5 / 97
ポッコチーヌ様のお世話係
お世話係になりました①
しおりを挟む
「団長、そろそろお支度をお願いします」
ゲルダの声を無視し、ベッドの上で股間を凝視しているマクシミリアンを再び急かす。
「団長」
「今朝の朝立ちも素晴らしい」
「左様でございますか」
「この元気なポッコチーヌをパンツに押し込めるのは可哀想だ」
くだらんこと言ってないで、パンツを履け。
「それであれば御不浄へ」
「暫し待て」
愛おしげに勃起した陰茎を愛でる変態を横目で見ながら、ゲルダはため息をつく。
初日からマクシミリアンの世話係を務め上げたゲルダは、白騎士達から絶賛された。女の身でありながら逃げ出すこともせず素晴らしい、肝が据わってる!と皆、口々に誉めそやす。そして、明日からも頼む、と力強く肩を叩かれたのである。
最初にゲルダをマクシミリアンのもとに差し向けたのはニコライ副団長だ。おそらくゲルダの生真面目な性格を見抜いていたのだろう。詳しい説明もなくマクシミリアンの部屋に押し込んだ際、彼が垣間見せた表情を思い返す。その目には確かに何かを含んでいたのに、何故あの時易々と従ってしまったのか。
しかし、今となれば後の祭りだ。
ゲルダの退路は完全に絶たれた。重大な機密事項に関わった研修生をニコライは逃がさない。白騎士団への配属と引き換えに変態の世話を延々と押し付けられるか、それとも口封じの為に闇へ葬られるか……何せ、奴隷上がりの騎士など、いつ何時居なくなっても誰も困らないのだから……。
ドンドンッ
背後のドアが乱暴にノックされ、続けて間延びした声が聞こえてきた。
「おーい、団長~早くしろ~今日は月イチの陛下見学デーだぞ~」
ゲルダを嵌めた張本人、副団長のニコライだ。彼は、変わり者のマクシミリアンと唯一意思疎通が出来る貴重な人物でもある。
指導者として名高いマクシミリアンだが、実際には殆ど機能していない。白騎士団の中においての立ち位置は、せいぜいマスコットかゆるキャラといったところである。そして、そんなマクシミリアンに代わり、団を取り仕切っているのが、ニコライ・ゼッセルその人だ。
マクシミリアンの返事を待たずにノブが回され、長身の美丈夫が明るいブラウンの長髪を揺らしながら颯爽と現れた。大きな歩幅で真っ直ぐにベットへ向かう。
「おはよう~、おや、今朝のチンポリーナはご機嫌だね~」
ポッコチーヌです。副団長。
「でも、もうお支度の時間だよ~早く準備しないと国王様から王妃様に報告されちゃうよ」
「む、それは不味い」
「それじゃあ、御不浄で出すもの出してきてね~」
マクシミリアンはベッドから降りて、便所の扉へ向かう。その剥き出しの引き締まった臀を見ながら、ゲルダはコソッと呟く。
「上手いもんですね。やっぱり世話係は副団長が適任では?」
「俺は忙しいの!自分にしか興味のない変人のお陰で、団長業務のほとんどが俺に集中してるんだから」
「不信任決議案を提出されれば如何ですか」
「いやだよ。俺は面倒だから団長になんてなりたくないし、だとしたら他所の団から堅苦しいのが来ちゃうだろ?そんなら多少忙しくても好きにやれる今の方が良いもん」
「はあ……」
仮にも王宮のお膝元である中央騎士団だぞ。そんな緩い志で務めて良いものなのか。ゲルダは呆れる。
着任してすぐさま気付いたが、白騎士団は特殊な場所だった。他の団とはあからさまに雰囲気が違う。訓練や業務をサボっている訳ではないのだが、とにかく生ぬるい。上下関係の境界が曖昧で、制服は乱れまくり行儀も悪い。
しかし、外面は良い。そして、何故か皆等しくあの変態団長を慕っているようなのだ。
彼らの献身的で臨機応変な対応により、団長の秘密は、未だ外へ漏れずに済んでいる。
「マクシミリアンはやれば出来る子なんだぜ?団長に就任したのは、何も家柄だけが理由じゃない。しっかりとした実績があったからだしな。それに、アイツは可哀想な奴なんだよ。ここを追い出されたらどこも行くところがないの」
「団長はガルシア家の跡取りでしょう?」
「まあな。けど、あの家は……」
ニコライは顔を歪め言葉を切ると、ゲルダの肩に手を置いた。
「とにかく、変な奴だけどよろしく頼むよ。白騎士団の連中は皆んなこれでも団長を好いてるんだ。その代わりと言っちゃなんだが、君の評価は最高点をつけておくから」
