55 / 171
ミナリ見参3 ウルグインのダンジョンにぶっこみます
しおりを挟む
ダンジョンの入口の周りには様々な屋台なども建ち並んでいる
その中にはひと際目立つテントがあり、興味を惹かれたミナリはそこに立ち寄る
テントにかけられた暖簾をヒョイっとかき分け中頭だけを中に居れて除く
「何があるのかなーっと」
何も見当たらない・・商品すらない?机が3つほど並んでいるだけだ
「お兄さんここなにがあるの?」
「いらっしゃい、どんなガイドをお探しで?」
ひょろりとした男がにこやかに答えた
「ここは何売っている所なの?」
「お?姉さん初めてかい?ここはギルド直営、ダンジョン出張所さ。初めてダンジョンに挑む冒険者、観光する奴、そんな人にガイドを貸し出すのさ」
「へー。冒険者と観光でガイドは違うの?」
「違うな、観光ならほら、そこの子供達が遊び場になってる五層までを案内するぜ。冒険者なら、S級の冒険者がサポートしてくれる。初回費用はギルドもちだから気にしないで借りてってくれよ」
「んじゃ、お願いします。冒険者で!」
うん、情報収集にはギルドって良さそうだしダンジョンにも興味あるし
ここは一ついっちゃおう
「はいよ!」
そう言って男はテントの奥に行き待機していたと思われる二人を連れてきた
「女同士の方がいいだろ?」
そういって連れてきたのは女性冒険者だ
「はじめましてテレサです。剣士やってます」
テレサと名乗った女性は大柄な筋肉質な女性で、重そうな鎧を身に着けている
「私はモコ。魔法使いよ」
モコと名乗った彼女はいかにもなフードをかぶっていて、綺麗な杖を装備している
二人とも私より年下みたい・・
「テレサはSS級、モコはSSS級の冒険者だ。今日はギルド活動の一環で手伝ってくれている。ラッキーだぞ?」
ひょろりとした男はそう言った
「何がラッキーなの?」
ミナリはそのラッキーの意味がわからなかったので率直に聞いた
「そりゃ姉ちゃん、SSS級の冒険者が手伝ってくれるなんて早々あることじゃねえよ。SSS級の冒険者自体、100人くらいしかいないんだからな。そんなSSS級の紅一点、モコさんだ!」
「へぇー」
そんなに凄そうに見えないんだけど・・とは言えないよね。
でもまぁガイドだし大丈夫でしょ
ミナリは手を差し出して
「今日はよろしくお願いします。ミナリです、ダンジョンはまだ入ったことがないから色々教えてくださいね」
そう言って笑顔を向ける
テレサとモコも、よろしくといって一人づつ握手を交わした
「それじゃあ行きましょうか」
そう言ってテレサとモコは、ミナリの前を歩いてダンジョンに進んでいった
おいて行かれないようミナリは小走りでついて行く
「がんばれよー」
背中からギルドの男がそう言ってくれたのだった
ミナリは振り向き、満面の笑みで手を振って礼を伝えたー
----------
ダンジョンの入り口は巨大な石垣の門ができている。
左右には詰所のようなものが見えた。あれは冒険者とは別で衛兵が務めているらしい。
テレサが色々と教えてくれる
中に入ると、一層と呼ばれる場所は入り組んだ巨大迷路のような場所だったが、下層へ続く階段までその壁はすべてぶち抜いてあると言うことだった
二層も同じようなものだった。
そこは明るい割にひんやりとした空気が流れているのがわかる
三層に降りると、あたり一面に明かりが灯してあった
話によれば、三層から五層までは鉱物資源が豊富で、ドワーフが採掘しているということらしい。
それにここで寝起きもしているらしく、そこかしらに家があった
天井も上の階とはうって変わってものすごく高い・・10メートルくらいはあるんじゃないかと思う
「うわぁーすごいね。こんな洞窟入ったことないよ」
ミナリは素直に関心する
この段階で広く、そして深い洞窟など入った経験はない。
