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第3章 魔導帝国ハビリオン編

ガンガンいこうぜ!

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普通のボスバトルってさ、勇者とその仲間たちで1体のボスを倒すもんじゃないの?
ボスはステータス的にめっちゃ強いから、仲間が必要なんだよね?

なのに!なぜこっちが1人で、相手がボス2体とその仲間達ポイズンビー&アントなんだ!!
勇者じゃないからか!?ちくしょう!!

(クイーンビーが2体にポイズンビーが4匹…それとアントが6匹か…ん?あれは…?)

近付いてわかったのだがクイーンビー達の後ろになにやら穴とその近くに大きな卵があるのが見えた

(…クイーンビー3体目とか言わないよね…それにあの穴はどこに…って、もしかして)

クイーンビーがいるってことは、ここがダンジョンの一番奥だと思うけど、穴はその先に続いている…
つまりあの穴の向こうにダンジョンコアがあるのかもしれない

(今は、卵もダンジョンコアも置いといて、あの人達を助けるのが優先だな)

そう思いさらに彼らに近付こうとしたのだが…

「ギチギチギチ!!」

(なんっ…!これは…!)

一体のクイーンビーがこちらを向き威嚇してきた瞬間、地面の抵抗率が急激に上がる感覚があり…そしてあっという間に地面から弾き出される

「ぐぅ…さすがダンジョンボスだ…」

万能感覚に土魔法…そしてダンジョンの主の3つの力で発見され地面から追い出されてしまったようだ、うぬぬ…中々やるな!

だがしかし!こっちだって負ける訳にはいかん!全力でいかせてもらうぜ!!

俺はすぐさま【闇の鎧ダークアーマー】プラス闇の剣と、【影達の円舞シャドウワルツ】を発動しながらポイズンビー達に向かって走る…

影達の円舞シャドウワルツでクイーンビー達の足止めに使う
ポイズンビー達がこちらへ向かってくるが、気流魔法で瞬時にスライスビーになった

「ギチギチギチ!」

2人を盾にする、という事もなくアント達は闇の剣によって簡単に切り裂かれる

地面に落とされた2人は気絶しているのか反応が無い
死んではいないので、すぐに【守護の光】で2人を包む…
一応土魔法とかに警戒して、ちゃんと全体を包んだよ?そこは抜かり無し!

「「ギチギチギチ!!」」

その声に振り返ると、タイミング良くクイーンビー達が拘束を破るところだった
…ちなみに言っておくけど、影達の円舞シャドウワルツって結構強力な拘束なんだよね…
ただ、いつも相手が悪いという…なんか不憫ふびん

「ギチギチ!!」

1体のクイーンビーが体を震わせると、その周囲に紫色の球体がいくつも現れる
もしかしなくても毒だよね?なんで浮いてんの?体から分泌されるんじゃないの?
そう思っているとクイーンビーが攻勢に出た

「ギチギチ!」

ビュンッ!!


「うわっと!」

その中の1つが俺に向かって飛んできたので、急いで回避すると毒の球体に当たった地面がジュワッと溶けた
…ひぃぃ!!もうこれ毒ってレベルじゃないぞ!?酸だろ!もはや状態異常耐性とか関係無くダメージ入るだろ!!

だが俺はそんなに心配していない…なぜならさっきの2人は結界の中にいるし、そしてここには彼らを除いて魔物と俺しかいない…つまり全力を出せるってことさ!

まずは魔眼発動!!相手は状態異常耐性を持ってないので確実に効くだろう…魅了が付く副作用?ドンとこいや!
どうせ倒さなきゃいけない敵だし、弱体化する要素があるならガンガン使う!

「ギギッ!」

恐怖効果と呪いと魅了を受けた2体は少し動きを止めたが、再び攻撃態勢に入った…
さすがダンジョンボスだな、だけど攻撃はこれで終わりじゃないぜ!