「それは、ありがたいことですけれど……。しかし、本当に世話係が私のような者で良いのでしょうか。未だに名前も顔も覚えて頂けないようだし、視線さえ合わないのですが」
ゲルダは抱えていた着替えをベッドに置くと、ニコライの隣へ戻る。
「ゲルダの事は聞いていた。能力の高い女騎士だってね。人事の評価会議でも度々話題に上っていたんだぜ?」
「ありがたいことです」
「会えて嬉しいよ。シャンピニ族の騎士は中央にもいるけど、女性は初めてだから。そんな細いのに扱うのはバスターソードなんだろ?」
「ええ。我々一族は剛力なので……」
ゲルダの声を無視し、ベッドの上で股間を凝視しているマクシミリアンを再び急かす。
「団長」
「今朝の朝立ちも素晴らしい」
「左様でございますか」
「この元気なポッコチーヌをパンツに押し込めるのは可哀想だ」
くだらんこと言ってないで、パンツを履け。
「それであれば御不浄へ」
「暫し待て」
愛おしげに勃起した陰茎を愛でる変態を横目で見ながら、ゲルダはため息をつく。
初日からマクシミリアンの世話係を務め上げたゲルダは、白騎士達から絶賛された。女の身でありながら逃げ出すこともせず素晴らしい、肝が据わってる!と皆、口々に誉めそやす。そして、明日からも頼む、と力強く肩を叩かれたのである。
最初にゲルダをマクシミリアンのもとに差し向けたのはニコライ副団長だ。おそらくゲルダの生真面目な性格を見抜いていたのだろう。詳しい説明もなくマクシミリアンの部屋に押し込んだ際、彼が垣間見せた表情を思い返す。その目には確かに何かを含んでいたのに、何故あの時易々と従ってしまったのか。
しかし、今となれば後の祭りだ。
ゲルダの退路は完全に絶たれた。重大な機密事項に関わった研修生をニコライは逃がさない。白騎士団への配属と引き換えに変態の世話を延々と押し付けられるか、それとも口封じの為に闇へ葬られるか……何せ、奴隷上がりの騎士など、いつ何時居なくなっても誰も困らないのだから……。
ドンドンッ
背後のドアが乱暴にノックされ、続けて間延びした声が聞こえてきた。
「おーい、団長~早くしろ~今日は月イチの陛下見学デーだぞ~」
ゲルダを嵌めた張本人、副団長のニコライだ。彼は、変わり者のマクシミリアンと唯一意思疎通が出来る貴重な人物でもある。
指導者として名高いマクシミリアンだが、実際には殆ど機能していない。白騎士団の中においての立ち位置は、せいぜいマスコットかゆるキャラといったところである。そして、そんなマクシミリアンに代わり、団を取り仕切っているのが、ニコライ・ゼッセルその人だ。
マクシミリアンの返事を待たずにノブが回され、長身の美丈夫が明るいブラウンの長髪を揺らしながら颯爽と現れた。大きな歩幅で真っ直ぐにベットへ向かう。
「おはよう~、おや、今朝のチンポリーナはご機嫌だね~」
ポッコチーヌです。副団長。
「でも、もうお支度の時間だよ~早く準備しないと国王様から王妃様に報告されちゃうよ」
「む、それは不味い」
「それじゃあ、御不浄で出すもの出してきてね~」
マクシミリアンはベッドから降りて、便所の扉へ向かう。その剥き出しの引き締まった臀を見ながら、ゲルダはコソッと呟く。
「上手いもんですね。やっぱり世話係は副団長が適任では?」
「俺は忙しいの!自分にしか興味のない変人のお陰で、団長業務のほとんどが俺に集中してるんだから」
「不信任決議案を提出されれば如何ですか」
「いやだよ。俺は面倒だから団長になんてなりたくないし、だとしたら他所の団から堅苦しいのが来ちゃうだろ?そんなら多少忙しくても好きにやれる今の方が良いもん」
「はあ……」
仮にも王宮のお膝元である中央騎士団だぞ。そんな緩い志で務めて良いものなのか。ゲルダは呆れる。
着任してすぐさま気付いたが、白騎士団は特殊な場所だった。他の団とはあからさまに雰囲気が違う。訓練や業務をサボっている訳ではないのだが、とにかく生ぬるい。上下関係の境界が曖昧で、制服は乱れまくり行儀も悪い。
しかし、外面は良い。そして、何故か皆等しくあの変態団長を慕っているようなのだ。
彼らの献身的で臨機応変な対応により、団長の秘密は、未だ外へ漏れずに済んでいる。
「マクシミリアンはやれば出来る子なんだぜ?団長に就任したのは、何も家柄だけが理由じゃない。しっかりとした実績があったからだしな。それに、アイツは可哀想な奴なんだよ。ここを追い出されたらどこも行くところがないの」