それどころかほぼ全てに人の手が入っており、信じられない年月の積み重ねがそうさせたのだと感じられる
「これはもう世界遺産とかそう言うレベルだね」
ミナリがそう言うと
「この5層までは安全だ。だが次の6層からがお待ちかねの真のダンジョン。気を抜かないでくれよ?ーそういえばミナリは剣士でいいのか?」
そういってテレサはミナリの腰にある剣を見る
「なかなかの一品のようだが」
その剣の鞘は真っ黒で細長いそして鍔があり・・柄には糸のような物が巻いてあった
「これですか?日本刀です」
「ニホントウ?なんだそれは」
「あー、私の故郷の剣ですね。刀(かたな)と言います」
そういってミナリはチャキっと刀を握って見せる
「ふむ、変わっている、細いな。」
「そりゃテレサさんの剣と比べたらダメでしょ!?」
テレサの剣はおよそ幅50センチ、長さ2mはあろうかという大剣だ
それを背に軽く背負っている。どういった戦い方をするのか気になる
「さて、ここからがモンスターも出てきちゃう6層だ、準備は良いか?」
「はい!」
ミナリはそう言って気合を入れなおす
そして師匠の教えを思い出すのだ
踏み入れた6層は天井はやや低く、1層と似た巨大迷路のような雰囲気があった
だが道そのものの広さは広く、動き回るには十分な広さが見て取れる
ここでも左右の壁にはうっすらと明りが灯っており、人工的な雰囲気に溢れている
ひんやりとした空気があたりに漂う
「このあたりをウロウロしてる冒険者もかなり減ってますね」
テレサが言った
「そうだね、今滞ってる階層って30層くらいじゃないの?」
モコがフードをばさりと取って杖をぶんぶんと振り回す
二人の話に寄れば、このダンジョンに挑んでいる冒険者の数はそりゃあ数え切れないらしい
当然だれかとすれ違うこともあるのだが、
進めば進むほど階層は広くなっていき、やがてバラバラになってすれ違いも稀になるほど広くなるとか
テレサとモコが先頭に立ち進んでいく
すると足をとめてミナリを見て言った
「早速モンスターのお出ましだ。戦ってみるか?」
二人の背中には巨大な猪のような・・・ウサギがいた・・
しかもその背後にも数匹の目が赤く輝いている
「シャドウラビット・・この階層で出現するモンスターだ。まぁ、こいつしか出ないといっても過言じゃないくらい出会うモンスターだ」
そうテレサが話していると
ザッシュッ
ウサギが一瞬踏み込んだと見えたら跳ねた!
「おっと、来るぞ!」
テレサが構えてウサギをその背の大剣で
ぐんっ
ドシャぁ!
叩き・・つぶした
そしてモコの背中に魔方陣が1つ浮かび上がる
「ふぁいあーぼーる」
モコが唱えた
杖の先から炎の玉が生まれシャドウラビットに襲い掛かるー
モコの生み出した火球は避けたラビットに向かって誘導されて直撃する
「さすがモコさんですね、ただのファイアーボールが凄まじい威力です」
え?そうなの?
「おだてないで、テレサ。コレ位普通よ」
ぷすぷすとこんがり焼け、大穴を空けたシャドウラビットが威力を物語っている
「さてっと、あと一匹倒してみる?」
ミナリを初心者と知るテレサが言った
テレサも初めてダンジョンに潜ったときを思い出している
シャドウラビットを、周りの人の助けを借りながらぼろぼろになりながら何とか倒したのを覚えている
きっと彼女ーミナリもここがスタートになる
倒せる位の実力はあるのだろうか?そんなことを思いながらミナリに道を空けた
その先には仲間を倒されたシャドウラビットがやや後ずさりしながら待っている
「んじゃ、ちょっとやってみますね」
ミナリは歩を進める
コツコツと足跡が響きー
進む
その腰の刀に手を伸ばしてシャドウラビットの前に立つ・・
ザッ・・シャドウラビットがミナリに襲い掛かる
まるでそこらを散歩するようにゆっくりと歩く
「危ない!!」
テレサが叫んで飛び出す!!
