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第二章 これからの生き方を求めて
第1話 薄汚れた魂
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女神ミルラの前に大小様々な魂が並んでいるが、そのどれもが……美しくない。いや、ちゃんと言うなれば、そのどれもこれもがくすんでいたり滲んでいたり、濁っていたりと、そのどれもが白く輝いてはいないのだ。
『あの子の魂はまばゆいくらいに白くてくすみもなくキレイだったのに……これはどういうことなのかしら』
『ミルラ様、これで全部揃ったようですよ。でも、こんなに集めてどうするんですか?』
『そんなのは決まっているじゃないですか。イッてもらうんですよ』
『え? 行くってどこへ?』
『それは決まっています。あの子がいる異世界です』
『えぇ~いいんですか? こんな……『ハッキリ言ってもいいですよ』……はぁ、こんな汚い魂を行かせてもいいんですか?』
三級神マリアは、フワフワと浮いている汚くて輝きすら失っている魂達を前にして、女神ミルラに確認してしまう。
だが、女神ミルラはそんなマリアの様子に『ふふふ』と笑うと『だからですよ』と言う。
『だから?』
『ええ、もうここまで汚れた魂は元の世界で輪廻に加わっても単に迷惑でしょうから、いっそ異世界に転生してもらった方がいいかと思いまして』
『でも、それだと異世界の人達が困りませんか? こんな人達ですから、必ずヒャッハーしますよ』
『それは大丈夫です』
『え?』
『だって、転生するのは魔物ですから』
『えぇ~そんなことしていいんですか?』
『いいんです。だって、あの子を虐めてきた人達なのですから』
『でも……なんか向こうにゴミを捨てるみたいで気が引けます』
『……』
そんなマリアの言葉に女神ミルラが顔を顰めるので、マリアは何か変なことを言ってしまったかと不安になる。
『え、私何かヘンなこと言いました?』
『いえ。ですが、仮にも人の魂をゴミと言い切ってしまうあなたをほんの少しだけ……怖いと思いました』
『え~それをミルラ様がいいますか! それこそマッチポンプというものでしょ。ミルラ様が種を蒔かなければ、ここに並んでいる魂ももう少し輝いていたハズですよ』
『それ、本当に思っていますか?』
『う……』
『確かに私は少しだけ背中を押しましたよ。でも、そのくらいで転ぶくらいなら元々の素養があったとも言えるのではないでしょうか』
『う~そうかもしれません』
『では、同意してもらったということで、早速異世界へと行ってもらいましょう。皆さん、準備はいいですか? まあ、返事は聞きませんけど。それでは行ってもらいましょう』
薄汚れた感じの魂達は、女神ミルラの案内により異世界へと旅立つのだった。
『あの子の魂はまばゆいくらいに白くてくすみもなくキレイだったのに……これはどういうことなのかしら』
『ミルラ様、これで全部揃ったようですよ。でも、こんなに集めてどうするんですか?』
『そんなのは決まっているじゃないですか。イッてもらうんですよ』
『え? 行くってどこへ?』
『それは決まっています。あの子がいる異世界です』
『えぇ~いいんですか? こんな……『ハッキリ言ってもいいですよ』……はぁ、こんな汚い魂を行かせてもいいんですか?』
三級神マリアは、フワフワと浮いている汚くて輝きすら失っている魂達を前にして、女神ミルラに確認してしまう。
だが、女神ミルラはそんなマリアの様子に『ふふふ』と笑うと『だからですよ』と言う。
『だから?』
『ええ、もうここまで汚れた魂は元の世界で輪廻に加わっても単に迷惑でしょうから、いっそ異世界に転生してもらった方がいいかと思いまして』
『でも、それだと異世界の人達が困りませんか? こんな人達ですから、必ずヒャッハーしますよ』
『それは大丈夫です』
『え?』
『だって、転生するのは魔物ですから』
『えぇ~そんなことしていいんですか?』
『いいんです。だって、あの子を虐めてきた人達なのですから』
『でも……なんか向こうにゴミを捨てるみたいで気が引けます』
『……』
そんなマリアの言葉に女神ミルラが顔を顰めるので、マリアは何か変なことを言ってしまったかと不安になる。
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『いえ。ですが、仮にも人の魂をゴミと言い切ってしまうあなたをほんの少しだけ……怖いと思いました』
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