転生したから思いっきりモノ作りしたいしたい!

ももがぶ

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◆プレゼンしました

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俺とカーネルさんが言い合っていたところにスッと割って入ってきた女性……多分、女性だよね。背格好は立ち上がったヨサックさんと同じくらいだから百八十センチメートル近くはあるのかな。見た目的にはそれほどガッチリした感じではないけど、細身でボンキュッボンで長い金髪を後頭部でお団子に一纏めにしている。上着は白っぽいブラウスで下は濃い青色のスカートで踝まで隠れている。そして顔は三十歳前くらいの目鼻立ちのキリッとした狐系の美人だ。ん? ちょっと待てよ。カーネルさんは見た目も六十歳くらいのお爺さんで、その奥さんと言うのが今入って来たサマンサさんだよなと不思議に思いチラチラとカーネルさんとサマンサさんを交互に見ていた。

「なんだい、坊やは私とカーネルのことが気になるのかい?」
「坊やじゃないです。ケインです」
「おう、こりゃ悪かった。で、そのケイン君は何が不思議なんだい?」
「あ! すみません。気を悪くしたのなら謝りますけど、実は……」

サマンサさんが俺が興味津々なのに気付いて俺の方を見て質問してきたので見た目の年齢差について聞いてみた。するとサマンサさんはハハハと笑った後に答えてくれた。

「いや、笑ってすまないね。まあ、今まで散々質問されたことだけどこんな子供にまで気にされるとは思ってもなかったからさ」
「すみません。でも、気になっちゃって」
「まあ、そうさね。こんな爺さんとこんなピチピチじゃそう思うのも不思議じゃないだろうね」
「「「ピチピチ?」」」
「なんだい?」
「「「いえいえいえ……」」」

サマンサさんのピチピチ発言に俺だけじゃなくカーネルさん、ヨサックさんも同じ様に引っ掛かったみたいで三人同時に呟いてしまったところをサマンサさんに睨まれてしまう。

確かにピチピチと言うには少し遠い気がするけど、年齢的には十分綺麗だよなとまたマジマジと見てしまう。

「もうヤダよ。この子は! そんなに見ないでおくれよ。私はこれでも旦那がいるんだからね」
『ケイン、リーサに言い付けられたくなければ……』
「マサオ、俺に脅しは効かないからね」
『チッ……』

「私と旦那の見た目年齢が気になるみたいだから、答えてやるよ。私と旦那は同じ歳さ」
「え!」
「そんなに驚くことはないだろ。まあ、私もまだ捨てたもんじゃないってことだな。ねえ、カーネル」
「……」
「それに私の何代か前にエルフがいるからね。多分、そのせいじゃないかと思うよ」
「ああ、なるほど」

気をよくしたのかサマンサさんはカーネルさんに後ろから抱き着き甘えた仕草をしてみせるとカーネルさんの顔が赤く染まる。

「サミー、そういうのは後だ」
「分かったよ。今は坊や……おっと、ケインの話を聞かせてもらおうか」
「ふぅ~じゃあいいですか……」

俺は二人の前でどうやって卵の生産数を増やすのかを熱を込めてプレゼンさせてもらった。結果としては上々だろうと思う。だけど、カーネルさん達は今度は別のことが心配になったみたいだ。

「話は分かったよ。確かにその技術を使えば短期間で卵の生産数は増やせるだろう」
「でしょ。なら「待った!」……え、まだ何か?」
「増やせるのは分かった。だが、それでも急激に増えれば言い方は悪いが供給が需要を上回るんじゃないのか? そこのところはどうなんだ? 過剰に生産された分はどうなるんだ?」
「それは心配ありません。そんなことにはなりませんから」
「「「んんん?」」」

カーネルさんは俺の話は理解出来たみたいだけど、今度は生産数が増えたことで供給が需要を上回る過剰に生産された分はどうなるのかと聞いて来たのでそんなことにはならないと答えた。卵の生産が軌道に乗れば、毎日、毎回、食卓に目玉焼きやスクランブルエッグなんかの卵料理が並ぶことになるだろう。それに他の食材と同じ様に料理に当たり前の様に使われるようになるだろうし、マヨネーズやお菓子などの原料としても欠かせなくなる。だから、余ることは考えられないんだ。

「とにかく軌道にさえ乗れば、毎朝卵かけご飯が食べられるようになるんだから、是非お願いします!」
「まあ、それはいいが『たまごかけごはん』ってのはなんだ?」
「あ、それ! 私も気になった。聞いたことないし」
「えっとですね。それは……」

二人に卵かけご飯のことを説明すると、すっごくイヤな顔をされた。

「どうしたんですか?」
「お前、正気か?」
「ダメよ。生で食べるなんて」
「え? 平気でしょ?」
「お前、卵がどこから出て来るのか知らないのか?」
「知っていたら、そんなこと言わないわよ」

二人が驚いているのも当然だと思う。前世でも生で食べられる国なんて日本以外じゃ知らないし。そういう文化があるかどうかも調べていないから分からない。外国の人が卵を生で食べる日本人をチャレンジャーとして尊敬していたのをちょっとだけ覚えているくらいだし。

「あ~その辺は大丈夫ですよ。ちゃんと殺菌して消毒しますから」
「さっきん?」
「しょうどく?」
「ケイン君、何を言っているのか俺にはサッパリだよ?」
「あ~あのですね……」

俺はテーブルの上にインベントリから取り出したメモ帳を広げて、三人に鶏から生まれた卵をどうやって殺菌消毒するのかを説明する。

「ほう、そうやってちゃんと洗浄すれば生でも食べられるってことか」
「そうなると卵かけご飯ってのも気になるわね」
「いつものことだけど、よくそんなことを思い付くよね」
「いやぁそれほどでも」
『ケイン、忘れてないよな?』
「あ!」
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