「え?」
声にミナリが振り向くとシャドウラビットは真一文字に切り裂かれていた
ズン・・・
シャドウラビットが崩れ落ちる
「あ・・あれ?」
「いつの間に・・・」
二人にはミナリが何をしたのかも見えなかった。
強いて言えば、腰の刀に手を伸ばしたことくらいだ
「あなたすごいんじゃない?」
モコが言った
「そ・・そうですかね?」
「謙遜するな、普通はアイツに苦戦するもんなんだが・・・」
あははとミナリは笑う
ミナリがした事は居合いだ。
シャドウラビットが飛び掛った瞬間に居合いで切り裂いただけのこと
だが二人にはそれが見えなかった・・それだけのことだ
そして3人は階を進む
その後もモンスターにであうが、その先はテレサとミナリが二人で倒していった
順調に、さして問題もなく
それどころかミナリが今まで知られていない様な通路を見つけてしまい、わずか30分足らずで今回のゴールにたどり着いてしまった
第十層ー
そこはいくつかの巨大なホールで出来た洞窟のような場所
先ほどまでのシャドウラビットー
ブルードックやシルバーバッド・・そんなモンスターとは格別に強さが違う
「さ、さてここが一応は冒険者コース、ガイドの最終地点なんだが・・」
本来はここまで来ることもなく、大体は第7層あたりで終わりになるものだ。
新進気鋭の才能ある冒険者であれば、10層までたどり着く。だがそこにいるモンスターを倒すことができず引き返すのだ。
そしてパーティを組んで再度挑む
見事倒せれば初心者卒業ーといった流れである
今回のガイドは見たいものには自らが挑むその先を見せるーそれがガイドの役目だ
ガイドはその役目として才能ある若者をサポートし、そして10層のボスを見せて対応を考えさせるのだ。
超えられない壁を越える方法を。
「え?」
くるりと振り向くミナリの後ろで崩れ落ちる巨大なトカゲーのモンスター
およそその図体からは考えられないほど早い動きと、第一に周囲と同化し見えにくくなる、そんなボスモンスターだったのだが
ミナリは相変わらずの居合い一閃のみで倒してしまった
まるで切れぬものなど無いような切れ味だ
そしてミナリの動きは相変わらず見えない、しいて言えば今回は複数回切った跡がある程度にしかわからない。
「ミナリ、どういうこと?あんた強すぎるだろう?」
あきれるようにテレサはつぶやく
およそ8時間、これがガイドの時間だとミナリに伝える
だが今はまだ1時間も経過していない。
8時間というのはおよそ10層に、ゆっくりといってたどり着く時間だとはいえこれは早すぎる
それにミナリの強さはおそらくSSS級でも間違いが無いのではないかと思ったテレサは
「どうするミナリ、もう少し進んでみるか?」
そう言った
「そうだねー。この先はまた雰囲気が違いそうだし行ってみたいかな?それとおなか空いちゃったんだけど・・ウサギ食べていい?」
そう言ってこんがりやけたウサギを取り出した
「いつの間に回収してたんだ・・・」
テレサとモコはあきれてしまう
すでにミナリは小ぶりなナイフでもってウサギを切り分けてしまっている
そしてダンジョン初めてとは思えないその図太い神経・・
「こりゃかなりの大物だね・・」
モコはそういってミナリを見るのだった
その中にはひと際目立つテントがあり、興味を惹かれたミナリはそこに立ち寄る
テントにかけられた暖簾をヒョイっとかき分け中頭だけを中に居れて除く
「何があるのかなーっと」
何も見当たらない・・商品すらない?机が3つほど並んでいるだけだ
「お兄さんここなにがあるの?」
「いらっしゃい、どんなガイドをお探しで?」
