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決戦
第4話
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「アリアネス…あれだけ良くしてやったのに、恩を仇で返すつもりかな?」
「あら、あなたに恩なんて感じたことはありませんわ。むしろ記憶を封印して好き勝手に操っていたこと、わたくし死ぬまで許しませんわよ?」
「っ!くそっ!離せ!」
バライカは自身の力を使ってアリアネスを引き剥がそうとするが、いまいち力が出ないことに気が付いた。そしてあることに思い至り、ハッと後ろを振り返る。
「お前ぇ!」
バライカの憎悪に満ちた声に反応したのは、磔にされているオネオンだった。力無く項垂れていた頭をゆっくりと持ち上げると、血の気が引いた真っ青な顔でニヤリと笑う。
「お前の…好きには、させ…ないさ。」
「オネオン!!!」
マリアが悲鳴をあげる。オネオンが杭によって動きを封じられていた右手を己の力で引き戻したからだ。もちろん、夥しいほどの血が手のひらから噴き出す。そして、左手も同じように引き戻した。
「お前!死ぬつもりだな!ふざけるな!お前はそうやって一生懸命苦しんで生き続けるんだ!」
血が流れすぎているのか、どんどんと目の力が失われていくオネオンをバライカが焦って怒鳴りつける。
「くそ!マリアガーテ!はやくオネオンに回復魔法をかけろ!」
しかしマリアガーテはマリアによって昏倒させられている。ぼんやりとし始めたオネオンを見て、バライカは盛大な舌打ちをしてアリアネスに掴まれていない手を使い指を鳴らす。するとオネオンの両足を貫いていた杭が消え失せ、その体が地面へと叩きつけられる。
「オネオン!オネオン!」
マリアがついにオネオンには駆け寄る。その頭を自分の膝の上に乗せると、血だらけになった顔をハンカチで何度も拭った。
「…マリ…ア?」
「そうよ、私よオネオン。あなたを迎えに来たの!私ね、あなたに愛する人がいてもいいの。あなたが幸せになることが私の幸せなの。だからお願いだから死なないで!私を、1人にしないでぇ!」
ボロボロと涙をこぼすマリアの頬をオネオンが優しく撫でる。
「…きみは…こんなに…なきむしだったのか…。いつも…笑っていたから…気づかなかった…。すまなかった…。」
「いいの!いいのよ!これから知って貰えばいいの!」
「…すまない…。」
「オネオン!!!!!」
どんどん命の灯が消えていくオネオンの体にマリアが縋り付く。アリアネスはバライカの手を強く握りながら、その光景を苦々しく見ていた。
「ねぇ、アリアネス。オネオンを助けたいかい?僕ならそれができるんだよ?」
アリアネスに悪魔が囁いた。
「あら、あなたに恩なんて感じたことはありませんわ。むしろ記憶を封印して好き勝手に操っていたこと、わたくし死ぬまで許しませんわよ?」
「っ!くそっ!離せ!」
バライカは自身の力を使ってアリアネスを引き剥がそうとするが、いまいち力が出ないことに気が付いた。そしてあることに思い至り、ハッと後ろを振り返る。
「お前ぇ!」
バライカの憎悪に満ちた声に反応したのは、磔にされているオネオンだった。力無く項垂れていた頭をゆっくりと持ち上げると、血の気が引いた真っ青な顔でニヤリと笑う。
「お前の…好きには、させ…ないさ。」
「オネオン!!!」
マリアが悲鳴をあげる。オネオンが杭によって動きを封じられていた右手を己の力で引き戻したからだ。もちろん、夥しいほどの血が手のひらから噴き出す。そして、左手も同じように引き戻した。
「お前!死ぬつもりだな!ふざけるな!お前はそうやって一生懸命苦しんで生き続けるんだ!」
血が流れすぎているのか、どんどんと目の力が失われていくオネオンをバライカが焦って怒鳴りつける。
「くそ!マリアガーテ!はやくオネオンに回復魔法をかけろ!」
しかしマリアガーテはマリアによって昏倒させられている。ぼんやりとし始めたオネオンを見て、バライカは盛大な舌打ちをしてアリアネスに掴まれていない手を使い指を鳴らす。するとオネオンの両足を貫いていた杭が消え失せ、その体が地面へと叩きつけられる。
「オネオン!オネオン!」
マリアがついにオネオンには駆け寄る。その頭を自分の膝の上に乗せると、血だらけになった顔をハンカチで何度も拭った。
「…マリ…ア?」
「そうよ、私よオネオン。あなたを迎えに来たの!私ね、あなたに愛する人がいてもいいの。あなたが幸せになることが私の幸せなの。だからお願いだから死なないで!私を、1人にしないでぇ!」
ボロボロと涙をこぼすマリアの頬をオネオンが優しく撫でる。
「…きみは…こんなに…なきむしだったのか…。いつも…笑っていたから…気づかなかった…。すまなかった…。」
「いいの!いいのよ!これから知って貰えばいいの!」
「…すまない…。」
「オネオン!!!!!」
どんどん命の灯が消えていくオネオンの体にマリアが縋り付く。アリアネスはバライカの手を強く握りながら、その光景を苦々しく見ていた。
「ねぇ、アリアネス。オネオンを助けたいかい?僕ならそれができるんだよ?」
アリアネスに悪魔が囁いた。
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