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魔王と勇者の蜜月
⑤
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「痛いのは嫌だな」
「傷はつけない」
首を撫でられ、僕はその手に傾く。片側の首筋を噛みやすいように差し出した。
セルジュは引き寄せられるように頭を下げ、無防備な肌に牙を立てる。カシカシと甘噛みし、舌でベロリと舐め上げた。もどかしい刺激に、僕は悶える。
「痛いか?」
「いや、いたきもちいい」
「またそれか」
セルジュがくぐもった笑い声を漏らす。それがもたらす振動にさえ敏感に反応してしまう。
「セルジュ、立ってられない」
助けを乞えば、セルジュは僕の尻を掴んで持ち上げた。僕は慌てて彼の首にしがみつく。
「嘘だろ」
僕はこれでも成人男子で、セルジュに比べれば細いのかもしれないが、それなりの体重はあると思う。しかし、セルジュは悠々と僕を運んでいく。
「軽いもんだ。抱えて空を飛んでやると言っただろう」
セルジュはベッドに僕を下ろし、自らの胸元を広げた。そのまま豪快に夜着を脱ぎ捨て僕にのしかかる。褐色の逞しい肉体が露になり、その迫力に圧倒される。ちらりと見えた彼の陰茎は雄々しく空を向いて勃ち上がっていた。
腰がずくりと疼き、陰茎の付け根がピシリと張り詰める。それと同時に、先日から毎日欠かさず解していた後蕾がヒクリと痙攣した。
身体が忙しい。
次々と襲いかかる快楽をどう扱えば良いかわからない。
セルジュを受け入れる者として何をしたらいいのか。
足は曲げればいいのか、伸ばせばいいのか。
僕の頭は激しく混乱しているというのに、セルジュの熱い掌は容赦なく僕の身体を這い回る。ついには夜着の中に滑り込み、素肌をじっとりと撫でられた。帯を解かれ、広げられた胸にセルジュが触れる。
僕はいたたまれなくなり、腕を上げて顔を隠した。
「オリバー隠すな」
「恥ずかしいんだよっ」
「俺は真っ裸だぞ」
「どんな顔をしたらいいかわからない」
「作る必要は無いだろう? 俺の愛撫に感じているお前が見たい」
「愛撫とか言うな」
「仕方ねぇなぁ……、そんなことを考えずに済むくらい乱れさせてやるから覚悟しろ」
セルジュはそう言うと、僕の乳首を摘んだ。
「いたっ」
「痛くねぇだろ、優しくしてる。ちゃんと爪も切ったしな。でもそうか、粗チン野郎が言ってたな。乳首は単独じゃなく、同時に責めろって」
物騒なことを呟いてセルジュが下に手を伸ばす。どうやら彼も、バーノンに色々聞いていたらしい。
セルジュは夜着の裾を薙ぎ払い、飛び出した僕の陰茎を握った。
「傷はつけない」
首を撫でられ、僕はその手に傾く。片側の首筋を噛みやすいように差し出した。
セルジュは引き寄せられるように頭を下げ、無防備な肌に牙を立てる。カシカシと甘噛みし、舌でベロリと舐め上げた。もどかしい刺激に、僕は悶える。
「痛いか?」
「いや、いたきもちいい」
「またそれか」
セルジュがくぐもった笑い声を漏らす。それがもたらす振動にさえ敏感に反応してしまう。
「セルジュ、立ってられない」
助けを乞えば、セルジュは僕の尻を掴んで持ち上げた。僕は慌てて彼の首にしがみつく。
「嘘だろ」
僕はこれでも成人男子で、セルジュに比べれば細いのかもしれないが、それなりの体重はあると思う。しかし、セルジュは悠々と僕を運んでいく。
「軽いもんだ。抱えて空を飛んでやると言っただろう」
セルジュはベッドに僕を下ろし、自らの胸元を広げた。そのまま豪快に夜着を脱ぎ捨て僕にのしかかる。褐色の逞しい肉体が露になり、その迫力に圧倒される。ちらりと見えた彼の陰茎は雄々しく空を向いて勃ち上がっていた。
腰がずくりと疼き、陰茎の付け根がピシリと張り詰める。それと同時に、先日から毎日欠かさず解していた後蕾がヒクリと痙攣した。
身体が忙しい。
次々と襲いかかる快楽をどう扱えば良いかわからない。
セルジュを受け入れる者として何をしたらいいのか。
足は曲げればいいのか、伸ばせばいいのか。
僕の頭は激しく混乱しているというのに、セルジュの熱い掌は容赦なく僕の身体を這い回る。ついには夜着の中に滑り込み、素肌をじっとりと撫でられた。帯を解かれ、広げられた胸にセルジュが触れる。
僕はいたたまれなくなり、腕を上げて顔を隠した。
「オリバー隠すな」
「恥ずかしいんだよっ」
「俺は真っ裸だぞ」
「どんな顔をしたらいいかわからない」
「作る必要は無いだろう? 俺の愛撫に感じているお前が見たい」
「愛撫とか言うな」
「仕方ねぇなぁ……、そんなことを考えずに済むくらい乱れさせてやるから覚悟しろ」
セルジュはそう言うと、僕の乳首を摘んだ。
「いたっ」
「痛くねぇだろ、優しくしてる。ちゃんと爪も切ったしな。でもそうか、粗チン野郎が言ってたな。乳首は単独じゃなく、同時に責めろって」
物騒なことを呟いてセルジュが下に手を伸ばす。どうやら彼も、バーノンに色々聞いていたらしい。
セルジュは夜着の裾を薙ぎ払い、飛び出した僕の陰茎を握った。
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