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第2章 新天地を求めて
第4話 私がイヤなの!
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「不潔? ちゃんと風呂には入っていますけど?」
「そういう意味じゃないわよ! 分かるでしょ!」
「えぇ……」
先輩にいきなり不潔だと言われたけど、俺の何を不潔と言っているのかが分からずに首を傾げるしかない。
どうも、清潔面とは違うみたいだけど、他には何があるんだろうと考えてみるけど少しも思い当たることがない。
「もう、だから女の人を二人も侍らせていることが不潔だと言ってるの!」
「いや、でも……あれは……」
「何、言い訳するつもり?」
「はい。って言うか単なる説明ですけど、聞いてもらえますか?」
「ふん! そんなこと言って、どうせ異世界に来たからって『俺様TUEEEEE』や『ハーレム』とか欲望に塗れたことをするつもりなんでしょ! 分かってるんだから!」
「えぇ!」
先輩は俺が好きで二人を侍らせていると思っているのと異世界特有のあれやこれやを拗らせているみたいだ。
「頼みますから、先ずは俺の話を聞いて下さいよ」
「なんで聞かないとダメなの?」
「なんでって……だって説明しないと先輩に誤解されたままってのもイヤだから……かな」
「え……なんでイヤなの?」
「ん~なんとなく」
「なんとなくって……あ~もう、いいわよ話して。でも、納得するかどうかは別だからね」
「ええ、それでも構いません」
「それと……先輩じゃなくてウララよ」
「あ……」
先輩にセシルと出会った時から今までの経緯を話し終えると先輩が嘆息する。
「ハァ~つまりは、そのセシルさんは婚活が上手くいかない焦りからと客だからとユリアさんも一緒になってヒロに迫ってるってこと?」
「ええ、簡単に言ってしまえばそういうことです」
「でも、悪い気はしないんでしょ?」
「……」
「何よ?」
「じゃあ、先輩に聞きますけど、自分に興味がなく肩書きだけを目当てにイケメンが言い寄ってきたとして嬉しいですか?」
「ん~それはちょっとノーサンキューかな……って、あ~そういう感じ?」
「そうですね。なので、夜は誰も入ってこない様にしてからセツと一緒に寝ています。ね、セツ」
『ピ!』
「えっと、じゃあ……全部私の勘違いと言うか先走ってしまった……ってことなのかな?」
「そういうことです」
「でも、男の子だったら……その……」
「ハァ~いくら女性に不自由している俺でも誰でもかれでもってことはないですよ。猿じゃあるまいし」
「ホントに?」
「クドいです。そういうせん……ウララだって客と知られたら、スッゴいイケメンが連日花束抱えて求婚して来ますからね。覚悟しておいた方がいいと思いますよ」
「えぇ~私だよ。まさか……そうなの?」
なんとか先輩に俺の立場となんとか俺に取り入ろうとする二人のことを説明して分かってもらえたと思うけど、先輩自身もこれから似たようなことになると言えば、まさか自分がと思っているようだ。
「えっと、今の俺達の状況は大谷翔平と同じだと思って下さい」
「大谷って、あの大谷?」
「そうです。誰もがお近付きになれればラッキーと思っているあの大谷です」
「えぇ~でも、こんな私だよ。いくらなんでも……ウソだよね」
先輩の言葉に俺が首を横に振れば、先輩も俺がウソを言っていないことが分かるのか、この世の終わりみたいな顔になる。
「ウソでしょ。私、まともに男の人と付き合ったこともないのに……そんなよく分からない客って肩書きだけで言い寄られるなんて」
「まあ、受け入れがたいですよね」
「どうにかならないの?」
「ムリじゃないですか」
「そんな……異世界に来たばかりに好きでもない人と一緒になるなんて……ねえ、もしよ。もし私に好きな人がいるなら、よく知りもしない好きでもない人とそんな結婚しなくてもいいのよね?」
「まあ、そうなるでしょうね」
「よし、決めた! 私もヒロのハーレムに入るわ!」
「え……えぇ!」
先輩も俺と同じ様に客なのだから、俺みたいに色んなところから声が掛けられるだろうと言えば露骨にイヤな顔をしたと思ったら、何か思い付いた顔になる。
隣の席でよく見た顔だ。
上司から無理難題を課され、暫く頭を抱え込んで悩んでいたと思っていたら、さっきみたいに急に「決めた!」とか「分かった!」と顔を上げほくそ笑むと同時に解決策を思い付いていた。
だから、今回も何か妙案を思い付いたんだなと思っていたけど、まさかのハーレム入り宣言だとは……
「ね、いいわよね。二人も三人も一緒でしょ」
「あの、俺の話聞いてました?」
「聞いてたわよ」
「なら、どうして……あ、同じ日本人だからってのはナシですよ」
「言わない!」
「へ?」
「なんか悔しいから言わない!」
「え~それはズルいと思います」
「なんで?」
「なんでって……俺がせ……ウララを邪険に出来る訳ないじゃないですか」
「あら、私は異世界に来てまで先輩風を吹かせるつもりなんてないわよ」
「ウララがそう思っても俺には大事な先輩には違いありませんから!」
「え?」
「だから、ウララは俺にとって大事な先輩に違いありませんからね「もう一回!」……え?」
「そこ、大事! だから、もう一回! ね?」
「ん~えっと……ウララは俺にとって大事な先輩に「そうじゃない」……え?」
「そこは先輩じゃなくて、『女性』に言い換えてもう一回!」
「……ウララは俺にとって大事な女性に……って、何言わせるんですか!」
「あ~惜しい!」
「いや、惜しいじゃなくてですよ。これじゃ俺からの愛の告白じゃないですか!」
「そうよ。イヤ?」
先輩が大事だからと言ったら、一部を言い換えてと言われたのでお願い通りに言い直そうとしたところで、これじゃ俺が先輩に告白している様だと思い言い淀む。
「え? いや、そうじゃなくて……いやじゃなくて……あぁもう! 一体何なんですか! 大体、なんで俺なんですか。別に俺じゃなくても「イヤよ」……え?」
「他の誰かじゃイヤなの! 私はヒロがいいの!」
「え……いや、でも……俺は先輩とは……」
「私がイヤなの!」
「……だから、なんで俺なんですか?」
「……言いたくない」
「えぇ!」
「……だってひかれるから」
「ん?」
俺が愛の告白めいたことを言ってしまえば、先輩がイヤな思いをするんじゃないかと言えば、先輩はそんなことはないと言うし、俺じゃないとイヤとも言う。
でも、理由は言いたくない「ひかれるから」ってどういうことなの?
「そういう意味じゃないわよ! 分かるでしょ!」
「えぇ……」
先輩にいきなり不潔だと言われたけど、俺の何を不潔と言っているのかが分からずに首を傾げるしかない。
どうも、清潔面とは違うみたいだけど、他には何があるんだろうと考えてみるけど少しも思い当たることがない。
「もう、だから女の人を二人も侍らせていることが不潔だと言ってるの!」
「いや、でも……あれは……」
「何、言い訳するつもり?」
「はい。って言うか単なる説明ですけど、聞いてもらえますか?」
「ふん! そんなこと言って、どうせ異世界に来たからって『俺様TUEEEEE』や『ハーレム』とか欲望に塗れたことをするつもりなんでしょ! 分かってるんだから!」
「えぇ!」
先輩は俺が好きで二人を侍らせていると思っているのと異世界特有のあれやこれやを拗らせているみたいだ。
「頼みますから、先ずは俺の話を聞いて下さいよ」
「なんで聞かないとダメなの?」
「なんでって……だって説明しないと先輩に誤解されたままってのもイヤだから……かな」
「え……なんでイヤなの?」
「ん~なんとなく」
「なんとなくって……あ~もう、いいわよ話して。でも、納得するかどうかは別だからね」
「ええ、それでも構いません」
「それと……先輩じゃなくてウララよ」
「あ……」
先輩にセシルと出会った時から今までの経緯を話し終えると先輩が嘆息する。
「ハァ~つまりは、そのセシルさんは婚活が上手くいかない焦りからと客だからとユリアさんも一緒になってヒロに迫ってるってこと?」
「ええ、簡単に言ってしまえばそういうことです」
「でも、悪い気はしないんでしょ?」
「……」
「何よ?」
「じゃあ、先輩に聞きますけど、自分に興味がなく肩書きだけを目当てにイケメンが言い寄ってきたとして嬉しいですか?」
「ん~それはちょっとノーサンキューかな……って、あ~そういう感じ?」
「そうですね。なので、夜は誰も入ってこない様にしてからセツと一緒に寝ています。ね、セツ」
『ピ!』
