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第5章 ついに始まった本当の戦い。
第18話 ガス王都内 攻防戦 その1
しおりを挟むカザトは、目を覚ました後にすぐに移動する。
セーフティールームを作るためだ。
空間魔法で、ある商家の地下に地下室をつくる。
滅菌・抗菌の魔法陣を展開して、セーフティールームを作る。
さぁ、ガス王都戦だ。
まずは、あの天然痘を巻き散らかしている、カメレオンだ。
奴は、すぐに倒す!
カザトは、錬金術道具を亜空間庫からだして、抗菌剤を作ろとしたがそんなに時間をかけられない。
それに、メールの添付ファイルを読むと、この怪獣達は、向こうの異世界の人類文明を壊滅させている。
文明的には、提出された報告書では地球と同じ光景だったらしいのだが、実態はこことは変わらなかったとのこと。
鑑定すると、耐毒物スキルがある。
焼くか。
奴は今はガス王都の城の城壁に同化していたが、鑑定眼では見えている。
そんなに城壁が好きなら、縫い付けてやるよ。
ロックランス!
城壁の鉱物を槍に変質させて、串刺しにして城壁に縫い付けてしまう。
なんだ?
緑の強酸の血液か!
燃やす!
ファイヤーウォール!
壁のなのだから、壁ごと燃やしてしまえ!
カメレオン
「ギャーオ!」
なんだ?
なるほどね、身体を耐熱仕様に変化させたのか。
属性変化は既に鑑定でわかっていたが、なるほどね~、そうやるのか。
細胞ごと属性変化させて、周囲に溶け込ますのかよ。
で?
倒す手段が、無いのかって?
こちらも、考えている手があるのだ!
前に間違って作った塩酸を水魔法でカメレオンの傷口から無理矢理体内に流し込む!
どうだ!
カメレオン
「……」
アレ?効いていない?
だが、カメレオンの奴が攻撃する前に殺る。
カザト
「絶対零度」
カメレオンをすぐに凍らせていくと、後ろから襲って来るやつがいた。
コカトリスだ!
石化ブレスが、やってくる。
すぐに避けるが、石化ブレスはカメレオンに当たる。
あ?
カメレオンの奴の石化した皮膚が剥がれていくな。
なるほどね、変形脱皮か!
クソ、キノコもこちらに来た。
そして、ヒマワリにヒヨコも来た。
ありったけの魔力を込めて、カメレオンとコカトリスに滅菌・変性細胞除去魔法陣をスタンプして、カザトは光魔法での光学迷彩と気配遮断で、撤退する事にした。
セーフティールームに帰ってきたカザト。
カザト
「ハァハァハァ、ギリギリだったな。
ここまで、消耗するとは。
う!そう言えば、昨日から…」
カザトはすぐにトイレ行った。
その頃、カザトに魔法陣を手加減無い魔力で撃ち込まれたコカトリスは、千鳥足になっていた。
フラ~フラフラ~。
その体内では、血液中の栄養素を分解、合成、していた細菌や、他の怪物からの細菌やウイルスを食っていた細菌などが、片っ端から死滅していくのだ。
そう!
栄養素が足りなくなって、しまった。
目眩がする。
ドシン!
倒れてしまったコカトリス。
それを好機として、動く触手ヒマワリが丸呑みしてしまう。
こうして、すぐに騒ぎは終わった。
その頃、カメレオンは体内の異変によって、得意の属性変更が、できなくなっていた。
なぜだ!なぜ!
カメレオンは、自分の串刺しになった身体を調べる。
なに!
腕が、脚が、動かない!
自動再生が効いていない。
ハァハァハァハァ
なんだ?いくら空気を吸っても、身体に窒素が取り込めない。
(このカメレオンは、酸素を取り入れのでは無く、窒素呼吸らしいです。)
な!何!
身体の中の血の色が変ってきている。
う!
カメレオンは、切り札を使う。
非常事態とみて、卵を生むのだ。
しかし、なぜか卵の殻が生成出来ない。
カザトが、無理矢理流し込んだ塩酸(カザトは塩酸だと思っているが、実は高濃度純粋液化塩素。この異世界特有の物理現象で、フェイクランドでは普通の事。)が、反応した結界であった。
しかもカメレオンの日常なら、こんな化学薬品なんて血液中の細菌とウイルスがなんとかするのだが、カザトが、スタンプした滅菌魔法陣によって死滅して、無菌、無ウイルス状態になってしまった。
カメレオンは、最後のあがきとして、天然痘ウイルスの塊の毒袋を吐き出そうとしたが、滅菌魔法陣の侵攻は、カザトが寝てしまって供給される魔力が多くなった為に、早かった。
天然痘ウイルスは、無力化されて単なるアミノ酸の硬い塊に分解・変化する。
カメレオン
「う!」
カメレオンは、固くなった毒袋で喉を塞いでしまって窒息してしまった。
次の日、カザトは起きた途端にまずトワイライト達に報告をする。
カザト
「どうも、この怪獣どもは人の都市を襲い慣れているな。
時間がかかるかもしれない。」
トワイライト
「無理はだめですよ!
邪神達の監視班からは、まだ動いていないと報告が来ておりますが、油断できません。
動きがあれば、すぐに撤退してくださいよ!」
マーベル
「今、冒険者ギルドから邪神バッタと邪神イナゴに動きがあったと、報告が来た。
植物の怪獣と戦闘になったみたい。」
その頃、冒険者ギルド各支部のギルドマスター達が、本部に魔導通信をつないで会議をしていた。
カザト側代表メーベル
「今、カザト様からの報告の映像が入りました。
ガス王都は、機能停止。
勇者となったガス貴族勇者達はすでに、精神を乗っ取られている模様。
これが、現地影像です。
そして、カメレオンとコカトリスとの戦闘になりました。
現地では、病気になる特殊条件下にあり、魔力の消耗が激しいので、安全地帯を構築しての活動になります。
ワールドルールによって、王都を破壊する極大火力魔法が使えません。
あのガス国王が、わざわざ王都にこもって修復させられるようなほど強制力が働いた事を考えると、いかに怪獣達の心地よい戦場になっているかが、伺えます。」
某小国ギルドマスター
「既に、現地に向かっていたのか。
俺等は、それよりも邪神の討伐を強制要請するつもりだったのだがな。」
メーベル
「私の持つギルドマスター資格を使用してでも、その要請は阻止させていただきますよ。
あなた達の奴隷ではないのです。」
元ゲルー王国亡命政府ギルドマスター
「ま、まて!マーベル・メーベルを敵に回すつもりは無い。
もう、邪神に対抗出来る戦力はないのだ!
協力してくれてもいいじゃないか。」
ニャントゥ王国亡命政府ギルドマスター
「それに、聞きたい事がある。
どこから、女王替え玉の事が漏れた!
あれは国家機密だった。」
メーベル
「国家機密のクソ偽女王を使って、人をよくも奴隷扱いしてくれたな!」
グランドマスター バッカー
「カザトは、もう強制依頼免除の地位だ。
その事を肝に命じて置くように。」
ニャントゥ王国亡命政府ギルドマスター
「ち!
だが、邪神は討伐してもらうぞ。」
メーベル
「奴隷扱いは、お断りです。
そうそう。ニュースソースは、あなた達と違って死の森や、闇の沼や、豪氷の谷を越えてある国にやってきた、あなた達が捨てた勇気ある民です。
既に、3カ国が国境地帯を知識無しで移動したことに対して勇気をたたえて、検問などの法による罰を免除して、街民権をあたえました。
これを、先程の国家機密漏洩の答えとします。
そうそう、民を捨てた以上あなた達には、罰する事もできませんからね。
そして、先程の言葉にお答えしましょう。
邪神を、討伐してもらうぞだと!
貴様らでやれや!
これ以上、奴隷扱いすると私達が貴様らを先に討伐してやるぞ!
亡命政府だ?
海岸部に建てた建物は、既にこちらは把握済みだ!
場所がわからないから、言いたい放題だと思うなよ!」
(人魚達の働きでバレていた。)
バッカーは、思い出した。
そうだった。
なぜ?マーベルだけが、受付嬢をしていたのかと言う事を。
マーベルは、どちらかと言うと人の話を聞いて、腹が立つと料理をするが如く、よく骨だけを砕いてボコボコにする性格なのだが、メーベルは、ケンカ・戦争となるとスプラッターの如く、血祭りにする性格だったのだ。
マーベルだけをよこさずに、メーベルも寄越したということは、既にカザト側の女性陣はキレていると判断した、メーベル・マーベルを知る8割のギルドマスター。
そして、亡命政府よりも重要な施設である海岸部の裏政府の建物を場所を言われたニャントゥ亡命政府のギルドマスターは、言葉が出なかった。
虐殺のメーベル・マーベルを舐めるな!
これは、最新のギルドの[絶対に敵対するなリスト]に載るパーティーの情報欄に書かれた、たった1行の言葉である。
(実は孫であることがわかった、神聖皇国の皇主の裏圧力が始まりだったのだが、今は色々な意味を持ってしまった1行である。)
ここまで、独自の情報網があるだと!
ニャントゥ王国亡命政府の位置も既に知っているな。
まずいと、ニャントゥ王国亡命政府ギルドマスターは、思い出した。
ワンダフル王国ギルドマスター
「ハァ、だがあの異世界の怪獣には参った。
ガス国王も、他の国を侵攻する時だけ全力を出して、怪獣や邪神が来た時はすずんで部下になりやがる。
もう、奴らをモンスター認定して討伐したらどうだ?」
某小国ギルドマスター
「私も、それに賛成です。
ニャントゥ王国も酷いが、ガス王国は酷すぎる。」
【速報】「ガス王国の国王と貴族は、モンスター扱いにする。」が、冒険者ギルド会議で可決される。
しかし、カザトに邪神討伐の依頼をするギルドマスターは、多かった。
傷つく民を見てられないと言うのは、人情的にもわかる。
マーベルとメーベルも鬼ではない。
だから、全く受け付けないとは言わないが、馬車馬の以上に過酷な使い方をしようとする者達の言うことは聞かないと宣言する。
それには、ニャントゥ王国亡命政府ギルドマスター以外の挙手で、承認された。
そして、本題に入る。
ウマンゴー王国冒険者ギルドマスター
「ニャントゥ王国は、邪神に鞍替えしたようだな。
前管理者神様のお使いを裏切ったと報告が来た。
貴様らは、やはり邪神フェイクの手下か?」
ニャントゥ王国亡命政府ギルドマスター
「(クソ、なんとかして、フェイク様に朗報を伝えられるようにしないと。)
邪神とはなんだ!管理者神様だぞ!」
冒険者ギルド会議は、紛糾する。
その事、カザトは油をガス王都の広場に撒いていた。
マーベルからの情報で、勇気召喚以前は花壇になっていた所は火の仮説祭壇であり、そこで前管理者神を祈る祭りがされていたという事を聞いたカザトは、キノコしか生えていない花壇を、火魔法で灰にして土を除去して火を灯す事にした。
少しでも、空気中のウイルスと細菌濃度を減らさないといけない。
さて火がついたから、あのカメレオンを倒しに行くか!と、城壁に行くとカメレオンが力尽きて灰になった後であった。
気配遮断が、うまかったので生命力探知をしていなかったが、あの攻撃は効いていたようだ。
鑑定でも、カメレオンが討伐された途端に天然痘ウイルスが消えた事がわかったのだが、突然カザトを襲う激痛!
カザト
「い、痛い!なんだこれは!」
その日の予定をすべて止めて、セーフルームに帰ったカザト。
「ピコリン♫ カメレオン討伐により、膨大な経験値が入ります。
身体に順応するまで20時間お休み下さい。」
え?
コカトリスは、討伐されていない?
カザトは、食われたはずのコカトリスを思い出していた。
あの、ヒマワリ。
化けるかも。
嫌な予感しかしないカザトは、気を失った。
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