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第1章 生き抜く事は大変!

第22話 我慢比べ?

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 さて、
 オレ、カザトは今引きこもりをやっている。

 山から見える国境の街マト。
 鑑定で、薄い光の力の膜?みたいな物が、レーダーのように発されているからだ。
 鑑定では、探知宝珠というダンジョン宝箱ドロップのモノらしい。

 それで、オレを探知しようとしているみたいだ。

 時々、範囲を山の頂上まで拡大させているみたいだが、この亜空間部屋は別世界なので探知が無理なのだろう。
 そして、ラッド公爵は冒険者ギルド横の宿にいる。
 何を企んでいるのやら。

 考えた…

 そして、答えらしきモノを導き出した!
 それは、ダンジョンコア!

 魔力の塊だとすれば、いろいろ利用できるから、それを手に入れるつもりだろうな。
 そして、ダンジョンドロップ品かな?
 あの探知宝珠も、ダンジョンドロップ品だ。

 しかし、これダンジョンコアは俺が元の世界に戻るときに使えそうだから、持っておくことにしたい。
 と、なるとこのラッド公爵にも、接触しないほうがいいと言うことになる。
 もうガス王家がらみのトラブルはごめんだ!

 森の中の、別ダンジョンにすぐに潜り込むって選択肢もあるが、身体の節々が痛い。
 あまりにも、強烈な力を使いすぎた。
 今は、たくさん食料もある。
 なので、ゆっくりと休むことにする。


□□□□□
(サイド  ラッド公爵)

ラッド公爵
「まだ、わからないのか?」

斥候
「はじめは、確かに気配がありました!
 我らに気づいて気配を消したのは確かです。」

魔導師
「ハイ、その後、気配と魔力が遮断されていましたが、この宝珠はその付近にいると探知していました。
 そして、すぐに探知出来なくなりました。」

執事
「冒険者ギルドには、姿を現していません。
 ですが、公爵陛下から報奨金が出ると言う事を言って会談する流れを既に、冒険者ギルドマスターと合意済みです。」



□□□□□□□□

その頃、ガス公爵城では。

兵士
「緊急報告!
 北門崩壊!
 コブリンキングが、攻めてきました!」

兵士
「あれ?
 大臣? 宰相様? 公爵様? 陛下?え?」

兵士
「大変だ! 逃げろーーーーーー!
 国王陛下達が、俺達を囮にして逃げたぞ!
 逃げろーーーーーー!」

その3日後、隣の帝国でガス王国亡命政府樹立が発表される。



□□□□□□□□□□□
サイド カザト
 

 よく寝たオレは、マップでラッド公爵が移動しているのを見ていた。
 急いでいる様子だな。
 何かあったかな?

 まだ冒険者ギルドには執事がいた。
 よし!
 ここは、新しく使えるようになった空間魔法を使おう!

 一気に移動する!

 そして街に入り執事の周りに結界を張って、受付に報告する。
 ゴブリン魔石をボス以外のモノを買い取りに出した。

受付嬢
「ギルドマスターが、今不在なのでダンジョン攻略の品を、こちらに預けてもらえませんか?」

 オレは黙って、最終ボスの黒コブリンの右腕を出した。
 なぜか、ダンジョン特有の消えてしまう現象から外れて、残っていたのを回収してきた物だ。

受付嬢
「え? あの珠はありませんでしたか?」

カザト
「あれは、砕いたかもな?
 ハハハハハハ!
 まぁ、ダンジョン入口は、もうなくなったから調査隊を出しも大丈夫だぞ!
 あの部品は俺の次の武器に使う予定だから出さない。

 討伐証明は、出した。
 あとは、魔石代もカードに入れておいてくれ。」

 そう言って、執事を閉じ込めた動きが遅くなる結界を解除して出口に向かう。
 執事が、追いかけてきた。

執事
「待て!用がある私は、公爵様の…」

 ガキン!

 いかん!

 腹が立って、氷漬けにしてしまった!
 ギルドの建物の横に置いて、姿を隠して解除する。

 執事は、周りを探していたが宿に戻った。

 ハァ、受付嬢まで買収されてたか。
 気配遮断して、ギルドマスターの室に入り、ギルドに不審者に買収された受付嬢がいることと、悪用を防止するためにダンジョンコアは出さない事、そして、報奨金は、カードに入れておく事を書いてペンを置いた。

 そして、この街を出る事にする。
 国境越えだ!

 まず、古代勇者召喚の神殿の場所を探す事にした。
 とりあえず隣の国の図書館とかを目ざすことにする。

カザト
「見つかるかな?」

 国境を越えて隣国ブラー王国に入った。
 国境の街で、ブラー王国の王都を聞いて乗合馬車に乗り出発する。
 その時、ブラー国王語の資料を欲しくて新聞を買ったが、第一面がガス王国の亡命であった。

カザト
「(ラッド公爵が宿から離れた理由は、これだったか?)」

 乗合馬車には、かなりの人が乗り込んでいた。

 ゆっくりと、馬車に揺られながらふと、気がつくことが、
 いや…
 嫌でも気が付かないといけない問題がある。

 ゴブリンだ!

