中分からなくても多分コイツだろう?と温かい目で見守って下さい。
◇後半やっと彼の目的が分かります。
◇切ないけれど、ハッピーエンドを目指しました。
◇全8話+その後で完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる