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第三章 旅の始まり
第三十一話 よぉく考えよう
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「で、話って何?」
「おう、聞いてくれるのか」
「聞くまで帰さないって雰囲気だけど?」
「まあ、そう急くな。そうだな、少しばかり人が多いか。宰相よ」
「はっ」
王が隣の宰相に何かを告げるとグッタリとしているヘリオ王子が複数の衛士に抱えられ退室させられる。そして、部屋の中には俺とアオイとタロ、それに王と宰相だけが残る。
「ふむ、大分静かになったな。では、本題に入ろうか」
「いいから、早くしてくれ」
「分かった分かった。よいか、余の願いというのは……」
王の話を聞いてやっぱり聞かなきゃよかったと思った。そして聞いてしまったからにはどうにかしてくれるんだろうなとどこか期待していると言うよりは命令だとでも言いたげな王の顔が目に入る。
「で?」
「ん? 『で』とは?」
「だから、俺があんたの頼みを聞いたとしてだ。あんたは俺に何をしてくれるんだ?」
「ふむ。では、何を望む?」
「なら、俺からはたった一つだ」
「ほう、一つだけでよいのか?」
「ああ、一つだけだ」
「まあ、よかろう。だが、それは可能なのであろうな」
「ああ、至極簡単だ」
「ほう、では、その褒美の内容を聞かせてもらおうか」
「ああ、いいか。それはな……『俺への不干渉』だ。どうだ、簡単な話だろう」
「……」
「どうした? 簡単過ぎて拍子抜けか?」
「いや、そうではない。そうではないが……それはつまり、コータ殿に対して余達からの連絡を含め一切の関係を断つとも聞こえるが?」
「その通りだ。簡単な話だろう」
「……少し考えさせてもらえないだろうか」
「はぁ? なら、この話は無しだ。帰らせてもらうぞ」
「ま、待て!」
「なんだよ。受けるのか受けないかだけの簡単な話だろ」
「だが、それではどう転んでもコータ殿との縁は切れてしまうではないか!」
「そうだよ。分かってくれたんだね」
「ぐぬぬ……」
王が俺との関係を断ち切ることに躊躇しているのは分かるが、俺としては全くと言っていいほど気にならない。何故かと言えば、王からの依頼を実行すれば、この国がすぐにどうこうされる心配はないだろうということと、『もしかして』があったとしてもゆっくり対処出来るだろうとの算段もあってのことだ。
それよりは、ここの面倒臭い王家との関わりを断つ方が有益だ。
だが、王やこの国からすれば、俺がしてきたのは英雄行動とも言えることだ。このまま関係を断ってしまうのはどうしても避けたいことだろう。だけど、俺はこの依頼報酬を覆すことはない。
であるならば、依頼内容を見直すか、もしくは依頼そのものを取り消すことを考えるだろうが、俺は依頼報酬としては『関係断絶』以外を要求するつもりはない。
つまりは依頼内容の大小に関わらず俺は一貫してこの報酬を提示するだけだ。
王と宰相はさっきから互いの頬が着くくらいに顔を近付けなにやら相談しているが、それが纏まることはないようだ。
王も宰相も俺という魔族に対する切り札は持っておきたいのだろうが、俺自身がそれを断りたいと言っているのだから無理な話だ。
では、依頼を取り消すのかと言えば、それはそれで国家運営の根幹に関わることなので、即実行して欲しいのだろうが、その報酬として俺との関係を断つと言うのだから、どちらが得なのか天秤に掛けているのだろうが、その答えは出るのだろうか。
そんな風に二人の様子を黙って見ていると「コータ殿。申し訳ないが、今日明日中に答えを出すことは出来そうにありません」と宰相が声を掛けてきた。
「そう、でも俺は明日にはここを出るからね」
「そうですか……それは考え直していただく訳には「ムリ!」……分かりました。長々とお引き留めしてしまい申し訳ありませんでした」
「いいよ。これで最後と思えばいいんだし」
「……そうですか。では後日、ご連絡させて頂きますが、連絡先はどの様にすればよろしいでしょうか?」
「それなら、冒険者ギルドに俺宛でメッセージなりなんなり届けておいてくれたらいいから」
「……分かりました。では、そのように致します」
「うん、じゃあね。アオイ、タロ、お待たせ」
「ふぅ~やっと終わりか」
『お腹空いた』
「そうだね。じゃ、ちょっと屋台見てからにしようか」
『うん!』
俺はアオイとタロと一緒に城から出ると「結局、また何ももらえずか」とアオイに言われ「あ!」と思うが、最初から期待していた訳じゃないと直ぐに気持ちを切り替える。
「それよりも馬車はどうするんだ?」
「あ~それもそうだったね~どうしようかな」
「お! 兄ちゃん、馬車が欲しいのかい?」
「え?」
途中の屋台で串焼きを買い、食べながらそんな話をしていたら、横から見も知らぬお兄さんに声を掛けられた。
「えっと何?」
「何って馬車が欲しいみたいなことを言ってただろ」
「あ~うん、確かに言っていたけど、それで?」
「それでって、そこまで言われてはいそうですかとはならないだろ。だから、俺が馬車を世話するって言ってんだよ」
「間に合ってますから、じゃ!」
「あ、おい! ちょっと待てって!」
「だから、いいです。遠慮します。他の人を頼って下さい。では、ごきげんよう」
「だから、待てって……いや、待って下さい。お願いします!」
「えぇ~」
お兄さんは俺達が馬車の話をしていたのを聞いて、一枚噛もうと思っているのかどうかは分からないが、俺が話を聞く気がないと無下に遇っているにも関わらずにグイグイと来るのが鬱陶しい。
