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◆コンペに負けました

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ガンツさんが出した模型を見せられてどことなく懐かしさを感じたので、古~い記憶を遡り探ってみる。
「ああ~そうだ、『ウ○ト○警備隊』のヤツだ。」
「何だその『○ル○ラ警備隊』って?」
「いや、いいのこっちの話だから。っていうか何でこの形になったの?」
「何でも何も今のを元にして、肉付けしてから整えたらこうなっただけじゃ。」
「(なら単なる偶然か。作為的なものは感じないしそうなんかな~)」
「何んじゃ気になるのか?なら、これにするか。うん?」
「いや、いいから先ずは実験でしょ。ほら貸して。」
ウ○ト○ホ○クを台に固定して、風洞のファンを動かす。

「どうじゃ、なかなかじゃろ?作ったワシが言うのも何じゃが勇ましいのぉ。」
「(そりゃそうでしょ。何せウ○ト○ホ○クだもの。)いいよね俺も欲しかったんだよな~」
「何じゃやらんぞ。」
「いやいいから、欲しかったら作るから。」

ウ○ト○ホ○クは難なく試験を突破しガンツさんの第一候補となった。
「じゃ、こいつに名前を付けてやらんとな。」
「まだ付けてなかったの?」
「ああ、何かしっくりくるのがなくてな。」
「じゃあさ『ホーク』でどう?」
「『ホーク』か、いいなそれにするか。よしこいつは『ホーク』だ。」

「じゃ、これで審査してもらおうか。」
「ああ、いざゆかん!」
「大袈裟な。」
「まあ、気持ちだ。気持ち。」

アンジェさんとリーサさんの前に小型ジェットとホークを並べる。
ちなみに誰がどれを作ったかは言ってない。

「どうじゃ?さあ、言ってくれ。」
「これは困ったわね。」
「ああ、そうだな。まさかここまで悩むとは思わなかったぞ。」
「ん?何でじゃ。」
「いやな、ガンツはきっと奇怪なモノを出してくるといたんでな。まさかこうも普通なモノをだしてくるとはな。」
「『普通』って…」
「実はそれ三つ目。模型を作るまでのを入れたら二桁行くかもね。」
「そうか、それなら納得は出来るかな。」
「アンジェはどうじゃ?」
「そうね。私はこっちの丸っこいのがいいと思うの。何か暖かいというか速さだけじゃない何かがあるわね。」
「うんうんそうじゃろ、そうじゃろ。」
「(あ~もうガンツさんは自分が作ったと言ってる様なもんじゃないの。)」
「(すまん、アンジェに褒められてな。つい…)」

まあ俺もホークを作ってみたかったし今回はホークにしようかな。
「ねえ、ガンツさん。今回はホークでいこうか。」
「お!ケインいいのか?」
「うん、俺も作ってみたいし乗りたいと思うからね。俺のはこっそり作って楽しむよ。」
「むぅそれはずるいぞ、ケイン。まあいいわ。今回はワシのホーク号でいいんじゃな。」
「いいよ。ただ窓をもう少し増やさない?それと武装の位置を考えようか。」
「やっぱり着けるのか?」
「そりゃそうでしょ。まだ全部の空を回って安全と確認した訳じゃないんだから。」
「う~本当に必要かの。」
「後から着けとけばよかったって言いたくないでしょ?なら、着けるしかないでしょ。」
「まあ、ええわ。じゃ作るか。」

「待って、もう明日にしなさい。」
「な、何でじゃ!やっと作れると言うのに。」
「いいから、こっちは何時から付き合わされていると思ってるの。明日はいつも通りですからね。ケイン君、ここは警備を強化しといてくださいね。特にガンツが入ることが出来ないように。お願いしますよ。本当にお願いします。」
「わ、分かりましたから。ガンツさんが出たらガンツさんだけは入れないようにしときますから。安心しておやすみ下さい。」
「うふふ、ありがとう。聞いたわね?ガンツ。」
「はい。すみませんでした~」
「じゃあ明日はいつもの時間に会いましょうね。じゃあね。」

アンジェさん達が出ていったので小屋の外に出て、言われた通りにセキュリティを上げておく。
「よし、これでガンツさんも簡単には入れないぞ。」
「アンジェも大変だな。」
「そうだね、没頭しやすい人がご主人だと、きつそうだね。」
「ふふふ、私は平気だぞ。」
「そうなの?リーサさんなら、誰でもマイペースでいきそうだね。」
「ケイン、分かってて言っているのか?『誰でも』とはどういう意味何だろうか?詳しく聞いてもいいか。」
「ごめんなさい。」
「ふふふ、まあいいさ。さあ帰ろう。」
ガンツさん達が先に帰ったので、リーサさんを部屋の前まで送り届ける。

「ケインはガンツの作った機体でよかったのか?」
「ああ、あれね。俺は別に我慢しているわけじゃないよ。本当に作りたいと思っているからね。それに俺が作りたいならさ、ガンツさんにもいったけど、こっそり作ればいいし。」
「それもそうだな。ケインは自由に作れるからな。」
「そういうこと。また明日から部屋に篭ることになるけどいいよね?」
「まあ、今まであちこちに行ってたから、たまにはいいさ。じゃあまた明日。」
「うん、またね。」

家に戻り定位置に座ると晩酌中の父さんから、ちょっとと言われ向かいに移動する。
「なあ、魔道ミキサーが急に売れ出したんだが何か思い当たることはないか?」
「ああ、多分マーティンさんのせいと言うかお陰だと思うよ。」
「何か含みのある言い方だな。ちょっと詳しく聞こうか?」
「いいよ、実はね…」と昼間にあった事を父さんに話す。

「なるほどな~納得だ。それならそうなるわな。」
「でしょ!使って美味しくなるなら欲しくなるよね。」
「ああ、その通りだ。デカしたケイン!」
「そう、ふふふ。」
「ケイン、私からもありがとうね。今度魔道ミキサーのポップに『あのマーティンもおすすめ!』って書いとこうかしらね。うふふ。」
「それはいいかもね。」
「さて、夕食にするから片付けてね。」
「「「「は~い。」」」」
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