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第2章 動きだした凶悪な者達

第38話[幕間]やってくる邪神と魔神の軍団達

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 新ガス王国内の旧男爵の砦跡の地下空間では、怪しい光を放つ魔法陣が起動していた。

 メリメリメリメリメリメリ!
 空間が避けていきそこから出てくる者達がいた。
 それと似た事が、各国の各所で起こり出したのである。

 第2世代管理者神フェイクが張っている結界に対して、集まって来た邪神や魔神が物凄く多いのが原因であった。
 もちろん、フェイク執務室でもそれを観測していた。

 すぐに、勇者達に連絡を入れて討伐命令が出されるが、ゴブリンですら苦戦しているのに無理だとの返事しか来ない。
 それどころか、ゴブリン繁殖計画の事がバラされた為に、勇者達のやる気は体調不良もあってゼロである。
 そして、勇者達はフェイクから付与されたスキルを、使わない。
 使えと言うと、レベルが下がるから嫌だと言われる。

 新ガス国王に、返り咲いたのはいいが、国王と宰相とブレーダー王女も頭を抱える。
 ブレーダー王女は、いつ自分の生みの親が違うという理由で王女をクビになるかわからないので、前線に立って戦う事にした。
 実は、異母妹がいるらしく冒険者をやっていて、カザトにかなり接近していると最近知った時から、悲壮感を漂わせて剣を振っていた。

 今、彼らがいる元旧男爵の城は、男爵が持つ城としてはかなり堅固だ。
 勇者ゴン太達は、いやいやながら押し寄せるゴブリン達を魔導マシンガンで撃ち続けて、かなりレベルをあげていた。
 レベル0.5だったのが、今では平均レベル10まで回復したが、はっきりいうと冒険者ランクだとF級!下から二番目である。
 ガス国王は国を分割された事で、兄を説得して統一させないといけないと焦っていた。
  時間が、経つに連れて規程事実だと、されてしまうのが嫌だからである。

 まだ、自分が操られていたとしても、自分の行いと根性が原因で国が分離したのだと自覚しておらず、本当に困った国王である。
 そんな姿はブレーダー王女そっくりなので、勇者達は間違いなくブレーダー王女はガス国王の娘だとみなしていた。

勇者ゴン太
「全く、あの親子の面倒なんて見るのも嫌だぜ!
 魔王倒して、さっさと元の世界に戻ろうぜ!」

 ウォー!っと叫んだ者がいた。
 夜目似 池内(よじい いくと)という、戦士のジョブを持つ同級生である。
 何だ!何だ!と勇者ゴン太達は注目する。

夜目似 池内(よじい いくと)
「あぁ~♬ 最高だ~♪ どうやら、今ユニークスキルを獲得出来たらしい♫」

 ユニークスキル?

 ブレーダー王女も、すかさず注目する。

夜目似 池内(よじい いくと)
「[強制結婚]っていう、素敵なスキルが発現したよ~♪
 ゴン太君!
 これでゲスでクソ外道な君とも結婚できるよ~♫」

 おわかりいただけたろうか?

 夜目似 池内(よじい いくと)君は男子ではあるが、連恋愛対象は男な、そして、ヘビーメタルとゲスでクズでクソな外道に胸がキュンとなる男なのである。
 日頃は、下着だけ女性モノだ。
 真っ青になる、勇者ゴン太!

勇者ゴン太
「てめぇ! なんてことしてくれてるんじゃ! 変なスキルを危ない奴につけやがって!」
 マジブチギレで、ガス国王の襟首を掴んで詰め寄る!

 ガス国王は、その真面目に鬼気迫る真剣なゴン太の顔を見て、やばいことになったらしいと察知して、意識を沈めて(勇者育成副担当上級天使)にチェンジした。

ガス国王(勇者育成副担当上級天使)
「(てめぇ!国王なのだから勇者の対応ぐらいしろや!)」

ガス国王
「(スキル付与)なんて、部下天使様の領域ですよね!
 私の管轄ではありませんよ!)」

 宰相も、部下天使とチェンジしたらしい。
 詰め寄られているガス国王が、天使モードになって翼が出てきた。

ガス国王(勇者育成副担当上級天使)
「(クソ!わかったよ! こうなったら適当に言っとけ!)
 悩める勇者よ! 愛に性別なんて問題ありません!
 勇者よ! 勇気を出して受け入れるのです!」

 流石のブレーダー王女も、いきなりなにを言い出すのかと、服が肩からずれ落ちるほどあきれてしまう。
 イヤ、性別とかが問題なのではなくて、勇者が本気で拒否している事が問題なのだろ?
 しかし、ズレた事を言うのは、宰相の中の勇者育成担当上級天使もだった。

宰相 天使モード(勇者育成担当上級天使)
「例え嫌でも、受け入れなさい!
 勇者が性別を越えて、全ての愛を受け入れるは義務です!
 迷わず、彼の愛を受け入れるのです。」

 城の外にいた、様子を伺っていたオークキング・パシリ1号は、隙あらばガス国王を始末しょうとしていたが、こんな修羅場に付き合うのも嫌なのと、邪神オークから緊急帰還命令が出たので転移で帰っていく。

 外の、ゴブリンキングも呆れた顔をしていたが、邪神ゴブリンから帰還命令が出たので帰って行った。
 しかし、城壁の上での妙な修羅場がまだ続く。

勇者ゴン太
「何が愛だ! 双方の合意があって愛だろ!」
(婦女暴行未遂を散々やらかしているお前がいうか?)

 周りの同級生勇者達も、巻き添えになるのが嫌なので、何時でも城の水堀に飛び込めるように用意していた。

宰相 天使モード(勇者育成担当上級天使)
「落ち着いて、さぁ
 吸って!
 吐いて~!
 吸って
 吐いて~!」

勇者ゴン太
「それは出産の時の呼吸法じゃね~か!
 俺が妊娠するのが既定路線なのかよ!
 ざけんじゃね~よ!」

ガス国王
「受け入れたら、後は楽になるぞ!」

ブチ!

 その言葉で、ブレーダー王女がキレた!

ブレーダー王女
「貴様!そんな論理で異母妹を作ったのか!
 聞いたぞ!養育費すら出してなかったって。
 ただの、政敵のガス貴族達が送り込んだ偽妹だと思っていたら、ガチの妹だったとは!
 おかげで、私も暗殺者を送り込んだじゃないの!
 
 それを、助けたカザトにぞっこんだと言うけど、確かにテメーのそんな態度だと立場が同じならば私でも、そうなるわよ!」
 ガス国王が、体内でガーンとなる。
 そのことを聞いた勇者達も、白い目でガス国王を見た。

 その時である。

 ズン!

勇者ゴン太
「おわっ!揺れたか?」

 ズン!

 ズズン!

ブレーダー王女
「揺れてるわね?」

「地震か?」

宰相
「珍しいな?
 地震なんて、勇者召喚の時ぐらいしか、自然発生なんてこの世界はしないのだが?」
 その言葉を聞いて、ガス国王の顔色が変わる!

勇者ゴン太
「おいおい、まさか!」

 旧男爵の城から、くろ~い霧みたいなモノが出てきた!


ガス国王
(勇者育成副担当上級天使)
「魔瘴気か! いかん! 邪神がやってくるぞ!」

 そして、向こう側に見えていた子爵の城・本丸にも、黒い霧が立ち昇るのが見えた!

宰相 天使モード(勇者育成担当上級天使)
「なんて事だ!」

 バリバリバリバリバリバリ!
 空間がひき裂かれて旧男爵の城から現れたのは、邪神バッタ?であった!

邪神バッタ?
「俺様参上! さぁ、この世界を俺のモノにしてやるぜ!」
 何か、勇者ゴン太とよく似た言動の邪神がやってきた。

邪神バッタ?
「クソ!向こうに邪神イナゴのメーゴーが、出てきやがった!
 あいつには、負けたくねぇ!
 うん?人間か!
 よし、俺様の部下にしてやろう!」

 その時、一番近くにいた夜目似 池内(よじい いくと)が捕まってしまった!

夜目似 池内
「やめろ~!
 やめろ~!
 バッタ野郎やめろ~!」

 バリバリバリバリバリバリ!
 食われる夜目似 池内。

ペッ!

 邪神バッタが先程食った夜目似を吐き出した。
 丸い玉が石畳に吐き出される。
 そして、それが一瞬で二足歩行のバッタになった!

邪神バッタ?
「今から、貴様はバッタ人間1号として魔王候補として、俺様の忠実な部下として働くのだ!」

夜目似 池内(よじい いくと)改め、バッタ人間1号
「ざけんじゃねえよ! せっかく、ゴン太と幸せになるはずだったのに!
 こうなったなら、貴様らも捕まえてバッタ人間にしてやる!」

 目が、血走っている顔で襲いかかるバッタ人間1号!

 ヒィーーーーーー!

 同級生勇者達は、すぐに水堀に見を投げ込んだ!
 ブレーダーや国王達も、天使の羽根を収納してすぐに逃走する。

 その次の日。
 ガス王都の大門を開けようとした衛兵は戦闘態勢に入った。
 涙を流して、とんでもない悲壮な人間とは思えない顔をした勇者達が、馬を全速力で走らせてやってきたからである。
 その日のうちに、新たな邪神がやってきたのが各国に知らされた。

□□□
 勇者!激ヤセ!干からびた時に、ガス王都に近づく事を禁止を付与した腕輪は砕けてしまっていました。

 もともと時期が来たら、壊れるように作られていたようです。




 
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