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第2章 動きだした凶悪な者達
第45話 カザトは借り拠点整備中
しおりを挟むゴブリン帝国と呼ばれていた所。
しかし、そこはおとぎ話ではこの世界の子供達は、絵本でよく知る国であった。
本当の名前は不明。通称・精霊達の館
その城の元の住人いわく国というよりも別荘であったと、大精霊(光焔)プロミネンスは言う。
そう、精霊達の館と言われた城であった。
しかし、悲しいかな?
魔力が貯まる所に設計されたその館は、第2世代管理者神フェイクの就任後に、魔王ホイホイ作戦の魔王召喚陣を設置させられてそしてこの世界にあった世界樹4本の内3本は、行方不明となってしまう。
そんな城を今、カザトは寝起きのリハビリ代わりに掃除していた。
今のしかし、雑巾で拭いた程度で百年以上ののゴブリンの匂いが消える訳が無い。
ムカついたカザトは、洗剤と魔道具を作り出していた。
6時間の格闘のあと、なんとか試作品が出来上がる!
高圧洗浄機である!
しかし、これを使うには大量の水がいる。
なのでまず、近くの洗浄の湖と呼ばれた、身を清める池を掃除することになった。
ゴブリン達の巣となったあと、ヘドロで沼となった湖。
カキン!
カザトは、スコップが跳ね返される硬さになった、ゴブリンヘドロの恐ろしき処理の難しさをすぐに悟って、まずは高炉を作る事にした。
いわゆる、ヘドロ焼却炉である。
まじで、公害が出ないように作るしかない。
困ったな~!!
炎で燃やすと、灰が飛ぶ!
間違いなく汚染された森が、さらに汚染されるから駄目だ!
こんな時にあいつがいたらな~なんて、本気で頭を抱え込んで転がりながら考えるガサト。
光魔法で焼いたらとか?
神聖魔法で浄化すれば?
とか、浄化スキルを使うとか考えたが…
というかやったけど…
その空間の浄化許容範囲を超えていた汚れなので、少しづつしか汚れが取れない。
しかも、汚れ処理中のその空間に、重ねがけの浄化はできないのだ。
わかりやすくいうと、焼却炉が満杯!
掃除機のタンクが満杯状態なので無理だと言うこと…。
カザトが、うなって!悩んで!転がっていた頃
トワイライト達は、精霊の館の近くの謎の祠周辺の掃除をしていた。
こんなものは、ゴブリン領になる前はなかったと、大精霊(光焔)プロミネンスは言っている。
まだまだ黒邪気が濃いこの領域では、プロミネンスが少しずつでも邪気を焼かないと、とても真っ暗で、昼間でも視界30メートルすらないのである。
邪神ゴキブリとの戦いでかなり焼いたが、旧魔王領から流れてくる黒い邪気が、また流れ込んできていた。
聖なる結界を張ってもすぐに劣化していく!
そんな所である。
そんな所に、冒険者ギルドのカザトを使って邪神と戦わせよう派の者達は、また、別の特選部隊を送り込んだが、ドワーフ領から出て、たった2日で帰って来た。
彼らは言う。
「無理無理! 聖石の結界? 見ろよこの砕け具合!
旧ゴブリン帝国に入る前の結界にすら近づけなかったよ!」
「副グランドマスター?
聞こえてますか?
無理ですよ!
あんな領域に入って戦ったカザトさんに、これまでの事を謝って計画は白紙にしましょうよ!」
なんて、いうから冒険者ギルドの副グランドマスターは怒る怒るが、無理なものは無理なのだとして彼らの計画は進まなかった。
ガス国王達は、いつまでも廃城にいるわけにはいかないので、食料が尽きるまでに移動することを決意する。
もう、ガス王都に行っても王都民どころか、犯罪者ギルドすらいない街になってしまった。
ガス国王の悪過ぎる所は反省をしないところである。
宰相もだ!
やはり兄弟!よく似ている。
国王の中の天使もなんとか瀕死の状態を脱出したが、まだまだ動けない状態である。
勇者達?
魔力が、魔導マシンガンの撃ちすぎで、今は昏睡状態だ!
レベルはかなりあがった?
いや、前のレベル30にやっと戻ったのである。
しかし、ガス国王達は物凄く危機感を漂わせていた。
勇者達の経験値強制没収行為は、はっきりと言うと天使達に魔王討伐の意志は有るのか?と言う疑問が出てきたのと、勇者達の魔王討伐のやる気が元々なかったのに、さらにやる気を無くす行為だとして、最終的には奴隷の首輪を
今すでにつけているのだが、それでも戦わない状態になると予想できるほど、酷い状態になってしまった。
ガス国王
「どうする?
ラッドの兄貴は、恐らく俺達を追い返すだろうな…。」
宰相
「国政が、乱れてもスキル(王紋)の持ち主しか国王になれない。
ラッドの兄貴は、どうやってかそれを後付で獲得した。
親父(先王)はそれすら認めなかったから、ラッドの兄貴は完全に怒って親父(先王)に(そんなに、弟が可愛いのなら最期まで見ればいい!)と、言ってガス王都に残したらしい。
なぁ?お前?軍事費の使い込みを反省しろよ?
そして、頼らずに軍隊を再編する位の国王としての能力を見せろよ!
命令だけしないで、自分が動けよ!
わかっているのか?」
ブレーダー王女
「ハァ…。
で?
お父様?
どうされますか?
部下天使様達は、重症。
勇者達も、満足に成長できないとわかった以上、天使様達に勇者達の成長の保証と、軍隊と国の再編を手伝ってもらわねば、あの邪神ゴブリン達を倒すことなんて無理です。
今から、その交渉をするべきだと思いますが。」
宰相
「交渉に、応じる相手か?」
ガス先王
「どこから狂ったのじゃ?
なぁ?
まずは、冒険者カザトを呼ぶしかあるまい。
そして、ブレーダーの非礼を詫びて戦わせるしかあるまい。」
宰相
「まだ、そんな事を言っているのか?
恐らく、俺等の前にはもう出てこないかもしれない。
そして、冒険者ギルドが動いたとしても無理だろう。
すでに、怒りはそこまで行っている。」
ガス国王
「立て直せ!立て直せ!と、いうがどうしろと言うのだ!
すでに!ガス王都を出た時から、いつの間にか騎士団長達もいなかった。
あいつら、俺等が寝た時に王都を抜け出ていたのだ!
カバンに、辞表が全員騎士の連名で入れられていた。」
宰相
「カバンに、入っていたという事は着替えの時か…。
つまり、ガスト王都に逃げ込んだ時だな。」
ブレーダー王女
「冒険者ギルドに責任を取らせたら?」
ガス先王
「本部はどこにあるか、わからない。
邪神戦争時は、リーンゴ王国にあったから望みを持っていたが…
ラッドは、怒っている。
しかし、国王に選ばれたのはお前なのだ!
フェイク様に選ばれたのは、お前なのだよ!
だから、ラッドにはお前を支えて欲しいと願ったが、あまりにもお前はろくでもない事をやりすぎた!
ブレーダー!お前もだ!
ガス公爵を殺し!
さらに公爵を殺して!
そのせいで、ガス2世はこちらの言うことをきかなくなったのと、他の公爵達もラッドの味方となった。
冒険者カザトに誠心誠意謝罪して、説得して連れてこい!
ドワーフ公認の女王の伴侶でブラー国王と盟友であり、公爵家の娘とも公認のなかである。
そして、ベイントス公国の実質的な裏の権力…。
神聖皇国の皇主とも、盟友であり、帝国の皇帝ですら認めた者。
ガス王国に必要なキーマンだと、まだ気が付かないか?」
ブレーダー王女
「わかりました。
まずは、キスカに連絡を入れて行動を始めます。
そうだ!お父様?
私には、知らない妹がいるらしいですわね?
そいつを、使ってカザトを懐柔させたほうが早くなくって?」
[ブレーダー王女は何度もペラペラになるほど、踏んづけられたり上空から叩き落されたりしていたので、一部記憶混乱と一部記憶喪失をしている。
異母妹 ヒーラー・ナタリー、親戚の聖騎士・メリーの事は記憶がおぼろげなのだ!]
宰相
「無理じゃボケ!」
ガス国王
「そうなのだよ!クソ!娘!」
先王
「お前が動け!クソ孫!」
ブレーダー王女が、いきなりキレだした親たちにムカついたが,訳を聞くとすでにそんな計画を立てたときには、
ブレーダー王女が自分の姉だと知って、「あんなキチガイの妹なんてイヤ!」と言って、ある女騎士と一緒に駆け落ちしたという。
ブレーダー王女
「ハァ?駆け落ち?」
[やはり、一部記憶喪失である。]
宰相
「好きな人が、出来たからその人の元に二人で結婚しに行くだとよ。
ついでに言うと、その女騎士はお前がその昔品が無いとか、女らしくないから屋敷の掃除でもしていろと、散々言っくれた儂の娘だよ!