ひょろりとした男がにこやかに答えた
「ここは何売っている所なの?」
「お?姉さん初めてかい?ここはギルド直営、ダンジョン出張所さ。初めてダンジョンに挑む冒険者、観光する奴、そんな人にガイドを貸し出すのさ」
「へー。冒険者と観光でガイドは違うの?」
「違うな、観光ならほら、そこの子供達が遊び場になってる五層までを案内するぜ。冒険者なら、S級の冒険者がサポートしてくれる。初回費用はギルドもちだから気にしないで借りてってくれよ」
「んじゃ、お願いします。冒険者で!」
うん、情報収集にはギルドって良さそうだしダンジョンにも興味あるし
ここは一ついっちゃおう
「はいよ!」
そう言って男はテントの奥に行き待機していたと思われる二人を連れてきた
「女同士の方がいいだろ?」
そういって連れてきたのは女性冒険者だ
「はじめましてテレサです。剣士やってます」
テレサと名乗った女性は大柄な筋肉質な女性で、重そうな鎧を身に着けている
「私はモコ。魔法使いよ」
モコと名乗った彼女はいかにもなフードをかぶっていて、綺麗な杖を装備している
二人とも私より年下みたい・・
「テレサはSS級、モコはSSS級の冒険者だ。今日はギルド活動の一環で手伝ってくれている。ラッキーだぞ?」
ひょろりとした男はそう言った
「何がラッキーなの?」
ミナリはそのラッキーの意味がわからなかったので率直に聞いた
「そりゃ姉ちゃん、SSS級の冒険者が手伝ってくれるなんて早々あることじゃねえよ。SSS級の冒険者自体、100人くらいしかいないんだからな。そんなSSS級の紅一点、モコさんだ!」
「へぇー」
そんなに凄そうに見えないんだけど・・とは言えないよね。
でもまぁガイドだし大丈夫でしょ
ミナリは手を差し出して
「今日はよろしくお願いします。ミナリです、ダンジョンはまだ入ったことがないから色々教えてくださいね」
そう言って笑顔を向ける
テレサとモコも、よろしくといって一人づつ握手を交わした
「それじゃあ行きましょうか」
そう言ってテレサとモコは、ミナリの前を歩いてダンジョンに進んでいった
おいて行かれないようミナリは小走りでついて行く
「がんばれよー」
背中からギルドの男がそう言ってくれたのだった
ミナリは振り向き、満面の笑みで手を振って礼を伝えたー
----------
ダンジョンの入り口は巨大な石垣の門ができている。
左右には詰所のようなものが見えた。あれは冒険者とは別で衛兵が務めているらしい。
テレサが色々と教えてくれる
中に入ると、一層と呼ばれる場所は入り組んだ巨大迷路のような場所だったが、下層へ続く階段までその壁はすべてぶち抜いてあると言うことだった
二層も同じようなものだった。
そこは明るい割にひんやりとした空気が流れているのがわかる
三層に降りると、あたり一面に明かりが灯してあった
話によれば、三層から五層までは鉱物資源が豊富で、ドワーフが採掘しているということらしい。
それにここで寝起きもしているらしく、そこかしらに家があった
天井も上の階とはうって変わってものすごく高い・・10メートルくらいはあるんじゃないかと思う
「うわぁーすごいね。こんな洞窟入ったことないよ」
ミナリは素直に関心する
この段階で広く、そして深い洞窟など入った経験はない。
それどころかほぼ全てに人の手が入っており、信じられない年月の積み重ねがそうさせたのだと感じられる
「これはもう世界遺産とかそう言うレベルだね」
ミナリがそう言うと
「この5層までは安全だ。だが次の6層からがお待ちかねの真のダンジョン。気を抜かないでくれよ?ーそういえばミナリは剣士でいいのか?」
そういってテレサはミナリの腰にある剣を見る
「なかなかの一品のようだが」
その剣の鞘は真っ黒で細長いそして鍔があり・・柄には糸のような物が巻いてあった
「これですか?日本刀です」
「ニホントウ?なんだそれは」
「あー、私の故郷の剣ですね。刀(かたな)と言います」
そういってミナリはチャキっと刀を握って見せる
「ふむ、変わっている、細いな。」
「そりゃテレサさんの剣と比べたらダメでしょ!?」
テレサの剣はおよそ幅50センチ、長さ2mはあろうかという大剣だ
それを背に軽く背負っている。どういった戦い方をするのか気になる
「さて、ここからがモンスターも出てきちゃう6層だ、準備は良いか?」
「はい!」
ミナリはそう言って気合を入れなおす
そして師匠の教えを思い出すのだ
踏み入れた6層は天井はやや低く、1層と似た巨大迷路のような雰囲気があった
だが道そのものの広さは広く、動き回るには十分な広さが見て取れる
ここでも左右の壁にはうっすらと明りが灯っており、人工的な雰囲気に溢れている
ひんやりとした空気があたりに漂う
「このあたりをウロウロしてる冒険者もかなり減ってますね」
テレサが言った
「そうだね、今滞ってる階層って30層くらいじゃないの?」
モコがフードをばさりと取って杖をぶんぶんと振り回す
二人の話に寄れば、このダンジョンに挑んでいる冒険者の数はそりゃあ数え切れないらしい
当然だれかとすれ違うこともあるのだが、
進めば進むほど階層は広くなっていき、やがてバラバラになってすれ違いも稀になるほど広くなるとか
テレサとモコが先頭に立ち進んでいく
すると足をとめてミナリを見て言った
「早速モンスターのお出ましだ。戦ってみるか?」
二人の背中には巨大な猪のような・・・ウサギがいた・・
しかもその背後にも数匹の目が赤く輝いている
「シャドウラビット・・この階層で出現するモンスターだ。まぁ、こいつしか出ないといっても過言じゃないくらい出会うモンスターだ」
そうテレサが話していると
ザッシュッ
ウサギが一瞬踏み込んだと見えたら跳ねた!
「おっと、来るぞ!」
テレサが構えてウサギをその背の大剣で
ぐんっ
ドシャぁ!
叩き・・つぶした
そしてモコの背中に魔方陣が1つ浮かび上がる
「ふぁいあーぼーる」
モコが唱えた
杖の先から炎の玉が生まれシャドウラビットに襲い掛かるー
モコの生み出した火球は避けたラビットに向かって誘導されて直撃する
「さすがモコさんですね、ただのファイアーボールが凄まじい威力です」
え?そうなの?
「おだてないで、テレサ。コレ位普通よ」
ぷすぷすとこんがり焼け、大穴を空けたシャドウラビットが威力を物語っている
「さてっと、あと一匹倒してみる?」
ミナリを初心者と知るテレサが言った
テレサも初めてダンジョンに潜ったときを思い出している
シャドウラビットを、周りの人の助けを借りながらぼろぼろになりながら何とか倒したのを覚えている
きっと彼女ーミナリもここがスタートになる
倒せる位の実力はあるのだろうか?そんなことを思いながらミナリに道を空けた
その先には仲間を倒されたシャドウラビットがやや後ずさりしながら待っている
「んじゃ、ちょっとやってみますね」
ミナリは歩を進める
コツコツと足跡が響きー
進む
その腰の刀に手を伸ばしてシャドウラビットの前に立つ・・
ザッ・・シャドウラビットがミナリに襲い掛かる
まるでそこらを散歩するようにゆっくりと歩く
「危ない!!」
テレサが叫んで飛び出す!!
