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◆一緒に引っ越しました
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今日は昨夜、父さん達に宣言した通りに家の引っ越しを始める。とは、言っても各自の部屋の中の物は俺のインベントリに片っ端から収納していくだけなので、体力的な心配は何もない。
「終わったよ~」
「「「分かった~」」」
「じゃあ、新しい家の前に繋ぐから」
そう言って、転移ゲートをドワーフタウンの新居の前に繋ぐと皆に潜ってもらう。
「おはようございます。トミーさん、マギーさん」
「レティさん。おはようございます」
「おはよう。レティさん。結構、大きくなったわね」
「ふふふ、ありがとうございます。でも、マギーさん達が隣に引っ越してくれたから安心です!」
「そうね、いくらでも頼りにして! それにヘレンさんも来るしね」
「はい! それで……引っ越しとケイン君に聞いたんですが、荷物はどこに?」
「ああ、それなら……」
母さん達が話している内にと父さん達と新居に入り、皆の指示通りに荷物をインベントリから出して、父さん達に設置してもらう。
全ての荷物を出し終わったので、次はヘレンさんの引っ越しを済ませる為に直接ヘレンさんの家へと転移ゲートを繋いで潜る。
「おはよう、ヘレンさん」
「おはよう、ケイン」
「それで、片っ端から持って行けばいいの?」
「いや、こっちでも診察とかはするから、ある程度は残す。だが、私物は全部向こうに持って行くぞ。だから、部屋の中のタンスとか全部、持って行ってくれ」
「分かったよ」
「下着は数えているからの」
「はいはい」
「多いから一枚くらい無くなっても分からんかもしれんのぉ」
「……」
ヘレンさんがそんなことを言いながら俺を一瞥するが何を言っているのかと呆れた顔になってしまう。
「……冗談じゃ冗談。半分は本気だがの」
「いや、いらないから。そんな物もらっても迷惑だし」
「迷惑って……ワシの意はシャルルの新作だぞ」
「いくら新作でもヘレンさんのモノってだけで興味が無くなるから」
「ヒドいなケイン……」
「いいから、早く引っ越しを済ませてレティさんを診てあげてよ」
「おう、そうじゃったな」
ヘレンさんの私物をインベントリに収納すると、転移用の部屋を一階の片隅に用意する。
「ケイン、それはなんだ?」
「これ? これはヘレンさんがドワーフタウンの家を行き来するための物だよ。はい、これ」
「なんじゃ、腕輪か。どうせなら指輪の方が」
「いらないなら、いいけど」
「いらんとは言うとらん!」
ハァ~と嘆息しながらヘレンさんにブレスレットを渡すと魔力を登録してもらう。
「これでいいのか?」
「うん。じゃあ、そこの部屋に入ったら扉があるから、開けて」
「扉を開ければいいんじゃな」
「うん。お願い」
ヘレンさんは部屋に入ると俺に言われた通りに中に用意された扉を開ける。
「開けたぞ」
「じゃあ、先に進んで」
「先に……先に何かあるのか?」
「進めば分かるから。ほら、早く!」
「お、押すなよ。行くから。行けばいいんじゃろ。ったく……ん? また、扉?」
「その扉も開けて進んでね」
「はいはいっと……お!」
ヘレンさんが扉を開けたまま、扉の先へと足を踏み入れると、そ~っと体を滑り込ませる。
「ほ~ここがドワーフタウンのワシの新居と言う訳か」
「そう。一応、元の家と同じ作りにはしたつもりだけど何か他に欲しいものとか不都合なところがあったらいつでも言ってね」
「はいよ、ありがとうね。じゃあ、レティの所にでも行ってこようかね」
「荷物はどうするの?」
「元と同じようにしといてくれたらええよ」
「分かったよ。じゃあ、頑張ってね」
「はいよ!」
ヘレンさんが家から出て行くのを見送ると領都の家と同じ様にヘレンさんの家具とかをインベントリから取り出して配置していく。
「こんなものかな。終わったよマサオ」
『やっと、終わったか~じゃあ、行けるんだな?』
「え? 行かないよ」
『なんでだよ! もう、引っ越しは終わったんだろ?』
「引っ越しは終わったけど、やることがあるからね」
『チェッ』
「もう、そこまで気に入ったのなら、一人で行って来なよ。誰かいたら動かしてくれるんじゃないの」
『え? いいのか?』
「いいよ。特に悪さするわけでもないし」
『よし、分かった。じゃあ、行ってくるな。待ってろよ!』
マサオが走って行こうとするが、ここはヘレンさんの家の中だったことを思い出したのか、玄関扉を開けることが出来ずに俺の方をジッと見る。
「分かったよ」
『頼む!』
ミニコースターの搭乗口に転移ゲートを繋いでマサオを見送る。
『じゃあな、俺は必ず掴むぞ!』
「何を掴むのか分からないけど、まあ頑張って」
『おう!』