「えっと、じゃあ……全部私の勘違いと言うか先走ってしまった……ってことなのかな?」
「そういうことです」
「でも、男の子だったら……その……」
「ハァ~いくら女性に不自由している俺でも誰でもかれでもってことはないですよ。猿じゃあるまいし」
「ホントに?」
「クドいです。そういうせん……ウララだって客と知られたら、スッゴいイケメンが連日花束抱えて求婚して来ますからね。覚悟しておいた方がいいと思いますよ」
「えぇ~私だよ。まさか……そうなの?」
なんとか先輩に俺の立場となんとか俺に取り入ろうとする二人のことを説明して分かってもらえたと思うけど、先輩自身もこれから似たようなことになると言えば、まさか自分がと思っているようだ。
「えっと、今の俺達の状況は大谷翔平と同じだと思って下さい」
「大谷って、あの大谷?」
「そうです。誰もがお近付きになれればラッキーと思っているあの大谷です」
「えぇ~でも、こんな私だよ。いくらなんでも……ウソだよね」
先輩の言葉に俺が首を横に振れば、先輩も俺がウソを言っていないことが分かるのか、この世の終わりみたいな顔になる。
「ウソでしょ。私、まともに男の人と付き合ったこともないのに……そんなよく分からない客って肩書きだけで言い寄られるなんて」
「まあ、受け入れがたいですよね」
「どうにかならないの?」
「ムリじゃないですか」
「そんな……異世界に来たばかりに好きでもない人と一緒になるなんて……ねえ、もしよ。もし私に好きな人がいるなら、よく知りもしない好きでもない人とそんな結婚しなくてもいいのよね?」
「まあ、そうなるでしょうね」
「よし、決めた! 私もヒロのハーレムに入るわ!」
「え……えぇ!」
先輩も俺と同じ様に客なのだから、俺みたいに色んなところから声が掛けられるだろうと言えば露骨にイヤな顔をしたと思ったら、何か思い付いた顔になる。
隣の席でよく見た顔だ。
上司から無理難題を課され、暫く頭を抱え込んで悩んでいたと思っていたら、さっきみたいに急に「決めた!」とか「分かった!」と顔を上げほくそ笑むと同時に解決策を思い付いていた。
だから、今回も何か妙案を思い付いたんだなと思っていたけど、まさかのハーレム入り宣言だとは……
「ね、いいわよね。二人も三人も一緒でしょ」
「あの、俺の話聞いてました?」
「聞いてたわよ」
「なら、どうして……あ、同じ日本人だからってのはナシですよ」
「言わない!」
「へ?」
「なんか悔しいから言わない!」
「え~それはズルいと思います」
「なんで?」
「なんでって……俺がせ……ウララを邪険に出来る訳ないじゃないですか」
「あら、私は異世界に来てまで先輩風を吹かせるつもりなんてないわよ」
「ウララがそう思っても俺には大事な先輩には違いありませんから!」
「え?」
「だから、ウララは俺にとって大事な先輩に違いありませんからね「もう一回!」……え?」
「そこ、大事! だから、もう一回! ね?」
「ん~えっと……ウララは俺にとって大事な先輩に「そうじゃない」……え?」
「そこは先輩じゃなくて、『女性』に言い換えてもう一回!」
「……ウララは俺にとって大事な女性に……って、何言わせるんですか!」
「あ~惜しい!」
「いや、惜しいじゃなくてですよ。これじゃ俺からの愛の告白じゃないですか!」
「そうよ。イヤ?」
先輩が大事だからと言ったら、一部を言い換えてと言われたのでお願い通りに言い直そうとしたところで、これじゃ俺が先輩に告白している様だと思い言い淀む。
「え? いや、そうじゃなくて……いやじゃなくて……あぁもう! 一体何なんですか! 大体、なんで俺なんですか。別に俺じゃなくても「イヤよ」……え?」
「他の誰かじゃイヤなの! 私はヒロがいいの!」
「え……いや、でも……俺は先輩とは……」
「私がイヤなの!」
「……だから、なんで俺なんですか?」
「……言いたくない」
「えぇ!」
「……だってひかれるから」
「ん?」
俺が愛の告白めいたことを言ってしまえば、先輩がイヤな思いをするんじゃないかと言えば、先輩はそんなことはないと言うし、俺じゃないとイヤとも言う。
でも、理由は言いたくない「ひかれるから」ってどういうことなの?
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