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「ふぅ~なんとかとれたかな……って、なんだこりゃ? どうして、水びたしなんだ?」
ガンツさんが口の周りを綺麗にして部屋に戻って来たら、そこら中にマサオのブルブル攻撃で水滴が飛び散った部屋だった。
「あ~マサオか」
「あ、ガンツさん。今、乾かすからちょっと待ってね。『ドライ』」
部屋に飛び散った水滴が一瞬で蒸発すると、俺はマサオに向かい「さて」とだけ告げる。
『な、なんだよケイン。ちょっとした茶目っ気だろ。そんなにマジになんなよ……ゴメン』
「ったく、最初っからそうやって素直に謝ればいいのに。もう、そんなことより乾かすからこっちにおいで」
『ん? 乾かすって『ドライ』じゃないのか?』
「いや、ちゃんと鋤きながら乾かすからさ。ほら、おいで」
『……痛くないだろうな?』
「なに? 俺が何かするとでも思っているの?」
『いや、そういう訳じゃないが……』
「もう、いいから。ほら、お昼までそんなに時間がないんだから。早く来る!」
『ハイ!』
椅子に座ったままで、マサオの体毛を左手から温風を出しながら乾かし、右手に持ったブラシで丁寧に解いていく。
「おぉ~いつもより指通りがいいな~」
『うん、いつもならブラシに体を持って行かれる感覚がるのに今日はないな』
「あ~やっぱり。これはいい物が出来たかな。よしっこれで出来上がりっと!」
『お! 終わったか……なあ、ケイン』
「ん? お礼はいいよ」
『いや、そうじゃなくてだな……』
「何? あ! ぷっ……はははっ……いや、なんかゴメン。マサオ」
「くっ……マサオ、見るからにふわっふわじゃないか。ぷっこりゃいい!」
『……』
マサオの体毛を丁寧にブラシを使って解して乾かしたのとリンスが効いているのかマサオの体が一.五倍ほどに膨れ上がっていて、見るからに柔らかそうだ。
『もういい! このまま、海に飛び込んでやる!』
「マサオ、ダメだからね。とりあえず式が終わるまではそのままでいてね」
『なんでだよ!』
「なんでって……なんとなく?」
『なんだよソレ……もういい!』
「マサオ、出て行くのならチョコレートはナシだよ」
『……え?』
部屋を出て行こうとするマサオにそう言うとマサオはピタッと立ち止まり、俺の方を恨めしそうに見る。
「分かったのなら、大人しくしててね」
『ケイン、それはズルくないか?』
「そう? 別にそれならそれで出て行けばいいだけじゃん」
『ぐぬぬ……』
「そうかぁ残念だな。チョコレートを使ったお菓子はアレだけじゃなくてまだまだいっぱいあるのに……そうかぁマサオはいらないのかぁ……」
『な、なんだよ何がそんなにあるんだよ!』
「え~とね、例えばさナッツをチョコレートで包んだり、ケーキをチョコレートでコーティングしたり、アイスクリームに混ぜ込んでみたり?」
『ゴクッ……』
「どうしたの?」
マサオは俺が言ったのを自分の頭の中で想像したのか口元から透明な液体が滴り落ちている。
「ケイン、そこまでにしといてやれ。マサオももうすぐ始まるんだから、大人しくしてろよ」
『……フン、まあいい。今日は大人しくしといてやる。でも、さっきケインが言ったのは全部作ってもらうからな!』
「ハイハイ、分かりましたよ」
「それはいいが……これがリンスとやらを使った結果なのか。ほう、これはなんとも言えない手触りだな」
「そうでしょそうでしょ、これならベタベタすることもないと思わない?」
「ふむ……」
俺がそうガンツさんに言うとガンツさんは何やら考え込む様子を見せる。
「ガンツさん?」
「あ~いやな、別にリンスじゃなくても……ほれ、あのブレスレットに『クリーン』を付与してよ。一定間隔で『クリーン』を掛ければよかったんじゃないかと思ってな」
「『あ! あ~』」
「なんだよ二人とも」
ガンツさんの指摘に俺はハッとする。そうだよ、確かに日中の海にいる間だけでも五分間隔とかで『クリーン』を掛ければいいだけの話じゃないか。
「もうガンツさん、そういうことは早く言ってよ!」
「な、なんだよ。ワシだって今、思い付いただけだし。ワシは悪くないぞ」
『ふん! いい気味だ!』
確かにガンツさんの言う通りだししょうがないかとしょげているとガンツさんが言う。
「おい、マサオにしたリンスとやらは大量に用意しておいた方がいいぞ」
「え? どうして?」
「アレを見たら、勘のいいのが騒ぎ出すだろうからな」
「そんな、大袈裟な……ホントに?」
「ああ、間違いなくな」
ガンツさんは俺を見てニヤリと笑う。確かにマサオの毛並みを見たら欲しくなる人はいるだろうな母さんとか母さんとか母さんとか、アリー様とか……。