だから、「さようなら」と言っているのだけど何故か俺に対し土下座までしてきた。
「また、面倒ごとなの?」
『肯定します』
「おう、聞いてくれるのか」
「聞くまで帰さないって雰囲気だけど?」
「まあ、そう急くな。そうだな、少しばかり人が多いか。宰相よ」
「はっ」
王が隣の宰相に何かを告げるとグッタリとしているヘリオ王子が複数の衛士に抱えられ退室させられる。そして、部屋の中には俺とアオイとタロ、それに王と宰相だけが残る。
「ふむ、大分静かになったな。では、本題に入ろうか」
「いいから、早くしてくれ」
「分かった分かった。よいか、余の願いというのは……」
王の話を聞いてやっぱり聞かなきゃよかったと思った。そして聞いてしまったからにはどうにかしてくれるんだろうなとどこか期待していると言うよりは命令だとでも言いたげな王の顔が目に入る。
「で?」
「ん? 『で』とは?」
「だから、俺があんたの頼みを聞いたとしてだ。あんたは俺に何をしてくれるんだ?」
「ふむ。では、何を望む?」
「なら、俺からはたった一つだ」
「ほう、一つだけでよいのか?」
「ああ、一つだけだ」
「まあ、よかろう。だが、それは可能なのであろうな」
「ああ、至極簡単だ」
「ほう、では、その褒美の内容を聞かせてもらおうか」
「ああ、いいか。それはな……『俺への不干渉』だ。どうだ、簡単な話だろう」
「……」
「どうした? 簡単過ぎて拍子抜けか?」
「いや、そうではない。そうではないが……それはつまり、コータ殿に対して余達からの連絡を含め一切の関係を断つとも聞こえるが?」
「その通りだ。簡単な話だろう」
「……少し考えさせてもらえないだろうか」
「はぁ? なら、この話は無しだ。帰らせてもらうぞ」
「ま、待て!」
「なんだよ。受けるのか受けないかだけの簡単な話だろ」
「だが、それではどう転んでもコータ殿との縁は切れてしまうではないか!」
「そうだよ。分かってくれたんだね」
「ぐぬぬ……」
王が俺との関係を断ち切ることに躊躇しているのは分かるが、俺としては全くと言っていいほど気にならない。何故かと言えば、王からの依頼を実行すれば、この国がすぐにどうこうされる心配はないだろうということと、『もしかして』があったとしてもゆっくり対処出来るだろうとの算段もあってのことだ。
それよりは、ここの面倒臭い王家との関わりを断つ方が有益だ。
だが、王やこの国からすれば、俺がしてきたのは英雄行動とも言えることだ。このまま関係を断ってしまうのはどうしても避けたいことだろう。だけど、俺はこの依頼報酬を覆すことはない。
であるならば、依頼内容を見直すか、もしくは依頼そのものを取り消すことを考えるだろうが、俺は依頼報酬としては『関係断絶』以外を要求するつもりはない。
つまりは依頼内容の大小に関わらず俺は一貫してこの報酬を提示するだけだ。
王と宰相はさっきから互いの頬が着くくらいに顔を近付けなにやら相談しているが、それが纏まることはないようだ。
王も宰相も俺という魔族に対する切り札は持っておきたいのだろうが、俺自身がそれを断りたいと言っているのだから無理な話だ。
では、依頼を取り消すのかと言えば、それはそれで国家運営の根幹に関わることなので、即実行して欲しいのだろうが、その報酬として俺との関係を断つと言うのだから、どちらが得なのか天秤に掛けているのだろうが、その答えは出るのだろうか。
そんな風に二人の様子を黙って見ていると「コータ殿。申し訳ないが、今日明日中に答えを出すことは出来そうにありません」と宰相が声を掛けてきた。
「そう、でも俺は明日にはここを出るからね」
「そうですか……それは考え直していただく訳には「ムリ!」……分かりました。長々とお引き留めしてしまい申し訳ありませんでした」
「いいよ。これで最後と思えばいいんだし」
「……そうですか。では後日、ご連絡させて頂きますが、連絡先はどの様にすればよろしいでしょうか?」
「それなら、冒険者ギルドに俺宛でメッセージなりなんなり届けておいてくれたらいいから」
「……分かりました。では、そのように致します」
「うん、じゃあね。アオイ、タロ、お待たせ」
「ふぅ~やっと終わりか」
『お腹空いた』
「そうだね。じゃ、ちょっと屋台見てからにしようか」
『うん!』
俺はアオイとタロと一緒に城から出ると「結局、また何ももらえずか」とアオイに言われ「あ!」と思うが、最初から期待していた訳じゃないと直ぐに気持ちを切り替える。
「それよりも馬車はどうするんだ?」
「あ~それもそうだったね~どうしようかな」
「お! 兄ちゃん、馬車が欲しいのかい?」
「え?」
途中の屋台で串焼きを買い、食べながらそんな話をしていたら、横から見も知らぬお兄さんに声を掛けられた。
「えっと何?」
「何って馬車が欲しいみたいなことを言ってただろ」
「あ~うん、確かに言っていたけど、それで?」
「それでって、そこまで言われてはいそうですかとはならないだろ。だから、俺が馬車を世話するって言ってんだよ」
「間に合ってますから、じゃ!」
「あ、おい! ちょっと待てって!」
「だから、いいです。遠慮します。他の人を頼って下さい。では、ごきげんよう」
「だから、待てって……いや、待って下さい。お願いします!」
「えぇ~」
お兄さんは俺達が馬車の話をしていたのを聞いて、一枚噛もうと思っているのかどうかは分からないが、俺が話を聞く気がないと無下に遇っているにも関わらずにグイグイと来るのが鬱陶しい。
だから、「さようなら」と言っているのだけど何故か俺に対し土下座までしてきた。
「また、面倒ごとなの?」
『肯定します』
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