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◆移住希望でした
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翌朝、いつもの様に工房の自室へと向かうとガンツさんがソファで横になっていた。
「もう、ガンツさん。帰らなかったの?」
「ぐぁ~がぁ~ごぁ~……ん……」
ソファで寝ているガンツさんに向かって言うが、反応がないどころかイビキで返事される。
とりあえず、起こすしかないから起こすけど、なんか嫌だ。でも、起こさないと色んなことが回らないし、しょうがないか。
「ガンツさん、ガンツさん。朝だよ、起きようか?」
「ん? ああ、なんじゃケインか。ってことは、もうそんな時間か」
「そうだよ。大体、なんでこんなところで寝てるのさ」
「ああ、いやな。昨日、ほれ! ケインが宿題を残していっただろ? その宿題をイーガンやボビーと一緒にしていたら、結構遅い時間になっちまったんでな。面倒になって、このまま寝ちまったって訳だ」
「ハァ~それはいいけどさ、なんで俺の部屋なの? 隣に自分の部屋はあるんだから、隣に行けばいいじゃない」
「いや~いつもの癖でこっちに来たんだろうな」
「もう、いいから。シャワーでも浴びて身支度しなよ」
「ああ、すまんな」
そう言ってガンツさんが自分の部屋へと向かう。
「じゃあ、ガンツさんが来るまで製紙について、考えてみようかな」
製紙の行程を考えながら、まずは模型を作りながら確認していくかと工作室に向かう。
「まずはパルプの作成だよな。確か、木材や草からでも抽出できたはず。なら、最初は粉砕機か。そして、その次は釜だな」
粉砕機の模型を作ると、次は土魔法で釜を作って……と、行程に必要な設備の模型を作っていく。
「ふ~さっぱりした。待たせたか?」
「ハァ~綺麗なお姉さんに言われたのなら、喜ぶところだけどじい様だもんな~」
「ほう、そんなことを言うてるとリーサに報告しなきゃならんのぉ」
「あ! それはちょっと卑怯じゃない?」
「そうか、普段いいようにやられとるからの。これくらいは軽い方じゃて。ん? そのテーブルの上に広げているのは、なんの模型じゃ?」
「これ? これは、紙を作る製造ラインを考えていたんだ。それで必要な広さが分かるかと思ってさ」
「そうか。それで、どのくらい必要なんだ?」
「それがさ、実際に作るまではそれほどでもないんだけど、紙にしてからが長いんだよ。乾燥させないとダメだからさ」
「ふむ、乾燥というと、あの印刷機の時にやったあれか」
「そう、あんな感じだね」
「場所が必要なら、今の内になんとかせんとな。多分、紙の需要はすごいことになりそうじゃからな」
「そうだよね、今も紙はあるけど、書きづらいもんね」
「そういうことじゃな。それに印刷が進んでみろ、皆が本を欲しがるぞ。そうなりゃ今の高価な本が売れなくなるじゃろ。そうすると、またどこかの誰かに睨まれるな」
「あ~多分だけど、間違いなくそうなるよね。写本専門の人は間違いなく文句いうだろうね」
「だろう。だから、これもしばらくは、この街限定だな」
「俺はそれでもいいけどさ、父さんとかデューク様は出したいだろうね」
「旦那は商売だから、分かるが。領主殿はしばらくは隠したいと思うぞ」
「そうかな?」
「そうとも。ただでさえ、お前の作った物で、まだ広まっていないのも多いんだろうしな」
「まあね、その辺はデューク様と相談しながらだよね」
「だな。しかし、それにしても港の開発許可が下りねえな。まだなにか問題事でも起きてなきゃいいんだがな」
「ガンツさん、それフラグになるから言っちゃダメ!」
「なんだ? フラグ?」
「もう、いいからしばらくは港のことは放っておこう。その内、連絡が来るだろうからさ」
「まあ、ケインが言うならしょうがないか。で、今日はどうすんだ?」
「ガンツさんの方でなにもなければ、家の引っ越し準備かな」
「なんで、ワシが関係すんだ? そんなもん、勝手にやればいいだろ? もう場所は決めてあるんだし」
「そうなんだけどね。家を退かす前に足場を組んで、今の家を隠したいと思うんだ。なんの作業をしているか見られないようにね」
「ああ、そういうことか。まあ、普通に家が急に消えれば騒ぐだろうな」
「そういうこと。もう一つはさ、ヘレンさんなんだ」
「ヘレン? あの婆さんがどうした?」
「ウチが引っ越すって言ったら、『反対じゃ!』って騒ぎ出してね」
「また、妙なもんに絡まれたな」
「それでさ、母さんが『なら、ヘレンさんも引っ越せばいいじゃない』って言ったもんだから、本人もその気になっちゃってさ。今は、多分ヘレンさんの息子家族と話しているんじゃないかな?」
「ああ? なんでそこで息子家族が出てくるんだ?」
「いや、ヘレンさんの面倒みてもらっているし。それに息子さんも新しい仕事に就きたいらしいんだ。しかも教師か事務職のどちらもいけるらしいんだ」
「そりゃ、もし使えるのならメッケモンだな」
「でしょ?」
携帯電話が鳴り、着信を知らせる。表示されている番号はヘレンさんのだ。
「タイミングバッチリだね。ヘレンさんからだよ。もしもしケインです」
『おう、ケインか。今、ワシの家で息子と話しておった。でな、息子もドワーフタウンに住めるのなら、住みたいと乗り気なんじゃがな』
「ちょっと待って! その前に教師か事務員をやってもらうって話はしたの?」
『ああ、もちろんしたとも。息子はどちらでも問題ないと言うておる』
「ならさ、ちょっと今から、学校に行って話してくるから、そのまま家にいてね」
『ああ、分かった』
携帯電話を切って、ガンツさんに話す。
「息子さんもドワーフタウンへの移住をちゃんと考えているんだって。だから、今からガンボさんのところに行って面接出来るか聞いてくるね」
「待て、ワシも行こう」
「うん、じゃ繋ぐね」
学校の校長室に繋ぐとガンツさんと潜る。
『じゃな、ジョシュア。俺も行くから、頑張れよ』
「ああ、どうも……」
マサオが、その場にジョシュアを残しゲートを潜るとゲートが閉じられる。
「もう、ガンツさん。帰らなかったの?」
「ぐぁ~がぁ~ごぁ~……ん……」
ソファで寝ているガンツさんに向かって言うが、反応がないどころかイビキで返事される。
とりあえず、起こすしかないから起こすけど、なんか嫌だ。でも、起こさないと色んなことが回らないし、しょうがないか。
「ガンツさん、ガンツさん。朝だよ、起きようか?」
「ん? ああ、なんじゃケインか。ってことは、もうそんな時間か」
「そうだよ。大体、なんでこんなところで寝てるのさ」
「ああ、いやな。昨日、ほれ! ケインが宿題を残していっただろ? その宿題をイーガンやボビーと一緒にしていたら、結構遅い時間になっちまったんでな。面倒になって、このまま寝ちまったって訳だ」
「ハァ~それはいいけどさ、なんで俺の部屋なの? 隣に自分の部屋はあるんだから、隣に行けばいいじゃない」
「いや~いつもの癖でこっちに来たんだろうな」
「もう、いいから。シャワーでも浴びて身支度しなよ」
「ああ、すまんな」
そう言ってガンツさんが自分の部屋へと向かう。
「じゃあ、ガンツさんが来るまで製紙について、考えてみようかな」
製紙の行程を考えながら、まずは模型を作りながら確認していくかと工作室に向かう。
「まずはパルプの作成だよな。確か、木材や草からでも抽出できたはず。なら、最初は粉砕機か。そして、その次は釜だな」
粉砕機の模型を作ると、次は土魔法で釜を作って……と、行程に必要な設備の模型を作っていく。
「ふ~さっぱりした。待たせたか?」
「ハァ~綺麗なお姉さんに言われたのなら、喜ぶところだけどじい様だもんな~」
「ほう、そんなことを言うてるとリーサに報告しなきゃならんのぉ」
「あ! それはちょっと卑怯じゃない?」
「そうか、普段いいようにやられとるからの。これくらいは軽い方じゃて。ん? そのテーブルの上に広げているのは、なんの模型じゃ?」