「団長はガルシア家の跡取りでしょう?」
「まあな。けど、あの家は……」
ニコライは顔を歪め言葉を切ると、ゲルダの肩に手を置いた。
「とにかく、変な奴だけどよろしく頼むよ。白騎士団の連中は皆んなこれでも団長を好いてるんだ。その代わりと言っちゃなんだが、君の評価は最高点をつけておくから」
「それは、ありがたいことですけれど……。しかし、本当に世話係が私のような者で良いのでしょうか。未だに名前も顔も覚えて頂けないようだし、視線さえ合わないのですが」
ゲルダは抱えていた着替えをベッドに置くと、ニコライの隣へ戻る。
「ゲルダの事は聞いていた。能力の高い女騎士だってね。人事の評価会議でも度々話題に上っていたんだぜ?」
「ありがたいことです」
「会えて嬉しいよ。シャンピニ族の騎士は中央にもいるけど、女性は初めてだから。そんな細いのに扱うのはバスターソードなんだろ?」
「ええ。我々一族は剛力なので……」
10
お気に入りに追加
361
あなたにおすすめの小説
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
氷獄の中の狂愛─弟の執愛に囚われた姉─
イセヤ レキ
恋愛
※この作品は、R18作品です、ご注意下さい※
箸休め作品です。
がっつり救いのない近親相姦ものとなります。
(双子弟✕姉)
※メリバ、近親相姦、汚喘ぎ、♡喘ぎ、監禁、凌辱、眠姦、ヤンデレ(マジで病んでる)、といったキーワードが苦手な方はUターン下さい。
※何でもこい&エロはファンタジーを合言葉に読める方向けの作品となります。
※淫語バリバリの頭のおかしいヒーローに嫌悪感がある方も先に進まないで下さい。
注意事項を全てクリアした強者な読者様のみ、お進み下さい。
溺愛/執着/狂愛/凌辱/眠姦/調教/敬語責め
女の子がひたすら気持ちよくさせられる短編集
春
恋愛
様々な設定で女の子がえっちな目に遭うお話。詳しくはタグご覧下さい。モロ語あり一話完結型。注意書きがない限り各話につながりはありませんのでどこからでも読めます。pixivにも同じものを掲載しております。
教師真由美の密かな「副業」 〜教師と生徒、2人だけの交換条件〜
maity
恋愛
東京で一人暮らしをする高校2年の真壁優也は、担任教師の森沢真由美の美しさに心を奪われていました。
人妻でもある彼女への満たされぬ想いに苛まれる彼にとって、放課後帰りの真由美を尾行し、彼女のプライベートを盗み見することだけが密かな慰めだったのです。
ある日、優也は夕方の繁華街を尾行中に、いつもと違う真由美の行動を目撃しました。それは彼女にとって誰にも知られたく無い秘密…… 「副業」のため、男性相手の性感エステサロンに入る姿だったのです。
憧れの美しい教師の「副業」を知ってしまった優也の決意…… 彼は真由美が働く店で客として彼女を指名し、今まで触れることすら出来なかった彼女の体で、想い描いた性の願いを叶えようとします。
彼は教壇に立つ真由美の美しい後ろ姿を見つめながら、彼女を90分間だけ自分だけのものに出来る「予約」の日を待ち続けるのですが……
媚薬を飲まされたので、好きな人の部屋に行きました。
入海月子
恋愛
女騎士エリカは同僚のダンケルトのことが好きなのに素直になれない。あるとき、媚薬を飲まされて襲われそうになったエリカは返り討ちにして、ダンケルトの部屋に逃げ込んだ。二人は──。
【R18】騎士たちの監視対象になりました
ぴぃ
恋愛
異世界トリップしたヒロインが騎士や執事や貴族に愛されるお話。
*R18は告知無しです。
*複数プレイ有り。
*逆ハー
*倫理感緩めです。
*作者の都合の良いように作っています。
【完結】王子妃になりたくないと願ったら純潔を散らされました
ユユ
恋愛
毎夜天使が私を犯す。
それは王家から婚約の打診があったときから
始まった。
体の弱い父を領地で支えながら暮らす母。
2人は私の異変に気付くこともない。
こんなこと誰にも言えない。
彼の支配から逃れなくてはならないのに
侯爵家のキングは私を放さない。
* 作り話です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる