運命のつがい。

遊虎りん

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プロローグ

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任務の地は人間がたくさんすんでいる国。
俺は獣の耳と尻尾が生えている中途半端な姿から、獣の姿になった。
俺はライオン、チータ、ジャガーの遺伝子を弄って作られた猫系統の獣。

小型であるから一般人では、いぬ猫みたいな愛玩動物と見分けが付かないはずだ。

逃げたから、ずっと逃げないといけない。怖い。

処分を受けたなら一瞬で終わるのに、逃げるのを選んでしまったのをもう、後悔している。

俺の質問に答えてくれる、人がいるって思ったけどいるはずがない。

だって、人間をたくさん殺したから。

そんな俺と目を合わせてくれる人なんていない。

黒い毛並みの薄汚れた獣。

人殺しの道具だけど、飼い主を守れなかった出来そこない。
そんな道具を欲しがる人なんていない。

道具としても生きることは出来ない。逃げた道具なんて信用されないだろう。

答えてくれる人を欲しいなんて思わなかったらよかった。
どうせ、そんな奴はいないんだから。

歩き疲れ、もう俺は諦めてしまった。

何日も眠れていない。
キメラは生命力が強いから、眠れないってだけでは死なない。
何日も食べれなくて、空腹でも飢え死にすることはない。

俺は今、情けない色を瞳にうつしている。柳楽に注意される。

俺は目を閉ざした。

今度、目を開けたなら、俺は悪い事をしよう。

そして、人間に処罰されて殺される。
それが一番いい。

闇に意識がとけた。

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