「これ? これは、紙を作る製造ラインを考えていたんだ。それで必要な広さが分かるかと思ってさ」
「そうか。それで、どのくらい必要なんだ?」
「それがさ、実際に作るまではそれほどでもないんだけど、紙にしてからが長いんだよ。乾燥させないとダメだからさ」
「ふむ、乾燥というと、あの印刷機の時にやったあれか」
「そう、あんな感じだね」
「場所が必要なら、今の内になんとかせんとな。多分、紙の需要はすごいことになりそうじゃからな」
「そうだよね、今も紙はあるけど、書きづらいもんね」
「そういうことじゃな。それに印刷が進んでみろ、皆が本を欲しがるぞ。そうなりゃ今の高価な本が売れなくなるじゃろ。そうすると、またどこかの誰かに睨まれるな」
「あ~多分だけど、間違いなくそうなるよね。写本専門の人は間違いなく文句いうだろうね」
「だろう。だから、これもしばらくは、この街限定だな」
「俺はそれでもいいけどさ、父さんとかデューク様は出したいだろうね」
「旦那は商売だから、分かるが。領主殿はしばらくは隠したいと思うぞ」
「そうかな?」
「そうとも。ただでさえ、お前の作った物で、まだ広まっていないのも多いんだろうしな」
「まあね、その辺はデューク様と相談しながらだよね」
「だな。しかし、それにしても港の開発許可が下りねえな。まだなにか問題事でも起きてなきゃいいんだがな」
「ガンツさん、それフラグになるから言っちゃダメ!」
「なんだ? フラグ?」
「もう、いいからしばらくは港のことは放っておこう。その内、連絡が来るだろうからさ」
「まあ、ケインが言うならしょうがないか。で、今日はどうすんだ?」
「ガンツさんの方でなにもなければ、家の引っ越し準備かな」
「なんで、ワシが関係すんだ? そんなもん、勝手にやればいいだろ? もう場所は決めてあるんだし」
「そうなんだけどね。家を退かす前に足場を組んで、今の家を隠したいと思うんだ。なんの作業をしているか見られないようにね」
「ああ、そういうことか。まあ、普通に家が急に消えれば騒ぐだろうな」
「そういうこと。もう一つはさ、ヘレンさんなんだ」
「ヘレン? あの婆さんがどうした?」
「ウチが引っ越すって言ったら、『反対じゃ!』って騒ぎ出してね」
「また、妙なもんに絡まれたな」
「それでさ、母さんが『なら、ヘレンさんも引っ越せばいいじゃない』って言ったもんだから、本人もその気になっちゃってさ。今は、多分ヘレンさんの息子家族と話しているんじゃないかな?」
「ああ? なんでそこで息子家族が出てくるんだ?」
「いや、ヘレンさんの面倒みてもらっているし。それに息子さんも新しい仕事に就きたいらしいんだ。しかも教師か事務職のどちらもいけるらしいんだ」
「そりゃ、もし使えるのならメッケモンだな」
「でしょ?」
携帯電話が鳴り、着信を知らせる。表示されている番号はヘレンさんのだ。
「タイミングバッチリだね。ヘレンさんからだよ。もしもしケインです」
『おう、ケインか。今、ワシの家で息子と話しておった。でな、息子もドワーフタウンに住めるのなら、住みたいと乗り気なんじゃがな』
「ちょっと待って! その前に教師か事務員をやってもらうって話はしたの?」
『ああ、もちろんしたとも。息子はどちらでも問題ないと言うておる』
「ならさ、ちょっと今から、学校に行って話してくるから、そのまま家にいてね」
『ああ、分かった』
携帯電話を切って、ガンツさんに話す。
「息子さんもドワーフタウンへの移住をちゃんと考えているんだって。だから、今からガンボさんのところに行って面接出来るか聞いてくるね」
「待て、ワシも行こう」
「うん、じゃ繋ぐね」
学校の校長室に繋ぐとガンツさんと潜る。
『じゃな、ジョシュア。俺も行くから、頑張れよ』
「ああ、どうも……」
マサオが、その場にジョシュアを残しゲートを潜るとゲートが閉じられる。
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