ガンツさんが口の周りを綺麗にして部屋に戻って来たら、そこら中にマサオのブルブル攻撃で水滴が飛び散った部屋だった。
「あ~マサオか」
「あ、ガンツさん。今、乾かすからちょっと待ってね。『ドライ』」
部屋に飛び散った水滴が一瞬で蒸発すると、俺はマサオに向かい「さて」とだけ告げる。
『な、なんだよケイン。ちょっとした茶目っ気だろ。そんなにマジになんなよ……ゴメン』
「ったく、最初っからそうやって素直に謝ればいいのに。もう、そんなことより乾かすからこっちにおいで」
『ん? 乾かすって『ドライ』じゃないのか?』
「いや、ちゃんと鋤きながら乾かすからさ。ほら、おいで」
『……痛くないだろうな?』
「なに? 俺が何かするとでも思っているの?」
『いや、そういう訳じゃないが……』
「もう、いいから。ほら、お昼までそんなに時間がないんだから。早く来る!」
『ハイ!』
椅子に座ったままで、マサオの体毛を左手から温風を出しながら乾かし、右手に持ったブラシで丁寧に解いていく。
「おぉ~いつもより指通りがいいな~」
『うん、いつもならブラシに体を持って行かれる感覚がるのに今日はないな』
「あ~やっぱり。これはいい物が出来たかな。よしっこれで出来上がりっと!」
『お! 終わったか……なあ、ケイン』
「ん? お礼はいいよ」
『いや、そうじゃなくてだな……』
「何? あ! ぷっ……はははっ……いや、なんかゴメン。マサオ」
「くっ……マサオ、見るからにふわっふわじゃないか。ぷっこりゃいい!」
『……』
マサオの体毛を丁寧にブラシを使って解して乾かしたのとリンスが効いているのかマサオの体が一.五倍ほどに膨れ上がっていて、見るからに柔らかそうだ。
『もういい! このまま、海に飛び込んでやる!』
「マサオ、ダメだからね。とりあえず式が終わるまではそのままでいてね」
『なんでだよ!』
「なんでって……なんとなく?」
『なんだよソレ……もういい!』
「マサオ、出て行くのならチョコレートはナシだよ」
『……え?』
部屋を出て行こうとするマサオにそう言うとマサオはピタッと立ち止まり、俺の方を恨めしそうに見る。
「分かったのなら、大人しくしててね」
『ケイン、それはズルくないか?』
「そう? 別にそれならそれで出て行けばいいだけじゃん」
『ぐぬぬ……』
「そうかぁ残念だな。チョコレートを使ったお菓子はアレだけじゃなくてまだまだいっぱいあるのに……そうかぁマサオはいらないのかぁ……」
『な、なんだよ何がそんなにあるんだよ!』
「え~とね、例えばさナッツをチョコレートで包んだり、ケーキをチョコレートでコーティングしたり、アイスクリームに混ぜ込んでみたり?」
『ゴクッ……』
「どうしたの?」
マサオは俺が言ったのを自分の頭の中で想像したのか口元から透明な液体が滴り落ちている。
「ケイン、そこまでにしといてやれ。マサオももうすぐ始まるんだから、大人しくしてろよ」
『……フン、まあいい。今日は大人しくしといてやる。でも、さっきケインが言ったのは全部作ってもらうからな!』
「ハイハイ、分かりましたよ」
「それはいいが……これがリンスとやらを使った結果なのか。ほう、これはなんとも言えない手触りだな」
「そうでしょそうでしょ、これならベタベタすることもないと思わない?」
「ふむ……」
俺がそうガンツさんに言うとガンツさんは何やら考え込む様子を見せる。
「ガンツさん?」
「あ~いやな、別にリンスじゃなくても……ほれ、あのブレスレットに『クリーン』を付与してよ。一定間隔で『クリーン』を掛ければよかったんじゃないかと思ってな」
「『あ! あ~』」
「なんだよ二人とも」
ガンツさんの指摘に俺はハッとする。そうだよ、確かに日中の海にいる間だけでも五分間隔とかで『クリーン』を掛ければいいだけの話じゃないか。
「もうガンツさん、そういうことは早く言ってよ!」
「な、なんだよ。ワシだって今、思い付いただけだし。ワシは悪くないぞ」
『ふん! いい気味だ!』
確かにガンツさんの言う通りだししょうがないかとしょげているとガンツさんが言う。
「おい、マサオにしたリンスとやらは大量に用意しておいた方がいいぞ」
「え? どうして?」
「アレを見たら、勘のいいのが騒ぎ出すだろうからな」
「そんな、大袈裟な……ホントに?」
「ああ、間違いなくな」
ガンツさんは俺を見てニヤリと笑う。確かにマサオの毛並みを見たら欲しくなる人はいるだろうな母さんとか母さんとか母さんとか、アリー様とか……。
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