【完結】オネエ騎士の執着溺愛

6 ※

　また、口付けが降りてくる。
　それと共に体にかかってくる愛しい人の重み。決して重くはない。私に体重がかかり過ぎないよう、ガレスが気を付けてくれているのが、私にはよくわかった。
　目尻から溜まっていた涙が流れていった。

　「・・・お嬢様、やはり、止めたくなりましたか？男の体は怖いですか？」

　涙の跡を指で拭ってくれる。
　ついさっきは強気なことを言っていたのに、と可笑しくなる。手をガレスの頬に伸ばし、・・・と思ったけど伸ばせなかったのでガレスの隊服を掴み、ちゅ、と口付けを贈った。
　場所は唇の横、と微妙な位置だったけど。

　「私、ガレスは怖くないの。ガレスの筋肉、とても綺麗で、素敵だと思う」

　「お嬢様・・・」

　感動した面持ちで、今度は力強く唇を重ねてきた。
　上顎を舌で撫でられると、背筋がぞくぞくとしてとても気持ちがいいことを知った。

　「ん、・・・ふっ」

　鼻から抜ける甘い声に、我に返った。──今の、私が出したの？
　呆然としていると、ガレスの口付けは私の頬から耳もとへ移っていた。チロチロと舌で耳殻を丁寧になぞられ、なぜか股間が甘く痺れた。舌は、そのまま首すじを降りていく。
　その時、夜着ごしに乳首を抓まれた。

　「やぁん、・・ああっ！」

　背筋が反り返る。

　「ああ、ガレス、そこはダメッ・・・」

　「痛かった？」
　
　「ちがっ・・・けど、・・　っ」

　触られる前から固く敏感になっていたそこは、夜着とガレスの指の感覚を強烈に伝えてくる。

　「あっ、あっ、・・・」

　ガレスの口付けは胸の真ん中にまで降り、抓まれ、二本の指でこねられていたそこは、今度はカリカリと夜着の上から引っ掻かれた。

　「やあっっ・・・！！」

　荒くなる吐息と喘ぎ声を、もう、抑えられなくなった。
　キュンキュンとする股間を悶えさせると、下着が濡れているのを感じた。

　「あ、なんでぇ・・・？」

　びっくりして起き上がろうと身動きをすると、逃がすまいと両手を取られ頭の上で一つにまとめられた。

　「お嬢様・・・」

　「あ、ガレス、・・・私、そのっ」

　「逃がしません。オレは、ずっと、お嬢様とこうなりたくて・・・」

　「・・え？」

　今、なんて言ったの？
　思いがけないことを言われ、頭が働かない。
　ガレスは体を沈めると、もう一度胸の真ん中に口付けを落とし、今度は夜着ごと乳首を口に含んだ。

　「っ！！・・っあ、ん、んっ・・」

　舌先で固くなったそれをコロコロ転がされる。

　「んんっ、ダメッ、変になるぅっ・・！」

　止めさせようと身を捩じるが、ますます激しく舌を動かされ、音を立ててしゃぶられた。
　両手は、相変わらずガレスの片手で頭の上に固定されている。
　私の抵抗をなんとも感じていないように、美味しそうに私の乳首にむしゃぶりつくガレス。もう片方の手は、反対側の乳房を優しくこね始めた。
　背中を何度も稲妻のようなものが走り、これが快感なのだと悟った。
　うっとりと、その甘く体を痺れさせる快感に息を乱しながらも身を任せていると、シュル、という微かな音と共に、さっ、と胸元に風が流れた。
　リボンが解かれたと気付き、体が強張った。

　「ガ、ガレス、見ないでっ・・・！灯りを消してっ」

　オネエのガレスにふっくらした胸を見せたら嫌われると思ったのだ。
　
　「・・・綺麗だ」

　ため息のようにつぶやかれ、また胸の頂点を尖らせた舌で転がされた。

　「あ、あんっ、・・・ガレスっ、お願いっ、灯りを・・」

　「嫌です。綺麗な貴女をこの目に焼き付けたい」
　
　もう一方も指で抓まれ、転がされる。
　ガレスがオネエ言葉じゃないことが引っかかったが、ピンクの靄がかかっていく頭の中で、そんな些細なことは、すぐに忘れた。
　何度も反り返る背中に手を入れられ、ガレスはお腹にも口付けを落としていく。
　その頃には頭の上の両手は既に拘束されてはいなかったけれど、気付かない私は自ら両手を上げたまま、枕をもみしだいていた。

　少しずつ降りていくガレスの頭に、濡れた股間を気付かれてしまうのでは、と不安になる。
　でも、いくらやめて欲しいと言っても止めてくれないのだ。

　「・・・はぁ・・っ、ガレス、も、やめて？・・んんっ、も、ダメッ・・！」

　力が抜けていく脚をなんとかきつく閉じようとする。
　そんな私の努力を笑うかのように、ガレスの舌が、スッ、とパンティ越しに、どうしても空いてしまう隙間から股間を舐め上げた。

　「んぅっ・・・！」

　それどころか、その場で深呼吸をされている！？
　すうはあ、すうはあ、と荒い息遣いが聞こえる。
　
　「ああんっ、ガレスぅっ・・！」

　「すごく、濡れてますね・・、私で感じてくれて、嬉しいです。愛しています・・」

　空耳なのか、股間で愛を囁かれたような気がしたのは。聞き返したかったが、その直後、がっしりと腰を掴まれ、ガレスの脚で膝を割られた。

　「もっと、快くしてあげますからね。はぁ、はぁ」

　「いっ、いらないっ、もう、じゅう、ぶんっ・・・だ、からぁっ」

　心から遠慮したのだが、その言葉は聞き届けられることはなかった。そして、パンティがさらにぐっしょりと濡れる程、舐め回されたのだった。