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僕とライカ
しおりを挟む小さい頃から僕達はいつも一緒だった。
ライオン獣人のライカと、ウサギ獣人の僕。
僕はお母さんに似たのか、小さい頃から外見が女の子みたいだった。お父さんのような立ち耳ではなくて、弱そうな垂れ耳。
「男は普通立ち耳だよな!」
「垂れ耳なんて変なのー!」
「お前本当に男か?」
同じ年頃の奴らには常にいじめられていた。
悔しいけど、僕には反抗する力も勇気も無かくて、じっと俯いて耐えていた。
そんな時いつも助けてくれたのは、ライカだった。
「何やってんのよ!?こんな事してあんた達恥ずかしくないわけ!!」
「げっ!ライカだ」
「くそ!行くぞお前ら」
自分よりも大きな男の子に対して怖気ずに僕を守ってくれていた。
「大丈夫?」
そっと俺の耳を撫でて汚れを落としてくれた。
「ありがとうライカ」
「どういたしまして!
でもね、あんな奴らにやられっぱなしじゃダメよ!
やられたらやり返さないとね!」
とてもかっこよかったんだ。
でも同時に、いつまでも守って貰っている自分が恥ずかしかった。惨めに思えた。
だから僕は決めたんだ
ライカを守れるような男になり、いつかライカに僕のお嫁さんになってもらおうと思ったんだ。
そうと決めてからは必死に体を鍛えた。
お父さんがこの国の騎士団員として働いているから、様々な事を教えてもらった。
騎士になるには、体を鍛えるだけではなく心も鍛える必要があるということを学んだ。
毎日お父さんからの指導に必死に食らいついて頑張った。
ライカもそんな僕をみて、かっこいいねって言ってくれたんだ。
あれから月日が経ち僕はお父さんと同じ騎士団に所属することができた。
ライカはあの頃のままお転婆なところはあるけど、綺麗に成長していた。
他の男達に言い寄られてるのを見ると腹が立つけど、それだけライカは魅力的なんだ。
数年たち、俺は副騎士団長になり、男爵位が与えられた。まだ20歳になったばかりで、異例だった。
直ぐに俺はライカに求婚した。
他の誰にも奪われたくない。
ライカは涙を目にためながら、喜んでくれた。
その姿はどこか儚さを感じたが、とても綺麗だった。
それからはとても幸せだった。
ライカは幼少期の頃とは見違えるほど、女性らしくなり出るところも出ていた。
結婚初夜は、お互い初めてで、ライカのどこを触っても柔らかく、口をつけると甘かった。
自分の手で形が変わる豊かな胸をやわやわと触ると、擽ったいのか身をよじる。
誰も触れたことの無い、蜜壷からはトロトロと透明な液が出てくる。
夢中で貪ぼると、甲高い悲鳴が聞こえてくる。
その声に我慢が出来ず、俺の息子を取り出し、そのままヌラヌラとしたその蜜壷にゆっくりと挿入していく。
苦痛に歪むその表情に、そそられるも、ライカに負担をかけないよう入れては止まり、入れては止まりを繰り返す。
やっとの思いで全てが入った時、ライカは苦しそうだけど、どこか嬉しそうでもあるそんな表情をしていた。
俺はそのままライカの手をぎゅっと握り、下半身をゆっくり動かし始めた。
時折ライカのしっぽを触ると感度が増すようで、腰をうねらせる。
まるで俺を誘っているかのようだ。
少しずつ抽挿を早めていくと、ライカから「あっあぁ!」と悲鳴が聞こえるようになってきた。
やばいライカの中の締め付けがすごくて、もうでそう。
「ライカっ!行くぞ!」
いっそう早く腰を打付けると、ライカの嬌声が聞こえたと同時に、ビュルっと熱い熱をその中に吐き出した。
ビクッと体が震えるライカは、肩で息をしていた。
優しく頭を撫でる。
「大丈夫か?」
「ん...ヒュー好きよ」
トロンとした表情に息子が再び反応する。
「俺も愛してる」
そのぽってりとした唇に口付けをし、再び俺の熱と、ライカの液が混ざって出てくる蜜壷に挿入する。
そのままライカを抱き上げ、対面に座らせる。
さっきまでより深く繋がったことで、嬌声が大きく漏れるライカだったが、俺に抱きついてきて、その快感を味わっている。
「ヒュー酷い」
「くくっまだまだだよライカ」
「ん....もう...幸せすぎて辛い」
そんなことを言って泣くライカが可愛すぎる。
思えば、あの頃俺より大きいと思っていたライカは、今では俺の腕の中にすっぽり収まってしまう。
愛おしい。
この幸せを噛み締めながら、一晩中ライカをベットに縛り付けた。
数ヶ月後ライカは身ごもり、うさぎの耳としっぽを持った可愛らしい女の子が産まれた。
俺の腕の中の小さな存在が可愛すぎる。
俺に似た特徴をしているが、顔は小さい頃のライカにそっくりだった。
誰にも、嫁にやらないと誓った。
そんな時俺は騎士団長になった。
前任が隣国との戦で片足を負傷し、歩けなくなったからだった。
その日から家なかなか帰れなくなっていた。
この国の国王の護衛として、様々な場所について行かなくてはならないため、1年のうち帰れるのは1週間あるかどうかだった。
余りにもライカと娘のミアに会えなくて、仕事を放り出したくなったが、いつもライカが「貴方なら大丈夫。私達は何時でもここで帰りを待っているから」そう言ってくれていた。
だから、仕事に集中ができた。
娘に忘れられて、「おじちゃんだぁれ?」と言われた時はショックだったが、ライカがフォローしてくれて、パパだよと必死に教えこんだ。
そして月日が経った頃
ライカが死んだ。
それは余りにも突然だった。
その日も俺は国王の護衛として出ていた。すると、家族の護衛を頼んでいるものからの手紙が来ていた。定期報告はさせているため、それかと後回しにしてしまったんだ。
翌日には帰る予定もあった。だから結局手紙を見ることを忘れていたんだ。
数ヶ月ぶりに家に帰ると、やけに静かだった。
執事のリオンが慌ててやってきて、挨拶するや否や、ライカが亡くなったことを伝えてきた。
は?ライカが死んだ?
なんだそれは
何かの冗談か?
そう言ったが、リオンの表情は変わらない。
慌ててライカの寝室に向かった。
そこには、ベッドを囲むようにいるメイドや執事、泣き叫んでいるミアの姿があった。
「旦那様...」
ライカ付きのメイドが入口に佇む俺に気づいた。
「ライカは」
メイドはゆっくりと顔を横に振る。
現実なのか
よろよろと覚束無い足取りで、ライカの眠るベッドに近づく。
「パパ.....
ママが死んじゃったのに!どうして居てくれなかったの!」
俺に抱きついてきたミアを抱きとめると、叫びながら胸を叩いてきた。
弱い力のはずなのに、とても痛かった。
「ごめんミア」
「パパなんか嫌い!嫌い!わぁあん!」
必死に俺に抱きついてくるミアをギュッと抱きしめる。
そのまま立ち上がり、ライカの元へ行く。
真っ白なドレスを纏ったライカは、まるで眠っているだけのように思えた。
だが、そう思いきれないのは、真っ白な肌と、聞こえてこない呼吸音。
本当に死んだんだ。
「ライカ...どうして...」
「旦那様...あの私ずっと奥様に止められ出て言えなかったのですが」
そういうとライカ付きのメイドは一通の手紙を渡してきた。
「...これは」
「奥様が生前に旦那様にと書かれたものです」
「そうか...すまないが俺とミアとライカだけにしてくれないか」
「はい承知しました。」
ゾロゾロと使用人達が出ていき、俺達だけになると、さっきまで堪えてきたものが溢れてきた。
「くっ...ライカ....ライカ」
ボロボロと溢れる涙は止まることをしらない。
そっとライカの頭を撫でる。
それはいつぶりだろうか。
家に帰っても、余りゆっくりできていないことが多かった。溜まっている書類の整理に追われ、休む暇もなかった。そんな中、ずっと寄り添ってくれたライカを、俺は....
涙をふき、さっきメイドから受けとった手紙を読む。ライカからの手紙何て初めてかもしれない。
そっとその手紙に目を通す。
「ふっ....くっ...」
あぁダメだ再び涙が溢れて止まらない。
『ヒューへ
初めてだね手紙なんて。
小さかった頃は私の方が強くて、小さかったヒューを何度追い払ったっけ。可愛かったな。皆んながどうしてこんなに可愛いヒューをいじめるのか分からなかったもの。
でもいつしかヒューが私より大きくなって、騎士団で頑張ってるって知って、私とても嬉しかったの。こんなに逞しくなるなんて思ってもみなかったのよ。
ヒューと結婚してからは何だかあっという間に過ぎて行ったわね。ミアが産まれて、あなたも騎士団長になって色々大変なこともあったけど、あなたはいつでも私達のことを大切にしてくれた。
長い間会えない時もあって、心配もしたけどヒューなら大丈夫っていつも自分に言い聞かせてたのよ。
私の心臓は少し前から限界が来てたみたいなの。
でも貴方を不安にさせたくないし、今の仕事を大切にして欲しいから、ずっと黙ってたの。でもね、お迎えが来たみたいなのでもういきます。私達の可愛い大切なミアのことをお願いします。
もしも...もしも願いが叶うのならば、生まれ変わっても、あなたと共に過ごしたいな。永遠に愛してるわ。
ライカ』
「うっ.....ライカ....」
俺はなんて愚かなのだろうか。
守ると誓ったのに!
何の為に強くなったのか!
誰の為にここまでの地位を築いてきたというのか!
全てはライカの為
それなのに、愛しい人は儚くなってしまった。
「パパ...」
「....ん....ミアどうした?」
「あのね、ママずっと待ってたの...パパが来るまでずっと待ってたんだよ」
そうか
ライカごめんな待たせてしまって。
今もこれからも...
ミアは大切に育てるから任せてくれ。
「ライカ...永遠に愛してる」
優しくライカの唇に最期の口付けをおくる。
ライカは心臓の病気になっていたらしい。気づいた時には治せないところまで来ていて、俺には知らせないようにしていたとメイドが言っていた。
「自分の事で困らせたくないって...さすがだよライカは」
何時でも明るく俺に寄り添い、ミアの良き母として共に歩んできてくれたその姿を俺は一生忘れない。
強さとは一体なんのためにあるのか。
俺はもう2度と間違えたりしない。
本当の意味で大事な人を守れるように...
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ここは....
俺は死んだのではなかったのか」
ライカが死んでから、俺は30年生きた。
ミアの花嫁姿も見れた。
絶対に嫁にやりたくなかったが、俺が認めた男だったから仕方なく結婚を認めた。
可愛い孫も3人産まれた。
3人中上の男の子2人ははうさぎ獣人だったが、末っ子の女の子は、ライカによく似たライオン獣人だった。
あまりの嬉しさに感激したのを思い出した。
「ヒュー」
どこからか聞こえてくる、愛しい人の声に当たりを見渡す。
「ライカ!」
あの頃と変わらない笑顔のライカがいた。
思わず走っていき、その体を抱きしめた。
「ライカ!ライカ!」
「ん...ヒューお疲れ様」
「うん...頑張った気がする」
「ヒューは偉いよ
色んな人を守ってくれたんだから」
「でも、ライカを守れなかった」
「それはしょうがないのよ...私が隠しちゃってたんだし」
「たしかにな」
「でも、これからはまた一緒にいられるから」
「本当か?」
「うん!また一緒にいられるから...だから今度は無理しないで...」
「あぁ...愛してる」
「私も愛してるわ」
ある国の騎士団は最強と呼ばれていた。それはどんなに劣勢でも、最後には勝利を手にしていたから。その時の騎士団長は後世まで語り継がれたのであった。
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