意気揚々とミニコースターへとマサオを見送り転移ゲートを閉じる。
「今日は色々と話し合いをするって言ってたから誰かいるとは思えないけど……後で様子見に来るか」
「終わったよ~」
「「「分かった~」」」
「じゃあ、新しい家の前に繋ぐから」
そう言って、転移ゲートをドワーフタウンの新居の前に繋ぐと皆に潜ってもらう。
「おはようございます。トミーさん、マギーさん」
「レティさん。おはようございます」
「おはよう。レティさん。結構、大きくなったわね」
「ふふふ、ありがとうございます。でも、マギーさん達が隣に引っ越してくれたから安心です!」
「そうね、いくらでも頼りにして! それにヘレンさんも来るしね」
「はい! それで……引っ越しとケイン君に聞いたんですが、荷物はどこに?」
「ああ、それなら……」
母さん達が話している内にと父さん達と新居に入り、皆の指示通りに荷物をインベントリから出して、父さん達に設置してもらう。
全ての荷物を出し終わったので、次はヘレンさんの引っ越しを済ませる為に直接ヘレンさんの家へと転移ゲートを繋いで潜る。
「おはよう、ヘレンさん」
「おはよう、ケイン」
「それで、片っ端から持って行けばいいの?」
「いや、こっちでも診察とかはするから、ある程度は残す。だが、私物は全部向こうに持って行くぞ。だから、部屋の中のタンスとか全部、持って行ってくれ」
「分かったよ」
「下着は数えているからの」
「はいはい」
「多いから一枚くらい無くなっても分からんかもしれんのぉ」
「……」
ヘレンさんがそんなことを言いながら俺を一瞥するが何を言っているのかと呆れた顔になってしまう。
「……冗談じゃ冗談。半分は本気だがの」
「いや、いらないから。そんな物もらっても迷惑だし」
「迷惑って……ワシの意はシャルルの新作だぞ」
「いくら新作でもヘレンさんのモノってだけで興味が無くなるから」
「ヒドいなケイン……」
「いいから、早く引っ越しを済ませてレティさんを診てあげてよ」
「おう、そうじゃったな」
ヘレンさんの私物をインベントリに収納すると、転移用の部屋を一階の片隅に用意する。
「ケイン、それはなんだ?」
「これ? これはヘレンさんがドワーフタウンの家を行き来するための物だよ。はい、これ」
「なんじゃ、腕輪か。どうせなら指輪の方が」
「いらないなら、いいけど」
「いらんとは言うとらん!」
ハァ~と嘆息しながらヘレンさんにブレスレットを渡すと魔力を登録してもらう。
「これでいいのか?」
「うん。じゃあ、そこの部屋に入ったら扉があるから、開けて」
「扉を開ければいいんじゃな」
「うん。お願い」
ヘレンさんは部屋に入ると俺に言われた通りに中に用意された扉を開ける。
「開けたぞ」
「じゃあ、先に進んで」
「先に……先に何かあるのか?」
「進めば分かるから。ほら、早く!」
「お、押すなよ。行くから。行けばいいんじゃろ。ったく……ん? また、扉?」
「その扉も開けて進んでね」
「はいはいっと……お!」
ヘレンさんが扉を開けたまま、扉の先へと足を踏み入れると、そ~っと体を滑り込ませる。
「ほ~ここがドワーフタウンのワシの新居と言う訳か」
「そう。一応、元の家と同じ作りにはしたつもりだけど何か他に欲しいものとか不都合なところがあったらいつでも言ってね」
「はいよ、ありがとうね。じゃあ、レティの所にでも行ってこようかね」
「荷物はどうするの?」
「元と同じようにしといてくれたらええよ」
「分かったよ。じゃあ、頑張ってね」
「はいよ!」
ヘレンさんが家から出て行くのを見送ると領都の家と同じ様にヘレンさんの家具とかをインベントリから取り出して配置していく。
「こんなものかな。終わったよマサオ」
『やっと、終わったか~じゃあ、行けるんだな?』
「え? 行かないよ」
『なんでだよ! もう、引っ越しは終わったんだろ?』
「引っ越しは終わったけど、やることがあるからね」
『チェッ』
「もう、そこまで気に入ったのなら、一人で行って来なよ。誰かいたら動かしてくれるんじゃないの」
『え? いいのか?』
「いいよ。特に悪さするわけでもないし」
『よし、分かった。じゃあ、行ってくるな。待ってろよ!』
マサオが走って行こうとするが、ここはヘレンさんの家の中だったことを思い出したのか、玄関扉を開けることが出来ずに俺の方をジッと見る。
「分かったよ」
『頼む!』
ミニコースターの搭乗口に転移ゲートを繋いでマサオを見送る。
『じゃあな、俺は必ず掴むぞ!』
「何を掴むのか分からないけど、まあ頑張って」
『おう!』
意気揚々とミニコースターへとマサオを見送り転移ゲートを閉じる。
「今日は色々と話し合いをするって言ってたから誰かいるとは思えないけど……後で様子見に来るか」
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