「【炸裂する火種エクスプロージョン】乱れ撃ち!」

クイーンビーの魔法耐性は【激減】だけど【無効】ってわけじゃないし、ひるまないわけでもないだろう…
なのでとりあえず撃ちまくる


ダダダダァンッ!!!


「「ギギッ!!」」

まるで花火のような火が、連続してクイーンビーに襲いかかり、魔法を受けたクイーンビー達は予想通り怯み少し後退した

本当は物理攻撃しようと思ったが正直怖い
相手はスライムとかポイズンビーのようなそこら辺にいる魔物じゃなくてボスキャラだし、今までのように剣を振り回して勝てるとは思えない

というか、物理的な武器が神秘のナイフしか無いのだ
あとで剣とか買ってみようかな…?

そんな事を考えていると、1体のクイーンビーがいきなり大きな声を出し始めた

なんだ…!?と思っていると気配感知に反応が出てきた
賢者先生によるとアーミーアント達が呼び寄せられているらしい…
コイツら…仲間呼びやがった!ずるくね!?

そしてもう1体のクイーンビーの尻の辺りからポイズンビーが持つような鋭い針が出現した

「ギギッ!!」

そのクイーンビーが針を俺に向けて突撃してきた

「針あるんかい!!」

思わず声が出てしまったが慌てて魔法を構築する

「【闇の盾ダークシールド】!」

目の前に縦横数メートルの薄紫色の盾が現れる…まぁ盾というより壁みたいだけど…

ガキンッッ!!

金属同士がぶつかったような高い音が響く
盾は半透明なので針が盾にぶつかったのがよく見えた

ガキッガキンッ!!

クイーンビーは盾を壊そうと何度もぶつかってくる、ヒビが入るのは時間の問題だろう
そしてもう1体のクイーンビーは回り込もうと動いている
そしてアント達も数は少ないが、この部屋へと入ってきているのが見えた

このままでは囲まれてしまう…
なんとかしないと…でもいい作戦が思いつかない…!

さっきまでは何とかなるだろうと思っていたが、やっぱり戦いの経験なんて無いに等しいから慌ててしまう…早く作戦を考えないと…

…いや…待てよ?


そこまで考えた俺は…考える事をやめた

そもそも作戦って戦う前に考えるやつじゃん…しかも俺、考えるの苦手だし…
ていうか仲間呼ぶクイーンビーなんなの!?凄いムカついてきた!こっち1人よ!?もう怒ったからね!?そっちがその気ならこっちだって暴れてやる!!

「カモンベイベー!!!」

そんな俺の叫びで闇の盾が消えたのと同時に、周囲にたくさんの魔法が現れる…賢者先生がクイーンビー達に対抗出来ると判断した魔法、全てだ
そして、突然の事に反応が遅れたクイーンビー達に襲いかかる魔法の嵐

そう…つまり【数(敵)には数(魔法)を】作戦!!


炎がアント達を焼き激流が押し流し、それを運良く回避出来た個体も巨大な石に押し潰される
鋭い風の刃がクイーンビー達の羽を切り裂き、闇から出現した数えきれないほどの手がクイーンビー達を拘束した
ちなみに氷や雷の魔法も見えたがあんまり効果は無さそう…

そんな魔法の嵐の中、俺は1体のクイーンビーに向かって走っていく

「おんどりゃぁぁぁ!!」

クイーンビーは拘束を破ろうとするが少し遅い…
地面に落ちたクイーンビーに闇の剣を振り下ろす

「ギャァァァッ!!!」

悲鳴をあげて暴れるクイーンビーだが…
やはり魔法では致命傷にはなっていないようだ、しかし!お忘れかね?俺にはコレがあることを!!

「必殺!ナイフ!!!」

無量空間から取り出したナイフを暴れているクイーンビーに投げる
ナイフはクルクルと回りながら、吸い込まれるようにクイーンビーの腹の部分に刺さった

「ギャギャァァァァァ!!!」

先程よりも大きな悲鳴…断末魔のような叫びを巣全体に響かせながら、クイーンビーはその命を散らしたのだった



…あれ?倒した…?





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