「え?」
声にミナリが振り向くとシャドウラビットは真一文字に切り裂かれていた
ズン・・・
シャドウラビットが崩れ落ちる
「あ・・あれ?」
「いつの間に・・・」
二人にはミナリが何をしたのかも見えなかった。
強いて言えば、腰の刀に手を伸ばしたことくらいだ
「あなたすごいんじゃない?」
モコが言った
「そ・・そうですかね?」
「謙遜するな、普通はアイツに苦戦するもんなんだが・・・」
あははとミナリは笑う
ミナリがした事は居合いだ。
シャドウラビットが飛び掛った瞬間に居合いで切り裂いただけのこと
だが二人にはそれが見えなかった・・それだけのことだ
そして3人は階を進む
その後もモンスターにであうが、その先はテレサとミナリが二人で倒していった
順調に、さして問題もなく
それどころかミナリが今まで知られていない様な通路を見つけてしまい、わずか30分足らずで今回のゴールにたどり着いてしまった
第十層ー
そこはいくつかの巨大なホールで出来た洞窟のような場所
先ほどまでのシャドウラビットー
ブルードックやシルバーバッド・・そんなモンスターとは格別に強さが違う
「さ、さてここが一応は冒険者コース、ガイドの最終地点なんだが・・」
本来はここまで来ることもなく、大体は第7層あたりで終わりになるものだ。
新進気鋭の才能ある冒険者であれば、10層までたどり着く。だがそこにいるモンスターを倒すことができず引き返すのだ。
そしてパーティを組んで再度挑む
見事倒せれば初心者卒業ーといった流れである
今回のガイドは見たいものには自らが挑むその先を見せるーそれがガイドの役目だ
ガイドはその役目として才能ある若者をサポートし、そして10層のボスを見せて対応を考えさせるのだ。
超えられない壁を越える方法を。
「え?」
くるりと振り向くミナリの後ろで崩れ落ちる巨大なトカゲーのモンスター
およそその図体からは考えられないほど早い動きと、第一に周囲と同化し見えにくくなる、そんなボスモンスターだったのだが
ミナリは相変わらずの居合い一閃のみで倒してしまった
まるで切れぬものなど無いような切れ味だ
そしてミナリの動きは相変わらず見えない、しいて言えば今回は複数回切った跡がある程度にしかわからない。
「ミナリ、どういうこと?あんた強すぎるだろう?」
あきれるようにテレサはつぶやく
およそ8時間、これがガイドの時間だとミナリに伝える
だが今はまだ1時間も経過していない。
8時間というのはおよそ10層に、ゆっくりといってたどり着く時間だとはいえこれは早すぎる
それにミナリの強さはおそらくSSS級でも間違いが無いのではないかと思ったテレサは
「どうするミナリ、もう少し進んでみるか?」
そう言った
「そうだねー。この先はまた雰囲気が違いそうだし行ってみたいかな?それとおなか空いちゃったんだけど・・ウサギ食べていい?」
そう言ってこんがりやけたウサギを取り出した
「いつの間に回収してたんだ・・・」
テレサとモコはあきれてしまう
すでにミナリは小ぶりなナイフでもってウサギを切り分けてしまっている
そしてダンジョン初めてとは思えないその図太い神経・・
「こりゃかなりの大物だね・・」
モコはそういってミナリを見るのだった
0
お気に入りに追加
71
あなたにおすすめの小説
ポーション必要ですか?作るので10時間待てますか?
chocopoppo
ファンタジー
松本(35)は会社でうたた寝をした瞬間に異世界転移してしまった。
特別な才能を持っているわけでも、与えられたわけでもない彼は当然戦うことなど出来ないが、彼には持ち前の『単調作業適性』と『社会人適性』のスキル(?)があった。
第二の『社会人』人生を送るため、超資格重視社会で手に職付けようと奮闘する、自称『どこにでもいる』社会人のお話。(Image generation AI : DALL-E3 / Operator & Finisher : chocopoppo)
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる