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49 お土産!

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 お土産ショップは中々広かったため、虎太郎と蓮は別々に買い物をすることにした。
 中では大きいサメのぬいぐるみから、クッキーなどのお菓子、キーホルダーなども売っている。普段使えるものがいいなと思いながら、虎太郎が回っているととあるものが目に入った。
 二つでセットになっているイルカのキーホルダーだ。かわいいイラストではなく、シルエットが切り取られているものだ。シルバー一色のシンプルなデザインになっておりかっこよく見える。
 恋人と言えばお揃いの物を持っているイメージだ。このキーホルダーなら蓮が持っていても違和感なさそうだと思った虎太郎は、買うことに決めた。

 他にも、折角だから友達に渡そうとサメ形をしたクッキーも買って、虎太郎の買い物は終了した。
 会計が終わりお土産ショップから外に出ると、蓮は既に買い終わっていたようで入り口付近に立っていた。背が高く、サングラスもかけているので遠くからでも直ぐに分かる。
 虎太郎は慌てて駆け寄った。

「すみません。お待たせしました」
「いや、大丈夫。丁度タクシーを呼んだとこだ」

 ゆっくりと歩きながら水族館の外に出ると、丁度タクシーが到着したところだった。2人が乗り込むとタクシーは進んでいく。虎太郎は見えなくなるまで窓から水族館を見ていた。

 タクシーでゆっくりしていると、水族館でたくさん歩いて遊んだ分の疲労が襲い掛かってくる。欠伸をした虎太郎に、蓮が「寝てていいぞ」と声をかけてきたので、虎太郎は遠慮なく寝かせてもらうことにした。
 頭を蓮の肩にあずけて早速寝る体勢を整える。本当はポメラニアンになって蓮の膝の上でゴロンと横になりたかったが、タクシー内ではできない。
 隣から蓮の体温が伝わってきて安心する。疲れていてすぐに寝てしまうかと思ったが、水族館での興奮がまだ残っているのか、虎太郎はなかなか眠りにつけない。
 体を起こしてしまうのももったいないので、虎太郎はそのままうとうとと微睡んだ。


 蓮のようなかっこいい人が自分の恋人だなんて、虎太郎は未だに信じられなかった。蓮は一体虎太郎のどこを好きになってくれたのだろうか。好きだとは言ってもらえたが、具体的に虎太郎のどこが好きなのか明確には言われていない。
 もしかしたら、蓮はただの犬好きだという可能性があるのではないか。初めて会ったときも初対面のポメラニアンに対してとても優しかった。連れて帰って洗ってくれたのだ。
 ポメラニアンが好きで虎太郎のことも好きになったとしたら、より犬っぽくなるほうが蓮の好みになるだろう。漠然と蓮の恋人なら大人っぽい方が良さそうな気がしていたが、違うかもしれない。
 犬っぽくとは一体どんな感じなのか。虎太郎は半分寝ている頭で考え続けた。
 そういえば、女の人で首に布の首輪みたいな物を付けている人を見たことがある。あれを付けたら犬っぽく見えるかもしれない。後は――
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