 冒険者ギルドの資料には、コボルトやオーク、オーガなどのモンスターがいることを示していた。
 俺は確かにとんでもないオーガを確かに見た!
 だが、これまで戦ったのはほとんどゴブリンだ!

 あの醜悪な王女様も、ゴブリン顔だ!
(本当は、顔は美人)

 これはどういう事だ?

 この世界のモンスターのパワーバランスが狂っている?

 わからね~!
 そして、馬車は今日の宿泊地に着く。

 村だ。
 野営セットを出してテントに結界を張って中に入る。
 どうも、先程から馬車の同じ乗員の二人組の男女がオレを、伺っているようだ。
 鑑定でも、そう出ている。
 空間把握で、奴らを探知して見た。

男A
「あの冒険者?ガス王都から監視を振り切ったやつでは?」

女B
「あのバカ姉妹が、ドジふんで逃した奴に間違いないないね。
 どうする?
 第一副皇主様に報告する?
 ジェネラルキラーらしき男を見つけたって。」

男A
「だがな~
 あの上司の司祭に変な事を命令されると、死ぬかもしれない。」

女B
「え?スキル?」

男A
「ああ!探ろうとヤツの心を読もうとすると、ものすごい悪寒がする。
 おそらく俺達は、警戒されてる。」

女B
「わかった。
 スキル〘占い〙発動!
 無視すれば、生きる。
 触れたら…う!み、見られている!
 え?
 どうしよう!」

男A
「なに!」

 へー!
 占いなんてスキルがあるんだ。

 記憶したけど、空間把握で探知するってわけではなくて、霊的に探知したって事か!
 強制的に半分幽体離脱して、何かを感じるスキルか~

 それにしても、第一副皇主?
 う~ん、デカい宗教教団がある可能性があるな。
 そういえば、地図に聖神皇国なんて名前があった。
 どうするか?

 少し動くか。

 そう思って、村の雑貨屋に行く。
 あれ?魔導書?いや…違う!

 光魔法の研究?
 あと、カードゲーム?を買った。

 そして、宿の食堂に行って果実水と定食を頼む。

 うん?
 オイオイ!ガス王都の定食屋よりも旨いぞ!
 果実水も、少し濃い!
 へ~!
 何か得した気分でいると、例の二人組が二階から降りて来た。

 さっきからずっと会話を聞いているが、俺のテントを見に来ようとしていたらしい。
 だから、オレがここに来たわけだが、オイオイ?スパイなんだろう?

 真っ青になるなよ!
 それじゃ、スパイ映画に出演できないぜ!

 奴らが、席に座ったのを全く見ないで、ただ黙々と食べる。

 あ!
 男のヤツが自分の霊体を引き伸ばして、俺につなげようとしている。

 どうしようかな~!

 [力制御]で、さっきから飛んでるハエに繋げるか?

 あ!しまった、
 隣のエロそうなおっさんに繋げてしまった!

 バタン!

 見ると、男の方が泡を吹いてテーブルに倒れていた。
 女が、身体を揺すっている。

 あー!ハエにヤツの、霊体をくっつける為に奴の幽体か霊体を引っ張ったから、強制的に身体から霊体とかが引き剥がされた?

 なるほどね。こいつの、スキル[心体共鳴]は記憶したけど、使わない方が良さそうだな。
 定食も食べたので、宿を出る。

 そして、テントに戻りさっそく買った研究書を読んでその日は、寝た。



次の日

 馬車は、平和に街道を進む。
 アレー?

 例のあの男!
 目が、ずっと上にいってるな~!

 女の方は、心配そうに見ているし。

 あの後、女はまたスキルを使って何が起こったのかなんとなくわかったらしい。
 ただ、オレが男の霊体を引っ張った事については、わかっていないみたいだが。

 しかし、ここで問題が起こる。

 いや…
 起こっていたのをやっと気がついた!
 子供達が、カードゲームをやっている。

 そう!
 トランプとかではない、モンスターを呼び出して攻撃力と守備力を比較して、勝ち負けを判定する日本でも大人気の系統のカードゲームだ。

子供C
「いいカードが出たぞ!
 へへへ!
 ゴーレムの守護者!
 守備力10000!
 どうだ!
 これで、オレは無敵!」

子供D
「いいカード出ろよ~!
 ヤッター!
 勇者召喚!
 攻撃力100000!
 守備力100000!

 俺の勝ち~!」



 ハァ?

 今、なんて言った!
 勇者召喚?
 何だと!

 そうか!
 前勇者にされたご先祖様達も、「魔王倒しても、礼すら言わない。」
「魔王倒して、あたり前だと思っている」
 なんて言っていたが、子供達を見てニコニコしている親や、周りのコイツラはオレを絶対服従が当たり前のペット扱いなんだ!
 教会でも、神の意志をよ~くわからされたからな~
 どうするか?

 クソ!

 こいつら!
 真実を知って殺意が湧くがここは、我慢する事にする。
 なんとか、勇者召喚神殿を見つけないと!

 そんな状態でも、馬車は街道を進んでいった。



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