神聖皇国の皇主も公認だな。
今は、神聖皇国の騎士としてゴブリン達を討伐しているから、彼女たちを使おうとしても、もう無理じゃ!」
ブレーダー王女
「なら!魔王討伐の権限を使ってでもその男と別れさせて、カザトに肉体を使ってでも、こちらに引き込ませたらいいじゃない!」
ガス国王
「お前?ナタリー達に刺客を放ったよな?
ゴブリン達の軍勢の中に放り出して、殺されるように仕向けたのはお前だよな?」
ブレーダー王女
「そうよ!
それのどこが悪い!
隠してまで、可愛がるというのは娘にとって裏切りよ!
わかってる?
それを、いくら言おうが無駄よ!」
宰相
「お前よりも年上なのじゃ!」
先王
「隠したのではなくお前たちが、略奪した! それも、いつバレるか…。」
ブレーダー王女
「ハァ? つまり、うちの母が悪いの?
チッ!
なら!正当な王女様が、カザトを懐柔できるか見せてもらいましょうか!
どう?」
宰相
「アホ!
そんな簡単な問題だったら、俺等はすでにやっておるわ!」
ガス国王
「全く、貴様は他の騎士を脳筋なんて馬鹿にするが、貴様の方が脳筋だぞ!
駆け落ちした相手は、二人を殺されそうになったときに助けた、ある冒険者なんだよ!」
ガス先王
「そうじゃったか。
これでやっと儂にもわかった。
ズル賢い宰相だとも言われた者でも思い通りにならなかったって事か…。」
ブレーダー王女
「ハァ? 何を言っているのよ!」
勇者・ゴン太
「うるっせーなー! 起きてしまっただろうが!
オイ!クソ王女!
俺でもなんとなくわかったぞ!
お前と、ゴブリンの魔の手から助けたのは、カザトだな?
あの時、あいつは王都戦でかなり戦いだしていたとか、ガス公爵のスパイが報告していたからな。」
ブレーダー王女
「ハァ?
ウソでしょう?
つまり?
もう、私が人肌脱いでたらしこまないと、カザトという奴はこちらに来ないと言うこと?」
その時、勇者 ゴン太は心の底から、
コイツ…たらしこめると、マジで思っているのか?
女なら、誰でもいいと思っている俺でも、コイツはお断りなのに。
と思い、その時から逃亡を本当に考えだしたのだ。
そして、その内容を危機感を持って聞いていたブレーダー王女の中の部下天使は、密かにフェイク執務室に緊急事態通信と共に「なんとかしろよ!」と送った。
フェイク執務室空間では緊急会議が行われていた。
魔神マウス姉妹の来襲!
邪神ラット姉妹の降臨!
邪神ゴブリンのまだ完全ではないが復活の兆し!
邪神バッタの侵入!
邪神イナゴの侵攻!
そして!
邪神ゴキブリ兄弟達の再攻撃!
邪神オークの勢力拡大!
すでに、7魔神・邪神群が出てきた!
先程から、ずっと鳴り止まない執務室の警報音。
あと、3魔神・邪神がやってくると、詳しい内容は知らないが、原初のこの世界の機構が動き出してしまうと、フェイクの上司様から言われている。
それだけは無いようにしろと、先程、フェイクに言いつけられたのである。
そこに勇者軍の苦境が、緊急事態通信としてやってきた。
とてもバッタ人間に敵わなかった、らしいのだ。
もはや、邪神戦争よりも酷い事になること決定の事態に、頭を抱える部下天使達は前勇者達の魂を探し出して、
○生きかえらせる事
○邪神達を討伐した後に元の世界に帰らせる事
○元の時間軸に帰るかは、地球の管理者神たちと相談してくれ
との条件で、助力を得るしかないと結論を下した。
もちろん、第2世代管理者神フェイクの承認がいるが、もし承認がおりなかったら一部の部下天使は、天界に亡命することを決めて、他からの出向組の天使は、すぐに天界に報告することを決め、第2世代管理者神フェイクに決断を求めた。
第2世代管理者神フェイク
「あいつらは、私の魔王ホイホイの協力をするの?
するのなら、生き返らせましょう!
それを、条件に交渉しなさい。」
その時、この言葉を聞いた一部の部下天使は、逃亡を心に決めて準備を始めた。
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